レノファを青黒の眼で東京から見るblog

レノファ山口を応援・分析します。

なんでも氏への感謝と去年のブログについてちょこっと。

完全に私信なブログですが、興味ある方、お付き合いいただければと思います。

タイトル通りと返信と僕のブログについてなどをつらつらと。

 

まず、なんでも氏。そもそもこの呼び方で失礼かもしれませんが、このまま通させてください。

一旦、ペンを置かれるとのことでお疲れ様でした。また、昨シーズンより拝読させていただき、とても楽しく読ませていただきました。ありがとうございました。ツイートの「罵詈雑言」はなんでも書いてもらっていいですよ!って感じでした。分かりづらくすみません。笑

最後のブログがなぜか僕宛だったので、その御礼といつかお会いできたときに話したかったことを書いておきますので読んでいただけると幸いです。

 

では、完全私信ではないのでちょっと僕の話を挟ませてもらいます。

僕は2年前よりレノファ山口のブログを書かせていただいております。

書こうと思ったきっかけは、雑誌『Footballista』のオンラインサロン(昨年で閉鎖)であるブロガーさんの講演を聴く機会があったのと、サロンメンバーのオンライン飲み会で別のブロガーさんにお話を聞くことがあり、自分もやってみたいなと思ったことでした。

この2年自分なりに何回か書き方を変えるなど試行錯誤をしながら続けております。最近ではありがたいことに始めた当初では想像してなかったレベルで反響があり、ほかのブロガーさんと比べるとまだまだなのですが、もう少しこの活動頑張ってみたいなと思っています。

ただ、記事を書いていると『自分の考えうまく伝えられているかな?』『自分の考えあってる??』など、周りの評価だったりはやはり気になってしまいます。色々と些細なことにも自信をもてなかったり、あげたものに大して自分で落胆することもあります。この葛藤については今もおそらくこれからも持ち続けると思うのですが、やはり自分の理想としている書き方は頭の中にはあるんですよね。うまく表現できないだけであって。

 

で、いきなり僕の前に現れたのが、なんでも氏のブログでした。

見直したところ6月18日の第22節アウェイ東京ヴェルディ戦のブログでした。ヘナンが前半で退場してしまって負けた試合です。

この試合のレビューを書くのがほんとに難しかった。僕あまり『ここがダメ』『あんなところがうまくいってない』ということを書くのが苦手なんですよね。『難しい展開に』とか『痛かった』とか割と遠回しに書きます。なので正直この試合はタイトルからもうブレブレ。

【走る姿に心打たれるも悔しいが負けは負け】

書くこと定まっていなくて、とりあえず書いた感が出てますね~。。。

 

そんな僕のと違い、なんでも氏は

「弱点・課題に対しての解答策をシーズン後半戦に向けて用意してきたでしょうから。。。(中略) 特に何も無かった!」

「得点が選手の個人技とセットプレーにしか期待できないのって悲しくないですか?」

なんてばっさり切るわけです。で、もちろんその根拠になることも書かれていて、

「あ~こりゃ伝える力負けまくりだわ、自分の試合の理解解像度甘えな」、と当時流れてきたツイートにいいねとリツイートをしたのを覚えています。次の試合の甲府戦のブログを僕は飛ばしているんですが、理由は勝った試合でしたが、批判的なことを上手に書けてないとか、文章が気にくわなかったとかそんな感じの理由で飛ばしました。なんでも氏のせいですね。はい。

もちろん、ブログの出来の勝ち負けを競うものではないですし、そんな苦手な書き方で書く必要はないとリセットしましたが、それだけ個人的にはなんでも氏のばっさり切るブログが新鮮でした。この試合以降は自分のブログを書いてから、「どんなこと書いているのかな~」「自分とは違うシーン挙げられているな~」「僕はこのシーン褒めたんだよな~」など答え合わせではないのですが、ブログを読みに行くのがルーティーンとなりました。

特にこれがきっかけにではないのですが、自分なりにもう少し違う伝え方はないかな、こんな考え方を書いても面白いんじゃないかな?など1年目に比べて意識をして昨シーズンはブログを書いておりました。そのおかげなのか、ありがたいことに色々感想やお声がけをいただくようになっていきました。

 

前置きが長くなりましたが、改めてなんでも氏ありがとうございました。勝手に僕はブログで「自分はこう思っていたよ!」なんて会話をしている気分でもありました。半年くらいでしたがお世話になりました。同じブログという媒体を選ばれた方がいなくなるのは寂しいですが、時々レノファについて見てみようかなって思われたら、またイタチさんのラジオやレノファ次郎さん・アサヒさんのyoutubeや僕のブログを覗いていただければと思います。もしかしたら今季はプルスウルトラしているかもしれませんよ?

あ、フロンターレに興味を持たれたようで、その際は等々力のバックスタンドでお待ちしてますよ~。

 

さて、佐藤謙介選手ふくめて色々書いていただいたものについてほぼほぼ解釈いただた内容は間違っておりません。それについては次の記事で書きますので、もう半分の返事についてはお待ちいただければと思います。

では また。笑

 

ここまで読んでいただきありがとうございます。

文中敬称略、、、はしてないな。

レノファ2023年始動!ダラダラと各ポジションについての雑感。

2023年ついに始まりましたね。

山瀬が言っていましたが、ワールドカップも中断もあり、最も長いオフだったとのこと。レノファロスだった方々にとっても、このシーズンオフは長い時間であり、待望のシーズン開幕なのではないでしょうか。

いかんせん長いオフシーズン、「待ちに待った」というか「はっきりして!」というのは選手の去就だったかなと思います。

田中渉、橋本はもう今年はいないと昨シーズン頭には思っていましたが、意外だったのは高井。戻ってきたからまた腰を据えてくれるかと思ったら、J1挑戦。

高井が移籍したから、沼田は残るかなと思ったら沼田も2016年のジェフに次ぐ総入れ替えのような町田へ。昨期の振り返りのブログでも書きましたが、全く最終盤はチームに彼の特徴があっておらず、そういう決断をしてしまったか、、、といった印象でした。ただ、彼の前半戦の活躍が評価されたとのことなので、上の3人のほか岸田ら移籍する選手たち同様活躍を祈りたいと思います。J2の宿命ではあるものの、J2上位、J1勢に今年も引き抜かれていってしまいましたね。いやはや、、、

 

と落ち込んでも意味はないので、今季の選手たちの話をしていきたいと思います。まずはin-outを確認したいと思います。長くなるのでJ's Linkさんのサイトを参照

https://www.jslink.jp/transfer/2023/?c=yamaguchi



outが14人(引退含・昨年レンタル組含まず)で、inが11人(国本含む。総勢29人(A契約:22人 B・C契約:5人 HG枠:2人 おそらく)になります。

各ポジションの変遷は   

GK:4人→4人

DF:10人(夏の移籍1人)→8人

MF:11人(夏の移籍2人)→11人

FW:7人→6人

(2種登録・特別指定含まず 登録ポジションは去年に基づく)

となります。ちょっとスマートになった印象です。昨夏のように夏の移籍マーケットのためにA契約枠を残しているのか?と思う反面、もう1枚後ろの選手は必要なのではないか、といった印象もあります。

 

では各ポジションで雑感を。

a)GK

まず去年のスタメンとサブの2人が残ったことは良かったと思います。関のセーブ率は2年連続でJ2トップレベル。寺門も経験不足は多少ご愛嬌ではありますが、伸びしろもある有望な若手。それにレノファを長く知る吉満とJ2でも戦っていけるGK陣が今季も最後尾を支えてくれます。そこに加わったのが韓国からのルーキー、チェヒョンチャン。

大学選抜レベルの選手が新卒で加入ということを考えると将来の投資としては面白いのかなと思います。関、寺門、吉満と続き4番手からのスタートですが、寺門はマリノスからレンタルをしていることを考えると、新卒でレノファに複数年の契約で加わることは来季以降寺門がレノファを離れることになっても、今年の成長次第では大きな痛手にはならないことになります。

下記はゲキサカさんの昨年9月の韓国で行われた日韓の大学の交流戦に彼が出場した試合についての記事、彼の名前は出てませんが、記事の中盤に「その後は韓国GKの好守もあり」と、彼がただ2失点をしただけではないことがうかがえます。記事終盤に「韓国はGK以外のほぼ全員が日本陣内に入る徹底的な守備」とちょっと描写がわからん箇所はありますが、僕がツイートしたものと同じですが、この試合のチェヒョンチャンにフォーカスされたハイライト動画見てない方がいらっしゃいましたら是非。

