レノファを青黒の眼で東京から見るblog

レノファ山口を応援・分析します。

栃木戦の後半が活きた? レノファ山口vsベガルタ仙台@維新2022年7月30日

渡部キャプテンの力強いインタビューでしたね。

「自信を持っていい。」などチームを引っ張る選手としての言葉が並んでいましたね。4連敗は免れた1分け。されど上位からの勝ち点1。しかも勝ち点0も覚悟をした試合でありましたので、よく勝ち点1をもぎ取ってくれたと思います。ただ、沼田が言うように悔しさはもちろんあると思うので、それは次の山形戦で結果として期待したいと思います。

では今節は下記について考えてみたいと思います。

1)先制パンチはできた。

2)仙台のストーンの位置?最後の最後でニア。

3)頑張れ高橋くん。

得点者

山口        仙台

22分 沼田     34分 中山 

90分 渡部     38分 富樫

 

1)

今節も3バックを踏襲してきましたね。前節栃木戦では「相手の形に合わせた」という言い方を名塚監督はされておりましたが、今節は「今いるメンバーでどうやったらしっかりとプレッシャーをかけられるか」ということでこの布陣に。

仙台の原崎監督の試合後インタビューで「自分たちの用意してきた形と違う形でプレスを掛けられた。飲水タイム後からは問題なかった」という旨の談話がありました。

僕はまた4−3−3に戻すのかな、と思っていましたが、名塚監督が用意したのは3−4−2−1の形。

仙台は4バックにダブルボランチを混ぜた形でのビルドアップを序盤は行っておりました。4−3−3で挑む場合はレノファはIHのどちらかが主に池上や山瀬がワントップに並び4−4−2のような形になりますので、その対策を考えてきていたのかなと。片方のボランチが降りて、一人中盤を釣りだして、その空いたスペースにSHが入ってくる、とかだったのかな。。。

まあ、この仙台にたいして梅木がCBに対してプレスをかけ、シャドウの高井と沼田がCBやSBを両方見れるような形で割と中を固めます。相手のボランチに入れば、シャドウとボランチで潰すといった具合でした。仙台のSBに出た場合はシャドウ、WB、サイドのCBが仙台のSHまでスライドするなどスムーズにできている場面もあり、先制点は相手のCBとボランチのミスをつけた形でした。

この数試合でみられて、試合直後から相手へフィットできていない、ということではなく、狙った形で奪った先制点。いつ以来だったでしょうか(笑)。シュートはラッキーでしたが、狙いを持って取れた先制点は今後も見ていきたいです。

しかし、飲水タイム明け仙台は形を変え、RSB4蜂須賀を一列前に上げ、LSB41内田とCBで3バックのような形に。蜂須賀がビルドアップの際の抜け道のような形となってしまいました。蜂須賀がボランチの脇でボールを受ける。左サイドもやはり段差のあるLSB内田に沼田が行けばそこにボランチが落ちてボールを引き取るなど難しい対応が続いてしまいました。

後半は沼田をツートップのようなかたちで上げて高井をサイドハーフのような位置に落としてこの形に対応するようにし、ある程度前半よりは整理ができるようになったように思えました。(60分くらいから仙台のペースが落ちたようにも見えたのでなんとも言えないところはありますが)

 

2)

レノファのボール保持はどうったか?これも前半は割とわかりやすくRCB27高橋がSBのような位置まで上がっていました。時々佐藤謙が降りて3枚で回すようなシーンも有りましたが、さっと叩いて終わり。といった感じで、割と渡部、生駒の2枚とGK31寺門で回そうとしていました。

両サイドの桑原、高橋は下がりすぎず相手のセカランドラインを意識していたように思えます。ただ、ここで兒玉が浮くのではなく、ポジション迷子のような形になり、高橋とポジションが重なる場面もでており、インサイドでのプレーもそこまで得意ではないため、右サイドは展開はできても崩しきれない場面が見られました。

そこで後半は自陣へいる場合は27高橋がそこまで上がることはせず、3バックの形で回すようになりました。

兒玉の位置がWBとして幅を取るという形ではっきりしたこともあり、後半ようやく試合に絡めるようになっていったと思います。

左サイドについては高井がやはりキーマン。先制点のところもそうですが、やはりサイドに貼るよりもスタートは中のほうがやりやすそうです。ボールを引き取ること、WGで孤立するよりも味方のサポートもあるので、敵も飛び込みにくくなり、より彼の良さが出せていたと思います。特に59分のカウンターのドリブルは流れをレノファに変えた好プレーでした。

