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制限された中でのプレーの質の差  レノファ山口vsベガルタ仙台@下関セービング陸上競技場 2024年9月29日

リーグ5連敗。岡山に負けたところからまさかこうなるとは正直思っていませんでしたが、起きてしまったことは仕方ない。

自分にできることはこのように試合のレビューを書いていくことかなと思います。

ということで、久しぶりになりますね。レノファの今節を振り返っていきたいと思います。

 

1)ピッチの状態で制限をされた両チームのプレー

2)今節も光ったCF奥山

 

 

【得点者】

山口      仙台

なし      75分 中島

 

1)ピッチの状態で制限をされた両チームのプレー

今節のトピックスでまず上げたいのは下関開催であること。年1開催のこの地。戦績など縁起の良いスタジアムではあるが、ピッチはいつもモグラが住んでいる、など冗談がでるようなピッチであることはレノファサポなら周知のことかなと思います。

今年は暑さも相まってかこの数年で最も芝が枯れているように見え、でこぼこのピッチと芝の状況も厳しいといったピッチ状況だったようです。

アライバルインタビューからすでに両監督が「このピッチでは…」と言葉にされており、また、理由はわかりませんがピッチに散水もされなかったとのことでした。(参照元サッカー批評さん

こうなるといつものサッカーと変える必要が多いのは仙台のほうだったと思います。つなぐビルドアップではなく、ロングボールでのビルドアップが主体としなければならない状況でした。

レノファはどちからというとロングボールで背後を狙うことはもともとしていましたし、仙台ほど影響はなかったと思います。

共に相手陣では即時奪還を狙うチーム同士、そしてこの試合ではロングボールを主体にして戦うといった、同じようなプレーモデルを敷かねばならない。フォーメーションは4‐4‐2同士と、言い方はむちゃくちゃですが、強制的に似た者同士対決になったような試合になっていたように思えました。

仙台は前線のCFエロン、中山を狙いそこで収めてサイドへ展開。レノファは奪ったら手数はあまりかけずにまず裏を狙ってセカンドボール。というのがそれぞれの最初の狙いだったように思います。

 

試合はまずレノファが西日を背に仙台ゴールを目指します。

この日のレノファの陣容はCFに3日前に天皇杯にスタメン出場していた奥山と末永でした。負けた試合ではありましたが、J1のマリノスを相手にある程度プレスであったり裏抜けで相手を苦しめていたコンビがスタメンとなりました。またボランチに佐藤、SHに吉岡とここもマリノス戦で目立っていた選手が務めることになりました(田中はどこいった。。。)。

開始5分のところでGK田口から前線へロングボールが送られますが、仙台RCB5菅田に跳ね返されました。やはり前線の2人は高さで勝負するのではなく裏抜けなどアジリティで勝負するタイプなので、単純な競り合いでは仙台のCB陣には無理だなというのがわかるプレーでした。

続いて7分にもう一度GK田口から。今度は千葉戦に続きRSHに入った山本へロングボール。山本は千葉戦に続き多少CBの選手よりも背丈の低いSBの選手であればほぼここでは競り合いに勝つことができました。で、13分RSB前から奥山を縦に走らせるボールがでるとここは奥山が収めます。

徐々に右サイドで攻撃の糸口を手繰ることができ始め17分、田口からのロングボールに山本が競り、前貴之がボールを収め奥山へパス。そのまま奥山がシュートを打つ形が作れ、レノファのこの試合の狙いと思えるプレーをだし、仙台ゴールを脅かしていきました。

ただ、どちらかというと序盤はこのような形を作るのに苦労していたように思えます。

上述した通り、レノファはある程度ボールを奪ったら手数をかけずにまずDFラインの背後をねらっていました。ただ、マリノスに比べてそこまで背後をあけていなかった仙台のCB陣にボールを跳ね返されてしまうシーンが多かったと思います。