全日本大学選抜は山田新2発も“鬼門”韓国で勝てず…互いに日韓戦ホーム負けなしの因縁は続く | ゲキサカ

youtu.be

 

b)DF

ここは10人→8人と単純な人数減ではないことは誰もがわかるところと思います。菊地・渡部の両ベテランが引退をしました。また、橋本がJ1への挑戦を選び、抜けた穴が他に比べ大きいセクションです(もちろん眞鍋も痛い)。

そこで補強されたのが鳥栖から松本、シンガポールからのレンタルバックの国本、左サイドバックに沼田。

まず左サイドバック、沼田から。橋本が抜けたものの、多少年齢的なものはあるかもしれませんが、左利きの本職の選手を確保できたのは良かったと思います。また、上背はないものの3バックの左にも対応できるというのは、昨年4バックと3バックでやり方を変えたレノファではありがたい能力です。

石川がすでに練習にも姿を見せていることから開幕からいけるのであれば、人数的には最低限揃えられたのかなと思います。新保がまた育成型期限移籍をしたのはかなり意外でしたが、この二人で計算がたったのかもしれません。まあ、育成型期限付移籍なのでまずくなったら、新保には戻ってきてもらうことができるますし大丈夫でしょう。

で、問題はやはりセンターバックです。菊地・渡部共にそれぞれスタミナだったり、プレー精度だったりが落ち始めていましたが、それでもレノファの中心選手であったことに変わりありません。菊地の高さやセットプレーで基準となる攻撃性能。渡部のフィードや思い切ったライン設定。また二人の経験値から基づくチームへのアプローチなど、他の選手の言葉からも信頼がうかがえる精神的な柱もなくなったのは心配なところです。(2人共クラブ内にはいるんですけどね。笑)

これについてはJリーグのレポートにもあるのですが、オフサイド奪取数が1位であったり、相手のATへのバス成功数が最少であったり、自陣での空中戦勝利数1位と彼らの力だけではないですが、彼らの特徴がチームのキースタッツとして出ていました。

jlib.j-league.or.jp

ただ、過去を振り返って羨んでも仕方ないです。新しい力が入っています。まず松本は自分でも発信してましたが「対人、ヘディングが長所」ビルドアップは苦手のようですが、菊地のようなエアバトラーを期待。国本はスペイン代表のラポルトを目標としているという左足。CB、左利き、188cmとスペックは申し分なし。シンガポールでどれだけ伸びてきたのか。ヘナンを脅かす、超えていくような選手になってほしいです。貴重なホームグロウンの選手でもありますし。両選手共にゴールシーンはセットプレーからのヘディングでしたので、得点源にもなってほしいですね。

また、既存戦力として前、生駒、高橋と昨季の終盤戦を支えたメンバーが残ってくれました。特に生駒、高橋は試合を重ねるごとに逞しさや自信が出てきていたように見えました。youtubeに上がっていましたが、高橋君は志願して「2番」をつけるとのこと。その思いを成長・活躍という形で今季見せてほしいですね。今季も期待の推しメンです。上本も試合に絡めるか?!

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c)MF

田中渉・成岡というお借りしていた選手たちが帰っていきました。仕方ない。いや、仙台なぜ田中渉を出したんだ。。。まあ、それはいいとして、

佐藤健太郎は引退してしまいましたが、佐藤謙介が残ってくれたのは朗報でした。MVPは田中渉と思いましたが、チームを支えていたのは佐藤謙であったと思っています。「チームをよく見ていた」とアウェイ数試合しか現地で見てない僕ですが、テレビでは見れなかったものを試合を通して感じておりました。特にアウェイ栃木。(この話はどこかで書くことになるかもしれないので、ここでは割愛。)今年も中盤の柱としてチームを支えていってほしいです。

そして新しく加わった力としてまず実績のある矢島と小林。矢島は使われる場所はフォーメーションによると思います。中盤がアンカーをおいた3枚であればIHでしょうし、ダブルボランチにするならその一角を担うことでしょう。持ち運ぶことやパスをさばくことなどできますし、得点にも絡めるJ2トップクラスの選手が来てくれました。小林も大分では多少力を発揮しきれていなかった印象ですが、山形では二桁得点を取ったことのある選手。なによりドリブルで仕掛けられますし、昨シーズンになかった左の武器になってくれそうな選手です。

若い力としては、東京ヴェルディから松橋、川崎フロンターレから五十嵐、大阪体育大学から野寄が加わりました。伸び盛の若さで田中渉のようなチームに推進力を与えてほしいと思います。

既存戦力に目を向けると、例年の光速契約更新がなくちょっとドキドキさせてくれた池上、昨シーズンレノファの誰もが得点を望んだ吉岡が今年もレノファの力に。後述するCFにはターゲットマンが増え、池上の右足には今年もアシストが期待されますし、吉岡にはレノファでの初ゴールが待ち望まれております。twitter見ている限り、吉岡関連のツイートは一番皆様反応してくれるんですよね、みんなの思いは一つ「吉岡ゴール」。ゴールといえば山瀬の24年連続ゴールもみたいですね。

そして、今年の4番の方。「チームの伸びしろはあなただ」と多くのレノファサポは考えていると思いますよ。神垣さん。

1年目から出れば気の利くポジショニング、どの仕事もそつなく及第点をとってしまう器用さ。ただ、あと少しでスタメンを掴めそうで掴めない、昨季は大怪我でシーズンを終えてしまった。ただ、背番号変更で背負った4番。大学の先輩の眞鍋の番号。彼自身も今季に掛ける思いが強いのではないでしょうか。神垣が務めるポジションはスキル以外に求められるものとしてチームを引っ張っていく姿、または縁の下の力持ちのように彼がいれば安心といったような存在感ではないかと思います。彼が一皮むけてそんな存在になったとき、レノファの順位も自ずと上がってくるのではないかと思います。

下記の動画のようなゴールに絡む仕事も期待したいです。(そんな存在になったら引き抜かれるんですが。。。)

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d)FW

また旅立った高井。ステップアップした沼田。トップスコアラーの二人が抜けました。痛い。確かに痛い。

ただ、見方を変えるとここはDF陣、MF陣に比べると穴は小さいと思っています。

理由1)高井は前半戦所属をしていなかった。沼田は後半戦チームとあっていなかった。
(沼田が前半戦のレノファを牽引してくれた。後半戦、ゴールがほしいときに高井の華麗なプレーが救ってくれた)

理由2)当たるときは当たるが、結構外れるときは外れるなど良いときと悪い時がはっきりしている選手たちであった。(ほんとに好調時の高井は止められない。沼田良い位置で待ってたな〜)

書き方って大事だなと思います。

穴は小さいとか書きましたが、二人を過小評価しているわけではないです。むしろ2人はステップアップしていったので。(町田は今季の町田の面々を見る限り)

ただ、見方によってはこういう解釈はできるなと思うのも反面あります。高井・沼田共に7点であわせて通期で14点。オナイウ阿道ほど取ってくれ!というのは無茶振りですが、山下敬大の11点くらいはCFの誰か取ってよね!というのは無理な注文ではないかなと思います。新潟のように二桁は行かないけど、前線の選手たちが複数人9点取っています、というケースもありますが、やはりJ1を狙うチームは二桁得点をとる選手がおり、チームが勝っていくというのは流れとして当然あるかと思います。

梅木・大槻の怪我での離脱など色々ありましたが、新戦力の田中のドリブルや運動量であったり、皆川の高さ・裏抜け、大怪我から復帰の河野と昨シーズンに比べて陣容は厚くなっていると思います。多くの離脱者が出なければ、MFの小林らも含め手駒としてはむしろ増えているとも考えられる前線となっていると思います。CFの皆さんイウリのような外国籍選手が。。。なんてこと言われないようにしっかり得点よろしくお願いします。

また、DFのところに貼り付けましたキースタッツに出ていた梅木の「後半戦アタッキングサードでのタックル成功数1位タイ」。岸田に比べるとプレス時にコースが消えてないかな、、、一人で行き過ぎてないかな、、、という印象でしたが、確かに奪い切るところは奪っていたな、と。こういう献身性含めてチーム生え抜き4年目。山下のように守備もできて二桁得点を梅木には期待したいところです。

 

長々と書いてきましたが、個人的に期待をしているのは河野。パリ五輪に行ってほしい!ステップアップどんどんして!山口の名前売ってきて!というのが願いです。変な親心を発動するなら、どうか1シーズン怪我なくプレーをしてほしいなと思っています。

