レノファを青黒の眼で東京から見るblog

レノファ山口を応援・分析します。

手ごたえと課題。清水戦で発揮できるのはどちら? 大分トリニータVSレノファ山口 @レゾナックドーム大分 2024年5月26日

クラブ初のJ2での4連勝がかかったこの試合。無失点で終えるも得点ができず連勝は3でストップ。ただ無失点であったことやアウェイで勝ち点を得たことなどは、評価できることではないかと思います。

上位に食らいつくためにはこのような試合を勝たないといけないという見方もありますが、前節の藤枝線同様に相手がある程度レノファ対策を仕掛けてきている中、しぶとく勝ち点を重ねていくことは大切であると思います。昨シーズン20位でギリギリ残留したチーム。一つ一つ積み重ねていっている現状をしっかり捉えていくのが個人的には必要なのかなと思います。

では、今節は下記について考えていきたいと思います。

1)切り替えたハイプレスとミドルプレス

2)5バックへの切り替え

3)この試合の流れとデータで考える。

 

1)切り替えたハイプレスとミドルプレス

今節の対戦相手の大分。片野坂監督がまた監督に就任し、戻るべきところへ!というクラブの気概を感じますね。以前の片野サッカーのような3バックではなく4バックを採用。レノファ同様に4‐4‐2のフォーメーションで前線に長沢という高身長の選手、宇津元という裏抜けやスピードのある選手を起用。リーグのこぼれ球奪取数もレノファが1位で大分が3位と、チームの志向などが似ているようなチームのように見えました。

ただ、レノファと違うのは割とビルドアップにこだわりを持って攻めてくるところかと思います。そしてこのビルドアップのところで普段と多少変更を加えてきたようでした。

——今日はここ数試合とは少し立ち位置や戦い方が違っていたが、感触は。
5分5分くらい。中に人はいたのだが、いままでの戦い方とは距離感が変わってきていたので、そこの微調整をもう少し出来ればよかった。前節まではもう少し下での繋ぎもやりやすかった。(引用元:トリニータ公式)

と今節LSBに入った野嶽が言っているように自陣でのボール保持で中央にある程度人を寄せていたように思えます。

まずなかなかレノファの守備がはまらなかった序盤はどうったのか?

先日けがが発表された相田に代わり今節スタメンに入った田邉が相田のようなふるまいを見せます。若月、梅木で大分の両CBを捕まえダブルボランチのところを消すように外誘導を促すようにプレスをかけ、田邉が落ちてくるダブルボランチを捕まえるために1列上がります。

この辺りまではある程度想定内であったかと思いますが、多少ほかのチームと違っていたのが大分の両サイドハーフ、10野村・5中川が割と中央に位置を取っていたと思います。普段からレノファのサイドハーフも中央を締めながらボランチなどのコースを切りながら前に出ていきますが、大分はこのレノファのサイドハーフが出ていったところに野村や中川を送り込み、ボランチ位置というかアンカーのような形になっていた佐藤の脇を取ってきました。

序盤はここの位置をビルドアップの出口として使われ前進されることや、長身の長沢がここに降りてくることで、セカンドボールを野村や中川が抑えるなどボールを保持される時間が続いてしまいました。10:30のところのように4‐2‐2‐2のような形になっているのが一例です。

試合の前半は相手のやり方、立ち位置で少し躊躇した部分がありました。相手ゴールキーパーのキック、FWの長沢駿選手に対して競り負けてしまう部分がありましたので、前半途中から修正しましたが、前半は劣勢の展開であったと思います。ハーフタイムで修正し、後半は意図的な守備もできていたと思います。(引用元:レノファ公式

と、この辺りで前半苦戦してしまったことを志垣監督が認められていました。

 

ただ、レノファも前半のうちに対応。例として29分。

この場面も大分のボール保持のところ。上述した大分のSHが中に入ってくる動きに対してレノファもここに河野、野寄を中に入れて野村と中川を捕まえます。一度いつもより中を締めることで中央のコースを消して、大分に外誘導を促します。そして大分がサイドバックの選手、この場面はLSB18野嶽にボールが出たところで野寄はプレスを開始。