そしてきれいにビルドアップでゴール前まで迫れたのが64分。

GK寺門がボールを保持し、そこに42富樫がプレス。佐藤健が落ちてきてボールを受け渡部へ。そこから持ち運び、佐藤謙は同レーンの先に位置し、仙台の18氣田と44中島がここを消しにいきます。しかし、その裏を付き沼田がその空いた中央のスペースへ移動し、渡部からボールを引き取り疑似カウンターのような形。高井→佐藤→高橋→梅木といった形でコーナーキックを取りました。

この試合レノファのコーナーキックは5本。前半45+3分と67分、78分、88分、89分。

順に追っていくと、まず前半のアディショナルタイムのところ。仙台のストーンの位置はゴールライン上。レノファの高井、兒玉がキーパーの周りに立ち、簡単に前に出れないようにしてました。そこからショートコーナーで兒玉がファーに開いて、佐藤健からドンピシャのボール。結構決定機でした。

続いて上のビルドアップからの流れで取ったCKが67分。ここでもまだ仙台のストーンはゴールライン上。ただ、割とレノファがファーに人数を割いていたため、ニアに大きなスペースが有りました。そこに梅木が飛び込みクロスバー。生駒、高橋は押し込めず。

78分。この時67分のイメージが強かったのか、仙台のストーンはゴールエリアの中へその他のマンツーマンで付いていない選手もニアに入り気味。そこでW佐藤でまたショートコーナー。ボールはファーへ。こぼれ球にここも高橋。枠に飛ばせず。

88分。仙台の並びはほぼ同じ。対するレノファはCFタイプの大槻、岸田を投入。また、兒玉だけだったキーパー前に高木が入ります。ここはファーの渡部へ。クリアされてもう一度。

89分。仙台の並びは同じ。ただ、このときに高木がニアによりすぎている仙台の陣形を見て一気にニアのゾーンの前へ入り、山瀬もピンポイントでそこにボールを送りフリック→スクラム状態から渡部?のゴール。となりました。

前半からコーナーキックについては結構レノファは仙台に対してイニシアティブを取れていたと思います。もちろん、仙台のコーナーキックで桑原がだいぶキッカーの方へ立ちニアへの早くて低いボールなどを警戒していたと思われる中で、ファーのゾーンの外で高橋に競り勝たれ、中へボールを入れられ失点と、どっちもどっちかもしれません。

しかし、何回か試行をしていくなかで最後に取った策が「ニア高木のフリック」。アウェイ大分戦などでも得点をしている形なので、最後の最後で得意のニアでの形で点を取ったことは、大きな選手を増やしファーで勝負か?といったところでその心理状況をうまく逆手に取った素晴らしいセットプレーだったのではないでしょうか。

 

3)

以前アウェイ横浜FC戦で遠征メンバーとしてベンチ入りしていた高橋。試合後の振る舞いなど見てて、なんか頑張ってほしいな〜と思っていました。そしてついにこの試合累積警告で試合にでられない選手がでたこともあり、初スタメン。

試合後のインタビューで、CKから決定的なものを2本外してしまった、とありました。結果は残念ではありましたし、渡部の言うようにこの時期セットプレーなどでディフェンスの選手が点を取ることはチームとして大きいです。ただ、SBが本職で3バックならCBとしても振る舞える。今回のフォーメーションは彼にとってはチャンスなのではないかなと思います。背丈はそこまで大きくないですが、機動力は他のCBタイプの選手に比べて秀でる部分はあります。ジャンプ力もありそうですし。

失敗には終わりましたが、62分の兒玉との崩しのように、CBでありながらニアゾーンを取れるようなプレーを見せることができれば、それは武器にもなると思います。

この試合、生駒が同サイドの縦パスを、特に後半試みている用に思えました。Wボランチの2人はあえて見ないでまず縦パスを選択、という意識が見えました(54分55分など)。

生駒や渡部に比べるとあまりボールを触る機会は少ないものの、ボールが来た場合は割とフリーで前を向ける。高橋自身も「後ろの3人のうち一人は出口になる」というのを意識して後半プレーしていたように見えました。この出口となったときに佐藤謙や兒玉を見ていたと思いますが、その一つ前には抜け出すのが得意な沼田がいましたので、高橋からズバッとここめがけてのボールが入るのも、せっかくの3バックなので面白いのではないかなと思います。

妄想ばかり書いてしまいましたが、去年見た試合よりも堂々とできているなとファン目線で見ていたこともあり、次節ヘナンと眞鍋がもどってきますがまた試合に出てくれるといいなと勝手に思っています。

 

さ、次は山形戦。声出し応援の日のようで、感染状況など心配な側面はありますが、雰囲気の良い維新スタジアムで選手たちを迎え入れてくれることでしょう。

今度こそ勝ち点3!期待しましょう。

ここまで読んでいただきありがとうございます。

※文中敬称略