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さて、皆さんの今年の推しは誰になったでしょうか。ぼくは書いたとおり、河野と高橋くんですが、一番初めに五十嵐の移籍が発表されたときにツイッターで「五十嵐くんについて知ってもらいたいな!」と思って、普段からよく見るフロンターレyoutubeから動画を拝借したら、結構反響があって、続いて野寄君。国本くんにMDも探すか。なんて各プレイヤーのyoutubeにあるチーム・大学の公式動画をtwitterで流していました。フォロワーさんやレノファサポさんは誰に期待しているかとかみれるな〜といつの間にか観測気球的に新加入選手全員分の紹介動画をツイートしました。

一番最初に投稿したことやフロンターレからの移籍ということもあってか、いいねが多かったのが五十嵐君でした。

しかし、大物は最後にやってくる。矢島の登場。一気に一番手に。皆さんの期待の高さを感じられるものになりました。インプレッションが一番多かったのはダントツでヒョンチャン。これはフォロワーさんのリツイートが大きく関係していたかなと。はてさて今年のユニフォーム売上ランキングは誰になりますかね。

練習見学も解禁され、いろんな方の画像をtwitterでおすそわけしていただいてます。レノファのYoutubeが1万人登録を達成したようですし、開幕に向けてどんどん盛り上がっていくことでしょう。推しのある生活。レノファが今年も始まりましたね。1年よろしくお願いいたします。

ここまで読んでいただきありがとうございます。

文中敬称略

得点に繋がった2つの最初で最後のプレー。 ポーランド対サウジアラビア 2022年W杯 match week2

こんにちは。または、はじめまして。

クロスバーと申します。普段はレノファ山口のレビューを書いております。今回【Qatar World Cup アーカイブ計画】の運営の方にお誘いいただき、このポーランドサウジアラビアの試合のレビューを記させていただきます。

まず、なぜこの試合を選んだかというと、単純にバイエルンバルセロナで得点を重ねるレヴァンドフスキがまだワールドカップで得点がないということもあり、彼を追ってみたかった。また、ポーランドサウジアラビアは日本代表がワールドカップ本線・予選で近年試合をしたことがあるという国ということもあり、現在のアジアの立ち位置など知ることができるのではないか、というのが動機でした。

ところが!サウジアラビアはアルゼンチンを破り、日本もドイツを下すなどアジア勢が強国を破るアップセットがこの試合が行われる前に起きるなど、僕の当初の想像と違った状態で迎えたのがこの試合。

今大会最初のサプライズを起こしたサウジアラビアがどんな試合をするのか?メキシコにほぼPK以外得点チャンスを作れなかったポーランドはいかに。

ポーランド寄りの目線ではありますが、下記について考えていきたいと思います。

 

1)メキシコ戦では見れなかったサイドの奥を取る動き

2)黒子役の献身

3)エースの得点がトーナメントへ導くか。

得点

ポーランド          サウジアラビア

39分 ジエリンスキ

82分 レヴァンドフスキ

 

1)メキシコ戦では見れなかったサイドの奥を取る動き

この試合での両国のmatch week1からの変更は下記。

ポーランド

⇒CH6ビエリクやRSH7ミリクを起用し、4-4-2のフォーメーションに。

サウジアラビア

⇒キープレイヤーのCH7アルファラジ、LSB13アルシャハラニが怪我で離脱。

と、両チームともに数名のスタメン変更があった。

まずポーランド。ボール保持の局面では、この試合スタメンで起用されたCH6ビエリクがCBの間へおち、後ろを3枚にしてSBを押し上げる形に変更。レヴァンドフスキは基本ボールが自陣にある場合はサイドへ位置し、レヴァンドフスキの位置へはLSH7ミリクが入っていた。20ジエリンスキはクリホヴィアクと並んだり、ミリクとポジションを変える、レヴァンドフスキのフォローなど各所に気を配るような位置取りをした。

ポーランドは後ろから丁寧につなぐということはあまりせず、寄せられれば躊躇なくロングボールを送るスタイル。早速5分LCB14キヴィオルから7ミリクへロングパス。ミリク→LSH24フランコフスキ→LSBベレシンスキ→20ジエリンスキとつなぎニアゾーンをとるなどメキシコ戦では見られなかった連携を見せる。

ポーランドはこのようなサウジアラビアのSBの裏へボールを送り込む狙いは終始徹底されていたと思う。

前半はDFラインでのぼーる保持時にはレヴァンドフスキがサイドに位置取り、ロングボールを引き出していた。彼がここでボールを収めるのでそれを追い越していくジエリンスキやCFの位置にいたミリクがサイドの奥への侵入を数は少ないながらも試みていた。後半については後述。

対するサウジアラビアはアルゼンチン戦のような思い切った高さではなかったが、ハイプレス・ハイラインは継続。ポーランドのビルドアップの難もあり、ロングボールを蹴らせてサウジアラビアがそれを回収する場面が序盤は続いた。

サウジアラビアのボール保持時はアジア予選で見せていたようなCBとCHを交えてのビルドアップ。ポーランドも時間帯によっては前節同様ハイプレスを行い、ショートカウンターにつなげる場面もあったが、基本ポーランドの前線2人のプレスはあまり強くない。ハイプレスの場面も一時の現象であり、メキシコ戦でもアンカー4アルバレスへのマークはガバガバに近く、この試合でも23カンノ、8アルマルキへは簡単にボールが繋がっていた。ポーランドセカンドラインがそこで奪いに行けば、サウジアラビアのドリブルを交えたライン間を使ってのパスワークに翻弄をされ、ピンチの場面が続いてしまった。そのため早々に後方でブロックを固めることへシフトチェンジ。メキシコ戦同様防戦一方になりそうな予感のする前半となっていった。


ところが、突如1つ目の【最初で最後のプレー】が発動する。

カメラに抜かれていたポーランドの監督ミフニェヴィチが懐からペンを取り出した瞬間だった(もちろんプレーと因果関係はない)。

38:40 サウジアラビアの10アルドサリの裏をとったRSB2キャッシュへGKシュチェスニーミドルパス。キャッシュはダイレクトにこれをこの時間RSHにポジションを移動していた24フランコフスキへ送り、あっという間にセカンドラインを突破。キャッシュはオーバーラップをしていき、最終ラインの裏をとってクロス。中でレヴァンドフスキがシュートではなくボールをキープし、中のジエリンスキへ送り、これをジエリンスキがゴールへ突き刺した。この間約15秒。緩慢にハイプレスに来たサウジアラビアの裏を見事に突いてみせた。おそらくシュチェスニーからSBへのこのようなサウジアラビアのファーストラインを飛ばしたパスはこれが最初で最後であったと思う。用意していた奇襲ではなさそうだったが、右サイドの深い位置を取ることを目的としていたポーランドの狙いが結実した。

 

対するサウジアラビアも勢いは失わず、LCB5アルブライヒ→CH23カンノ→CF11アルシェハリ→OH16アルナージ→RSB12アブドゥルハミド→アルシェハリとつなぎPKを奪取。ライン間を交えた攻撃がついに得点となるかと思われた。が、ここでシュチェスニーが立ちはだかり、1-0ポーランドのリードで前半を終えた。

後半に入り、サウジアラビは両SBの位置を変更。アブドゥルハミドがLSBに入ることで、アルドサリがボールを受ける回数が増えた。それもあってかRCB4アルアムリからのサイドチェンジが5:20に出たのを皮切りに何度も大きな展開からポーランドゴールを襲っていく。

後半から入った18アルアビドや23カンノとともに攻撃の圧力を強めていき、9分には10アルドサリがカットインから18アルアビドへパスを送り、こぼれ球をアルドサリがシュート。続けざまに23カンノとのコンビネーションからアルドサリから9RSHアルブライカンが抜け出してのシュートなどサウジアラビアのゴールが時間の問題のように思えた。

しかし、ポーランドが交代策で流れを押し戻す。

 

2)黒子役の献身

63分に20ジエリンスキに替えて13カミンスキを投入した。この交代策の狙いはおそらく2つ。

1つはポーランドの右サイドをカミンスキにし、押し込むことで、アブドゥルハミドの上がりを牽制。

もう1つはLSH7ミリクを前に上げて守備の負担・役割から外すことだったと思う。

ポーランドは基本押し込まれた際、4-4ブロックを崩し、サイドハーフが最終ラインへ落ちて、5バックや6バックをとる。4-4をたもつのではなく、相手SBに合わせてSHの位置を設定する。

この試合ジエリンスキ、ミリク、フランコフスキは何回かポジションを入れ替えている。そしてこの時間帯はLSHミリクが入っており、約束事の通り相手に合わせて最終ラインに入ることはしていたが、正直ゆるいところがあり、サウジアラビアRSB6アルブライクを離してしまっていた。そのためカミンスキを右サイドに入れ、右サイドにいた24フランコフスキをまた左サイドへ。ミリクは前線へと仕事場を移した。

