レノファを青黒の眼で東京から見るblog

レノファ山口を応援・分析します。

『一歩前へ。』動いてくれるなら動いてもらおう ブラウブリッツ秋田vsレノファ山口 @ソユー 2021年5月19日

選手へ掛けた言葉『ボールへの想い。』

今日選手が徹底すること『一歩前へ。』

対戦相手『ビルドアップが丁寧なチーム。』⇒『前へ挑み続ける』

吉田節変わらず炸裂でしたね。試合展開もこの言葉で表せた展開になったかと思います。「今日一日悔しい思いをしたサラリーマン(リポーターの高橋さん)」の活力源になっていたかと思います。※何があったんでしょうか。笑

レノファを応援している身としては悔しかったですが、終わった後に秋田に興味を持ち、数試合見ました。ブラウブリッツ秋田・吉田監督が秋田に寄り添っているチームという事を感じることができ、とてもユニークなチームと感じました。

だいぶ時間は経ってしまいましたが、下記について今日も書いていきたいと思います。

 

1)一歩前へを掻い潜った先は?

2)走るなら走ってもらおう。ズレを突こう。

 

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【秋田】60分中村⇒新井 76分茂⇒井上 沖野⇒久富 齋藤⇒才藤 93分稲葉⇒武
【山口】8分田中⇒佐藤 60分澤井⇒高木 小松⇒梅木 79分川井⇒浮田 神垣⇒島屋 

渡部⇒菊地

1)まずこの試合、残念ながら負傷交代や流血など3選手が怪我をしてしまいました。程度は軽症のようですが、後に響かないことをまず願いたいです。※どうもその後の練習でケガ人が出てしまったようなので、これはこれで心配です。

荒れてもおかしくない試合でしたが、主審の山本さんもしっかりコミュニケーションを選手と図っており、池上・渡部もしっかりと試合のコントロールをしていました。クリーンな試合の進行に努めていたと思います。おそらく、ここでチームがコントロール不全になっていたら、秋田ペースのままであったと思います。

秋田はピッチの芝の長さがアジアのアウェイのように毛足が長く、ボールが走りません。そして、秋田の選手たちは走ってきます。ここでテンポが半強制的に『秋田』になります。

基本秋田の試合はロースコア、手堅く走り勝ってきます。決してお世辞にも高さがある選手たちではありませんが、ロングボールからの右からの攻撃を主体とし、クロスは低くいやらしいところへ、セカンドボールもしっかり拾い、相手ボールになれば前から愚直にプレスをかけてきます。

そんな『秋田』を相手をするのに、中3日のアウェイはなかなかに厳しいレノファ。おそらくですが、クロスを上げられるのを前提として守っていたかと思います。

確かに危ない場面を作られていましたが、基本守る際は5バック。ペナルティエリア内にボランチもしっかりエリアを埋めることで、跳ね返すことを基本としていたと思います。無理してクロスを上げられないように前に出ていくなど走ることにお付き合いをしてしまえば、ガス欠するのはレノファでした。またニアゾーンを取ってくる相手にスペースを与えることにもなってしまいます。

上記の理由もあり、前半は失点0で抑え、なるべく後ろからのビルドアップ時に危険を冒すことなく、相手の出方などを見つつピッチにも慣れていった前半としたことが、「チームの成長の一つ」と渡邉監督が試合後コメントで残した言葉と感じます。

では、うまく行ってなかった前半でしたが、どんなものを推し量れていたかを考えたいと思います。僕の考えでは『秋田をスライドさせたときに、スペースがうまれるか』だったかなと思います。

一つ目のシーンは29:41。流れとしては相手のクロスを21GK関がキャッチし、すぐに15RWB川井へ。ここで一旦持ち上がることで、秋田のハイプレスをさせずに、セットディフェンスをさせる形になります。ここは秋田を攻略するうえでねらい目になります。トランジションは早く、ハイプレスへの移行は徹底されてますが、それに比べるとセットディフェンスの強度は落ちます。まずはセットの時はハーフウェイラインに戻るというのがあるのか、ボールや山口の動きをあまり見ずにファーストラインとセカンドラインの選手が戻ってきていました。

 

