レノファを青黒の眼で東京から見るblog

レノファ山口を応援・分析します。

試合終了直後の姿に残り8試合の期待を。レノファ山口vs横浜FC@維新 2022年9月3日

首位を迎えてのホームでの1戦。2点ビハインドと劣勢になるも、水戸戦同様ホームの声を背によくぞ挽回をしてくれたと思いました。

スタメンを見る限り、「戻ってきた選手」「あら、いないの?という選手」どうなるのかな?という興味と不安がありましたが、見事に勝ち点3まではいきませんでしたが、勝ち点1をもぎ取ってくれたと思いました。

タイトルにも出させていただきましたが、試合終了直後の「疲れた」「勝ちきれなかった」という肩を落とす選手たちに、佐藤謙や前、高橋などがすぐに声をかけ、「おつかれ。次もあるぞ!」と肩を落としがちな仲間を労っているような姿に、チームとして残りの8戦しっかり戦っていくぞ、という姿勢が見えたように思えます。そんな姿勢が首位相手でも盛り返すことができた要因の1つだったのかもしれません。

 

では今回は下記について考えてみたいと思います

1)並びが変わっても。

2)ボランチが前で受け始められた後半

3)出して側から受け手側に。



1)並びが変わっても

今節のレノファのトピックスは橋本の復帰と成岡のスタメン入り。

特に橋本はフォーメーションが3-4-2-1になってから初めての出場でした。また4−3−3に戻すか?と多少考えていましたが、並びは3−4−2−1を継続。橋本はLWBに入りました。「個人的には復帰戦でした」と試合後インタビューで語っていましたので、おそらく怪我での離脱だったのでしょう。※引用元:レノファHP

https://www.renofa.com/archives/result2022/yokohamafc-34/

また、成岡が早くもスタメン入り。渡部の欠場もあり前がLCBに入り、成岡がボランチの位置に入りました。この起用方法のためか、レノファのビルドアップの形が変わっていました。ボランチの8佐藤謙がLCBのような位置に落ち、15前がLSBの位置へ行くことで成岡のアンカーの4−5−1(4−3−3?)といったような形を取っていました。

横浜FCのボール非保持は4-4-2。前回対戦時では「2」の部分の片方がアンカー番、もう片方がコース限定といったかたちでした。しかし、今節は2枚のCFは成岡のコースを消し、その後ろの選手たちがレノファの前線の選手たちにそれぞれ付いていました。

積極的にボールを前線から奪いに来る様子もありましたが、どちらかというとコースを限定させる方に重きが置かれていたように思います。

レノファも自陣低い位置でボールを奪われることはなかったものの、前線が横浜FCの選手たちにつかまっていることもあり、前線にロングボールを入れてもガブリエウの壁に跳ね返さえたり、外回りにサイドへ追いやられてしまう場面が前半散見されました。

sporteria.jp

前半ゴールに迫った場面は4分の横浜FC陣内のスローインで成岡がうまく引っ掛けて取った流れの高井のミドルシュート。21分の相手ビルドアップを高井が奪い、成岡に展開して最後は吉岡の決定機だった場面と、相手陣内で奪ったボールをシュートまで持っていくことはできましたが、後ろから繋いで相手を押し込むような展開には持っていけませんでした。

後半レノファは形を変え、3バックの高橋ー菊地−前(+関)と佐藤謙と成岡のボランチをフォーメーションのままの位置でボールを回し始めます。ホーム仙台戦の後半のように並びを変えました。

前半の途中、17分や24分のように既に高橋が落ちて横浜FC16の長谷川が前に出てきた時に「どこ空くかな?」といった具合に見ており、正直前半から(最初から)やっても良かったと思いますが、後半は後ろ3人で回す形に変更していきました。


2)ボランチが前で受け始められた後半

そしてこの変更もあり変わっていったのはボランチの2人と右サイドの3人。

DF→ボランチへのコースが増えたこと。また、CB→WBへボールが出た際にボランチとWBの距離が近くなったことで、サポートが入りやすくなり、ボランチ2人のボールを触る位置が高くなりました。前半はどちらか一人であったり、外回りで相手の誘導に従う形でしたが、ボランチ2人が相手陣の中側でボールをさばけるようになり、セカンドボールの回収もでき始め、チームに勢いがでてきました。

