きついですね。後半戦に入り、徐々に戦績が上がりつつありましたが、ここに来て完敗試合での3連敗。前半戦が終わりひと回り対戦が終わり対戦相手もこちらの出方のデータも集まり、対策を講じてきますが、今節のレノファの前半はあまりに無防備に栃木に飛び込んでいってしまったと思います。
またも試合当日のアップになってしまいましたが、下記について考えてみたいと思います。
1)余ってるし、ずらされるし。
2)渡邉さんの最初からそうしちゃえ論か?
得点者
栃木 山口
5分 オウンゴール 69分 生駒
14分 根本
今節の栃木の並びは3−4−3。予想フォーメーションであった5−3−2とはちょっと変えてきた形でした。中央の32根本がアンカーの佐藤謙をマーク。右の29矢野、左8高萩の元日本代表コンビがCBとSB双方をみる形。
それぞれ中盤は噛み合わせて、栃木のWBはレノファのWGを見つつ、レノファのSBが高い位置で浮く場合はSBについてきました。そしてCF梅木に対しては16グティエレスが付いてきました。ここで空いていたのが栃木の両サイドCB15大谷と18大森。WBがレノファのSBがスライドすればWGに付いたり、浮いたIHに付いたり、裏へのロングボールなどにも対応するなど、レノファの手詰まりの前半の要因の一つでした。
またその両CBは栃木のボール保持の際も誰がみるのか?というとこで惑わされていました。1失点目ではボールが奪われたところから栃木のポジティブトランジションで18大森はすかさずタッチライン際をスプリント。このサイドで高萩、福森に加えて大森が加わることで数的不利に。高木、生駒ともどることはできましたが大森が上がった分、ボールホルダーへ付ききれず逆サイドへきれいに振られてしまいました。
ボールの保持、非保持時ともにレノファの重心が低くなればなるほど、このCBが浮いた状態となり、こちらは混乱をきたし、栃木は余裕を持てる展開となっていました。
また、前半は栃木のサイドチェンジにも苦しむ展開となっていました。
例としてSB生駒がWB福森につくと、LWG高萩、CF根本がその空いた場所を狙ってきます。そこに眞鍋、ヘナンがそれぞれ対応すると矢野があいてしまうというシーンが散見されました。桑原がそれに対応するために、中をしめる形になりますが、そうするとその奥のRWB黒崎がどうしても浮きます。高井が戻る形で対応をしようとしていましたが、陣形としてはすでに崩されており、2失点目は高井と桑原の間をキレイにスルーパスを通されたところからでした。
この失点直後11人がフィールド中央で話し合っており、フィールド内の混乱を物語っている光景でした。ただでさえハイラインを敷いている中でターンやフリックで裏は取れる、大外のWBが捕まらないなどよく2失点ですんだなという前半でした。
2)
そして、後半ですね3-4-2-1にシステムが変わります。やり方や並びなど変わらない!と何度もこのブログでは書いておりましたが、大変失礼いたしました、変えてきました。
この3−4−2−1にすることの目的として守備で数を嵌めるためとのことでした。後ろも前も栃木の3人にそのままレノファも人をあてることで、栃木の浮く選手がなくなりました。56分のように16グティエレスから3黒崎へのロングボールなどにも桑原がしっかりついていっており、マークの整理ができるようになっていました。前半浮き気味の栃木の両サイドのCBについてもシャドウとして入った高井と沼田がつくことで整理がされました。
そして守備がある程度整い、安定したことで攻撃も形が作れるようになりました。まず後ろからのビルドアップ時にダブルボランチになることで、前半栃木CF根本はアンカーの佐藤謙を見てればよかったですが、隣に田中渉もいることで根本のファーストラインとしての効果が薄まりました。また栃木のダブルボランチの脇あたりに高井が降りてくることで、ビルドアップの出口として機能し始めました。
高井のボールを収められ、インサイドでのプレーができる力、沼田のその周りを運動量を生かして衛星のように相手に捕まらない動き、とそれぞれの個性が発揮できるような形となったと思います。
本来であれば4−3−3の形のときにすでにこのような形を作りたかったのかもしれませんが、渡邉前監督の著書の「ポジショナルフットボール実践論」に書かれていたようなポジションの被りが発生。特に左サイド。ボールを触りたい高井がおりてくる。桑原は前に行きたいが高井を追い越したほうがいいのか、近くでサポートをするのがいいのか中途半端な立ち位置。。田中渉も自らターンをして相手を交わすなど良さは見せつつも2人との息がなかなか合わず、距離感も測りかねているように見えました。
渡邉前監督の仙台は違う問題(あえて記述はさけます)でそういう形になってしまうなら、3−4−3に最初から変えてしまおう。そうすることでワントップの孤立やツーシャドウの役割確立ができた著されています。この栃木戦のレノファも相手を見て、システムを変えたことで、特に桑原の推進力と高井のキープ力が発揮できるようになり、後半の反撃となったと思います。
今後この形が採用されるかはわかりませんが、「自分たちのサッカー」とベクトルを自分たち自身に向けることはいいことですが、やはり相手あってのスポーツ。2失点を喫して45分経ってからの受け身な修正ではなく、能動的に自分たちのやり方を柔軟にしていくことがシーズン終盤に向けて求められていると思います。
後半は名塚監督はテクニカルエリアに出ず、ベンチに座っていることが長かったと思います。現地では気づかなかったのですがDAZNを見てたら栃木の時崎監督をよく見るが名塚監督出てこないな、と見てて思いました。なにか考えがあって戦況をみていたのかもしれません。仙台戦なにか変わるのでしょうか。
個人的に後半好きだった展開をちらっと話して終わりたいと思います。62分のところですね。眞鍋から佐藤謙へボールが渡ったところ。
高井が「箱」の位置にポジションをとり相手をピン留め。沼田がそれを見て裏へ抜け出したシーンです。ゴール裏で見てて、レノファの選手はいろいろ動こうとするのですが、栃木も後半ある程度割り切って後ろのスペースを埋めるような配置にしていたので、あまり栃木の選手がスペースを空けてしまうシーンは少なかったように見えました。この62分のシーンのように相手を留めることで、もともと空いているスペースを使うようなことができてくればまた違った色が出てくるのではないかなと思います。
この試合では佐藤謙がたくさん走って、高井や田中渉のスペースを作ってました。得点シーンはむしろ自分で空けたスペースの先にいる田中渉を使ってほしそうでしたが、まさかの眞鍋からパスが出てきており、目はまだ揃ってないなという印象。交代策にしてもここを神垣あたりに変えてあげたほうが。。。とも思いました。田中渉が出れない仙台戦、誰が中盤を引っ張るでしょうか。神垣あたりには奮起がもとめられそうです。
とにかくホームですし勝ち点3を期待しましょう。
ここまで読んでいただきありがとうございます。
※文中敬称略