レノファを青黒の眼で東京から見るblog

レノファ山口を応援・分析します。

ザスパ草津群馬vsレノファ山口@正田醤油スタジアム群馬 2022年9月24日

まずは自分事なんですが、アウェイ初勝利でした!東京在住なんでアウェイがメインではあったのですが、ようやくアウェイでの勝利!ヤマグチ一番もホーム栃木戦に続いてようやく2回目(しかもゴール裏だったので選手目の前)と6得点で湧いたり、橋本健人のアシストを目の前で見れたりと個人的満足度がとても高い一戦となりました。

今回の勝利でレノファの残留がほぼ確定。日曜日の試合で岩手が破れたため残留が決定とホッとした1勝でした。負けられない戦い5連戦も2勝1分と勢いがついてきたようにも思えます。

さて、思いもよらない(失礼!)ゴールラッシュでしたが、今節は下記2つです。

 

1)池上の気が利く顔出し

2)圧巻の前と橋本。

1)池上の気が利く顔出し

今節は琉球戦とおなじメンバー・フォーメーションを選んだレノファ。対する群馬も同じメンバー・フォーメーションの4-4-2を組んできました。

群馬の非保持は4-4-2というよりかは多少4-3-2-1というか4-4-1-1のような47川本が最前線でボールホルダーに対してコースを限定するような形。生駒に対して寄せた場合、前へはRSH10田中が出てくる形でした。7:20などは40鈴木が佐藤謙を消しつつ田中・川本で追うことで、レノファ陣の低い位置でのボール奪取をされてしまい、あわや決定機というところまで運ばれてしまいました。その流れのゴールキックの場面、いつものように佐藤謙がLCBの位置に落ちるパターンのところでは、川本が最前線から追い、田中には細貝、生駒には鈴木と蓋をされており、注文通りに前線へ関は蹴らされてしまいました。高い位置で奪ってサイドから攻める群馬の狙いが見えた気がしました。

続くCKもゾーンで守るレノファに対して40鈴木がするするとエリア外に出て、そこへピンポイントの岩上のボールからのダイレクトシュート。これも決定機。残りのセットプレー鈴木はほぼファーサイド、一番奥にいたので一発目にやるということで用意してきたセットプレーだったと思います。群馬のこの試合まず先制点という気概がここでも見れました。

しかし、ここで相性が悪いこのスタジアムでズルズル行かなかったレノファ。まず前半存在感を発揮したのが池上だったと思います。10分。佐藤謙が落ちている状態で田中がアンカー位置。ただ、ここには先程と同様に細貝がいました。そこで池上がその脇で受けます。群馬10田中が15前にも行けるように高い位置を取っていたので、田中の背後にいるフリーの橋本へつけて、そこから高井へ展開。とまず相手のプレスをいなし前進することに成功します。この流れから相手陣へ押し込む展開に。

その前にも決定機を迎えていたシーンも有りましたが、右に左に顔を出し裏を抜けるプレーなどもサボらず、ボールが動くたびに田中渉とともに細貝、岩上を翻弄していました。そして12分あたりで佐藤謙からボールを受けた池上。そして岩上と細貝はそれぞれレノファの左サイドによってしまっていたので、高井が抜け目なく人がいないバイタルエリアへ。左から右へ高井がボールを持ち運ぶのに合わせてスルスルと池上は右サイドのハーフスペースのところへ侵入。吉岡→梅木→池上と繋がりエリア内でフリーでのシュート。とマーカーの岩上を完全に置いてきぼりにしていました。

ブログを書くタイミングを逸してまだ出していない琉球戦もそうでしたが、池上は琉球戦でも幾度か右サイドのニアゾーンを取る動きや、このハーフスペースでのボールの引き出しを意識していたようにも見えたので、それが実ったシーンかと思います。

ただ、彼がより輝いたのはこの後の時間帯。16:30くらいにやはりボランチエリアに顔を出し、その後15前から左サイドの脇でまたボールを引き出して、とやっていましたが、すかさず名塚監督が身振り手振りで「お前をもっと前でプレーしろ!」と。

そして16:40佐藤謙が最終ラインへ落ちて後ろ3人で回すことで、前が川本の脇から持ち上がるスペースが生まれ、池上は群馬のセカンドラインと最終ラインの間の中間ポジションへ。前からのボールを引き出しワンタッチで田中へ。このワンタッチで細貝から田中はフリーになって余裕を持って右サイドへ展開。この流れから梅木のポスト直撃のヘディングへ繋がりました。

そして2点目ですね。佐藤謙への生駒の見事な縦パスから橋本へ展開。そしてやはり池上が細貝と藤井の間に位置取りボールを引き出し、そのまま吉岡へ展開。惜しくも吉岡のシュートはヒットしませんでしたが、梅木がこぼれ球を押し込み2点目を奪取しました。

飲水タイム開け後に群馬も流石に修正を加え、34分のところのようにRCB4川上が池上に付くようになってきました。既に20分のところで33細貝が自分の背後の池上に対して見ておくように指示を送ってはいました。ただその直後に失点を喫しているなど、おそらく群馬としては準備ができていなかったのかなと思いました。群馬としては前線から嵌めに行った際は縦パスを入れられ、ひっくり返されることで、ある程度広大なスペースを群馬のボランチの2人が見る展開になってしまいました。池上がこの空いたところを抜け目なく見つけてボールを引き出し、前半で2点のリードを奪うといった展開に持っていってくれたかと思います。

 

ただ、群馬の修正もあり、前半の終わりなどセットプレーなどで危ないシーンは作られました。群馬が4-5-1のような形で外切りで内側へ誘導するようなやりかたや上述した池上への寄せのように、ある程度強度を上げてレノファへ対応したことでインターセプトをされるシーンが散見されるようになり、後半開始から10分くらいまで群馬の時間が続いてしまいました。

 

2)圧巻の前と橋本

そんな群馬に対してレノファは若干高井に対してボールの引き出す動きについて求めたように思います。前半は主に池上が担っていた中間ポジションでのボールの引き出す動き。前半の平均ポジションは池上は梅木と重なるような形になっていましたが、高井はおそらくボールタッチ自体もそこまで多くなく、左サイドの高い位置に張ったり、スペースへ走るプレーが多かったと思います。(DAZNのHTの平均ポジション参照)

後半に入り、スタンドから前線の選手が近くなったのもありましたが、わかりやすく群馬のSBとCBの間に池上や高井が位置しボールを引き出す動きをしていました。梅木を含めて彼らがこのあたりでボールを引き出そうとすることで空いてくるのが、レノファのWB。橋本と吉岡です。後半は特に橋本はアシストを決めるなど目立っていました。
3点目はやはりこの動きから梅木がRSH加藤、RSB岡本、RCB川上の中間ポジションでウロウロと。岡本が梅木を気にして中に絞り気味。加藤は橋本を気にするものセカンドラインを気にしつつ中途半端なポジションに。そこへ田中渉からピンポイントのロングパス。橋本がドリブルで持ち運び、加藤がマークに付きに来ることで、この空いた加藤の位置に入ってきたのが前でした。そしてまあスーパーゴールは動画のとおりです。ゴール裏からすごいものを見ることができました。

前は前半からでしたが川本の脇から持ち上がるシーンが多く、この前の持ち上がりを気にすると橋本が空くなど相手のRSH田中や加藤に難しい対応をさせていました。背中でこのコースを切ってしまえば、とも思いましたが、そうすると高井などがまたその脇に降りてくるなどできていました。

前についてはこの試合パス数は125。成功数も113と9割の数字。生駒や佐藤謙、田中渉などと細かく繋いだかと思えば右足左足と使い分け橋本に長いボールをつけることで、相手のラインを押し下げるなどゲームをコントロールしていました。

また、橋本もこの試合は2アシストとなるんですかね。左サイドで素晴らしい存在感であったと思います。どこかでブログで書こうかなと思っていたことのなかに、橋本のパスを呼び込むようなスペースへのランがこの数試合見れていたと思っていました。町田戦などは特に最前線でウイングのように振る舞うシーンもあったりもしました。

 

上記はチームの5点目ですね。前からボールを引き取って、前方のスペースへ走る岸田へ。そしてもう一つ隣のレーンを駆け上がりボールを受けての中へのパス。高いのゴールに繋がりました。大槻監督が試合後インタビューで言っていた「後半コントロールを失った」と仰っていましたが、4点目、5点目あたりは両CBが釣り出されてしまったり、多少お互いのフォローをしていたのかもしれましたが、肝心のゴール前での守備についてはポジション的に甘くなっていたようにも見えました。そこをしっかり付いた高井と橋本のゴールであったかと思います。

75分には佐藤謙が大外へマーカーを引き連れていってくれたところに入っていき、そのままパスを受けてドリブルでゴール前へ。高木へパスをし自らゴール前へ。大外を空けるランだったのか、指示していたようなGKとDFの間へのボールが欲しかったのか、多少わかりかねるところはありますが、やはり新しい橋本健人の形が増えているように思えます。やはり今季中に1ゴール!期待したいです。

53:45の寺門の声ですかね「ケント戻れ!ケント!」と檄が飛んでおり、周りも良い意味で彼を甘やかさない雰囲気があるのもいいですね。

 

