レノファを青黒の眼で東京から見るblog

レノファ山口を応援・分析します。

まず1勝。戻ってきた槍。 レノファ山口vsザスパクサツ群馬 @維新 2021年4月17日

序盤の山場の3連戦。渡邉監督からも強い言葉が試合前発信されていましたが、なんとか勝ち切ってくれましたね!

割と群馬のシュートミスにも助けられたこともありましたが、無失点での勝利。

ゴールを決めた浮田選手含めてヴェルディ戦から変更をしてきたレノファ。下記の通り書いていきたいと思います。

1)前節からの変更点

2)群馬の最初の交代は右の活性化ではなく身長か?

3)戻ってきた槍 

 

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【山口】53分草野⇒河野 67分小松⇒高井 浮田⇒島屋 85分ヘナン⇒石川 田中⇒神垣

【群馬】46分中山⇒北川 平尾⇒金城 75分北川⇒進 86分加藤⇒久保田 内田⇒奥村

1)前節のヴェルディ戦、というよりもこれまでやってきたサイドのスタメンをがらっと変えたレノファ。

右が池上ー川井 左が浮田ーヘナン。右の2人は途中交代などでも組んでいましたが、左は意外な人選でした。

そして、これに加えてビルドアップを変更します。今までは2CBの間、もしくはサイドに8佐藤謙がおちてきて、その前に29田中。

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例)ヴェルディ

多少大げさな表現をしていますが、磐田戦やヴェルディ戦でも見られていた田中陸孤立状態がありました。田中をつぶすことはもちろん、高い位置を取っている両SBにわたってもここをつぶされてしまうと、このスペースに相手に入り込まれて危険な状態を作れらてしまっていました。

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そこで、SB15川井は前に上げますが、LSBのヘナンは最終ラインに残った状態に。ビルドアップ時に最終ラインの前に2人のボランチが位置することで、ボールの逃がしどころも近くなりますし、もし奪われても人数が前のやり方よりも1人多い状態で相手と対峙できます。(渡邉監督の著書では、仙台在籍時でもこのような状態でビルドアップをしていたら、最初からこうしちゃえって思って4バックを3バックにしたと書かれてましたが、果たしてレノファでは・・・)

この変更でよくみられていた6渡部⇒44石川、13楠本⇒14澤井のような「切る」パスは減ってしましたが、安定は取れていたと思います。その分より相手SB裏へのロングボールも増えたように感じましたが、群馬戦で草野が何回裏へ抜け出せていたので、この修正は+に働いていたと思います。

このような修正を施せるのはやはり渡邉監督の強みと思います。やはりいい監督が来てくれたと改めて思います。それについては結果論という側面もありますが。

 

2)さて、前半うまくロングボールを裏へ出していましたが、いくつかこの戦術に至った理由があるかなと思っています。

a)もともとの山口の狙い。

b)雨あがりのピッチの問題

c)群馬のSBの身長

b)は最近の維新での試合はこれですね。頼むよお天道様。。。と京都戦は祈るばかりです。で、まずはa)ですが、これは今年繰り返していますが、それに加えて今節はフォーメーションの変更と、LSBが44石川ではなく3ヘナンであったことが挙げられます。タテへの推進力がありコンビネーションで崩せる石川と違い、もともとCBが主戦場のヘナンでは個性が違います。ヘナンは相手裏へのロングボールが蹴れます。それを生かしていました。

そしてc)。後半開始の群馬の交代ですが、怪しかった山口の左サイドの守備、群馬でいうRSHにFW11田中、RSBに15金城を投入し攻略を狙います。ただ、個人的には群馬の両SBの身長を考えたのではないかと考えました。