大分は中央に人数を割いている分、サイドは薄目になっていました。これは上の野嶽のコメントにあった『中に人はいたのだが、いままでの戦い方とは距離感が変わってきていた』というものにつながるのかなと思います。

この場面では迷った野嶽が中にドリブルをしたところを野寄が惜しくもファウルを取られてしまいましたが、高い位置で捕まえることができたシーンでした。

徐々に大分の動きに慣れてきたレノファ。梅木のコメントで後半はもっとしっかりプレスをかけていくことを確認したようで、勢いそのままに後半は流れをつかんでいったと思います。

河野の負傷交代はあったものの、61分の吉岡、末永の交代でもう一度ねじを巻きなおします。

やはり中を締めてからサイドバックに出たところへ吉岡がプレス。おそらくこの試合相手のサイドバックに出たところでレノファのSHの選手が中をきりながらプレスをかけました。ここでボール取り切れば100点ですが、その外にもここで大分のパスコースを限定しているのでここからのパスの出どころをちゃんと押さえておき、そこでボールを奪取することを狙っていたかと思います。そういう意味では先発野寄→後半吉岡という流れはあくまで僕の推測ではありますが、90分相手に与えるプレッシャーというのは落ちないし、後半より上がってくるような交代策に思えます。

しっかりプレスをかければ相手陣でボールを奪えますし、66分のように中の締め方が甘ければボールを逃がされてしまいます。このSHの働きはこの大分戦では特に重要であったように思えます。

67分のようなトランジションのところで、正直そこまでレノファの選手が早かったかというとそうでもないように見えましたが、大分よりもしっかりできていたことは確かで、何気なく野村にボールを渡してしまった大分に対して複数人でプレスをかけてボールを奪い、山本→吉岡→梅木とあわよくば決定機を作りました。

 

2)5バックへの切り替え

そしてそんな状況を嫌がったのか、大分が野村とペレイラを替え3バックにして3‐4‐3のような形に変更。レノファがはめられていた形を放棄して違う布陣にしてきました。

その動きを見た志垣監督はすかさず板倉を投入して相手の形にレノファも合わせるようにし、大分の狙いを封じ込めます。

ここでもやはりキーになっていたのは吉岡。5バックのRWBにポジションを変えるもレノファの狙い自体は変わらず。大分のLWBに出ればしっかりとプレスをかけてボールを奪取。レノファがボールを保持すればウイングのような位置をとることで相手を押し込みました。

残念ながら得点を奪うことができずにタイムアップ。

 

3)この試合の流れとデータで考える。

この試合の流れを考えると

試合の入りのところで大分がレノファ対策でビルドアップの形を変えていた

         ↓

レノファはハイプレスをミドルプレスに変えSH位置もいじって対応。

         ↓

大分が伊佐、渡部を入れて背後を意識するような交代をするも、レノファも吉岡ら投入することで、大分の交代選手のところまでボールを運ばせないようにする

         ↓

大分がフォーメーションを変更。レノファもすかさずそれに対応。

 

と、まず先手を打っていたのは大分であったと思います。

ただ、それに対してレノファは答えをしっかり持っており、早めに対応ができていたと思います。また、コンディション問題があったようですが、ハーフタイムで佐藤⇒池上へ交代であったり、大分の後半の交代に合わせて吉岡らを入れてプレス強度を落とさずに相手の狙いを出させないなど随所に早めの対応ができていたと思います。

これは今年の志垣レノファが例年よりもとても優れているところだと思います。相手の形がどうであれ解決策を持っていることや、それを遂行しきるベンチワークと選手たち。まず、自分たちの守備で立ち返るものを持っていることで慌てずに対応ができているように思えます。

 

 

だからこそ勝ちたかった。点を取りたかった。これが来るのかなと思います。監督の試合後コメントでも

選手もロッカールームでは非常に悔しそうな表情をしていました。そこが今の我々の前向きでポジティブな点だと感じています。

と残されているように勝てたと思える試合であったと思います。

ここで一つの指標を。 Footballlabさんより引用

まずうまくできていたこととして、守備をあげたいと思います。(左が大分 右がレノファの数値です。)

