2025シーズン昨年同様にアウェイスタートとなったレノファ。
残念ながら勝ち点を持ち帰ることはできず敗戦からのスタートとなってしまいました。1試合を通してなかなかうまくいかなかった試合となってしまいましたが、まだまだシーズン最初の試合。多くの選手が入れ替わりスタメンも11人中9人が新加入となっていました。
憂いはしても悲観しすぎることなくレノファを今年もおっていきたいと思います。では、ちょっと今回は短めですが下記のとおりです。
1)2025レノファの形
2)まずは点を与えないこと
【得点者】
甲府 山口
51分 鳥海 なし
1)2025レノファの形
志垣監督が就任した昨シーズンレノファは大きくスタイルを変えました。それまではある程度攻撃に重きを置き、ボールを保持する時間を多くすることを目的としていたと思います。そこを守備のところを整備し、ボール保持にこだわるのではなく、相手陣での時間を増やすように相手の背後を狙うようなサッカーへ変わっていきました。
今シーズンのレノファも狙いは同じだったと思います。
まず守備のところ、GKマルスマン、最終ライン岡庭、善岡、松田、亀川は安定した守備を見せ、特に善岡松田は流れからの決定機はほぼ作らせず、安定をもたらしていたと思います。試合後コメントでも三沢が
--試合の入りは悪くなかったと思いますが、どう感じていますか?
そうなんですよ。やられる気がしていなかったです、前半は。相手にチャンスがなかったし。こっちが決めていればもっと良い試合運びができていた。(Jリーグ公式)
と言っているように、有田・古川ら前線の守備もさぼることもなかったため、一定の手ごたえがあった中での試合であったように思います。
その中で多少誤算があったとすると甲府の試合運びだったと思います。
大塚監督が留任し、「ボールも相手も動かすサッカー」を目指すと新体制発表会でもおっしゃっており、ある程度つなぐビルドアップにこだわってくるかと思いましたが、今シーズンWBに起用している宮崎やCFマテウス・レイリアめがけてのロングボールも多く使ってきました。
レノファのプレスを嫌ったという見方やもともとそういう試合運びを今年から組み込んでいたなど考えられますが、前線からのプレスではめてショートカウンターを仕掛けるという形はなかなか出すことができませんでした。そのため攻撃から守備へ移るポジティブトランジションは必然的に自陣でやることが増え、最終ラインからのビルドアップが多くなりっていき、ボール保持率もそれにつれて上がっていきました。
では、その攻撃はというと
まず相手の30mラインを超えるところの道は大きく二つあったように思います。
a)ツートップの有田・古川にRSHの山本桜を加えた3人に対して相手の最終ラインをおしさげるようなロングボール。一人が競り、その表と裏を一人ずつフォローしセカンドボールに備えます。
b)LSHに入った野寄サイドラインを踏むような幅を取る動きをし、LSB亀川はインサイドの位置へ入り、野寄はアイソレーション気味に。時に裏へ抜け出す動きなどを混ぜつつ、去年の新保のようにクロスをあげることを試合序盤担っていました。
梅木をターゲットにすること。河野がインサイドに入り新保が高い位置を取って左上がりにクロッサーとなるなど形は違いますが、DF裏を狙うような動きなどが見えていました。
最大のチャンスであったシーンも野寄がアタッキングサードに入り、ペナルティエリア内に有田、古川、山本桜が進入し、こぼれ球を有田が狙ったものでした。
ただ、去年と同様に30mラインを超えどもPA内での回数は思うように増やせませんでした。上記は1節のみのデータではありますが、30mライン進入回数は10位であってもPA進入回数は去年のような順位になってしまってしまいました。
攻撃回数自体が5位でもゴール前に迫ることはできず。甲府のインターセプト数は7回と全チーム中1位(全体平均は2.1回)の数字。それだけ拙攻が目立った結果となってしまいました。
ネガティブトランジションについても、仕掛けるものの甲府にかわされるシーンが多く、迫力は見せても実績が伴わない結果となってしまったように思います。