スタメンのRSB吉永175cm、LSB14平尾170cmです、先制点について山口RSB川井177cmが平野に競り勝っていました。RSB吉永のところには16浮田185cmとどうしても劣勢を強いられてしまいます。交代で入った15金城は181cm、そして吉永がLSBに回り、交代をした平尾と中山は163cmであったことが僕はこの考えに至りました。攻撃的なカードを切らせたのではなく、守備的なカードも併せて切らせた、と考えられると監督の心理面から渡邉監督が奥野監督にプレッシャーをかけられていたのかなと思います。

 

3)ただ、今節草野がハムストリングでしょうか、怪我をしてしまいました。今期ずっとFWの核としてきた選手が抜けたことは長引かないことを祈るばかりです。

そこで交代で入ったのが18河野。これまでも交代で入って印象的なプレーをしていましたが、今節もよかったですね。57分、64分、69分とうまくポストプレーをこなし、攻撃をつなげてくれていました。(※梅木も頑張れ!!)

また第1節に負傷をしてしまっていた11島屋が戻ってきました。はじめはFWの位置でしたが、途中から46高井とポジションチェンジをしてLSHに入りました。個人的にはココの位置の方が彼の推進力生きるのではないかと感じます。

71分のシーンではスローインの流れから、RSH10池上が左サイドへ寄っていき、ヘナンからのパスを呼び込み、同時に島屋が裏へ抜け出し、そこでパスを受け中で待っていた河野へクロス。池上のポジション、ヘナンの左足、島屋の足、河野のエリア内の駆け引きなどきれいに決まったシーンでした。あとは決めるだけ。

また「奪いに行く気あるのか!?」という渡邉監督の声も選手たちに届いていたように思います。個人的にゴールシーンより「いいな~」と思ったのが86:35

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群馬がGKまで戻してビルドアップのやり直しをしているところを狙います。この場面では群馬RSB金城が高い位置に貼っていたので、島屋がなかなか前に位置どれない状況でした。しかし、この時間でも山口は勇気をもって取りに行き、落ちてきた群馬8岩上には8佐藤謙が、LSB佐藤には26神垣の両ボランチが高い位置まで追っていきます。群馬もこの山口の両ボランチが出ていったため、空いたスペースにDH27奥村が入り込みます。ここも山口RSH池上が食らいつき、ボールを奪取します。15金城にワンタッチで展開されていたら危ない場面でした。

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その流れで攻撃へ。島屋、池上、石川で三角形をつくり、石川がタテに走り群馬11田中を引き連れてどかします。そこへ佐藤謙がフリーでパスを島屋から受けます。池上のマークについていた27奥村は佐藤につきに行きますが、すかさず池上が奥村が外れたところでボールを受けてクロス。高井の頭にはわずかに合いませんでしたが、高い位置でとることでしっかりシュートまでむずびつけていました。

島屋が戻ってきたことで草野が抜けたこともあり高井のFW起用もできるでしょうし、運動力を生かしたプレスもやれていました。頼もしいピースが戻ってきた感じです。

 

さて、ゴールを決めた浮田、驚きのLSB起用のヘナンは今後どのように起用されていくのでしょう。浮田は守備面で怪しいとのことでしたが、上記のようなプレスはちょっとできないかもな、というのが現在地と思います。そのほかにも43分ではネガトラさぼってしまったり、63分はマークをしないといけない金城が目の前で上がっていきましたが、付いていけていませんでした。ただ、これを補える得点力は魅力です。短い時間ながらもう2得点と今後も期待を持てます。SBの動きが怪しかったヘナン同様に今後の使われ方に注目したいと思います。

 

右肩上がりのビルドアップが一つの仕様として加わったことで引き出しが増え、次節への期待も膨らみます。戻ってきたけが人と、出てしまったけが人などまだまだ今後の形は読めませんが、まずは3連戦の2戦目「北九州をしっかり倒す」「次勝たなければ意味がない」この言葉を信じて、声と期待を届けていきたいと思います。

ここまで読んでいただきありがとうございます。次こそ試合後2日後に。。。

(文中敬称略 すみません)