 

すみません、ちょっと仕事がちょうど半期を終えるところでかなり忙しくなっており、なかなかアップできませんでした。琉球戦も途中のままでどうしようかな、ってなっております。

そんな中、菊地選手の引退の一報が。フロンターレであれは何戦だったかもう覚えていませんが、長い距離を走ってのカウンターからのヘディング一発。お〜かっけ〜!!!なんて騒いでいたな、と昔の記憶が蘇ります。というかそのチームで横に山瀬選手いましたよね。こんな記憶を掘り出すとレノファで再会ってとても個人的には感慨深いものがあります。

大宮に所属していた塚本さんの件もあり、移籍した時はショックでしたし、こうやって引退を発表と成るとまた寂しい気持ちも出てきます。昔フロンターレの試合後に出待ち(バス乗り場のところで他のサポーターともども待っていただけですが)をしていたことがありまして、すごく丁寧に対応されていたことも思い出です。自分と年が近い人の引退は寂しいものですが、新天地での活躍を期待したいです。
そんな菊地選手が引退しても今のチームには生駒という新しい幹が育ちそうな予感。高橋くん同様にどんどん自信を持ってボールをまわす、FWへのボールへのチャレンジをするなど菊地というよりも渡部に近いかもしれませんが、頼もしさを増しています。

残留が決まった今。失敗を恐れずにどんどん伸びていってほしいなと今のDFラインには期待をしたいと思ったこの群馬戦でした。

ちょっといつも以上にまとまりがない最後でしたが、ここまで読んでいただきありがとうございました。もうちょい更新日狭められるように色々調整していきたいと思います。

文中敬称略

相手にとって嫌な動きだったのは?レノファ山口vsツエーゲン金沢@維新 2022年9月14日

勝点40に到達。とりあえず残留に向けて最低ラインには入ってきました。

今節はなかなかエンジンがかからないところで、小野原の特上の恩返し弾を食らってビハインドの展開。しかしここをあと少しで勝点3を取るところまで持ち込めました。

理想は逆転で勝ち切ること。仙台戦や横浜戦のように追いつくところまでは今節もできたし追いついた時間も以前よりも早かったし、交代策で逆転への道筋を作るところまではできた。

前向きに捉えて今節も振り返ってみたいと思います。

 

1)何とも言えない前半

2)5-3-2の「3」を動かす

3)5バックの両CBを動かしてそこを突く

得点者
山口               金沢

63分 前             36分 小野原

 

1)何とも言えない前半

レノファの並びは3-4-2-1。ボール保持では佐藤謙がLCBに落ちる形。4-3-3を形成。対する金沢はベースは4-4-2。ボール非保持時は4-4-2のように見えますが、山口がミドルゾーンに入る辺りからは18CH小野原がRCBの位置に落ちて5バックを形成。5-3-2のような形になっておりました。マンマーク強めの金沢ですが、特に強かったのがレノファ24成岡ー金沢19豊田と、19沼田ー18小野原の組み合わせでした。豊田は背中で成岡へのコースを相方の20林とともに消すとともに、強めに成岡へプレスバックを行うことで自由にさせず、小野原は沼田に対して前を向かせないようにときにはボランチ位置まで上がって潰すなど徹底をしておりました。

試合は見れていないのですが、何試合かは3バックのフォーメーションを金沢が敷いていたとのことなのでこのあたりはフレキシブルに行っていたのかと思います。

金沢のボール保持についてはシンプルにレノファのサイドのCBの裏へボールを蹴ってくるパターンと右サイドのRSB5松田を浮かして、RSH13大石をやはり裏へ走らせてそこでポイントを作るようなパターンがありました。

特に後者はプレスがハマらなかったと名塚監督がおっしゃっていましたが、沼田にしても橋本にしても捕まえるのが難しい位置にRSB松田がポジションを取っており、RSH大石もレノファの最終ラインに対して3トップのような形でCBを牽制し、LWBの橋本に対しても前に行かせないようないやらしい位置取りをしていました。28:30のところのように39庄司に沼田が付き、5松本に橋本が行くも間に合わず、橋本の位置が空いてしまったので、なんとか佐藤謙がカットをしましたが13大石が空いたスペースに走り込んでいました。もちろん34分のように橋本がでなければ松本が持ち上がることもあり、難しい対応を迫られていました。

 

一方で、ボール非保持の場面では、連戦の影響もあったためか金沢は前から行くというよりかはミドルゾーンに引き込んでからのカウンターを狙いたように思います。CFの2人はアンカーの成岡を消しつつ外へ誘導。立ち上がりの3:45あたりの佐藤謙から沼田へ渡ったボールのように、中間ポジションを取った沼田への縦パスから橋本・池上とつながるシーンはありましたが、上述したように沼田には小野原が厳しくマークに付きなかなか前を向かせてもらえず。

その他の場面でもコメンタリーのお二人に指摘されてしまっていましたが、「裏を気にしすぎている」「一本槍」といった調子で裏は狙うも金沢に狙いを読まれており、そのボールをカットされカウンターや右サイドへ丁寧につながれるシーンも見られました。沼田に比べて池上は割とフリーとなっておりましたが、右サイドをえぐった1本くらいで、左サイドからの攻撃が65%であった前半のスタッツでは試合に絡める時間が少ない状況でした。そんな中で決まってしまった小野原のロングシュートは波に乗れていないレノファにとっては厳しい一撃となりました。

 

ただ、それでも金沢がうまくやった前半であったかというと、どちらかというと金沢だが膠着状態の中一発ゴラッソが決まった。といった前半であったと思います。参考までにですが、前半の両チームのゴール期待値は0.4以下。ゴールに迫るというよりもペナルティエリア内でのシュートはなかなかできてなかった前半でした。

sporteria.jp

そして後半です。

後半開始直後高橋のパスミスからカウンターなど金沢の良い時間が出てくるかな?といった雰囲気もありましたが、まず守備で橋本が松田を捕まえられるよう高い位置を取る形を取りました。また全体的にもラインを高くしていたのでカウンターを食らってしまいそうな局面でもセカンドボールへすぐにチャレンジすることで、マイボールへするシーンもでてきました。

そしてそのセカンドボールをとった時など、前半ではすぐに裏へ蹴ってしまっていたボールを後ろへ戻してやり直すことや、時間を作って味方の陣形を整うのを待つなど急ぎすぎないことでペースを手繰り寄せる事ができたと思います。

 

2)5-3-2の「3」を動かす

ちょっと話が戻りますが、ではなぜ金沢は5バックを敷いたのか?

レノファのここ数試合成果が出始めている攻撃として、両ウイングバックが高い位置をとり、クロスやニアゾーンを取るプレーが多くなっていると思います。

例えば

横浜FCの2点目はRWB吉岡のクロスのこぼれ球をLWB橋本が大外から折り返した。

・3点目は左サイドから佐藤謙→高木とサイドを変えてからのクロスの流れ。

・町田戦は梅木からハーフスペースの成岡へ。意図とは違いましたが梅木がエリア内からのクロスで沼田。

など、大外のウイングバックをうまく活かつつ、クロスやニアゾーンをとるなどしゴールへ迫る場面があったため、金沢は5バックで幅を埋めてしまおう。シャドーを経由する時はそこは潰してしまおう。ということで小野原を下げた形になったと僕は考えております。もちろん僕が考えているだけであっているかはわかりません。

ただ、後半の形としてあったのが

・いつものように佐藤謙が落ちなくなって成岡と程よい距離でプレーできていた。(途中からまた落ちてはいた)

・高木のインサイドへの位置取りと両サイドのCBの周りへのアプローチ

があったと思います。

まずひとつ目はここ最近のお決まりですね。前半は佐藤謙が落ちて4-3-3。後半は3-4-2-1のような形でビルドアップを始めます。佐藤謙と成岡が横関係になった際に主にアンカーについていた13大石は片方の選手には付きますが、徐々にもう片方のボランチが空き始めそこから敵陣でのパスが回りはじめました。主に大石と藤村がそれぞれ佐藤謙と成岡を敵陣では見ていましたが、ここに前や沼田、橋本が絡むことで徐々にマークがはずれる選手が出てきました。

2つ目は吉岡がスタメンの際にはよく見られてましたが、RWBがインサイドでプレーをすること。人をマンマークで捕まえる金沢に対して高木が時折インサイドに入ることで、RWB高橋が上がる位置を確保する他、マーカーのLSB2長峰がなかなかついていきにくいところにいるためフリーで受ける場面が出てきました。(両サイドのCBについては後述。)

多少強引ですが、この2つの動きが実ったのが先制ゴールに繋がったファウルをもらったプレーです。

佐藤謙はここではLCBのところに降りていますが、成岡が独力で相手を剥がします。8藤村が付いてきますが、そのマークは苦にせずターンをして前線の池上へつけます。このパスで金沢の中盤3枚は池上のところへ。池上は生駒へ落としますが、画面外で高木は池上がいたシャドーの位置、インサイドへ移動。そして高橋がマーカーの松本が外れていますので、右サイドを駆け上がります。そこへ生駒からグラウンダーのパス。多少トラップは乱れますが、この時フォローに来ている高木はフリーであり、局面としては2対2であり相手背後にはスペースが。当然のようにワンツーで抜けようとした高橋を松本が引っ張りFK。成岡のパスを起点にポジションチェンジで大外からのクロス。山口が狙った形でFKを獲得した場面でした。