2)何を改善させていくのか。
まず、この試合はうまくいかないながらに優位に試合は運べていたことは確かであったと思います。何度か左サイドの深い位置への進入はできておりました。
そこから、32分に甲府がシャドーの位置に入った鳥海と大島の位置をチェンジ。そこで前半中盤からロングボールよりもつなぐビルドアップを試み始めていた甲府が好転し始めたように思えます。前半終わりに甲府もある程度の手ごたえをつかませてしまい後半を迎えました。
後半に入り49分には岡庭と大島のところでミスマッチと言わないまでも体躯でボールを収められたところで、サイドチェンジを織り交ぜながら林田のペナルティエリア内でのシュートなど決定機を作られてしまいました。そしてその勢いのまま甲府に先制を許し、甲府にある程度ひかれてしまい、カウンターを主に使われて相手陣での時間を過ごすことができなくなっていきました。
特に後半はビハインドの展開ということもあり、攻め急ぐ展開になっていたかと思います。ロングボールを使えど前線が準備ができていなかったり、全員が裏を狙ってしまいセカンドボールを狙うような選手が作れていないこともあり、ただ相手へボールを渡すような時間もありました。
確かに有田が前半の決定機をものにして入れば別の展開があったかもしれませんが、これについてはもし先制していたとしてもその後どのような展開になっても、もしかしたらこの試合のようになかなかチームがうまく回らなくなったことも考えらえるかなと思います。
開幕までに1週間昨年よりも準備期間が短かったことなどもあり、チームの構築がまだこれからと個人的に感じています。
ではどこを改善していくのか?
・攻撃の形の構築
・ネガティブトランジション
この2点がまず考えられるかなと思います。
去年の梅木をロングボールにターゲットにしたところからの前進であったり、新保へいかにボールをとどけてクロスをあげてもらうか、など昨年のような再現性の高い攻撃が出てくるとよいかなと思います。まずは必殺の形といいましょうか、自分たちで自信がある形を見つける・構築していくこと良いのかなと思います。その攻撃には質は伴っているでしょうし、チームの共通意識にもなりやすいです。対策はされるでしょうが、まずはそれを手に入れてからかなと思います。
そしてネガティブトランジション(攻⇒守の局面)。これ自体は攻撃の形にもかかわってくるところですが、やはりボールを失ってからすぐにカウンタープレスをかけて高い位置で再度ボールを保持し、早い攻撃につなげたいところです。
ロングボールを使ってのビルドアップはやはり可能性としてはつなぐビルドアップよりもボールをすすめることについてギャンブル性が高いですが、ボールを失ったとしてもそこで再奪還すれば高い位置から攻撃を始められます。ロングボールでも失う形が悪ければ甲府戦のようにカウンターを食らってしまいます。
まずは失点をしないことが求められるチームであるからこそ、どこでボールを取るか、ボールを失うとしても自ゴールからも遠い位置で、などもかかわるこの局面は相手の攻撃の機会を遅らせるだけでも価値はありますのでしっかり相手陣での守備を徹底することも求められていくように思います。
さて、開幕戦は残念な形でおわってしまいましたが、まだ1試合で終わっただけです。昨年はホーム開幕戦で勝利をしております。最も相手は長崎と今年の昇格大本命チーム。カリーレさんが監督を務めていた時は怖くなかったですが、まあなかなか今年も理不尽なチームに仕上がってます。
それでも同じカテゴリーに所属するチームですし、試合結果に絶対はありません。内容が改善しようがしまいが、結果にこだわった試合を見せてほしいなと思います。
ここまで読んでいただきありがとうございます。
(※文中敬称略)
後書き、昨年はじゃあチームビルドはどうだったか。
確かに去年は早かったなと。守備の文化がないチームにあっという間に浸透させていったと思います。ただ、正直攻撃については3節の岡山戦ではほぼ封殺されましたし、長崎戦もCBが脅かされたシーンなかったと思っています。
試合を経るごとに改善という言葉を文中では使いましたが、蓄積をしていってほしいなと思います。