個人的にはこの交代は見事だったと思う。フランコフスキはミリクよりも守備のタスクはこなす上、交代直後のプレーでミリクへあわやゴールというクロスも上げている。また、ポーランドの狙いであった右サイドの裏についてカミンスキを入れることでもう一度狙いを定められたと思う。

形としてはクリホヴィアクからのロングボールがカミンスキに入る場面が増えたことが挙げられる。この交代でようやくクリホヴィアクの足から効果的に前線へボールが配給される状況が作れた。

65分にはFKからクリホヴィアクから13カミンスキへ一気にロングボールがとどき、ワンタッチで中へ。いきなりレヴァンドフスキの決定機をお膳立てしたほか、26分のように流れの中でもクリホヴィアクからカミンスキへとロングボールが渡るなど、サウジアラビアのハイラインを逆手に取るようなプレーがでるようになった。そのため流れをサウジアラビアに完全に持っていかれることなく、時計の針を進めることに成功していた。

ボールの非保持時でもポーランドの両SHは現代的なフットボールではないかとは思うが、やはり最終ラインまで落ちることでチームの役割を果たし、ポジティブトランジションとなれば、前線へと駆け上がっていっていた。

 

3)エースの得点がトーナメントへ導くか。

そしてポーランドの待望の瞬間が訪れる。ポーランドのCFのプレスがあまり強くないこともあり、サウジアラビアのダブルボランチである23カンノ、8アルマルキはDFラインに落ちてのビルドアップをすることはほぼなかった。あった場合もレヴァンドフスキを動かすために落ちたプレーだったはず。おそらく【最初で最後の】アルマルキの最終ラインへ落ちてボールを受けたプレーでコントロールミス。個人的な推測だが、アルマルキの表情を見る限り、そこまでレヴァンドフスキが迫っていると思っていなかったのではないか。サウジアラビアの最終ラインのミスを現代世界最高のセンターフォワードが見過ごさずこの試合を決めてみせた。

試合最中でありながら見せたレヴァンドフスキの涙は彼が今まで積み上げたキャリアで欲していたものを叶えた嬉しさと、国を背負って戦う大エースが見せた安堵感のようなものが混ざった、感動的なセレブレーションであった。(参照:下記URL WELT紙)

WM 2022: Nach seinem entscheidenden Tor weint Lewandowski auf dem Rasen - WELT

 

試合はこのまま2-0で終了。ライン間を使って攻撃をしていくサウジアラビアとロングボールを交えラインの裏を狙っていくポーランドの図式でスタッツにもそれがあらわれた試合であった。

https://www.fifa.com/fifaplus/ja/match-centre/match/17/255711/285063/400235459?country=JP&wtw-filter=ALL

 

ポーランドはこの試合も無失点で終え最終戦を迎える。2試合を終えて無失点なのはブラジル、モロッコポーランドの3カ国のみである。塩試合、非現代的という言葉もtwitter上で見られるがこれもワールドカップの戦い方であり、守護神シュチェスニーと稀代の大エースレヴァンドフスキが引っ張るポーランドがアルゼンチンを抑えてグループリーグを突破するのか。個人的にはとても楽しみにしている。

サウジアラビアは破れはしたものの、勇敢な戦い方は気持ちの良いものであった上、なかなか乗り切れない日本に比べると、自分たちの色を出していることは好印象に映る。だからこそ彼らにも第3戦の勝利と決勝トーナメント進出を期待したい。

 

 

あれ?メッシにワールドカップを掲げてもらいたいとか言ってたじゃん!

そう。グループCは感情をぐるぐる揺さぶってくれる僕にとっては魅力的なグループになったのであった。

ここまで読んでいただきありがとうございます。

※文中敬称略

アルゼンチンvsサウジアラビア

90年イタリアワールドカップのアルゼンチンvsカメルーンの時もこのような

インパクトだったんですかね。

ここまで苦戦を超えて大苦戦をしていたアジア勢の3番手で登場したサウジアラビア。相手はワールドカップ優勝候補の一角のアルゼンチン。winnerの2−1でサウジアラビアが勝つ確率は36.1倍だった模様。下馬評通りに行かないワールドカップ。面白いですね。

さて、ささっと思ったこと下記のとおりです。

1)及び腰にならずに、相手陣での即時奪回(ファウル)、サイドバックを交えた攻撃。

2)ラインをあげることでアルゼンチンが選ぶサッカーを制限した?

 

 

1)及び腰にならずにサウジアラビアの色は残して。

ポーランドサウジアラビアの試合のレビューを書くにあたっていくつかのサウジアラビアの試合を見ていた時の感想が下記の3つ。

サイドバックが頻度高くあがる。

・前4人のこの突破力がある。センターバックはじめ速い選手が多い。

・時々前線のプレスバックなどゆるさが見られる時がある。

 

この試合でサウジアラビアはハイラインを敷いてきた。アジア予選のときに比べてもかなり思い切ったラインと感じた。イランがイングランド相手に5-4-1を敷いてかなり重心を後ろにしたのと好対照だった。

各識者の方々がおっしゃっていたが、ハイラインにするもアルゼンチンの最終ラインに制限はかかっておらず、アルゼンチンCHパレデスやデパウルらが1枚最終ラインへ落ちて、後ろを3枚にしたところでは、サウジアラビアの11アルシェハリ、7アルファラジでは1枚足りず、ボールの出どころは割とフリーになってしまっていた。この構図はイングランド相手にベタ引きをしてしまい、ミドルサードイングランドに制限をかけることができず「4」の位置をずらせれてしまったイランのように、ボールの出どころを抑えられなかった失敗例になるように思えた。現にオフサイドの新システムに救われるシーン含めて得点にはならなかったが、3回ネットは揺れていた。

ただサウジアラビアがイランのようにならなかったのは、アジア予選でも同じように行っていたサイドバックを絡めた攻撃を、ワールドカップの舞台でも行っていたことのように思う。

試合全体で打ったシュートは3本。2得点目の前に打たれたシュートが3本目だろう。打てたシュートもあの5分だけであった。だが、効果的であったとは言い切れないが、前半から両SBアブドゥルハミド、アルシャハラニは臆することなく、オーバーラップを行っていた。奪われれば即時奪還というよりも即時ファウル。相手陣に人を送り込むことでアルゼンチンのカウンターを最低限に抑えていたと思う。

特に好印象であったのはRSH9アルブライカン。アルゼンチンのCF22ラウタロ・マルティネスが左サイドの大外レーンへ開く際は、ハーフスペースに位置を移したLSH17パブゴメスのマークをアブドゥルハミドに任せ自分は5バックのような位置まで落ち、ボール保持になれば右サイドの体を張る担当として時間を作る役としてチームに貢献していた。

運も働いたオフサイドでの得点の取り消し、不運な?PKで1失点はするも、狙い通りのオフサイド奪取など自分たちのやるべきことは成し遂げられてた前半だったと思う。1点ビハインドは想定内。ハーフタイムでのサウジのロッカーでは「いけるぞ!」といった声が出ていたのではないかと思う。

そしてあの逆転劇が生まれた。

1得点目は相手陣でのボール奪回。23ケンノと8アルマルキの日本戦でもおなじみの2人でボランチ。このシーンではアルマルキがCB17アルタムバクティとメッシを挟んでボールをとりすかさず前線へ。9アルブライカン⇒11アルシェハリと縦に速い選択をし一気にゴールを陥れた。

そして2点目はロングボールをアルブライカンが競り、抜けたボールをRSBアブドゥルハミドが拾い、数分前同様にドリブルで持ち上がりクロス。18OHアルアビドのシュート含め2度跳ね返されるも最後は10アルドサリの見事なフィニッシュ。

結果論のような書き方で恐縮ではあるが、劣勢になりながら前半からナイフを研ぐようにサウジアラビアは自分たちの形は繰り返せていたと思う。それが結実した90分であったと思う。

 

2)ラインをあげることでアルゼンチンが選ぶサッカーを制限した?