後半に入りボランチのところでパスが回せ始めていましたが、同サイドで行うことが多くなかなか大きな展開にはなっていませんでしたが、この場面では縦パスを交えつつサイドを変えていき、縦にも横にも金沢の「3」のスライド、この場面では主に松本ですが間に合わなくさせ、セットプレーからの得点で同点となりました。

 

3)5バックの両CBを動かしてそこを突く

そしてここからレノファとしては珍しくと言っては失礼ですが、交代選手でブーストが掛かります。シャドーの2人を交代させます。

その前に多少沼田に言及させてもらいます。小野原にうまくやられたというのもありますし、彼の特徴が特に生きるポジションではないので、求めてしまうのは厳しいとは思いますが、もう少し相手陣内で前をむくことやしっかりボールを捌くことが今後も求められるかと思います。12分の池上へのパス、23分の成岡へのパスなど違う選択肢、もしくはプレーの精度をあげていくことが、今後のこの位置で沼田が輝ける一歩になるのではないかと思います。前節のゴールや56分の場面で得点の匂いを嗅ぎ分けるのはこの試合シャドーで使われた4人の中では随一なので、まだまだ伸び代と思って見ていきたいと思います。

話戻して替わって入った田中渉と高井。この2人の特徴としてボールがもてることがあると思います。田中渉は佐藤謙が下がっていても、成岡と共にボランチエリアでボールを受けてさばけます。そして高井は2列目でそのボールを受けること、人を使うこと・使われることができます。

そして交代直後からゴールに向かうシーンが見られました。64分にはRWB高木のツートップ?というようなポジションにいたかと思えば、65分は左サイドを佐藤謙→橋本で破り、最後はエリア内で高木のシュート。

そして後半何回か似たシーンが見られたなと思うのが、LCB35孫大河の空けたポジション、右サイドのニアゾーンをとることが一つあったと思います。

66:35高木がタッチライン際でボールをキープ、田中渉が孫大河のマークを連れて背後を狙います。この時佐藤謙は後ろに戻すよう指示をしていましたが、ここが空いたのを見つけすかさずそこへランニング。高井が反対サイドから小野原をつれてきてしまったこと、高木のパスが弱かったこともあり、ここは繋がらず。

更に67分。やはり同じように高木が持ったところで田中渉が孫大河を連れて裏へランニング。やはり彼が付いてきているので、右のニアゾーンが空きます。そこへ田中はヒールキックで高井へパス。エリア内へ侵入します。

反対サイドでも同じようにCBを攻略します。68分高井が落ちてボールをキープ。RCB18小野原は橋本に付くため場所を空け、梅木がCB庄司を背負ってポストプレー。田中渉が小野原の位置を突きます。最後はシュートまで持ち込みます。どれもゴールとはなりませんでしたが、相手のCBをずらしそこへ侵入していました。

おそらくこの流れを嫌がったと思われ、柳下監督はCBの孫大河を交代させます。しかし76分。佐藤謙が田中渉が落ちていたこともあり、シャドーの位置へランニング。成岡をマークしていた毛利は松本へこの佐藤へ付くように指示を出しますが、松本は動けず。柳下監督からはCBの庄司が3黒木とともに梅木に付いてしまっていたためか、「庄司ー!庄司ー!庄司ーー!!!」と大声を出していました。ここも庄司と長峰の間に大きなスペースができておりました。ここは毛利にパスカットをされてしまいましたが、5バックを敷かれようとも縦パスを交え「3」を動かし、「5」も人の動きで場所を空けそこを突く。名塚監督の試合後インタビューの「押し込んだあとの背後の取り方は修正しました。」(引用元:renofa.com/archives/result2022/kanazawa-36/)とありましたが、このあたりが前半ではなかなか出せなかったところだったかと思います。

残念ながら勝ち越しゴールに至ることはできませんでした。何度最後の精度という言葉を聞いたかなと思いますが、やはりここに尽きるのかなと思います。あと6試合どこかで爆発する試合を見てみたいと次節以降に切り替えてもらいたいと思った一戦でした。

 

さて、本当は今日の橋本くんを書こうと思っていたのですが、もう5000字になるのでこれはまた何か別の機会がなにかにしようかなと思います。

で、台風なんですね!沖縄!てか日本縦断とか!悪天候のなかなうえ、中3日の難しい試合になるかと思いますが、この勢いのまま勝ち点3を期待したいと思います。

ここまで読んでいただきありがとうございます。

(文中敬称略)

やはり14番ver.2に期待をしたい。 町田ゼルビアvsレノファ山口@町田GION 2022年9月10日

横浜戦の勢いそのままに!という感じではありませんでしたが、アウェイの地で勝ち点3!残留争い5連戦を前にチームにも良い意味で余裕と勢いをもたらす白星であったと思います。

高井、前、成岡と新戦力がはまり、くすぶりつつあった沼田がゴールをするなど残留に向けて体制は整ったようにも見えます。

ただ、もちろん油断はできませんし、この試合も難しかったところもありました。今回は下記について考えてみたいと思います。

1)借りパクしたい田中、成岡、寺門

2)橋本はまだ引き出しがあるしチームの主役になれるはず

3)今日の高橋君ではなく生駒君

1)借りパクしたい田中、成岡、寺門

今節は両チームともほぼ同じような布陣。フォーメーションは同じ3−4−2−1。ボール非保持時に多少町田のほうが前から取りに行くような姿勢。レノファはある程度割り切ってミドルゾーンまでラインを下げていました。

また、町田ももっと後ろから繋いでくるかなと思いましたが、いつもよりかはロングボールが多めだった印象。お互いショートカウンターをされないようにと多少大事に行っていたようにも見えました。

この試合でもボール保持の場面では佐藤謙が左CBに落ちて、両サイドのCBがSBのような位置に。

対する町田は5−4−1のような形でレノファに対してプレスを掛けてきました。ヴィニシウスはアンカーの位置の成岡を消しつつ、ボールを持ったCBの位置の2人にプレスを掛けてきました。時折どちらかというと8高江が残りつつ、18長谷川がもう一つ前の太田修と平戸と並び用な5−1−3-1のような形になることもありました。

まずそのような町田の中盤に揺さぶりをかけていたのが田中渉。この数試合同様シャドーの位置から3列目まで降りてきてボールを受けて、動かすこと。また、彼が動くことで相手も引き出し、そのスペースを吉岡や梅木、反対のシャドウの高井に使ってもらうことなど相手の「4」の位置を揺さぶります。ボールを持てば左足で左右長短のパスを出すことのほか、シュートまでいく場面も。得点時はやはり佐藤謙からのボールをすかさず梅木に繋げたところなども良さが出たところでした。

 

そして成岡です。横浜戦以上にスペシャルだったと思います。アンカー位置で受けてもくるっと前をむくことで相手に飛び込ませない技術。ポジションの取り直しを繰り返すことでマーカーに絞らせない動きなど織り交ぜレノファのビルドアップを支えていました。

彼の真骨頂は時間は飛びますが、62:50でしょうか。

シャドウの2人は降りてくるものの、出しどころなく停滞をしてしまっていたところから、生駒からボールを受けると一気にターンをしてドリブル開始。マーカーの10平戸をかわして橋本とワンツーでハーフスペースを駆け上がり、最後はアウトサイドで梅木へクロス。梅木決めろ!!と叫んでしまいましたが、成岡の見事なプレーでした。高井が落ちてくることで、町田のLSB5深津を釣り出しており、深津が守っていたハーフスペースが空いているのを確認し、そこをすかさず使うクレバーさ。ほぼ1点もののプレーでした。

時間を戻して、前半の町田は上述した田中や成岡が町田18CH長谷川を引き出すような動きをしたことで、町田の2列目が「4」枚ではなく、「3」枚になり、その空いたところを使うことをレノファは心がけていたと思います。

 

そして後半、町田はそこを修正するためか長谷川と鄭大世の身長を活かすためかは不明ですが、CH長谷川とLSH平戸の位置を変更します。

この選手交代と位置の交代があり、後半は町田に多少ペースを握られてしまいました。今節でも後半から佐藤謙が落ちる形ではなく横浜戦同様3バックの3人が後ろでボランチ2人が前にという形でビルドアップ。ただ、53分には佐藤謙が奪われてショートカウンターを食らう場面や。56分のようにゴールキックから繋がれて、2奥村から鄭大世→長谷川とあわや失点というところまで迫られてしまいました。

ただ、ここで守備陣が踏ん張ったこともあり、上述の62分の成岡の梅木の決定機の演出、64分には高井の決定機も高江のマークを外した田中渉が関わっていました。目安程度の話ではありますが、ゴール期待値を見ると、町田の攻勢に対してこの若い2人が関わった決定機が町田へ流れを渡さず、その後の沼田のゴールまで流れを呼んだと考えることもできそうです。(sporteriaさんより引用)

sporteria.jp

 

 