また、ボールを出してもCBがあまり動いておらず、奥山や末永が背後を狙っても仙台の両CB菅田・小出はこのボールへ対応ができてしまっていました。

レノファとしては、手数=時間、をかけずに早くゴールに迫ることを選んだように思えますが、仙台の後ろの選手の準備はできてしまっているため、なかなかこれがはまらず。

このような状況であれば、ある程度奥山・末永が走り始め相手のラインと駆け引きができるようなタイミングであったり、イーブンの状態でよ~いドンができるタイミングでパスを出すことのほうが良かったように思えます。

また、17分のように山本らが競ったところでセカンドボールを収め、相手の陣形が多少崩れたところでDF裏を突くようなプレーも有効であったように思えます。

 

その点、前半上手だったのが仙台だったと思います。レノファよりボールを奪い返したあとにエロン、中山を直接狙う場面があったり、ボランチの鎌田・松井を経由し郷家らを使いながら丁寧にレノファ陣へ侵入していきます。

ロングボールにしてもエロンがしっかり収められる場面であったり、セカンドボールを収めたところでもレノファがすぐにプレスをかけても、ピッチを苦にせずボールを回していくところなどもあり、前半35分あたりの4連続CKがあったところも含めて、レノファ陣深くまでしっかり攻めることをされてしまっていました。

失点シーンについてもキッカーのミスキックであったようですが、このような仙台のしっかり攻め切ってシュートまでもっていくもしくはCKをとるという仙台のしたたかさが、コーナーキック3vs7という結果にも表れていると思います。

(引用元:FOOTBALLLABさん 仙台の得失点パターンより)

ベガルタ仙台の今シーズンの得失点のパターンですが、

最も仙台が得意な得点の形がセットプレーであり、レノファの最も失点が多いのがセットプレーというところがバチっとあってしまったように思えます。レノファのデータはこちら参照

試合を通してもやはりロングボールの質であったり、ピッチ関係なくボールを止めるところや、ワンタッチの技術など差を見せられてしまったように思います。

 

2)今節も光ったCF奥山

ただ、なすすべもなかったか?と言われればそうでもなかったと思います。

この数試合の中では最も自分たちのプランは遂行できていたように思えます。

 

まずあったのはやはり効いていた奥山の裏抜け。

アバウトにボールを背後に送った際はあまりチャンスを作れていませんでしたが、セカンドボール回収からの背後を狙うところであったり、51分のように単純に奥山を走らせるだけで相手がクリアしても再度スローインで背後を取って末永の決定機を作ることができました。

また、39分のようにセカンドボールを抑えた佐藤→新保とアバウトに裏へ出さないことを選んだ場面でも、相手の中間ポジションを取って新保から河野のようにボールを引き出していました。

奥山が背後を狙うことで相手のCB陣とボランチの間が空きますので、そこにボールを送り込むことやロングボールのセカンドボールを収めることができます。若月とはまた違った背後の狙い方をする奥山はやはり今後もこのポジションでの起用があるように思えます。

また、もう一人存在感を示せていたのが下堂であったかと思います。平瀬の出場停止や連戦ということもありめぐってきたチャンスでした。勝利という結果が出なかったこともあり、どのような判断がされるかはわかりませんが、今後のRCBレギュラー争いに入ってきそうにも思えます。

選手の特徴としても平瀬に似ているのも気になるところ。怪我をしていたにもかかわらず夏の獲得というところで、来期を見越していることは明白で、平瀬が思った以上に山口県になじんでいるようにも思えるので、そのまま完全移籍ができないか。。。という思いはあるものの、保有元の鳥栖の来期のカテゴリー次第では難しいかもしれません。ただ、似たような選手の下堂を確保しているということや新人選手にCBタイプが2人ということを考えると色々クラブやチームで考えていることがありそうです。

 