30mライン進入は上回られてしまいましたが、ペナルティエリア進入については2に抑えることができています。2回しかエリア内でプレーをさせていないということもあり、ゴール期待値も下記のように0.5以下に抑えることができました。

sporteria.jp

ほぼ形を作らせていない中であとはゴール。ここが課題かなと思います。

前貴之も試合後コメントで言及していたように

前半であれだけ持たれた中で、相手も変わらずにビルドアップしてくるという予想もして、追い込む位置を定めてプレッシャーを掛けていく。そういうことが上手くいって、取れるところもありました。そこから奪ってのショートカウンターも決められれば良かったですが、自分たちがボールを持った中で敵陣で揺さぶってゴールに行くというところは課題で残っていると思います。

上記は大分のボールロスト位置ですが、言い換えればレノファがボールを奪った位置です。相手陣深くでボールを奪えているので、やはりショートカウンターで仕留めることや、奪ったところで相手陣でのボール保持をしてからの攻撃は課題となるでしょう。

今期のレノファはロングボールを使っての攻撃が多い中、あまりボール保持率は参考にはならないと思います。現に40.0%であった群馬戦や42.4%徳島戦、44.2%の甲府戦など勝利をあげている試合もあります。

この3試合はゴールへの精度があった試合であったことが言えるかなと思います。ある程度保持をさせて狙った位置で奪って仕留めることで勝ち点3を取った試合だったり、セットプレーで得点をとることだったりと、今までの成功体験をもう少し試合の中で発揮していくことが上位にいくためには求められることなんだろうと考えます。

 

ただ、やはりまず守備が安定していることであったり、狙いをもって高い位置でボールを奪うことができているからこそできている課題ではあります。一つ一つ階段を登れているように思えますので、時には志垣監督がおっしゃるような2歩くらいを駆け上がるようなものを見せてくれた時、上位にいるようなチームになっているんだろうなと思います。

それを次の清水戦で見せてくれたらいうことはないです(笑) ただまずは去年まったく堰き止めることができなかった清水の攻撃陣をシャットアウトするような姿を期待したいなと思います。

清水戦はトークショーに読んでいただくなど個人的にもドキドキのことがおおいですが、楽しみたいと思います。

ここまで読んでいただきありがとうございます。

(※文中敬称略)

 

さて、あとがきですが、

最近負傷者がまた増えている感じがしますね。この前のウイルス性の流行り病は別として、なかなか戻ってこれてない加藤、小林。復帰したと思ったらまだ離脱??な平瀬。河野は今節負傷交代ですし、新保もちょっと痛がるシーンがあり、相田は4週間と発表がありました。高橋君はシーズン最終盤まで離脱となかなか厳しい状況が続いてます。

割と新加入選手もいるので一概には言えませんし、負傷箇所がどういう場所で、どういう経緯でなったかはわかりませんが、やはりそれだけ試合や練習での強度が例年よりも高いのかなと感じます。

けが人はいるものの強度高い練習ができているからこそ、代役の選手たちもしっかり結果を出しているのかなと思います。

10節終了あたりでは交代選手が途中から試合に入ってきてもブーストさせられていないといったことを書いたかと思いますが、山形戦あたりから変わってきているように思います。けが人自体は困りますが、野寄のように開幕戦ベンチに入れなかった選手が、関や河野、新保、前のように開幕節から活躍をする選手同様に活躍をしているこの数節。改めてチーム力が上がっているように感じます。代役という言葉を使いましたが、そもそもそれさえも失礼な言い方なほどの活躍もしてますしね。

 

個人的にはこういう状況にあるだけで正直「本当にレノファ山口なのか?」といまだに思ってしまう人間ですが、今起こっている変化を楽しみたいと思う一方で、けが人帰ってきたらベストメンバーどんな感じなのかなと未来も気になってくるのはこの順位にいるからでしょうか。

早いものでそろそろ折り返し。今節の引き分けを悔いていたとのこと。どうやら勝ち点55よりも高い世界を見ているようにも思えます。

目の前の1戦1戦といいますが、最終節どんな位置にいることを思い描き、そこから逆算して何を足していかないといけないのか。監督や選手もそれは考えていること思います。選手の振る舞いであったり、試合後のコメントなどそういう意味合いで確認していくとまた違った感想を抱くようになるのかなと思った今節でした。

今回は以上になります。