2)橋本はまだ引き出しがあるしチームの主役になれるはず

そしてレンタル組ではなくチーム保有の若手で触れておきたいのがやはり橋本健人。前回のブログにも書いたとおり、今のフォーメーションやチームのやり方では橋本はパスの受け手になることが多いです。前半戦と役割が変わっていますが、徐々にアジャストし始めていると思います。現在のWBになりより高い位置を取ることで、よりゴールに関わる機会が多くなっています。例えば

13:45から。ゴールキックからの流れで一旦やり直して生駒がボールを保持。落ちてくる田中には10平戸がつき、ヴィニシウスは成岡を消しながら生駒へプレス。生駒は佐藤謙へパス。しかし、ここは前が大外で幅をとり、高井が22太田と8高江の間に落ちてくることで彼らをピン留め。佐藤謙へのプレスに行かせんません。そして佐藤謙から高井。高井はワンタッチで成岡へ落として、成岡もワンタッチで裏へ送ります。ここに走り込んでいたのが橋本でした。

パスの瞬間はオフサイドラインが画面に映っていませんでしたが(もっと引いてくれ…)、正直感覚的に13:52の静止画を見る限り、割と足からボールが離れているタイミングにもかかわらず、走り込んでいる橋本とオフサイドの基準となっていた13菅沼が同じラインであり、多分オンサイドだったのかなと。何より菅沼はオフサイドのアピールはしていないし、していたのは出し抜かれた2奥山でした。

ちょっと判定への不満(ここ以外にもたくさんありますが)を書きましたが、それほど橋本の抜け出しは秀逸だったと思います。(52分のオフサイドも惜しかったです。)

48分には関のロングボールから梅木が競って、RWBの吉岡がつなぎLWB橋本が最後クロスを上げる場面など、レノファの現在の配置上の妙というか、WBがWGの役割も担っており、橋本は時に前半戦でいう4ー3−3の沼田のような役割も求められています。

このシーンではクロスがそのままゴールラインを割ってしまいました。中はしっかり人数をかけれていたシーンでした。よく高木などはホームヴェルディ戦などで強く求めていましたが、彼には良いボールをあげることが期待できるので、もちろんゴールもですが、特にアシストでチームを勝たせることができます。

また今のポジションではシャドウの高井は橋本が上がる時間を作れる選手であり、後ろのLCB前は攻守においてとても気を利かせられる選手。橋本が受け手以外に出してでも活躍ができそうな選手が構えてます。橋本がこの位置で活躍ができれば自ずとレノファの勝利は見えてくる。そんなレノファを引っ張る姿を残り7節期待をしたいなと思います。

 

3)今日の高橋君ではなく生駒君

で、今節影のMVPに挙げたいのが生駒でした。何度かミスはあったものの、この試合のクリア数は両チームトップの9。裏を狙ってくる町田に対して身長を生かした守備の他、CFに入るボールへの寄せも含めてクリーンシートに貢献していたと思います。(sporteriaさんより引用)

sporteria.jp

その他にもセットプレーのターゲットとしても身長を生かしたプレーでゴールを狙っていました。

16:30の右CKでは、ゴール前の密集から一人だけぐるっと密集の中を迂回してゴール前へ。5深津をあとちょっとで置き去りにし惜しい場面。

また39分の右CKでも20分にショートコーナーから高橋のニアサイドでのフリックを見せていたので、今度はニアに走り込む高橋、梅木らをよそに大外に開いてヘディングシュート。と岡山戦での菊地のようなセットプレーでの働きでした。

また、これは高橋にも言えるのですがクリアボールを前線の選手につける意識が高くなっている気がします。単にクリアするのではなく、生駒で言うと42分に佐藤謙につけたところ、58分の高橋から梅木へのボールは繋がらなかったですが、カウンターを仕掛ける意識が以前のチームよりも高いなと感じました。名塚監督の「練習します」の効果なのかトランジションのスピードは暑い夏場を超えたこともあり、相手を上回る場面も少なくありません。ただ、カウンターを仕掛けるにあたって、やはりいかに相手のセカンドラインを抜けて前線へ通すかは大事になってきます。そんななか生駒や高橋など若手が積極的にチャレンジをしているというのは、もちろん質が伴わなければ自分たちのピンチに陥ることいなりますが、頼もしいなと個人的には思っています。

レンタル組の高い個人能力に支えれているところもありますが、チーム保有組も苦しみながら成長している、成長途中だなと今後に期待をしたくなるこの数節でした。

 

さあ、久しぶりのミッドウィーク開催ですね。しかし場所は維新スタジアム。正直ここを取れればもう残留争いとかは使わないでよいところまでいけるでしょう。今節の最終盤の守備固めで入れたアンカー渡部の頭上をボールが通り、中を固めたことで大外からのクロスの雨あられなど、ちぐはぐした最終盤などは流石にもう見たくはないです(笑)

しっかり2点、3点と複数得点を取っての勝利を願いたいなと思います。

 

ここまで読んでいただきありがとうございます。

(※文中敬称略)

試合終了直後の姿に残り8試合の期待を。レノファ山口vs横浜FC@維新 2022年9月3日

首位を迎えてのホームでの1戦。2点ビハインドと劣勢になるも、水戸戦同様ホームの声を背によくぞ挽回をしてくれたと思いました。

スタメンを見る限り、「戻ってきた選手」「あら、いないの?という選手」どうなるのかな?という興味と不安がありましたが、見事に勝ち点3まではいきませんでしたが、勝ち点1をもぎ取ってくれたと思いました。

タイトルにも出させていただきましたが、試合終了直後の「疲れた」「勝ちきれなかった」という肩を落とす選手たちに、佐藤謙や前、高橋などがすぐに声をかけ、「おつかれ。次もあるぞ!」と肩を落としがちな仲間を労っているような姿に、チームとして残りの8戦しっかり戦っていくぞ、という姿勢が見えたように思えます。そんな姿勢が首位相手でも盛り返すことができた要因の1つだったのかもしれません。

 

では今回は下記について考えてみたいと思います

1)並びが変わっても。

2)ボランチが前で受け始められた後半

3)出して側から受け手側に。



1)並びが変わっても

今節のレノファのトピックスは橋本の復帰と成岡のスタメン入り。

特に橋本はフォーメーションが3-4-2-1になってから初めての出場でした。また4−3−3に戻すか?と多少考えていましたが、並びは3−4−2−1を継続。橋本はLWBに入りました。「個人的には復帰戦でした」と試合後インタビューで語っていましたので、おそらく怪我での離脱だったのでしょう。※引用元:レノファHP

https://www.renofa.com/archives/result2022/yokohamafc-34/

また、成岡が早くもスタメン入り。渡部の欠場もあり前がLCBに入り、成岡がボランチの位置に入りました。この起用方法のためか、レノファのビルドアップの形が変わっていました。ボランチの8佐藤謙がLCBのような位置に落ち、15前がLSBの位置へ行くことで成岡のアンカーの4−5−1(4−3−3?)といったような形を取っていました。

横浜FCのボール非保持は4-4-2。前回対戦時では「2」の部分の片方がアンカー番、もう片方がコース限定といったかたちでした。しかし、今節は2枚のCFは成岡のコースを消し、その後ろの選手たちがレノファの前線の選手たちにそれぞれ付いていました。

積極的にボールを前線から奪いに来る様子もありましたが、どちらかというとコースを限定させる方に重きが置かれていたように思います。

レノファも自陣低い位置でボールを奪われることはなかったものの、前線が横浜FCの選手たちにつかまっていることもあり、前線にロングボールを入れてもガブリエウの壁に跳ね返さえたり、外回りにサイドへ追いやられてしまう場面が前半散見されました。

sporteria.jp

前半ゴールに迫った場面は4分の横浜FC陣内のスローインで成岡がうまく引っ掛けて取った流れの高井のミドルシュート。21分の相手ビルドアップを高井が奪い、成岡に展開して最後は吉岡の決定機だった場面と、相手陣内で奪ったボールをシュートまで持っていくことはできましたが、後ろから繋いで相手を押し込むような展開には持っていけませんでした。

後半レノファは形を変え、3バックの高橋ー菊地−前(+関)と佐藤謙と成岡のボランチをフォーメーションのままの位置でボールを回し始めます。ホーム仙台戦の後半のように並びを変えました。

前半の途中、17分や24分のように既に高橋が落ちて横浜FC16の長谷川が前に出てきた時に「どこ空くかな?」といった具合に見ており、正直前半から(最初から)やっても良かったと思いますが、後半は後ろ3人で回す形に変更していきました。


2)ボランチが前で受け始められた後半

そしてこの変更もあり変わっていったのはボランチの2人と右サイドの3人。

DF→ボランチへのコースが増えたこと。また、CB→WBへボールが出た際にボランチとWBの距離が近くなったことで、サポートが入りやすくなり、ボランチ2人のボールを触る位置が高くなりました。前半はどちらか一人であったり、外回りで相手の誘導に従う形でしたが、ボランチ2人が相手陣の中側でボールをさばけるようになり、セカンドボールの回収もでき始め、チームに勢いがでてきました。

そうなると今度はボランチエリアに田中渉が降りてきて、ボールを受ければ空いたインサイドに吉岡。また空いた大外のレーンには高橋とポジションチェンジをすることで横浜FCを揺さぶっていきます。いつもは高井が落ちてきてましたが、今節は田中渉が落ちてくることで、後ろと前線のリンクマンとしての役割を果たし、成岡とともに運動量とテクニックでチームの潤滑油として機能し始めました。