そうなると今度はボランチエリアに田中渉が降りてきて、ボールを受ければ空いたインサイドに吉岡。また空いた大外のレーンには高橋とポジションチェンジをすることで横浜FCを揺さぶっていきます。いつもは高井が落ちてきてましたが、今節は田中渉が落ちてくることで、後ろと前線のリンクマンとしての役割を果たし、成岡とともに運動量とテクニックでチームの潤滑油として機能し始めました。

このようなイケイケの状態で相手のミスを誘い同点に追いついたことは理想的な流れであったと思います。※失点シーンは多少後述。

1−3になった後も75分には成岡→インサイドに入った吉岡→梅木(オフサイド)や、

77分佐藤→梅木→もどして佐藤→梅木がガブリエウを吊って空けた位置に高井→おとして梅木のシュート。

ボランチ2人が高い位置を取ることでチャンスクリエイトはできており、連続失点を喫するものの、勢いを相手に渡さず押し返すことができました。

2点目の最初に押し込んだきっかけは高橋→佐藤→成岡→田中と右サイドへの展開でした。ここはLSB亀川に取られるものの、田中渉の粘りもありレノファ全体で横浜FCを押し込む形に。ネガティブトランジションで全体で押し込んだこともあり、吉岡がまずボールを奪い中へ展開。もう一度ボールを奪われるものの、今度は前がやはり高い位置でボールを奪い返します。(徳島戦の試合終盤の白井をこんな感じで潰してほしかった。。。)

そしてもう一度吉岡に展開をし、橋本の折り返しの流れで梅木のゴールが生まれました。

ボールを失っても相手を押し込んでいたこともあり、横浜FCの攻撃のスタートが自陣深くであり、レノファもボールサイドに人を割くことができており、狙い通りのショートカウンターからのゴールではあったかと思います。

 

また3点目についても後ろ3人の並びに対して横浜の「2」の脇でまず佐藤謙が生駒からボール受けて、大外の橋本へ。アーリークロスは跳ね返されるも橋本がセカンドボールを競り、こぼれ球をやはり高い位置の佐藤謙が回収し右サイドへ展開しこぼれ球を成岡が蹴りこみました。

前から嵌め、クロスからの得点。ピンポイントで合わせての得点ではありませんでしたが、今節の名塚監督の言葉がある程度手応えがあったと捉えていらっしゃいそうな雰囲気でしたので、あと一歩!というところまで監督の中では来ているのかもしれません。町田戦や如何に。

そんな中でやはり失点シーンはいただけなかったかなと。前がかりになったところでオフサイド崩れでCB裏にボールを送り込まれてそのまま失点。PK。など似たような形でやられてしまっていました。オフサイドをとる守り方をしている以上、そのミスで複数失点をしてしまうのは横浜FCの質を差し引いても、今後のチームにも付け入らてしまわないよう改善をしてほしいです。

 

3)出して側から受け手側に。

そして個人的にもう一つ改善できそうと思ったのが橋本健人の関わり方。離脱前までは不動のLSBとして出場をしていましたが、彼の言葉通りですが、「サイドバックでは前が人が多い分、出し手になることが多かったですが、今は受け手になることが多いです。」とフォーメーション変更後の役割の変化を語っていました。引用元:レノファHP

出し手に対してのポジショニングについての反省を述べていましたが、チームとしてはやはり橋本に対して任せすぎでないかなと思います。右サイドが色々コンビネーションを交えているのに比べると、左サイドは橋本健人がやれてしまうのもあってか多少彼の単騎特攻が目立っていたかと思います。シーズン序盤のストロングの左では橋本−田中ー沼田のトライアングルでの崩しもありましたし、ここの練度が高まるとよりチームの精度が上がるかと思います。

ただ、この橋本の高い位置は魅力的ですね。出し手として低い位置で関わるのもよいですが、彼の1対1での思い切りの良さなどが発揮されるように思えます。今節は1対2のような形で失うこともありましたが、今後は右サイドから左サイドへ展開し橋本のクロスを中でしとめるような得点も生まれそうな気がします。

 

成岡君が素晴らしく、高橋君も守備で奮闘(いくつかは僕もファウルではないと思った!)。3失点はしてしまいましたが、徳島戦でのショッキングな負け方は引きずってはいませんでした。

twitterで拝見しましたが、3点目の後円陣組んで改めてチームの意図を確認していたとか。はじめに述べたように、試合後の労いやその姿勢は横浜FCに比べてポジティブな雰囲気を出していたと思います。山口一体!(秋田さんすみません)

まずは町田戦に勝利し、正念場の5連戦もしっかりチームとして戦っていってもらいたいと思います。

 

ここまで読んでいただきありがとうございます。

(※文中敬称略)