レノファを青黒の眼で東京から見るblog

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最低限から一歩進んだ後半戦のスタート レノファ山口vsジュビロ磐田 @維新 2021年7月11日

『一瞬の隙があった』

今節の秋田の吉田監督の言葉を早速拝借させていただきますが、やはり秋田戦と甲府戦同様に試合終盤に勝ち越したところからの失点は、今後順位を上げることを考えれば、これ以上繰り返してはいけないシーンでした。

間違いなく勝ちが見えた試合でしたし、しっかりと首位ジュビロ相手に堂々と戦えていたこともあり、この試合を勝ち取れていれば、自信となる試合になっていたと思います。

もちろん、そんなことは試合後の選手の顔を見れば、選手誰もがそう思っていただろうと思います。

前節の渡邉監督の『この試合を我々の最低限に』といった言葉は確かに成されていたと思います。そんな今節を考えてみたいと思います。

今回はこの2点です。

 

1)やはりの島屋

2)楠本に見る選手の伸びしろ

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【山口】72分石川⇒橋本 神垣⇒佐藤 81分島屋⇒河野 高井⇒草野 90分田中⇒浮田

【磐田】HT中川⇒小川 74分大津⇒小川 84分山田⇒大森 ルキアン⇒ゴンザレス  

1)ついに得点をしてくれました、島屋! ちょうど前回の記事でポジティブトランジションのことについても触れましたが、奪ってから一気に勢いをもってゴールまで行ってくれました。

この試合レノファの意気込みというか、積極性というのは試合序盤から見えたと思います。シュートが多い。前からのチェイスも効果的にできていた。

7:30の26神垣⇒10池上への磐田のWボランチのゲートを抜くパスから前を向いたところでファウルをもらったシーン。10:13の11島屋⇒46高井、そして振り向きざまのシュートのシーンなどは、今までのレノファですと大事にするためにいったんキープに入ってしまっていたように思います。今までの試合よりもゴールに向かう姿勢がより出ており、先制点のシーンは中盤にこぼれ球をマイボールにし、そのまま46高井の推進力と11島屋の勝負所へいち早く入り込む姿勢が生んだゴールでした。

島屋の大きくない体で23山本康との競り合いで倒れそうになるところを踏ん張り決めたゴールには維新スタジアム全体が心揺さぶられたのではないでしょうか。

この試合も島屋は個人的にはヘナンについでMVP候補ではなかったかと思います。やはりこの数節書いている通り、ビルドアップの出口となるところでチームを助けていたかと思います。この試合で言うと磐田50遠藤の脇や裏、前にも顔を出しボールを受けたかと思えば、35分30秒あたりのように相手のロングボールを奪い返し、カウンターを仕掛けた際は相手RWB17鈴木の裏へ飛び出していくなどしていました。

そして後半は前線の3人はだいぶ立ち位置をもっと流動的にしており、10池上と11島屋の位置が変わったかと思えば、46高井が落ちてそこに11島屋が入るなどこのあたりも3人の連携の良さを感じます。

特にシーンとしては55:20のところでしょうか。まずその前の流れで10池上がボランチのあたりまで落ちており、10池上-50遠藤 29田中-23山本康がハーフウェイラインのあたりにいました。そのため26神垣は左サイドにフリー。

3ヘナンにボールが入ったところで、ジュビロ10山田が猛チェイス。ただ、後ろが全く連動しておらず、神垣にはRCB5小川がつきにいきますが寄せきれずに、44LWB石川へボールがでます。そしてRCB5小川が出ていったので、RWG17鈴木はそこを埋めていたので、46石川につくことができず。もちろん磐田の両ボランチは池上・田中のところについているので出遅れていますし、CBとの間に広大なスペースが。

鈴木は石川につくのか中を締めるのか中途半端な位置取りになっており、そこを26神垣が突きます。この時点で高井がジュビロのあけたスペース、レノファの2列目のところへ落ちており、11島屋がトップの位置に。途中までCB大井が島屋には着いていましたが、バックステップを踏んでフリーに。ボランチが戻り切れていなかったので、悠々フリーでシュートを打つことができました。(惜しいが枠には行って欲しいところ)

