レノファを青黒の眼で東京から見るblog

レノファ山口を応援・分析します。

今度はたどり着けた勝利の筋道 レノファ山口vsコンサドーレ札幌@維新 2025年3月2日

第3節で初勝利!

最初の3節を1勝1敗1分。試合展開でもったいない試合だったなという試合もありましたが、対戦相手を考えるとギリギリ及第点のスタートだったように思います。

また今節の勝利は、前節の長崎へある程度勝利のシナリオに沿って逃してしまった宿題をしっかりと提出できたようなものに感じます。

複数得点・無失点・自分たちの色をしっかり出した勝利。この試合を振り返ってみたいと思います。

 

1)WB裏をシンプルに。札幌のボール回しはブロック外で。

2)シーズン初勝利だからこそ、より兜の緒を締める。

 

【得点者】

山口        札幌

39分 末永     なし

79分 野寄

 

1)WB裏をシンプルに。札幌のボール回しはブロック外で。

今節の対戦相手のコンサドーレ札幌、基本フォーメーションは3‐4‐3のような形。

ボールの保持時間を長くして、主導権を握りる趣向。(攻)

カウンタープレスは行うものの、割とミドルゾーンで構えてからボールホルダーへプレスをかけていく。マンツーマンではなくゾーン。中央を締めて外誘導。最終ラインは高めの位置設定。ただ、プレスの圧自体はあまり強くない(攻⇒守、守)

奪ったらシャドーにつけるなどタテの早さも見せつつやはり無理せず保持に切り替えがち。(守⇒攻)

といった4局面の傾向があったように思えます。

 

まず試合開始から仕掛けたのはレノファ。

キックオフのところから札幌のボール非保持時の5‐4‐1に対して、下堂のキックは左サイドの札幌RWBとRSHの間に入った有田へのボール。有田はそらして奥山がWBのところを突く形でした。

1分のところでも同じようにセカンドボールを収めた岡庭から有田をWB裏へ走らせるようなボールが出て早くも相手陣奥のロングスローがこの試合で2回目。流れから横山のシュート性のクロスで札幌のゴールを脅かしました。

レノファの形は前節と変わらず。有田・奥山のツートップにLSH末永がインサイドに入ることで主にロングボールに対して、表と裏をカバー。この試合ではあまり亀川がインサイドボランチ位置に入ることはあまりありませんでしたので4バックを形成、もしくは岡庭を上げての3バック化するような時間も多かったかなと思います。

 

札幌の守備陣はそこまでハイプレスを掛けてくることはなく、最終ラインは割と高め。レノファの岡庭や横山ら中途半端にSHとWBへ位置取りをし、ここへ入ってくる選手に対して札幌のWB選手が食いつくので、奥山・有田のツートップはここでボールを受けることでチャンスを作っていきました。

1点目のシーンもまさにセットプレーの流れで岡庭が右サイドバックの位置でボールを受けたところから。岡庭に対して札幌RSH長谷川は中を締めることを優先し、CFの中島もボールホルダーからも遠い位置。

横山が落ちてそこにLWB田中が食いつき、奥山が受けるような動きにLCBも中村がつられることで、有田が右サイドの奥のWB裏をとることに成功。CBの大崎をつり出すことでペナルティーエリア内で成岡と末永に対して数的にも2vs2。位置的にもニアの成岡、ファーの末永と二人もフリーになれており、優位な状況を作ることができました。有田も左足でドリブルをすることでカットインをにおわすことで大崎へ選択肢を多く与えたのも良かったように思えます。



続いて守備の局面。

ハーフタイム中に出されたスタッツでレノファのボール奪取位置は95%がファーストサード(コートの自陣側の1/3)で5%がミドルサードでした。ある程度ミドルサードで構えてそこからミドルプレスというようなシーンが多かったように思えます。

開幕戦の甲府よりもこの札幌のほうが3バックでのビルドアップの練度はあったように思え割とすぐにミドルサードまでは進む形は前監督のペトロビッチさんの時に鍛えられていることもあるのか、ササっと進んできたいよう思えます。

ただ、これ自体はレノファは特に揺るがず。4‐4‐2のブロックをしっかりくみ、このブロックの中へは入れさせない。アタッキングサードに進まれても中へ差し込んでくるボールやドリブルに対してはしっかり対応。シュートに対してもしっかりと体を入れてシュートブロックなど怖いシーンがあるとしたらセットプレーぐらいであり、安定して守れていました。

 

 

2)シーズン初勝利だからこそ、より兜の緒を締める。

ただ、後半に入り試合は多少色を変えていきました。

後半より札幌は選手交代。家泉、スパチョークを投入。サイドに流れるツートップの対応に家泉。前線にテクニカルなスパチョークをいれ、長谷川をWBに。この2人である程度ボールを握ることや、コンビネーションでレノファの築くブロックの中への侵入機会が増えていきます。

レノファとしても前半のボール奪取位置が良かったかと言えば理想ではない。むしろ相手陣で時間を増やすためにはもっと高くしないといけません。前半よりもプレスの位置を高くしようとしているようにも感じましたが、徐々に押し下げられていきます。