最近のアルゼンチンの試合を見ていないので、何とも言えないのだが、本来はもっとショートパスを交え崩すチームであったと思う。しかし、サウジアラビアにハイラインを敷かれたことやオフサイドで取り消されながらも何度かネットを揺らせていたことでアルゼンチンとしては自動的に狙いは【裏抜け一択】とゆうかたちになってしまっていたのではないか。

もちろんこれでアルゼンチンが勝っていれば「裏抜けもできるしバリエーション豊かなアタッカー陣」といった称賛のされ方をしていたかもしれない。ただ、負けてしまった今アルゼンチンはあれで良かったのか?となってしまう。

序盤こそ13CBロメロがニアゾーンを取るシーンがあったりと、大外から斜めのボールの差し込みであったり、メッシのフリックなどあったが、時間を経るごとにディマリアが開いたところに後ろからのロングボールといったような大味な狙いになっていたように思う。サウジアラビアの最終ラインと同じところで4人が並ぶ時間帯も多く、【ライン間】【相手をスライドさせる・ずらす】といったような言葉は出てこない状態に。

次戦は試合巧者のメキシコとの対戦。どうなるかは見ものである。

 

7試合(決勝)を戦うことを考えているアルゼンチンとグループリーグ突破を目標としていると思われるサウジアラビアとのコンディションの差はあったっと思う。ましてやアルゼンチンは1週間前に各国のリーグ戦を戦い集合しているような状態とちがい、サウジアラビアは1ヶ月入念にキャンプを行っていたようなので、初戦の仕上がり具合というのはだいぶ大きかったのではないかと思う。

だからこその金星でありワールドカップの醍醐味なんだろう。

いきなり「1強とその他」と見られていたCグループが想像つかないグループになった。大会3日目。多少順当な結果が多くなるのかと思われていたところに、いきなり鋭いスパイスを効かせたサウジアラビアには拍手と感謝を送りたい。

 

 

ただ、僕はメッシにワールドカップをかかげてもらいたい。。。

 

ここまで読んでいただきありがとうございます。

(※文中敬称略)

2022年レノファ山口について

入れ替え戦がおわり、J2リーグアウォーズも終わり、今年のJ2リーグも閉幕ですね。ワンチャンベストゴール賞に高井のゴールが入るかなと期待をしていたのですが、残念でしたね。いろんな方がおっしゃってましたが、「山口」「かずま」選手とのことで、惜しい!いやちょっと山口がちがう!などうまくオチが付いてしまったなと思っております。笑

 

さて、2022年のレノファの成績13勝11分18敗勝ち点50 51得点54失点 得失点差は-3の16位でした。今期のレノファについて振り返ってみたいと思います。

(主な引用元footballlabさん 22年と21年のレノファの比較ページです)

チーム比較 2022年のレノファ山口FC vs 2021年のレノファ山口FC | データによってサッカーはもっと輝く | Football LAB


2021年は10勝13分19敗勝ち点43 37得点51失点 得失点差は-14の15位。
昨期に比べ得点が10点以上伸び、失点があまり変わらなかったこともあり、得失点差は大きく改善。勝ち点も久しぶりの50点台に乗せることができました。
順位自体は17位と1つ後退。昨年立てられた「2年でJ1昇格」という目標には残念ながら及ばない結果でした。シーズン途中5戦勝ちなし、7戦勝ちなしの期間もあり、なかなか波に乗れない時期が長く、順位としては納得をせざるを得なかったと思います。
しかしながら、難しい時期を過ごしながらもズルズルと順位が下がっていかずに終盤戦巻き返すことができたことは、来期につながるのではないか思います。
では、今年どんなだったかなと、振り返っていきたいと思います。

 

1)4-3-3の導入

非常に選手は前からアグレッシブにプレッシャーを掛けて、ボールを奪いに行ってくれました。その点は少しは見せられたとは思います。(中略)攻撃的に、守備をしていてもボールに、人にアタックしようということは言いました。前向きにどんどん出ていくということを言いました”

 

こちら名塚監督の試合後インタビュー。2021年シーズン32節ホームヴェルディ戦、つまり名塚監督の初陣のものです。1年前も今と言うことほぼ変わってない!以上! と終わるのは簡単なのですが、ちょっと深堀りをしていきたいと思います。

名塚監督の狙い自体は基本去年も今年も変わらず。昨年も渡邉前監督を引き継ぐというよりかは、だいぶ霜田元監督のやり方に戻した印象が強いのは誰もが感じるところだったと思います。フロントもそれを依頼していたのではないかと思います。そのため、就任後はまず「もっと前から奪いに行く!」という修正をすることで、時間的にも精一杯だったかなと思います。

そして今期名塚監督が取り入れたフォーメーションは4-3-3。

両ウイングが高い位置でサイドに張り、IHがハーフスペースを使いつつ、SBも積極的に攻撃参加。最終ラインは2枚でアンカーとGKを交えてビルドアップ。奪われたら即時奪還。ディフェンスラインも前線との距離を空けないようにハイラインをキープ。マイボールになればまず高い位置にいるウイングを狙う。だめなら最後尾からやり直しというのが狙いだったかと思います。

 

まずシーズン序盤に目立ったのが、橋本ー田中ー沼田の左サイドのトリオでした。
昨期名塚監督就任後は渡部・楠本らのロングボールやサイドチェンジを使いながら、割とシンプルに縦へ早く、というような展開が多かったように思います。

そして就任後の得点の内訳をみると10得点中6点がセットプレー(そのうち直接FKが3本)。流れからの得点というよりはセットプレーでなんとかした、という見方もできたと思います。そのため、昨年の3-4-2-1ではなく4-3-3にすることで【流れからの得点を増やしたい】というのがあったのではないかと僕は考えました。

沼田が大外に張り、相手の裏を取るような動きを見せ奥行きも使いつつ、沼田の空けた場所に田中、橋本が侵入し左サイドを攻略していきました。名塚監督が今期意識的に行った点として、大外で幅をしっかりとり相手を広げさせて、ハーフスペースを使いながらのサイドの攻略をし、相手のニアゾーンをとることが挙げられると思います。引用元のfootballlabさんのホットゾーンの項で左サイドの大外の高い位置のゾーンでのプレー頻度が昨年より増えているのがわかると思います。またチームスタイルでも左サイド攻撃の指数が上がっています。

序盤戦は多くのチャンスを左サイドから作れており、相手の対策があまりされていなかった序盤戦は大きな得点源として彼ら3人が大きく寄与しており、その間のチームの成績もプレーオフ圏内ペースとまではいきませんが、10節を終えた時点で3勝5分2敗、勝ち点14と悪くない数字を残せていました。

この間目立った活躍をしていたのがLWG19沼田でした。第2節の秋田戦で初得点。続く3節新潟戦でもスピードを生かした縦の突破からアシストを記録するなどルーキーながら得点源として存在感を示していました。最終的に7得点、2449分の出場とルーキーとしてはまずまずの記録を残したと思います。ただ後述するフォーメーションの変更などでシーズン序盤に比べ、与えられた役割がなかなか沼田の特徴と合致せず、活躍が影を潜めてしまったことは来期以降の沼田の活かし方をどうするか、チームの課題であるかと思います。

 

話をチームに戻すと、多少好調には見えつつも失点シーンについては同じような形を繰り返してしまったことが続きました。まずは相手のカウンター。前から嵌められてのショートカウンターだけでなく、ロングカウンターで仕留められてしまう失点も序盤戦に区切っても少なくない数ありました。(A新潟、A水戸、H栃木、A金沢以下略)

また、武器であったLSB橋本の裏をつかれてしまうというシーンも散見されるようになりました。長崎戦での名塚監督の談話でも「あれだけ左サイドの選手が軽い対応をしてしまうと」という苦言が出る試合もあるなど、橋本が上がったあとはどのようにして守るのか?という問題が顕になっていきました。上がらなければ橋本の良さはでない、ただそこは相手も突いてくるという、ジレンマを抱えたまま試合が続いていました。

第15節のA金沢の終了間際のカウンター被弾で残念がらトップハーフから落ち、ボトムハーフへ。気づけば今期の最低順位18位へ。

ただ、こんな状況でもLCBヘナンが橋本の後ろをケアする、ビルドアップの起点にもなる活躍を見せれば、沼田と橋本はそれぞれ群馬戦・甲府戦で維新劇場弾を決めるなど、チームとしてなかなかうまく行かない状況もなんとか誤魔化しつつ進んでいきました。

しかしながら、H新潟、A熊本など前から嵌めに来るところに力負けをするなど、ビルドアップ時に嵌め込まれたときの解決策は以前見つからないまま夏場を迎えました。

 

2)1つの岐路A栃木戦

そして半分を折り返し一時期15位まで盛り返すも、また徐々に順位を下げて迎えた第27節アウェイ栃木戦。夏の移籍で再加入の高井を加えるもののチームの状態は上向かず。この試合で起こっていたのはやはり前からくる相手に対してビルドアップがうまく行かないこと。また、ミドルサードへ入ってもファイナルサードへ行く道筋を作ることができず、無駄にレノファの選手間が近くなり相手チームのマーカーも自ずとコンパクトになってしまい、行き詰まり感が如実に出てしまいます。そしてディフェンスも嵌らず早々に2失点を喫し迎えた後半。レノファが採用したのが去年も使っていた3-4-2-1。

