レノファを青黒の眼で東京から見るblog

レノファ山口を応援・分析します。

天皇杯から切り替えれていたのか?悔しい敗戦。V・ファーレン長崎vsレノファ山口@トランスコスモス 2021年5月29日

やはり相性っていうのあるんですかね。。。金沢は突破できましたが、また君か、玉田。。。

でも今回は力負けといった印象です。このような感想は新潟戦以来ですかね。

タテパス1本で裏を取られたのは確かに今期初めてだったなと思います。

 

もともと選手の質はJ1レベルである長崎。監督交代を機に上昇ムードでしたが、それに飲まれてしまったかと思います。もちろんそれはイケイケのままやられたというわけではなく、レノファの手が届きにくいところから攻撃を仕掛けてくるという厭らしさもありました。先制点後もしっかりと出ていかざるを得ない山口に対してより裏抜けを行うようなプランを与えていたような印象です。

なぜこんなにやられてしまったのか。今回はそれを考えてみたいと思います。

1)前半の被決定機と後半の失点シーンは別物。

2)守備の不調と攻撃の不調はリンク。

f:id:cross_reno:20210601215624p:plain

【長崎】78分澤田⇒山崎 Wハット⇒鍬崎 エジカル⇒玉田 86分都倉⇒イバルボ カイオ⇒安部

【山口】62分小松⇒浮田 川井⇒澤井 新保⇒高木 78分田中⇒佐藤 神垣⇒梅木

まず、山口は相手CBに対してはまず18小松がファーストディフェンダーとなります。

その後方右サイドに10池上、左サイドに46高井。その後ろにダブルボランチの24神垣、29田中となります。2:48あたりの並びがわかりやすいかと思います。

攻撃の終わりの形もあるので、高井と小松の役割が逆になるケースもあります。

そこから小松が外へ誘導するようにプレスをかけていき、右であれば池上、左であれば高井が出ていきます。

17分の相手の決定機は小松が左サイドを見ていましたが、それまでは高井が長崎RSB16毎熊まで見ていましたが、小松はLWB49新保が来ることを期待しており、毎熊はプレッシャーなく7CFエジカルにロングフィード。RCB46石川との競り合いを制し関との1対1。

13分のシーンでも同じように長崎27CF都倉が石川の裏に抜け出ています。

時系列バラバラですが、2失点目のシーンやはり毎熊から都倉へヘナンの裏へ抜け出されて失点してしまいます。

ただ、前半と後半でやられた形は違います。解説の前田さんが石川の身長のことを言っていましたが、基本石川が競った場合しっかりフォローがあればよい話です。

この場合はRWB川井がその役割であったかと思います。渡邉監督の試合後コメントの「相手の長いボールに対してどうやって処理するかが大事であって、最終ラインで1対1を作られないことが重要です」とあるのがここと思います。

前半の二つのシーンでは都倉もしくはエジカルが競っているシーンでは、相方が多少落ちることでレノファCB6渡部を吊っています。 このため渡部は石川のカバーに行けない位置にいます。もちろん渡部の頭を超えてしまうと、それこそ彼は位置的に無力化されます。※これが1失点目

前半は石川のところで身長差のミスマッチ含めて1vs1のような形を作られてしまったので、あまりよくない印象は残りますが、後半は特にここで1vs1を作られてはいません。

石川ー川井のところに話を戻すと、46分のWハット⇒エジカルのところは関が飛び出してキャッチをしています。長崎LSH19澤田が中に入っていることもありますが、この場面15川井はしっかり中に絞ってエジカルに対応してます。

ある程度前半の問題点は整理して後半をむかえられたかとおもいます。

ただ、2分後に1失点目が川井の上から都倉にヘディングで折り返されたところを決められているので、なかなか説得力に欠けてしまうのは自認しております。。。

ここは相手の質を称える方が良いかと思います。それよりもハットに新保が付いて行けばよかったのか?田中陸がスイッチで付いて行けばよかったのか?それとも、高井か小松が戻っておけばよかったのか?そのあたりを整理したほうがレノファの今後を考えるうえではよいかと思います。

苦し紛れの論を並べると、1失点目以外石川ー川井のところでヘディングでゴールを狙うようなシーンを長崎作っていたか?というとそこまで狙っていなかったかなと。それよりもWBをおびき出すこと。CFの2人が裏をとることをまず第一に狙っていたと思います。前半吸水前には13加藤が裏に抜けるなど、身長勝負というよりも高いディフェンスラインが狙われていたかと思います。