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そこを神垣がズバッと両ボランチのゲートの奥の高井へ通します。箱ですね。ここではCB2谷奥がまず対応しますが、RCH7普光院へスイッチ。高井がフェイントで普光院を振ると、たまらず秋田RSB3鈴木がでてきます。すかさず高井は14澤井へパス。高井はペナルティエリア内へ。5佐藤が鈴木が出たポジションを伺うことで秋田22RSH沖野を釣り、フリーの澤井からドンピシャのボールが高井へ入ります。ここがフリー。受け渡しができていませんでした。この場面のシュートはGK田中のセーブにあいますが、意図的に崩せていたシーンでした。ここではファーストディフェンダーが決められなかったこともありますが、10池上と18小松が両ボランチの裏をとっていることやLSH茂が中途半端な位置を取っていたことで、神垣のパスが通っていました。

続いて、36分石川⇒渡邉⇒ヘナン⇒佐藤⇒澤井⇒高井のシーン。22RSH沖野がヘナンへプレスをかけます。ヘナンのパスを受けた佐藤へのプレス、ここは本来は9中村が付いて行くところだったかと思いますが、遅れていたため23RCH稲葉が出てきます。ただしこれは間に合わず46高井が稲葉が出ていったスペースに落ちてきます。ここはファウルでとめられてしまいますが、同じような形で44分。ヘナン⇒澤井⇒高井。オフサイドからのリスタートでここも稲葉が中途半端に出ていってしまったところを高井が今度は余裕を持って侵入できました。

『前へ挑み続ける』ので、『一歩前へ』行けたときはレノファはこの秋田のプレスに捕まってしまいますが、これを掻い潜れたとき前進する糸口は掴めたかと思います。(ただし最低限の成果ではあったと思います。)

 

2)で、後半です。相手が退場したこともあり、秋田はハイプレスのためのファーストディフェンダーが決まらず、リトリートをする場面が増え、レノファが押し込める展開になります。

すると4-4-1で陣形を保ちたい秋田ですが、レノファの両WBが上がることで、秋田の両SHが最終ラインに吸収されるような場面が増えます。

68分にはレノファ左サイドから右サイドへサイドチェンジ。

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15RWB川井が5佐藤にボールを預けて裏を取りに行きます。8LSH茂が転倒をしたこともあり、ドフリーでニアゾーンをとります。茂が対応していたとしても、カバーに誰も入れていませんでした。ここの対応はスライドは間に合ってはいたと思いますが、正しいポジション取りができていなかったシーンでした。

また、75:15あたりでは降りてきた高井に今度はボランチの『一歩前へ』が遅れ、中間ポジションをとった5佐藤に対して、秋田3RSB鈴木が不用意に寄せてしまい、高井が余裕をもって鈴木の裏へパス。7LWB高木が裏を取れました。

そして得点シーンのちょっと前ですね。82分

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82:32の時点で6渡部が一旦山口の右サイドに展開しようとフリだけします。ターンをして左サイドのヘナンへパス。この何気ないプレーですが、13CFW才藤、7LCH普光院、16LSH井上が秋田の右サイドへのスライドをするのを遅らせます。

5佐藤をマークしていた23稲葉が急いでヘナンへ付きますが、佐藤は浮きます。この時点で4対3の局面を作り出しました。佐藤へのボールへ秋田の3人が寄せますが、佐藤は落ち着いて浮田へのスルーパスを通せました。結果的にこの流れからCKを獲得し、先制点となりました。

 

京都戦あたりより功を奏してきたCBを交えての位置的・数的優位を作る形。今節は苦戦をする局面の方が多かったかと思いますが、リスクを冒して走ってきてくれる相手の裏を突くなど狙っていたことは多少発揮できたかと思います。チャンスも作れておりました。ただ『チャンスは蓄積しない』(吉田節)。相手が決定機を外してくれていたのなら、何本か先制点の前のチャンスを生かしておきたかったのは反省点ではあります。

結構こじつけて書いてしまいましたが、相手を見てボールを回すことが開幕に比べてできていると感じた秋田戦でした。終了間際の失点はもったいなかったですし、メンタルのダメージが残る一戦ではありました。それでも次の秋田との再戦が楽しみです。

けが人や天皇杯敗退のダメージはありますが、次節アウェイ長崎戦もよい試合を期待したいと思います。試合が終わって何日経っているんだよってブログここまで読んでいただきありがとうございました。

(文中敬称略)