まず相手にフォーメーションを合わせたことで、ボールの非保持時に前線から1対1で嵌めやすくなりました。「守」のところで改善ができたことで、守⇒攻に移る際にもボールをすぐ失ってしまうことが減り、マイボールをキープでき、桑原のインタビューでもあったように、攻撃時は並びを変えたことで人の距離感も改善しました。狙い自体は大外使って〜、というのは変わりませんでしたが、各選手の立ち位置が整理されたことで選手のポジションが被ってしまうなども減ってきたと思います。特にこの時期はけが人やコロナの関係で毎試合人が変わるといった形で連携面に難を抱えていたため、この変更は良かったのではないかと思います。

また、変更直後LWBは桑原でしたが、WBが上がったその裏を突かれても左右のCBが対応できるなど序盤戦の失点パターンも減っていきました。

 

この3-4-2-1へチームとしてアジャストするための時間が数節続きますが、今思えばこのあとの28節から34節はチームの成長を感じる事ができた楽しい時期だったかと思います。

まず新戦力の話として、高井同様に前が松本山雅から戻ってきてすぐにフィットし、33節A徳島戦より成岡が育成型期限付移籍で加入。既存戦力で高橋がRCBとして台頭。同じ右サイドでWBとして吉岡が定着。梅木がCFとしてスタメンに出続け陣容が固まっていきます。

そして個人的に最も大きかったと思うのがCBとして生駒が成長していったことがあったと思います。シーズン序盤はCBで出場したものの怪我のためかしばらく欠場。その後SBとして存在感を見せつつありましたが、フォーメーションを変更した数試合はベンチからの試合が続きましたが、35節H町田戦から欠場の渡部に変わりCBの真ん中へ。そこから持ち前の高さを活かし相手の攻撃を跳ね返し、ビルドアップでも前とともにレノファの最後尾を支えていきました。ラストピースは成岡という意見もあるかと思いますが、個人的には生駒が最後CBとして成長したことをラストピースと考えています。時系列は前後しますが、菊地・渡部の両ベテランが引退をしてしまい、補強はあると思いますが今いるメンバーで核となる選手が最後出てきたのは今年の収穫であったと思います。

この3-4−2−1に変更したことでビルドアップも安定したように思います。可変させて4-3-3のようにするときも多いですが、単純に後ろ3枚(+GK)、ボランチ2枚で回すことで相手に嵌め込まれることが以前より少なくなったと思います。また、ボールを回すことに苦労する場面でもとりあえず梅木にあてる、という逃げ道を作れたことも大きかったと感じます。もちろんダイレクトに梅木を使う手も見せ、相手への選択肢を増やすことができました。

そしてLWGに入った橋本がまた違った怖さを見せられるようになったと思います。4-3-3時のLSB橋本はまず組み立てに参加してそこから前線へ上がって、と一度橋本を経由してからといった形で多少相手に読まれ、そこで引っ掛けられてのショートカウンターなど、色々できる選手がゆえのリスクもありました。前述した上がったあとの自分の背後のケアなどもそうです。しかし、フォーメーション変更でこの組み立てのタスクから解放することで、橋本自体が相手SB裏へ抜け出るなど使われる側に回り、持ち前の攻撃センスを発揮できる高い位置での仕事をする機会が増えました。試合をこなすうちに使われる側だけでなく、時には以前のように組み立てに参加する、走り込む味方へボールを供給するなど、彼のもともと持っていた良さを出していきました。彼の怪我(?)での不在時の戦績1勝1分5敗。ちょうどその頃はチームが変わり始めている時期だったので、一概には言えませんがその存在の大きさを示す戦績であるかと思います。

 

最終盤になりますが、大の苦手の長崎に勝利。その時のフォーメーションが4-2-3-1。代表でも採用されているので、日本人に一番馴染みがある並びの1つかと思います。

このシステムもこの前の節の大宮戦の途中から取り入れたシステムですね。3バックのときでも可変で4バックのような形になることもあったので、可変させないでそのままにしてしまえばいいじゃない理論ですね。(渡邉前監督書籍参照)  

長崎戦では途中から3バックに切り替え逃げ切りを図るなど、シーズンの流れを汲んだ歴史的勝利だったと思います。ただ、千葉戦を見る限りまだこのシステムの成熟はまだまだだったかなと。来年はこの4-2-3-1を使っていくのか、3-4-2-1にするのかどんな判断がくだされるのでしょうか。個人的には3-4-2-1かなと思ってはいます。

 

で、なぜ16位だったのか。人件費考えればそれくらいということも感がれられますが、シーズン通して相手の変化・修正に対してなかなかレノファ側でその修正への対応ができないことが改善点として挙げられると思います。

特に終盤戦の盛岡戦や千葉戦でも顕著に出てしまいましたが、一旦後半に相手の流れになった際にそれをこちらの時間に戻せない。ベンチワークで流れを変えるなどなかなかできずに試合終了を迎えてしまう。チームとして2の手3の手を繰り出せないような展開が多かったと思います。

自分たちが4局面で後手を踏んだところでどこで相手を上回り流れを掴んでいくのか。長崎戦のようにフォーメーションを変えることで「守」を安定させるのか、はたまた「守」⇒「攻」の切り替えを早くし、相手をうわまわっていくのか、H横浜FC戦のようにボール保持で自分たちの時間を増やしていくのかなど、試合中に策の変更を打つなどチームとしてのレベルを上げていくことで、今期のもったいないと感じた試合が減らせるのではないかなと思います。

 

3)今期のMVP

そして、今期最も輝いた田中渉についてちょっとだけ触れたいと思います。今期は中盤の核として支えてくれていたと思います。時折見せていた守備の強度の弱さなども改善しつつ、持ち前のテクニックにより磨きをかけ、ビルドアップ時の出口になったり、多少厳しいマークを受けながらもターンで相手を外す。ニアゾーンへのランニングやフィニッシュワークとレノファサポを魅了してくれたと思います。本当に見てて楽しい選手でした。

ただ、彼はお借りしている選手なんですよね。お借りすることは悪くないです。そりゃ借りパクもしたいです。やはり順位は違えど同カテゴリー。新卒で獲得しレンタル先で逞しくなり戻ってくる若手を、外からとってくる選手を優先して、放出するというのはなかなか考えづらいなというのが率直な意見です。もちろん田中渉がレノファを選んでくれることも多少期待してます。ですが、それ以上に小池・小野瀬・オナイウのようにJ1など上の舞台で田中渉には活躍してほしいなと思います。上に挙げた先輩たちのように若いときにレノファに武者修行したら成長できる、という流れができればそれはレノファの財産になると思います。

高卒などの有望株のリクルート力としてはJ1のチームにはなかなか及びません。ただ、そんな有望株をお借りすることはレノファにもできます。オナイウ然り、小塚然り。彼らのような選手がレノファで活躍し成長していくことで、上に挙げた、沼田・生駒・橋本のような20代前半の選手も所属選手としてレノファを選んでくれる流れにより一層なると思います。

試合を経るたびに伸びていく若い選手達の躍動を支え、引っ張っっていくベテランや中堅の選手たち。レノファの選手層はなんかそういうバランスが良いと思うんですよね。だから見てる私達もそんな選手たちを暖かく感じるというか、家族のような親しみをもてるのではないかなと。今年はそれを例年より感じた年でした。

話はそれましたが、田中渉選手今年レノファを選んでくれてありがとうございました。来年はどんな形であうことになるかはわかりませんが、応援しております。

 

で、長くなりましたが最後!!

”お金が必要です!!!もっと色んな人を巻き込んでいかないと(意訳)”

これは水戸ホーリーホックさんのホーム最終戦で秋葉前監督がおっしゃっていた言葉です。小山社長がプレーオフに進出したチームの平均観客動員数に触れられたことがありましたが、スポンサーの方々もそうですし、私達ファン・サポーターがもっと関わっていかないと、お金はレノファにはおちません。ただ、それが実現した先がJ1なんだろうと思います。「東京在住のお前が言うな」「お前フロンターレ兼任だろ!」的な話ではあり、それについては否定できないのですが、微力ながらに僕もレノファに来年も関わっていこう、巻き込まれていこうと思います。おこがましい言い方ではありますが、こうやってレノファのブログを書くことで、レノファを知ってもらうきっかけを来期も発信していきたいなと思っております。

今シーズンは昨年以上にtwitterでのレスポンスをいただいて、自分の中のレノファの輪が広がったかなと思えた1年でした。文末ではございますが、読んでいただいた皆様に感謝申しあげます。

 

今年は週末に開かれるワールドカップでもうちょっとブログを書く予定です。お声がけいただき「ポーランドサウジアラビア」を書く予定にしております。もしかしたら他の試合についても思ったことを記すかもしれません。

ちょっと見てみようかなって思う方がいらっしゃいましたら、引き続きよろしくおねがいいたします。

では、ひとまずレノファ山口に関わる皆様2022年シーズンお疲れさまでした!