多少話はずれましたが、岡山・清水・千葉と割と力負けを感じるところはありましたが、ピッチの状況で田んぼサッカーではないですが、割と相手のやりたいことを制限された中での仙台戦では無失点の時間を長くする。ゴールを先にとれていれば、というところまではもっていくことができました。現にゴール期待値はレノファのほうが上でした。

ただ、現実的には負けてしまい、プレーの質の差を見せられてしまったように思えます。5連敗というなかで迎える山形は9月最も成績が良かったクラブ。好対照の状況で迎える試合になります。

おそらく質などを問われれば相手のほうが上ですし、メンタル面の充実も向こうが上でしょう。ただ、それだけでは勝負がつかないのがスポーツであり、サッカーの世界。

志垣監督が言うようにペナルティエリアに入る前まではできている。あとは攻守においてボックス内での精度・質。

先制点を多くとられてしまっている今、前半戦のように早い時間で点を取って逃げ切るでも、鹿児島戦のように粘り強く戦い、後半先制して逃げ切るでもよし。中断明け大分戦でしかできていない、クリーンシートでの勝利をもう一度取り戻せれば、またプレーオフが見えてくるのではないかなと思います。

 

久しぶりなうえに、田んぼサッカー同様にあまりプロットが思いつかず稚拙なものになってしまい申し訳ないですが、今節のレビューはこれでしめさせていただきます。

次は山形。現地行く!って投稿や声を見ており、自分の分までお願いします!という思いと東京からですが、勝ちを願っているよ!という思い、各地でのPVでのそんな思いが重なってこの長いトンネルから抜け出ることを期待したいと思います。

 

ここまで読んでいただきありがとうございます。

(※文中敬称略)

 

 

さて、あとがき。

河野の離脱いたいですね。今回純粋に痛いな、とおもったのがセットプレーの守備の高さでした。河野自身もそこまで大柄な選手ではありませんが、CKなどはストーン(ニアサイドに2人ほど並んで、手前で跳ね返す役をしている選手)を務めることが多かったです。

今節スタメン組でここを務めたのが相田と佐藤でした。その他ニアポストのところに前、ファーポストに新保。一番ケアしないといけないところにヘナン、下堂、山本で固めて、2列目に奥山、末永でした。

仙台はゾーンの外側をまず狙い、山本や新保よりも多少奥のところで勝負をしてきていました。そうかと思ったら、大胆に松井が下堂のところに入ってきてあわやというヘディングもしていました。

もともと小柄の選手がおおいので、セットプレーは苦手にしているレノファとしては河野の高さでも貴重。特に失点したシーンでは佐藤・山本の180㎝をこえる選手2人が抜けたのに対して、180㎝組は酒井だけ。身長だけがすべてではないですし、おそらく河野もしくは佐藤がストーンの位置に入っていたら跳ね返せていたとは思いませんが、失点時は割と身長の低いセットであったのは確かで、あのニアで合わせられたところは何かできなかったかなと思ってしまいます。

※身長の低い選手を揶揄しているわけではございません。そこまでボールが来ていなかったニアは一度捨てて、ファーや中央部をケアするほうが良かったのか?あそこに中島の前にオナイウが入り込んでヘナンを阻害していたので、そこを対処できなかったか、というたらればの話です。

相田の試合後コメントでセットプレーの並びをもう一度考える、というようなものがありました。開幕節の横浜FCにはストーンの間にボールを落とされ、3節の岡山戦のところでファーサイドのゾーンの外であわされました。ファーポストに人を配置することだったり、中の並びを変えるなどもいくつか今期中にもやり方を変えています。

まだ最適解を見つけれていないうえに、ある程度の高さのある河野抜きで考える、というのはなかなかわやだなと感じてしまったのが正直なところでした。

もうこれ以上失点はできません。目標の45失点以下には1試合平均1未満にする必要があります。なんとか耐え時。最終節には福森が待っていると思うと気が気ではないですが、中断期間含めて好転することを願うばかりです。

今回は以上になります。