このようなイケイケの状態で相手のミスを誘い同点に追いついたことは理想的な流れであったと思います。※失点シーンは多少後述。

1−3になった後も75分には成岡→インサイドに入った吉岡→梅木(オフサイド)や、

77分佐藤→梅木→もどして佐藤→梅木がガブリエウを吊って空けた位置に高井→おとして梅木のシュート。

ボランチ2人が高い位置を取ることでチャンスクリエイトはできており、連続失点を喫するものの、勢いを相手に渡さず押し返すことができました。

2点目の最初に押し込んだきっかけは高橋→佐藤→成岡→田中と右サイドへの展開でした。ここはLSB亀川に取られるものの、田中渉の粘りもありレノファ全体で横浜FCを押し込む形に。ネガティブトランジションで全体で押し込んだこともあり、吉岡がまずボールを奪い中へ展開。もう一度ボールを奪われるものの、今度は前がやはり高い位置でボールを奪い返します。(徳島戦の試合終盤の白井をこんな感じで潰してほしかった。。。)

そしてもう一度吉岡に展開をし、橋本の折り返しの流れで梅木のゴールが生まれました。

ボールを失っても相手を押し込んでいたこともあり、横浜FCの攻撃のスタートが自陣深くであり、レノファもボールサイドに人を割くことができており、狙い通りのショートカウンターからのゴールではあったかと思います。

 

また3点目についても後ろ3人の並びに対して横浜の「2」の脇でまず佐藤謙が生駒からボール受けて、大外の橋本へ。アーリークロスは跳ね返されるも橋本がセカンドボールを競り、こぼれ球をやはり高い位置の佐藤謙が回収し右サイドへ展開しこぼれ球を成岡が蹴りこみました。

前から嵌め、クロスからの得点。ピンポイントで合わせての得点ではありませんでしたが、今節の名塚監督の言葉がある程度手応えがあったと捉えていらっしゃいそうな雰囲気でしたので、あと一歩!というところまで監督の中では来ているのかもしれません。町田戦や如何に。

そんな中でやはり失点シーンはいただけなかったかなと。前がかりになったところでオフサイド崩れでCB裏にボールを送り込まれてそのまま失点。PK。など似たような形でやられてしまっていました。オフサイドをとる守り方をしている以上、そのミスで複数失点をしてしまうのは横浜FCの質を差し引いても、今後のチームにも付け入らてしまわないよう改善をしてほしいです。

 

3)出して側から受け手側に。

そして個人的にもう一つ改善できそうと思ったのが橋本健人の関わり方。離脱前までは不動のLSBとして出場をしていましたが、彼の言葉通りですが、「サイドバックでは前が人が多い分、出し手になることが多かったですが、今は受け手になることが多いです。」とフォーメーション変更後の役割の変化を語っていました。引用元:レノファHP

出し手に対してのポジショニングについての反省を述べていましたが、チームとしてはやはり橋本に対して任せすぎでないかなと思います。右サイドが色々コンビネーションを交えているのに比べると、左サイドは橋本健人がやれてしまうのもあってか多少彼の単騎特攻が目立っていたかと思います。シーズン序盤のストロングの左では橋本−田中ー沼田のトライアングルでの崩しもありましたし、ここの練度が高まるとよりチームの精度が上がるかと思います。

ただ、この橋本の高い位置は魅力的ですね。出し手として低い位置で関わるのもよいですが、彼の1対1での思い切りの良さなどが発揮されるように思えます。今節は1対2のような形で失うこともありましたが、今後は右サイドから左サイドへ展開し橋本のクロスを中でしとめるような得点も生まれそうな気がします。

 

成岡君が素晴らしく、高橋君も守備で奮闘(いくつかは僕もファウルではないと思った!)。3失点はしてしまいましたが、徳島戦でのショッキングな負け方は引きずってはいませんでした。

twitterで拝見しましたが、3点目の後円陣組んで改めてチームの意図を確認していたとか。はじめに述べたように、試合後の労いやその姿勢は横浜FCに比べてポジティブな雰囲気を出していたと思います。山口一体!(秋田さんすみません)

まずは町田戦に勝利し、正念場の5連戦もしっかりチームとして戦っていってもらいたいと思います。

 

ここまで読んでいただきありがとうございます。

(※文中敬称略)

なんとも術中にハマった感がある。徳島ヴォルティスvsレノファ山口@ポカリスエットS 2022年8月27日

人数が少なくなっても勝ち取った勝ち点3。なんともこれがなかったかのように感じてしまう敗戦でした。

今年3度でしょうか、維新劇場がありました。ただ、それを相手にやられただけ、とも言えますが、シーズン終盤勝ち点が1でもほしいこの試合で、最終盤に勝ち点が取れなかった。このことが精神的なものにも響いてしまわないかなと勝手に憂いております。うまく切り替えてほしいです。

では、今節は下記について考えたいと思います。

1)徳島の5バックへの変更

2)徐々に運動量が落ちていったレノファ、落ちなかった徳島。

得点者

徳島           山口

28分 エウシーニョ    65分 高井

90分+5 内田

 

1) 

この日のレノファは変わらずボール保持時は3-4-2-1、ボール非保持は5−4−1。対する徳島はボール保持時は4−3−3。ボール非保持は4-4-2のような形で入りました。

レノファは水戸戦と同じような形5−4−1で中を固めて、岸田がアンカーの白井を消しながらコースを制限しボールを奪うことを考えていたと思います。しかし、岸田がコースを消しつつもなかなか後ろの4人の脇、特に右サイドのエウシーニョがボールを引き出しては縦につける、もう一度戻して中へ。など内田・カカと共に揺さぶりをかけてき、なかなか矢印を定めることができず、徐々に白井のところでもボールがサイドに振られるようになります。またここでもエウシーニョが桑原に対して兒玉(杉本)・西谷とともに起点を作り、攻め込んできていました。

一方レノファのボール保持の局面、山形や水戸とある程度菊地が浮く形を相手の対応のまずさなどもあり作れていましたが、今節の徳島はそうはさせてくれません。もう一つの逃げ道の桑原のところもRSBエウシーニョがジャンプして対応をしてきたこともあり、序盤は徳島にショートカウンターをくらうこと場面が散見されました。そうするとCF岸田めがけてのロングボールが増えますが、岸田は梅木ほど収められないのに加え、この日は沼田がなんとなく岸田からは遠く、3連敗していたときのようにCFが孤立している状態での展開が続いてしまっていました。

ただ、時間が経ち18:15の佐藤健だったり、24:30のシーンくらいからでしょうか、徐々に田中渉落ちてきてビルドアップに加わるシーンが出てき始めます。このような落ちるプレーを混ぜつつ前進ができ始めていました。展開として痛かったのが「レノファに流れが来るかな〜」と思った矢先で失点を喫してしまいました。

20分あたりからだったでしょうか、レノファがミドルゾーン辺りまで進めた際に、徳島LWG37浜下が最終ラインへ落ちて5バックの形を取っていました。

そして徳島は得点を取ったあたりから、山口のビルドアップ開始時から浜下を落として5バックとなりました。ポヤトス監督が試合後コメントで出されいたものを以下引用。

相手は前線の右サイドへダイレクトでボールを入れてくると予想していたので、それをコントロールしたかったからです。また、当初は前線に張っていた20番の選手(田中渉選手)が、途中から落ちるようになり1対2を作られていたことも要因です。もうひとつ、連戦の中におけるフィジカル面も考慮した上での判断です」

上記の田中渉の動きと同様に前節の菊地からRWB吉岡へ行っていたようなボールへのケアのため、この5バックを取ったとのこと。また連戦の疲れなども考慮に。

この徳島のシステム変更で彼らは多少前から奪いに来る動きが減り、後ろを固めて前線は中へのボールはやらせないような布陣となります。

しばらくは寺門や菊地がボールを保持するも桑原のところにはエウシーニョ、サイドチェンジをしても浜下が吉岡を離しておらず(31分や41分)、相手の出方を見る時間帯が続きました。流石に外循環だけでは厳しいので、34分には渡部→田中へ縦パス。ただ、ここは徳島の包囲網の中なので、捉えられてしまいました。しかし、35分今度は桑原が佐藤健がこの中に入り、自ら持ち上がり田中とのワンツーで深い位置まで侵入しました。また42:20ではスローインの流れから渡部→佐藤謙。沼田が徳島の「3」の脇に降りることで徳島CB6内田を釣り出し、そこへ田中渉が侵入しボールを受けシュート。決定機とまではいきませんでしたが、前半のうちに挽回しはじめた状態で後半へはいりました。ただ、徳島としてはある程度引いて守ることで前半を0に抑えて折り返すことができたとも見ることができる前半でした。

 

2)

やはり先制されているレノファとしてはギアを上げて得点をあげることが必要となります。そのため後半開始から取った策は前からのプレス。前半は岸田が孤軍奮闘というかそれぞれの息があっていないような状態でしたが、後半は高い位置からコースを限定しグループとしてプレスを掛けていきました。ただ、それは徳島も同じ。前半開始のときのようなお互いテンポの早い時間帯が続いていきました。