ここまで読んでいただきありがとうございます。

(文中敬称略)

J1への道はまだ途中。レノファ山口vsジェフユナイテッド千葉 @維新 2022年10月23日

終戦勝利なしの記録が続く。。。

長崎の初勝利をバネに次のジンクスを破るチャンスかと思いましたが、やはり勢いだけではだめですね。前半はまだよかったですが、徐々に流れを奪われてしまいました。

終わりよければとはならなかったですが、来季に向けて「まだまだだよ」とジェフに教わったと思うことにしよう。まずは1年お疲れ様。と思うことにしました。

さて、まずはこの試合を振り返ってみたいと思います。

今節は下記になります。

1)空いているところをそこそこ見つけられていた前半。

2)後半のジェフの5-2-3に対して策を講じれず。

得点者

山口               千葉

8分  田中            57分  高木

                   62分  新井一

                      90+4分 ブワニカ

 

1)空いているところをそこそこ見つけられていた前半。

レノファは長崎戦に続き4-2-3-1のフォーメーション。対する千葉は3-4-2-1。ボール非保持時は5-2-3のような形に。CFの40櫻川がアンカー番となり、シャドーの20高木、10三木がレノファのCBに付くような形でした。

前半はジェフの前線の3人がレノファのCBとアンカーについた際は、アンカーの脇に佐藤謙、田中などが落ちてボールを引き取るほかに、関から両SBにボールを逃がすなどができていました。関からCBの2人へのルート以外で割と多かったのは関から橋本へのボールだったかと思います。この場合渡部に寄せている20高木は橋本に寄せれないため、多くはRWB末吉が対応していましたが、ラインの設定が割と後方であったため、橋本は余裕を持ってボールをうけられたこともあり、末吉をいなすことができていました。

また、最終ラインと前線の距離も離れていたため、高井や田中渉も間で受けることもでき、前進をすることができていました。また今節最初にレノファが狙っていたと思われる6新井一と25末吉の裏についてもロングキックを交えつつ突いていくことで、左サイドの高い位置を起点に押し込むことができておりました。

 

また、千葉のボール保持時には4-4-2で千葉の3-4-2-1へ。前半は千葉は6新井がRSBの位置にあがるような場面も見られ、CBの田邉とチャンミンギュ、ボランチの熊谷と田口の4人で運ぶ。もしくは、CB新井、田邉、チャンミンギュと田口といった4人で運ぼうとする形ではレノファも高井や吉岡を混ぜつつ前でボール奪える場面がありました。

GKの新井はそこまでビルドアップへ寄与しないこともあり、ジェフが「DF3人+MF1人」または「DF2人+MF2人」という形であれば梅木、田中、高井、吉岡ではめることができ、高い位置でのボール奪取からショートカウンターとレノファの狙いを遂行することができていた前半だったかと思います。

 

2)ジェフの5-2-3の高さに対して策を講じれず。

ただ、後半の千葉は試合後の新井一や田口が口にしていた「トライしていこう」(引用元:Jリーグ公式)という言葉の通り、より積極的なプレーが増えたと思います。まず感じたのはボール非保持の5-2-3の高さが上がったように思えました。

まずレノファのSBと千葉のWBとのかみ合わせのところで優位をとることができなくなりました。千葉の布陣が全体的にコンパクトになったことで、前半レノファのSBに対して千葉のWBはなかなか距離と時間を埋めることができなかったため、レノファはサイドから前進をすることができ、サイドに寄せて中を使うことや、サイドを変えるなど相手を見ながらプレーができていました。しかし、例えば後半から入ったRWB福満などに橋本が捕まる場面、高井に渡るもすぐにインターセプトをされるシーンなどが目立ってきました。

2失点目の新井一のゴールなどは、渡部から高井へのパスをかっさらわれてそのままシュートまで持っていかれてしまっていました。

 

また千葉が後半に行った変更点として後ろ5人でビルドアップをしてきたことで「守」の局面も難しくなっていったと感じました。

後半「DF3人+MF2人」といったかたちになり、レノファの前4人でかけるプレスが外されがちになりました。田中渉が試合後インタビューで「自分たちが前からのプレスをはめていくシーンはありましたが、後半は相手のボランチが2枚とも下りたりして、相手が数的優位を作り出してきていました。そこで自分たちのプレスが掛からなくて、後ろに重くなったと思います」(引用元:レノファ公式)

と語っているように、自陣からのビルドアップは難しくとも、こちらで優位性が取れていれば、まだ押し込まれることはなかったかもしれませんが、なかなか敵陣でもうまく行かなくなってしまいました。

そのため、CBチャンミンギュからのロングボールの配給でCF櫻川までボールをあてられたり、LSB橋本の裏へロングボールを出され、レノファのラインはズルズルと下がらざるを得なくなってしまいました。

もったいなかったのが、この千葉に対してレノファが手立てを打ったのが80分までかかってしまったこと。ここで、並びを4-3-3にしてプレスを掛ける人数を合わせるように変更をしました。ただ、試合の残り時間はあと10分となっており、長崎戦での渡部のコメントで4-3-3、4ー2ー3ー1とやることはあまり替わってないし、練習から取り組んでいるのでやりづらさはあまりなかったと思う、といった旨の言葉はありましたが、代わりに入った選手の噛み合わせというか、動きがシンクロしているかというと、正直いなされているな、といった印象を強く持ちました。69分の沼田の交代のところでこれが打てていれば、ここで1枚替えではなく3枚替えにして大きく戦況を変えるようなものが、最終戦みらたら良かったな、と個人的には思ってしまいました。

 

日々成長と名塚監督が仰っていましたが、コーチ陣含めて来季はよりレベルアップしていきまずはプレーオフを狙ってもらいたいなと思います。虚を突いた渡部のCKなど武石コーチのセットプレーなど来季はもっと昇華されるんですかね。楽しみにしましょう。

 

最後に、本当にもったいなかったというか、日程が惜しいなと思ったのが、ワールドカップでの前倒し日程のため、河野孝太がほぼまる1シーズン棒に振ってしまいました。若い時期で経験を積める時期に大怪我と日程での試合への関わりの機会減とパリオリンピックを目指せる彼にとっては何とも厳しい日程になってしまったな、と個人的には思いました。

来年はより出場機会が多く巡ってくることを願いたいと思います。

 

さて、名塚監督の続投、岸田の退団など色々ニュースが出てきました。(あれ?池上さん更新はまだですか??)年の瀬ですね。ワードカップメンバーも発表されましたし、ここから徐々に代表モードですね。今週末はJ1最終節、J2もプレーオフの決勝と最後の人盛り上がりと言ったところでしょうか。

ちょっと機器の問題でレビューがかなり遅くなってしまいましたが、総括的なものをもう1本出させていただこうと思っております。

シーズンは終わりましたが、もうちょっとお付き合いいただければと思います。

ここまで読んでいただきありがとうございます。

(※文中敬称略)

いつの間にか柔軟なチームに。Vファーレン長崎vsレノファ山口@トランスコスモスS 2022年10月15日

天皇杯甲府が初優勝。横浜FCが自動昇格を決め、中村俊輔が引退。

なかなかトピックスの多い1週間でしたね。ただ、レノファの長崎戦初勝利も僕達にとっては大きなトピックスだったと思います。

久しぶりのジャッジリプレイでとりあげられるようなシーンも有りつつも見事な零封勝利だったと思います。

今節は下記について考えていきたいと思います。例のドロップボールの件も僕なりの考えも書いております。

 

1)オプションではなく本命だった4-2-3-1

2)柔軟に構えられた3-4-2-1

3)ドロップボールについて思ったこと

 

得点者

長崎           山口

なし           16分 田中

 

1)オプションではなく本命だった4-2-3-1

前節の大宮戦の後半から採用した4ー2ー3ー1のフォーメーション。シチュエーションとしてはアウェイ栃木戦のときの3-4-2-1と同じですね。うまくいった形を引き続き採用。

長崎の選手の言葉をいくつか引用。(引用元:Jリーグ公式)

19澤田「(練習では3バック想定だったが)4バックで来たので、もうちょっとそのへんを考えて試合に入れれば良かった。」

とあったように長崎側で想定外のようでした。また「相手のほうが距離感が良いし、単発でプレスに行ってもサポートの選手が近くにいる。それもあってプレッシャーには行きづらかった」(同)とも。