また、58:20付近もよい流れでした。やはりここでも島屋と高井はポジションチェンジしていました。(ジュビロは時々スリーラインが間延びしますね。これはアウェイでも同じことは感じました。)

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6渡部⇒46高井へファーストライン、セカンドラインを抜くパスが通ります。

高井が前を向いた時には44石川と11島屋で磐田の3大井38山本義14松本をピン留めしていました。またRWG15川井が高いところを取っていたため、磐田がレノファの右サイドへスライドをしたところ、島屋が山本義の裏を取ります。※渡邉監督も川井を指していましたね。

確かにこの場面で川井に出てもチャンスでしたが、虚をつくパスが出たこともあり、LWG44石川もよいポジションをとっていたり、磐田23山本康は46高井を外してしまっていたので、これはこれでとても面白い形になりました。

 

2)この場面で楠本のチョイスはとてももったいない形になってしまいました。シュートは宇宙開発だし、こここそ川井に出せば中に4人がいる状態でした。

ただ、その積極性は買いたいと思います。今のレノファではRCBが高い位置を取ることが多いです。44石川が入るときが特に顕著に見られたかと思います。

開幕当時スタメンであった楠本。フォーメーション変更や他の選手の台頭もあり、ベンチ外が増えていました。

それでもいまスタメンで出れているのはこのような前への積極性もでてきたことや、その位置取りについても改善できているのもあるのではないかと。

後半の開始時に解説の中島さんが楠本の立ち位置に言及されていました。

前半からもこのポジションを取ることはありましたが、なかなか時間を経るごとに絡めなくなっていましたが、後半に入ると絡む機会も増え、ファイナルサードのハーフスペースへの入り込む機会も増えていました。

前半の押し込まれた時間では前線でのボールの再回収ができなくなっていっていましたが、楠本がここに押し込むことでセカンドボールを回収する機会も増えるので、今後も期待したいと思います。

もちろん本職は守備ですので、2失点目のゴンザレスへの寄せはもうちょっとタイトに行けなかったかな、なども改善点ではあると思いますが、ヘナン同様間違いなく今年に入って伸びている選手かと思います。

さて、失点シーンにも言及しましたが、冒頭で挙げた一瞬の隙。複合要因はあったかと思います。

・相手のファーストアタックはしのげた。ただ、前線が多少引きすぎてしまい、大井にプレスがかかっていなかった。

ルキアンに代わって入ったゴンザレスも同じように裏抜けと強靭のフィジカルを持っていた

・そこに渡部がよせきれずゲインを許してしまい、セカンドラインも戻ってはいるものの人は捕まえられてはいなかった。

ちょっとした甘さが失点になってしまったかなと感じます。(結果論ではあるのは承知してます)

良い形で80分戦えていたことはもちろん前節からの上積みですし、渡邉監督のいう通り第1節に比べれば渡邉色が強まり、前進をしている姿であったかと思います。

来年J1昇格を見据えるうえでいかに今季80分ではなく、90分を戦い抜くことができるかが、後半戦の課題になってきそうな22節でした。

中断前のラスト吉田監督とのホーム戦!楽しみすぎるのに、川崎にオリンピック代表に、、、いや、、、まあ、、、分身が欲しい。。。 

 
最後になってしまいましたが、皆さんのところは大雨の被害いかがでしたでしょうか。

ちらっとtwitterにも出させていただいたのですが、この週末は久しぶりに山口に帰っていたのですが、その前日まで出張で広島におりました。3年前の豪雨の時もやはり広島にいて、熱海のこともあり、久しぶりに雨の怖さを思い出しました。

山口も割と雨が強く降ったと聞きました。何もなかったことを祈っております。

読んでいただきありがとうございます。

(文中敬称略)