そんな中、最初のカードを切ったのがレノファ。高井と成岡の投入でした。成岡が入ることで後ろからのボールを引き出して前を向くプレーなど去年相模原で見せていたプレーを出していきます。もう少し高い位置でもこのプレーが出ると彼の真骨頂が見れそうです。

また高井を入れたことで岸田よりもより攻撃という指示がベンチから出されました。そんな中で生まれたのがあの素晴らしいFKでした。ここで畳み掛ける!という雰囲気ではありましたが、64分の嵌めたと思ったが沼田の股を抜かれて抜け出されてしまったところ、69分のカウンターから田中から吉岡へ渡ったところも、前に人がいなかったためかすぐに吉岡はやり直しを選択したところ、71分の高橋から中間ポジションの成岡へのボールがずれたところなど、ここぞというところで精度が落ちてしまい、流れを完全にレノファにもたらすことができませんでした。

そうこうしているうちに、失点直前に徳島は櫻井、田向、一美を後退で入れており、形を5−2−3、5−4−1のような形に変えておりました。この交代で元気になっていったのが7白井。櫻井が入ったことで彼に後ろでボールを捌くことを任せることもでき、持ち前の運動量を活かしてレノファの左サイドへ出ていくシーンが増えました。

また、前半途中から割り切った戦い方をしていた徳島。まだ白井のほか、西谷や兒玉などキーマンの選手たちにまだ違いを出す力が残っており、徐々にレノファは80分以降攻撃を受けてしまう展開が増えてしまいました。特に白井にセカンドボールを拾われることが多く、正直ここで白井を上回れる選手がほしかったなと(前という選手が。。。)

そのため最後のCKへの流れもこの10分徳島の時間帯であったこともあり、試合最終盤に起きても仕方なかった失点ではあったと思います。

徳島はこの試合初めての左CK。インスイングで来るボールはレノファは初めてでした。FKでは変化を加えられてあわや失点シーンというのもありましたが(59分)、CKは仙台戦の高木のニアサイド、と同じでした。児玉の話では、あのカカに当てる形はよくやっているとのことで、やはり警戒をして然るべきものであったと思います。

80分以降前から行くことが難しくなり受けてしまったレノファとは対象的に守備でリズムを再度取り戻しギアを上げることができた徳島。前半得点後からの5バックでの守備、後半に入っても的確にギアをあげていったポヤトス監督。アクセルは踏みっぱなしだったレノファ。踏んだまま突き抜ければよかったのですが、そうはうまく行かず。ミスをつく余力を残していた徳島。このあたりが勝負を分けてしまったのかなと思います。

 

では、何ができたのか?この試合でレノファデビューをした成岡。ボールを受けては前を向く・運ぶ・捌くなど期待を抱かせる選手でした。例えば60:48のFKの流れで、一気に相手のファーストライン、セカンドラインを飛ばして高井へ出したグラウンダーのパスは見事でした。試合終盤、レノファの攻撃は出てきている徳島のセカンドラインの脇を狙ったロングパスが多かったと思います。もちろん相手が出てきているのでWBが競り合ったあとのフォローなどもレノファのシャドウのほうが取れている場面もありました。ただ、そこから徳島へサイドに圧縮されたまま中へ出せない。こんな展開がありシュートまで持っていけなかったと思います。84分の池上へ出したラストパスなどは池上自身が悔しがっていたようにとても面白い狙いでした。

折角成岡がいるのであれば彼を使って持ち運んで相手を引き出してから中を使うなど、工夫があっても良かったのではないかと思います。前同様にボランチに機動力を持たせてくれる存在なので、W佐藤のような役割ではなくもう少し彼の個性も活かせたら良かったかなと思います。85分の桑原が抜けたシーンで並走する佐藤謙でしたが疲れなどもあってか、後ろでのフォローになってしまいました。しかし、ここで成岡あたりがもっと顔を出して受けていれば、後ろではなく横で受け、より相手ゴールへ迫るプレーが出せたのではないかと思います。

高井が最前線にいたこともあり、裏抜けがなかなか活かせなかったと試合後コメントにありました。解説の方も高井や吉岡がよく裏を狙っていると画面外の動きに言及もされてました。この動きを活かせなかったことで、CFですが高井は降りてきてしまう、サイドに開いてしまうなどボールを貰いに行く動きが増え、彼がゴール前でシュートを打つシーンを作れませんでした。後ろから最前線にいる彼にボールを届けることがこの試合では求められていたかと思います。梅木がもしかしたら怪我?で岸田と高井のみ(高木もいると思いますが)となるなら、より彼が降りて来ないようにし、ゴールを奪う仕事に専念させてあげなければなりません。

なので最後92分の成岡のクロスは合わせたかった。というか、中の兒玉と高井が同じ動きをしており、もったいなかった。。。それかもうワンタッチ中へ運んでも、、、

クロスといえば前半など深い位置を取った際は迷いなくクロスを上げていましたが、後半池上が入ったあたりからファイナルサードではより足元で受けたがる選手が増えたこともあってか、まったく見れなくなったのもどういう指示をベンチは与えていたのかなと気になるところ。もちろんニアゾーンをとることができていた前半でももう一歩インサイドへ切れ込むなどして中とタイミングを合わせる、相手をもう一つずらすプレーがでないかなとも以前より書いてますが、出していってほしいです。あ〜悔しい。。。

 

さ、悔しがっても試合はやってきますし、なんと断片的にしか知らないのですが、J2にもアウォーズができるとか?田中渉に年間ベストゴールを取ってもらいましょう。しっかり残留して胸はって取ってもらいましょう。

次節横浜FC、町田と上位は続きますが、水戸戦同様相手の形を見て崩すところまで行けていますし、臆することなく勝点を取りに行ってほしいですね。

ここまで読んでいただきありがとうございます。

(※文中敬称略)

小さな成功体験の積み重ね。レノファ山口vs水戸ホーリーホック@維新 2022年8月20日

待ちに待った勝ち点3!ようやくでしたね。選手一人一人が気持ちを切らさず90分戦い抜いてくれましたね。

前節から続く前のボランチ起用、吉岡のRWB、田中渉のLSH起用など現陣容の最適解がちょっとずつできているのかなという前半の出来でした。打って変わって後半は耐える!という展開の中にも気持ちだったり、ちょっとしたプレイでも水戸を上回ることができたことで勝ち取ることができた勝ち点3だったのかなと思います。

さて、今回は下記について考えていきたいと思います。

1)水戸の前半のファウル数2

2)必死なプレーの積み重なりの末

 

得点者

6分 田中渉

 

1)

アライバルインタビューで水戸の秋葉監督は「流動的な山口に対して受けるのではなく、前からアグレッシブにボールを奪ったら早くゴールに向かいたい」どこかで聞いたことのある言葉が並びますが、そのあとに水戸のスローガンでしょうか「獰猛性」「超攻撃的」を見せたいと仰っていました。

ただ、そのような水戸の姿は出させない前半となりました。

今節は4−4−2ではなく4−2−3−1の布陣であった水戸。

田中のスーパーゴールもあり水戸はとりあえず得点はとらないといけない展開に。ボール非保持時には22土肥がFWの位置まであがり4−4−2のような形。ただ、山形の山田康のときと同じように、そこにはいるけれどもあまり厳しくもなくはっきりもしてないような状態に見えました。そこに20梅田もとりあえずボランチへのコースは切るけども「じゃあ菊地は誰が見るの?」といった場面が散見されました。RSH7曽根田がここまでジャンプする機会もありましたが、間に合わず中途半端に出てしまうだけといった形でした。この試合最もレノファでボールタッチが多かったのが菊地でした。

そんな中、17:55の2菊地から49梅木へのロングボールの際に水戸CB21山田が転倒する場面がありました。このあたりからでしょうか。ちょっとずつ水戸のCBが後ろへ重くなり、梅木と沼田を離す展開が増えました。田中渉の試合後インタビューでもありましたが水戸のCBが一旦は田中につくも、レノファが梅木を使うことで、ディフェンス陣がその展開を嫌って徐々に後ろ重心へと行ってしまっていたかもしれません。

それもあってか、飲水タイム明けの26:50のシーンでは水戸の前線が多少整理され、7曽根田が多少高い位置にいることで、寺門→菊地へのボールにチェイスされてしまいます。菊地は安全にすぐにアバウトに前線へ蹴ります。桑原にはRSB黒石、田中には高岸が付いており、梅木のところでCBが待ちかえまえているかな?と思ったらCBの二人は梅木を捉えておらず。また28:10も相手のボールを自陣の高い位置で奪った流れから、やはり菊地から沼田。ディフレクションはあったもののここも沼田が収めることができました。31分にも繋がらなかったものの6渡部のフィードに対してもだいぶ水戸の最終ラインが低い印象を受けました。ボランチとの距離も空いているため、ここへボールを送り込むことでレノファとしてはあまり手数をかけずに前進をすることができていました。

また、ある程度ビルドアップに時間がかかっても、この日RWBに入った15吉岡が沼田のように裏へのボールへの積極性を見せ、前進に寄与します。LSBタビナスで身長では負けてても、水戸の最終ラインより奥へのロングボールを持ち前のアジリティとテクニックを活かし収めることができたため、より一層水戸の最終ラインは高さを取れない状況になりました。

そしてこの吉岡のRWB起用で恩恵を得た選手の一人がRCB高橋。試合序盤より解説の中島さんが触れられていたとおり、吉岡が中に切れ込むタイミングでしっかりオーバーラップができており、上がるタイミングを取りやすそうでした。

23分の菊地→吉岡→沼田→高橋がクロス。これが最もうまく右サイドが手数をかけないで崩せた場面だったかと思います。クロスの精度は伸び代ですね。直後に前が決定機のクロスをあげているので、次は高橋くんがこれだよ!!