この試合レノファは初めての4-2-3-1スタートでしたが、名塚監督の言うようにやり方は変えてない。と仰っている通り、今までやってきたことをやっていたと思います。

・ボール非保持時は前からコースを限定しながら、高い位置でのボール奪取を狙う。ミドルゾーンでも最終ラインは高めに設定。

・ボール保持時には後ろからつなぐことを第1としつつも、梅木へ当てるボールや、裏へ抜け出す動きも混ぜる。両サイドは幅をとることでサイドチェンジも混ぜつつニアゾーンへの侵入を狙う。

・攻⇒守のトランジションについてはボールサイドの選手はボールへの寄席、その他の選手は自陣への帰陣を徹底。

・守⇒攻のトランジションはまずは遠いところの選手を狙う、難しければやり直し。

とざっくりこのような今年取り組んでいたことが出ていたと思います。

特に前半流れをレノファ側へ引いてきたのがボール非保持時のプレスが挙げられると思います。

長崎の13加藤大のコメントで「ちょっと寄せられるとSBに出してしまう。そこでSBが止まって詰まってしまうことが多い」というのがありました。ん?なんか聞いたことがあるようなフレーズが。。。

おそらく長崎を意識していたと感じたのが、両SH16吉岡と32高井のプレス。

田中渉を梅木と前線に並べて4-4-2の形を作りました。長崎はダブルボランチのカイオが多少上がり目でアンカーの位置に6鍬先を置く形に対して、梅木と田中はこの鍬先を消しつつCBへプレス。ここで吉岡と高井が長崎のSHや加藤がハーフスペースの位置でボールを渡そうとするところをまず消してから、長崎が仕方なくSBへ出してから一気にそのSBへ寄せていました。0:20の吉岡や29分の高井のプレーがそれです。

今回は「やられてしまう側」ではなく「やる側」。しっかりと長崎に対してプレスができていたと思います。まあ自分たちが今シーズンよくやられていたので、しっかり相手にもやれていましたね。笑

長崎はおそらく後半に入ってからはGKから飛ばしてSHに入れたりしていたので、このプレスを嫌がっていたのかなと思います。

また、ボール保持時でも長崎の意図を外すことができていました。「プレスの掛け方については前日にやったのですが、実際に試合に入ってみて、選手の配置としてちょっと難しいなと感じたときに行くのを止めても良かったかなとは思いました」(加藤)

とあるようにレノファと同じく長崎も敷いていた4-4-2のフォーメーションの「2」の脇から持ち運ぶことができており、そこから相手を揺さぶることができており、人に強く突き気味にプレスを掛けてくる長崎のズレを突くことができていました。

 

2)柔軟に構えられた3-4-2-1

先制点のセットプレーは田中渉がインタビューで答えたとおり、武石コーチの狙い通りだったとのこと。個人的には24分のコーナーキックもおすすめです。いつもGK前にいる高井ではなく、吉岡がここにおり、瞬間で相手を置き去りにして佐藤謙とワンツー。そこからファーに上げて、渡部が割返して生駒。このとき中にいた高井がエリア外でこぼれ球に備える人員になっているんですよね。田中渉も構えており、ある程度こぼれ球想定にしていたのかなと。生駒もこぼれた途端に手で高井の方を指しているので、ほら来たよ!といった感じではなかったかなと。シュートが枠飛んでいれば!といったシーンでした。

 

で、個人的に最もチームが成長したなと思ったのは、後半34分からの3-4-2-1への変更。長崎が個の力を中心に攻撃を仕掛けてきました。特にエジカルジュニオの高さを交えつつ、山崎や加藤がおりてボールを引き取ったりとなかなかプレスがはまらなくなっていました。そこで渡部の談話です。

「(プレスを)行け行けで押し出すと、そのあとの攻撃につながるパワーは残せなかったと思います。うまく後ろで守ることのほうが今日は優先だったと思います。前線の選手で奪えなくても、後ろの8人は落ち着いていて、スライドも間に合っていました。ショートカウンターでの背後のケアをするというところも集中してできていたと思います。」

とあるように、割り切って長崎の攻撃を受けていたこと。多少崩され始めても5-4-1のような形で後ろを固めます。前線の交代で入った選手としてはもう少し攻めの形もしたかったと思いますが、コーナースポットのところでボールを保持(通称:鹿島る)するなど、今まで終わり方が良くなかった試合の教訓が活きていたようでした。

シーズン当初に使っていた4-3-3。攻撃でも守備でもうまく行かなくなってから変えた3-4-2-1。前節は「3」の脇や裏を使われていましたが、渡部がラインをコントロールしていたり、割り切って5-4-1のような形になり、相手へスペースを多く与えなかったことで、スキを与えませんでした。

相手を見ての攻撃で先制し、試合終盤は割り切っての守備とバタつくレノファはどこへ?? 【あの】長崎に初勝利。お見事だったなと。

 

3)ドロップボールについて思ったこと

さて。まず、主審を批判することはありません。先に書かせていただきます。

ジャッジリプレイを見た後にいくつかの試合を見ました。バルサビジャレアル、エルチェ対レアルマドリーレアル・ソシエダマジョルカなど流し見ですがコーナーキックの場面を見ました。

長崎戦を裁いた先立主審含めて4者4様の立ち位置だなというのがまず率直な印象。ただ先立主審のような立ち位置の主審は多かったです。もちろん、MCの桑原さんが「あまりエリア内にいないようにする」という旨のことを仰ってましたが、バルサ戦だったかな、エリアの中にも入っていらっしゃってました。

いくつか見てる中で思ったのは、審判の立ち位置って難しいなと。先立主審は割とオーソドックスなのかな、副審と同じ側の視線・視界にならないようにペナルティアークの左脇にほぼ立っていらっしゃっていました。後半一発目の長崎の右サイドのCKでも左脇にいました。スペインの審判も同じ位置。ただ違う試合の主審はアークの中にいる場合もありました。

ここに攻撃側の選手の立ち位置も関係してきますので、どの位置で見るかなど主審の方はそれぞれのシチュエーションで判断するので、同じシチュエーションというのはないので都度選手同様審判も対応をしないといけないんだなと。

悪意のある言い方すると、おそらく先立主審は13加藤大選手の位置を掴めてなかったのかな、と思います。それもそのはずあのシーンではショートコーナーで近寄っていた選手ではなく、23米田選手がゴールエリアのところからレノファのゾーンをぬって、グラウンダーのボールを引き出し、加藤選手へ落とすかなり虚を突くプレーだったので、まさかここにボール来るの?といった具合に難易度は高かったのかなと思いました。

家本さんの「レフェリーはポジションにすごく気をつけないといけない」平畠さんの「選手だってポジション間違えますよね?」中村憲剛さんの「レフェリーの人もポジションを取り直している」というそれぞれの立場での言葉は興味深いなとジャッジリプレイを見直しました。

ただ、フォロワーのぽんたさんのご指摘で気づいたのですが、ドロップボール時に敵味方問わずボールのところへ立った人から4m離れないといけない、というルールはこの場面では見過ごされていたのかなと思います。もし、レフェリーブリーフィングでこのシーンが取り上げられた場合はしっかり結果を確認したいなと思いました。

ルールっていつの間にかかわっているし、難しいですね(笑)

今回は先立主審に疑問を抱くツイートなどもしてしまっていましたが、これをきっかけに色々と調べる機会になりましたし、より審判に対してのリスペクトや考察も増えそうだと思う出来事でした。ただ、山形対岡山のような再戦騒動は勘弁ですし、審判委員会でも審判や各クラブへの周知をしてもらいたいなと。先の山形での一戦のおかげでやばくてバックパスをGKは手で扱ってもDOGSOにはならないって皆学びましたからね。

ペナルティエリア内のドロップボールはゴールキーパーへ渡すことになる、なんてルール全くしらなかったですし。学びですね。

 

さて、島屋と眞鍋の契約満了が出てしまいましたね。島屋は試合絡んでほしいなと思っていたのですが、2度目の退団寂しいです。眞鍋もことしから1桁の背番号をつけてこれからのレノファを支える人になってほしいと思っていただけに、意外な退団でした。もしかしたら、選手側から。。。いえいえ要らん邪推ですね。

さあ、なんか試合前までにまだいろんなニュースが出そうな予感ですが、まずは目の前の1戦、ホーム最終戦に勝つこと。セレモニーなどはそれが終わったあと考えましょう。

今節は見事な勝ち方でした。千葉戦もしっかり勝ち点3をとりこのチームの集大成としてほしいと思います。

ここまで読んでいただきありがとうございます。

文中敬称略