あとは長崎のSBが浮いたときの対応でしょうか。上記したハットのマークの受け渡しもこれに通ずるかと思います。

2失点目はヘナンの対応と失点後の渡部の仕草で「なにしてんの!?」とあったので、ヘナンの対応だったのか。3失点目も渡部の感覚ではオフサイドであったが、ヘナンが残っていたところもコミュニケーション不足だったか。。。点を取らないといけなかったので、前がかりになっていたこともあったでしょう。。これについては何ともわからないので、言及は避けたいと思います。

 

2)で、攻撃です。この日1番気になったのは6渡部のキックの精度。フェイスガードをしているためか、ロングボールがターゲットを超えることや、ボランチを飛ばして池上や高井へハーフウェイラインあたりへあてるパスなどが少なかったように思います。

そしてヘナン。秋田戦では自分の裏にボールが送り込まれていたので、重心が下がっていましたが、後半退場もあり徐々に前目にポジションをとれていました。今節も多少重心が下がり気味なのは仕方ないのですが、リスクを冒したくないのかと思いますが、前につけれそうなところでも横パスをするシーンが散見されました。切るパスは意欲的に強いボールを蹴れていますが、同サイドではなく逆サイドにも蹴るなどのバリエーションもあれば相手を揺さぶることにつながるかなと思います。

63分などは簡単に変わって入ったLWB14澤井にヘナンはパスを出していますが、その前に46石川からハーフスペース幅の球足早めのサイドチェンジを受け取っています。ただ緩く澤井へパス。あまる効果的にならずにもう一度石川へ戻ります。そこから持ち上がりとられてしまった石川は確かによくないのですが、相手を動かすためにはこのようなプレーも時には必要と思います。

なので、ヘナンはここで多少持ち上がれば対面するWハットなどがボールを取りにくればそのタイミングで澤井に出す、出てこなければCH6カイオが出てきていたでしょう、そしたらしっかり浮田が裏をとっていました。カイオは13加藤がよくカバーしてくれるのか割とよく出てきます。カメラアングルで見えませんでしたが、裏空いてそうだなというシーンはいくつかありました。

ダメダメばかり書いても面白くないのでよかったところも。

f:id:cross_reno:20210601235743p:plain

65分のシーン。流れとしては右サイドのスローインから一度左サイドのLWB14澤井までボールが行きます。65:36です。この時CF16浮田は長崎のRSB16毎熊がマークしています。また10池上もボールサイドによっていき6CHカイオがみています。

そこから澤井⇒ヘナン⇒石川と相手をスライドさせていきます。そしてRWB高木に入った時点でまず池上が長崎LCB24江川を動かしに行きます。RWB高木に長崎LSB米田が付いたため、その裏を抜けるような動きをし江川を吊りだします。同じく高木のフォローに入った29田中を見るために6カイオのサイドに動かされます。そして図の場面です。

うまくターンをした田中からRCB石川がインサイドへ侵入。16浮田は13加藤がぎりぎり視野に入るような位置取りをします。そして加藤が石川に向かったタイミングで視界から外れて裏をとります。見事に箱の位置でフリーで受けることに成功しました。

ただ、残念なのがこのあとのパスミスでした。あと高井もオフサイドでしたね。澤井を狙ったかもしれませんが、ちょっと精度を欠いてしまいました。

ただ、長崎のダブルボランチの脇はねらい目であったと思います。長崎は2トップの他に両SHのどちらかが山口のビルドアップへ対応するために前へ出ます。

f:id:cross_reno:20210602001240p:plain

いつものざっくり画面ですが、特に前半ビルドアップがうまく行かなかった時間帯。新保や川井は外側に張るのもよいのですが、時々この辺りつかっちゃうよ!って伺うのもありだったかなと。これをやることでハットや澤田がちょっと気にして後ろに下がってくれれば、こちらも段差を作りやすくなりボランチには通りやすくなりますし、WBの彼ら自身もここでうけることができる局面もでてきたかもしれません。そして長崎のSBが出てきたら高井や池上がありがたくその裏をとれていたでしょうし。(the机上の空論)

 

といっても完敗は完敗です。長崎は彼らがやらないといけないことをしっかりやってきた印象です。13加藤のコメントでは、得点は狙っていた形。松田監督のコメントの、守備はやっただけよくなると思っていた。守備の安定が先制点をあげる確率をあげる。まさしくその展開に持って行かれてしまいました。

レノファのギアが上がらなかったのは暑さなのか、秋田戦での後味の悪い試合からの天皇杯の負けだったのか。。。ただ、ギアを上げなければ次の愛媛戦には勝てません。これは確実に勝ち点3をあげなければならいない試合です。

今節の負けをどのように修正して、愛媛戦へ備えてくるのか。楽しみにしたいと思います。次節はしっかり維新で勝っていきましょう。

ここまで読んでいただきありがとうございます。

(文中敬称略)