 

水戸のうまくいっていない流れは、攻撃にも影響していました。レノファは5−4−1の形で「4」の沼田、前、佐藤、田中が水戸のビルドアップ時に彼らの間をやぶれせないように立ち、水戸を仕方なく外回りにさせるようにします。水戸はRSH7曽根田らが落ちてくることでこの4人を牽制しますが、曽根田の方は多少嫌な形を作られましたが、22土肥あたりが降りてきても、ただ前の人数が減ったような状態に。梅田の孤立をうんでいました。

この4人の間を割られても、その先の椿には高橋が、梅田には渡部が危なげなく対応。水戸の前線の選手の距離感が遠く、後ろに選手が多い状態でした。

水戸は一度中に差し込みたい、4人のどこかをずらしたい、とあったと思いますが、結果的にゴールに近づいていたのは梅田の裏抜けくらいであり、レノファは水戸の選択肢を削ぐことができていました。

そして水戸のボールの失い方が悪ければ、水戸の行いたいアグレッシブなディフェンスも出させることもさせません。レノファが奪った場所では水戸の選手も少ないので連動したプレスもでないので、レノファのボール保持はほぼ危なげない状態に。また、うまくいっていない水戸は「獰猛性」が出せず、34分の菊地→田中→桑原→梅木→桑原のシーンについては、本来なら田中のところでファウルしてでもここでとめていたと思います。このあたり秋葉監督の激怒にもつながるところかもしれません。

そんなうまくいっていない水戸の状態は表題にも出させていた「水戸の前半のファウル数2」という数字にあられていたのかなと思います。

※大分戦はちゃんとこのあたり水戸は戦ってましたね。「何が何でもリバウンドメンタリティ」を見せていらっしゃいましたね。流石です。

 

2)

後半は人数が少なくなったこともあり、5−3−1で水戸を迎え撃つ、耐える時間が続きました。

ロングボールを収められる梅木、飛び道具になる沼田を残しカウンターの芽を残しつつ、自陣で引くところは引く。などヒリヒリした展開。

梅木→岸田にし一旦プレスを整理。ただ、カウンターが打てなくなりつつあったので、3枚替え。多少高井のフリーダムさが見えてきたら岸田とポジションチェンジをし、その高井の特徴をカウンター局面で出そうとしたりなど名塚監督のなんとかやり切ろうという采配が出ていたと思います。

これは行けそうだなと見えてきたのは僕は83分〜85分のシーンでした。(遅かったですかね 。皆さんどのあたりでしたか?笑)

水戸CF15木下が高井が収めて無理せずバックパスをしたシーンで、このボールに木下は強くプレスをかけますが周りはあまり反応せず。その後も呼応した感じは見られず。その後右サイドに展開されますが、ここは高木が全力疾走の競り合いに勝ちナイスディフェンス。クリアボールに高井はオフサイドとわかっていたと思いますが、相手がもたつくところへファウル気味でも体を張って競っていました。

水戸の気持ちを見せるところ、体をはるところ、精度をあげないといけないところ、例を言えば水戸の交代選手、特にサイドのところでミスがありギアが上がらない。それを尻目にレノファはシュートまではいけませんでしたが、それぞれがプレーをやりきる場面が増え、攻められてはいましたが流れは水戸にはいききっていないと感じました。

気持ちだけでは勝てませんが、この小さな局面での積み重ねが最後まで耐える要因になっていたのではないかと思います。

 

そして今節は高橋くん守備で魅せてましたね。本人も「割り切るところはしっかり割り切って、全員でスライドしたり、スペースを埋めたり、人にも強く行くということを全員で話し合いながら、意識してやっていました。」とある通り、前半に比べ「3」のところを割られてしまうシーンもありました。51分の被決定機、「3」の位置のスライドの矢印をずらされたところ中へ差し込まれて一気にゴール前迫られましたが、桑原だったり高橋だったり、もちろん他の渡部、佐藤なども体を張っていました。ただ、高橋くんの65分だったでしょうか、木下への寄せは良かったです。

自分のポジションではニアゾーンへの侵入する水戸の選手に対してはしっかり吉岡や沼田と連携し侵入を防いでいました。このままあと10試合伸びていってほしいです。

 

さ、あと10試合です。下位との試合があるのでひっくり返される事もあれば、勝ち点を稼ぐこともできる。どうできるかは自分たち次第です。

終わったから言えることではあるのですが、11人対11人での90分はどんな展開だったのだろうか。もしかしたら負けてしまう未来もあったかも。。。というよりも後半レノファはやり方変えただろうか?ずっとロングボールを多用していただろうか?池上が復帰出場したらどんな形にしていたのか。

9月14日の金沢戦を皮切りに始まる現在のレノファよりも下位5チームとの直接対決までに、今日の試合を昇華した姿を見せてもらいたいです。

残念ながら次節は前の欠場は決定しておりますが、田中渉がまたボランチに入るのか、または新加入の成岡くんが入るのか?どんな形であれ、徐々に固まりつつある陣容に+αしどこまで勝点を伸ばせるのか、楽しみにしたいと思います。

ここまで読んでいただきありがとうございます。

※文中敬称略

流れをもう一度自分たちに! ファジアーノ岡山vsレノファ山口@シティライトS 2022年8月13日

7試合勝ちなしとなかなか厳しい試合が続いています。

菊地の試合後インタビューでの「最近の試合では距離感は良くできていると思います」とあるようにフォーメーション変更後より確かに上向いているとは思いますが、なかなか結果が出ません。7月以降の試合の7得点のうちセットプレーで5点。なかなか得点自体もですが、流れでの得点が取れていないのが現状です。

今節の岡山戦も追いつくまでは良かったと思いますが、そこからひっくり返す。それができなくても勝ち点1をもぎ取る。ここまでの馬力がまだ出せない。山形戦と似ているな〜と感じたこの試合、下記について考えてみたいと思います。

(※PKのシーンには特に言及しません。PKを取る審判なら取られるかなと個人的に感じたので)

1)与えてもらった山口ペース

2)奪い返したかった山口ペース。

3)色々用意していた?セットプレー。

得点者

岡山         山口

9分  チアゴ     26分 高井

22分  バイス     45分+3 菊地

65分  柳

 

多少、煽ったようなキャッチを書いてしまっていますが、山形戦と似ているなと思った理由の一つとして前半からペースを握ることができていました。小気味よくパスを回しサイドからの攻撃。その要因の一つとして対戦相手のFWの守備が挙げられると思います。

前節の山形は山田康の位置が定まっておらず、ファーストラインのプレスが曖昧だったことや、それに伴い山形のセカンドラインがファーストラインとの距離を詰めれていなかったことを挙げました。

今節の岡山についても前半は早々に岡山が先制をしたこともあってか、チアゴ、デュークの両FWのファーストプレスが甘く、LWB桑原をビルドアップの逃げ道にすることや、佐藤謙もしくは前へのコースもあまり締められておらず、ミドルゾーンへの前進が可能でした。また、ミドルゾーンでもプレスバックに来るシーンがあまり多くなく、やはりダブルボランチが余裕をもってボールを触ることや、岡山に跳ね返されたクリアボールについてもレノファとしてはセカンドボールをひろうことができ、相手陣内でサッカーをする時間が序盤から続きました。

試合途中で相手陣内でのパス数が岡山4に対して、山口が50を超えていたことがこの試合の前半を表していたかと思います。

そして今節のレノファのトピックスとして前選手の復帰がありました。今季の松本山雅ではRWBで使われていたようでしたが、今節の出場はボランチ。とても効いていたと思います。栃木戦の後半から使われているこのフォーメーション。前は時に佐藤謙の衛星のようにパスコースを作ったり、自分が動いてどのあたりにいれば味方が空くかな?といったような周りを活かすプレーをしていたと思います。

個人的に好きだったシーンが15:30からのシーン。左サイドでクリアボールを拾い、渡部→高井→佐藤謙→前→兒玉といったようにつないでいき右サイドへ展開したシーン。

まず15:35兒玉がボールを保持し一旦落ち着かせたところ。前は岡山LSB41徳元を見つつ右サイドへポジションを取っていきます。そして左手で沼田へインサイドにいることをさり気なく指示。徳元と河井の中間ポジションをとります。兒玉から高橋へボールが渡り、河井が高橋へ行く代わりに、佐野が前へのコースを代わりに背中で消します。が、2人が前につくことで佐藤謙への道が空きます。岡山としては本来ならもっとチアゴが消すべきコースであったかもしれませんが、高橋から佐藤へのパスが通ります。佐藤が前を向けば、沼田が前に指示をされたとおり、徳元とバイスの間に位置どっており、ボックス内へ入りクロスを上げるシーンを作れました。このシーンは岡山の最終ラインが下がったところに、梅木があえて遅れて入ることでペナルティマークのところでフリーになっていた場面でしたので、沼田にはここを見ててほしかったです。