レノファがリードしていることもあり、多少自陣に籠ったようにも感じられましたが、徐々にエリア内でのシュートシーンを作られていってしまいました。そして71分に投入されたバカヨコがシンプルにゴールを狙うプレーを披露。危うさを感じさせていきました。バカヨコは怪我で今季初出場とのことでしたが、札幌のCFではファーストチョイスの選手とのこと。貫禄を感じさせレノファゴールに迫ってきており、流れが札幌に傾いていっていることを否が応でも感じざるを得ない時間帯でした。

しかし、ここで返す刀と言いましょうか、GKからボランチの成岡を交えた4人のコンビネーションで素早く札幌RWB、RCBの裏を取っての追加点は多少展開として出来すぎな感はありましたが、これで大勢はほぼついたような形となりました。板倉を入れて5‐4‐1の形として逃げ切ることに成功。複数得点、クリーンシートというホーム初勝利を見事に飾りました。

 

しかし、では内容的にどうだったのか?

札幌が強豪であることはのぞいても多少危ういところやここはしっかりしないといけないのではないか?というところはあったように思えます。

1つは中への差し込みを自分たちで緩めてしまうところ。

もう1つは5バックの逃げ切りもボールホルダーへの制限はこれでいいのか? です。

 

1つ目は50分や68分のミドルゾーンでのプレスのところ。相手の横のボールの動かし方に対してスライドをしていき、それぞれが人を捕まえに行った際に、サイドへ誘導しても相手の中央への戻しのパスを入れる選手を離してしまうところが何回かありました。

相手を追い込んでいくということはこちらもある程度形を崩して出ていっています。下記は50分のところですが、末永、有田、古川で、札幌の後ろの3人へプレスを掛けます。RCB高尾が右SBあたりでボールを受けたところへボランチの一角の成岡が出ていきます。このとき札幌RWB近藤は高い位置で張っているので岡庭はここには出てこれないので、成岡が出ていきます。そうなると三沢は高嶺のところまで出て行ってしまうと中盤がスカスカになってしまうので横山と共に中盤のスペースを埋めます。そうなると高嶺を前線3人が見ないといけないのですが、ここは誰も気づけておらず、高尾から高嶺につながれて危うい運ばれ方をします。

同じく68分も自陣で左サイドへ追い込んだところも古川がマークについていた馬場をはずしてしまい、ここへつながれてしまい馬場へ三沢が急いで出ていきますが、ここは出ていくことでスパチョークが空いてしまい中島へのシュートへつながってしまいました。

長崎戦もそうでしたが、人数をかけてプレスに行ってもそこで取り切れず、一番運ばれてはいけないところを空けてしまっており、そこにボールを逃がされて危ういシーンを作られてしまうことがあります。特に中央を空ければ失点に直結してしまいますので、ここは何かテコ入れがあるといいなと思います。

また、二つ目の5バックの5‐4‐1でにげきるところ。これは去年からの形ではありますが。87分のように多くの人間がエリア内で構えていたもボールホルダーには制限がかかっておらず、大外など利用され折り返されたりすればなかなか人数はそろっていても人を捕まえ切れないところは出てしまいます。前節ニアに人が割けておらず最後瓦解してしまったので、エリア内にしっかり人を配置したいという考えかもしれませんが、割とエリアに近いところでは多少の制限をかけないと事故が起きる可能性は高くなるのかなと感じます。

 

と、多少気になるところを挙げましたが、前節長崎に勝つ道筋をしっかりたどって、と書かせていただきました。この試合についてもレノファは札幌に対してどのように戦うかをしっかり遂行していった結果がこの2-0であったと思います。

相手を引き出して2人目や3人目の動きを交えてWB裏をとる。そこからのクロスの反対サイドの選手がエリア内まで侵入してフィニッシュワーク。1点目2点目ともにこの狙いを結実させたものだったと思います。守備に対しても4‐4‐2で組織的に守ることは昨年同様に人が変わっても脆さはみせず、札幌に外回りのボール回しを強いて時計の針を進めていくことができました。

この相手にはこのように自分たちを戦うというのがしっかりフィールドで表現できているように思えます。それが長崎であったり札幌であったりと強豪相手に出せたのは収穫であり、勝ち点4もしっかりとれたことは開幕戦から見れば、大きな前進であったように思えます。

 

昨シーズンは第1タームと勝手に呼んでいる1節~6節は2勝2敗2分でした。今期はどうでしょうか。次節はここまで3勝と勢いのある大宮。昇格組というのはおかしいレベルのクラブでありますが、ここは臆せず自分たちの目指すサッカーをピッチで表現してもらいたいと思います。

 

さあ今節の勝利で、勝ち点58を目指す戦いが本格的にスタートを切れたように思えます。次も勝って目標へ勢いをつけてもらいましょう!

ここまで読んでいただきありがとうございます。

(※文中敬称略)

 

 

 

 

多少告知ですが、大宮戦はオレンジを身に纏ってみんなでスタジアムに行こう!企画というものをXで発信させてもらっています。特に出欠席を取っているものではありませんが、何人かから「一緒にいきましょう!」と言っていただいております。
どのくらいの人数になるかはわかりませんが、是非一緒に行こう!って思っていただける方は11時半大宮駅豆の木のところ集合で40分ころ出発予定ですので、のぞいてもらえると幸いです。

勝ちましょう!