ただ、それで終わらずこのクリアボールを再度レノファは拾い、前がニアゾーンへの走り込み。梅木がニアで潰れたところ後ろから高井が入ってくるところを見ており、この試合流れの中では一番惜しいシーンを演出しました。これは岡山の河野を褒めるべきだったかと思います。

1点目のPK獲得前もセカンドボールを拾い、叩いて、もう一度受けて、大外の兒玉へのクロス。また、36分のシーンなどはさり気なくスローインからの流れで高井へのボールを戻し、箱の位置に入った沼田→裏を取った桑原といった展開にも寄与。結局オフサイドにはなりましたが、ネットを揺らすところにも絡んでいました。

このように田中渉とは違った持ち味を発揮しており、田中渉がもしかしたら一列前に上ることもありえるのかなと思う出来でした。

前半終了間際、急に焦ったかのようにプレスバックをしたデュークのファウルからのFKで同点に。レノファとしては2つのPKで失点はしましたが、岡山の守備がなかなかうまくいっていない状況を突いての得点になったと思います。そのため、これは後半流れがレノファに!と思いましたが、そうはならなかった後半でした。

 

2)

後半岡山の前線2人の守備意識が改善され、まずビルドアップのところでコースの限定がされます。中切で外誘導へ。そうすることで活きてきてしまったのが、この試合理解ができないレベルで走り回っていた岡山RSH田中。桑原へのコースを潰し、前節に比べてキックの精度が落ちていたGK31寺門は後半開始よりロングキックを選択することが増えます。また、48:55ではあわや失点というミスキックもでてしまいます。

この蹴らされてしまう、つい相手のプレスに対して蹴ってしまう、というところがこれまた山形戦に似ているな、と思ったところであり、結局良い時間帯はあれど結局敗戦してしまうことに繋がってしまったと感じます。

J2 第31節 岡山 vs 山口 時間帯別パスネットワーク図 | SPORTERIA

※sporteriaさんより引用させていただいております。

このように前半に比べてFWの位置が後半は遠く矢印も減っている状態でした。

この岡山が盛り返した状況に拍車をかけたのが後半16分の選手交代。仙波の登場です。システムを5−3−2へ変更。右の田中という槍の他に左にも仙波という槍が加わります。チアゴと永井でコースを切っただけなら面食らうことはなかったと思いますが、この2人がFWを追い越して2度追いをするボランチをケアするなど守備範囲の広さを見せます。71分などは前が最終ラインへ落ちて、CB2人をFWの2人が監視。佐藤謙がその間に入りボールを受けたと思った途端、自分の守備位置を放棄して仙波がプレス。佐藤→渡部→高橋とつながれば、レノファのチャンスになるところだったと思いますが、仙波の思い切りの良さが上回り、オフサイドとなり助かりましたが、あわやショートカウンターから失点という場面。このようなシーンを後半は数回作られてしまっていました。この選手交代でブーストがかかる相手、かからなかったレノファという構図も前節の山形戦と似ているとも思いました。

 

ただ、だからといってペースを奪われっぱなしになって良いわけはなく、もう少しやりようはなかったのか、と思います。

この試合、レノファがチャンスを作れていた形として複数人が関わり、ショートパスを繋いでサイドを攻略した事にあったと思います。

sporteria.jp

再びsporteriaさんよりお借りしました。ゴール期待値。両軍ぐっと上がっているところがPKのシーンです。0.8点換算。なのでPKを抜くとゴール期待値は0.82点対1.41となります。前半だけに区切ると約0.4対0.95くらいでしょうか。ただ、後半でいうと0.42対0.46くらいと前半に比べ数値は半分ほどに。そのうち0.1を稼いでいるのはCKからの梅木と試合終了間際の菊地の分かなと。そう思うと後半いかに前半のような形を作れていなかったか、というのを感じられるかと思います。

例として76分のシーン。

前がやはり最終ラインへ落ちて、後ろを3枚でまわしています。38永井に対して前、渡部で回し数的優位でボールを保持。この間に佐藤謙が岡山の5−3−2の「3」の脇に位置取ります。この岡山のやり方であればここの位置は空きやすくなるのでここまでは良いと思います。が、ここから9岸田へのロングパス。結果として岸田が粘りコーナーキックを取ります。そのコーナーもゴールラインを割ってしまってましたが、高木ニアそらしを無警戒だったのでチャンスになりかけていました。しかし、ここでこの選択ではなく、岡山CH26本山の位置に16吉岡18高木が入り数的優位の場所。本山は高木に引っ張られていたため、吉岡はフリー。画面で足しか映ってませんが、おそらく吉岡が前を向いたら高井がバイタルエリアでフリーで待ちかえまえていたと思います。

同じように80:50くらいでもやはり高橋→佐藤→高木への裏へのボール。ここも吉岡はフリー。確かにその吉岡につくために22佐野が前に出てきており、高木へのコースはできておりましたが、徳元がしっかりとケア。ショートパスを使い、時折裏を使うなら効果が出るかと思いますが、試合終盤この裏へのボールが殆どとなり、相手も予測はしやすくなっていたと思います。

そのため86分のところのように渡部→中間ポジションに入った高木→吉岡→高橋→佐藤→桑原のような変化がもっと先の時間にほしかったなと思います。また簡単に87分のように前→高井のように岡山の「3」の間に立つなどももっと出せても良かったなと。たらればたられば・・・。自分たちの時間をもう一度引き戻せなければ勝ち点は見えてこない。そんな終盤になってしまいました。

 

3)

この項ではちらっと2点目のゴールシーンについて。再開前に菊地、佐藤、高井で話し込むシーンが。見事にその菊地が決めてくれました。あまりにうまくいっていたので何がそれまでにあったのかなと見直しておりました。

結局確信も持てなかったのですが、気づいたことをちょろっと。このFKの場面までにレノファがCKやFKでクロスをあげたシーンが6個ありました。そのうちコーナーキックが4本。フリーキックが2本。

前段としてフリーキック時には岡山はバイスをファーから2番目の位置に置き、ラインを作って守備をします。コーナーキックではやはりバイスは中でファーから2番目。コーナキックでは27河井が渡部に、26本山が菊地にマンマーク

1分のFK、4分のCKなど菊地が大きな動きでニアに走りこむシーンが続きます。間の3分のCKでは梅木と渡部をスクリーンにし、CKにあわせるシーンもありました。12分のショートコーナーは相手も動かなければ、自分たちも動けずというもったいないもの。

39分のFKは高井が相変わらずオフサイド位置でウロウロし、菊地はペナルティアークあたりでウロウロ。左手で左の頬を触ったことがサインか、ニアに走りそこへ佐藤謙がグラウンダーのボール。本来ならもう少し高井がゾーンの一番前の佐野をスクリーンして留めることが念頭にあったのかもしれませんが、意表をつくプレー。

といった具合にこの試合菊地がトリガーとなったセットプレーが続いていました。そして47分のフリーキック。ここではゴール位置が近く、初めて岡山が壁を作っての対応。デュークや柳など身長の高い選手が壁に入ります。中の人員はバイスはいるものの、田中や河井など160cm代の選手が多くなります。そしてインサイドから佐野・田中・本山・バイス・河井の順でラインをつくります。

佐藤が蹴る瞬間、まず梅木がバイスを触りそのままラインを下げさせます。そしてバイスのあたりにいた渡部が彼の前の本山の目の前に入りこみます。そしてタイミングをずらして菊地がそこに入ります。14佐藤162cm、26本山171cmのところに、渡部186cm・菊地182cmが入り込み、ドンピシャのボールが来れば制空権はレノファに軍配。この本山はCK時に菊地のマーカーでした。ある程度外すことなどもできそうであることを蹴る前に伝えていたのか、試合後インタビューで言っていたように「蹴る前に(佐藤)謙介にどこのポイントに蹴るのかを確認しに行って、あのようなボールを蹴ると伝えられたので、信じて入って行った結果、良いボールが来ました。」となったのかなと思います。

 

さて、最後に高橋くん!寺門と共に今節はちょっと乗れなかった試合となってしまったかなと思います。仙台戦同様チャンスで枠に飛ばせないシーンがあったほか、LSH佐野にボールを奪われる、運ばれると難しい対応を迫れれていました。また、2失点目は高橋くんがしっかり繋いでいればあのカウンターはなかったかなと思います。ただ、この試合でも運動量は落ちませんでしたし、この試合は糧にまた活躍してほしいです。

 

twitterでも挙げましたが、昨年渡邉前監督が解任された31試合が終わり、勝ち点や失点が同じこと。下位との対戦が残っていることなど、名塚監督としても2年連続同様の踏ん張りどころを迎えていると思います。

次は維新スタジアムですし、もう一度「維新は勝つ場所!」を思い出し勝ち点3を掴んでもらいたいと思います。

ここまで読んでいただきありがとうございます。

※文中敬称略