レノファを青黒の眼で東京から見るblog

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狙いは体現できるも、持ちこたえられないもどかしさ レノファ山口vsFC今治@維新 2025年4月26日

久々の先制点。しかし変わらぬ最終盤の失点。今節はそれが敗戦にまで達してしまいました。

チームが流れを変えよう、このチームにはこう対策して点を取ろう、そういう足跡が見えつつもあと何かが足りない?何が足りない?それを探していく5連戦。早速星を落としてしまいましたが、まだまだ1戦目。取り返していきましょう。

てことで、簡単ですが、振り返っていきます。

1)堪えたところからの先制点

2)今シーズンの傾向とその後のレノファを考えてなのか?

 

【得点者】

山口         今治

39分 山本桜     75分 横山

           89分 ビニシウス・ディニス

 

1)堪えたところからの先制点

今節の対戦相手の今治の基本フォーメーションは5‐3‐2。ツートップに外国籍選手を配置。WBは攻撃的なキャラクターも持ち合わせている選手、2列目の3人はそこをつなぐ働き蜂。3バックは高さもあり強固な選手を並べる。

ボール保持時はまずは前線の2人を見る。タンキ、ビニシウスの2人はボール収めることができる選手のため、ある程度アバウトに出してもそこで起点を作ってきます。

例えば9分のように前からレノファがプレスをかけに行ったところで、今治はRCB大森⇒RWB梅木とボールをサイドへ圧縮していくも、割とアバウトにビニシウスへパス。本来であればここで松田が仕留めたいところでしたが、やはり強いビニシウスと彼へつけるパスで今治の2列目のスイッチが入り、セカンドボールをしっかり今治が収めることで一気にレノファ陣へカウンターのような形でボールを運んできました。

このように今治の序盤から前半25分あたりまではここで起点を作られてしまいます。彼らツートップにCBの松田や下堂がついてもボールをさばかれてしまい、彼が出ていったスペースであったり反対サイドのWBまでボールを運ばれるてシュートシーンまで持っていかれてしまっていました。シュートは打たれるシーン、今治のWBにレノファ陣の深い位置でドリブルを仕掛けられるなど今治の今の勢いを感じる展開になっていきました。

 

ここでレノファが持ち直したのは2つの側面があったように思います。

1つ目はボール保持時、ビルドアップのところ。今シーズンうまくいかないときはほぼ決まってロングボールを蹴らされてしまい、それを回収され2次攻撃を仕掛けられ、自陣からなかなか出られないことが続いていました。

この辺りは『勇気をもって動かす』という言葉が悪く取られがちになっているように感じますが、この試合はまず今治のプレスのファーストラインとセカンドラインをしっかり外せていたことがあったと思います。

形としては今治のファーストライン、ツートップの2人のプレスに対して田邉を1列落として最終ラインを3人にして人数をふやして対応。SBの岡庭や小澤は幅を取らせる。時に高い位置をとったり、下がったりすることで今治のWBを押し込んだり引き出したりの動きを加えます。そして狙ったところはやはりセカンドライン今治の『3』の脇や背後。この試合では主にRSH横山やCF山本桜がここに入り込むことで最終ラインからボールを引き出していきます。20分のように、右サイドでボールを保持し、山本桜・山本駿・末永が『3』の脇でボールを引き出し、細かくつなぐことで今治の目線をレノファの右サイドへ集めておいて、山本桜からLSBの小澤へ展開してファイナルサードまで進んでいくことができました。34分の松田から山本桜のビルドアップもきれいな形であったかなと思います。

双方に相手の背後を狙う試合展開が続く中でシュートでしっかり追われていたのは今治ではありましたが、レノファとしてはまず今治陣で押し込むことである程度意味はあり。

それが2つ目の今治のCFへのボールの供給をそもそもさせない、です。2失点目のときもそうですが、やはり高い位置で今治のツートップにプレーをさせてしまうと決定的な仕事をされてしまいます。しかし、相手陣でのビルドアップのところで先にそのコースを切ってしまえば話は変わります。

ミドルゾーンからのミドルプレスやハイプレスをかける際、基本は外回しを強いるのは変わらず。ただ、CFへのコースはしっかり切っておく。ここのコースのパスカットができれば最も簡単。ただ、ここに出てこなくても最終的にはこの2人を使う傾向が強いため、そのコースを空けるために様子見のパスを今治がしますが、ほかのプレーに比べるとこのあたりのボール回しは多少精度が落ちる今治。ある程度アバウトにボールを出すこともあるのでここでしっかりボールをレノファで収める場面が増えていきました。成岡や田邉がここでボールを奪って山本桜へ逃がす、など形を徐々に作っていきました。先制点も今治が様子を見るビルドアップがかなり大雑把なものになったものをかっさらったところからでした。

 


後半の中盤当たりまでやはりレノファのこの流れを継続できており、得点チャンスも作ることができており、昨年ならこれは1-0の勝ちパターンであったかと思います。

ただ、ほんとにここからが難しいのが今シーズンのレノファ。

 

2)今シーズンの傾向とその後のレノファを考えてなのか?

攻守においてなかなかうまくいかない時間帯が多かったですが、インパクトメンバーがしっかりと試合の流れに乗って、しかも得点できて逆転できたというところは良かったと思います。(引用元:Jリーグ公式

今治の倉石監督の談話ですが、端的にこの試合をまとめていらしているかなと思います。

相手の出方をしのいでからの時間帯は鳥栖戦と違いある程度、時間が経過しても流れを保つことができていたと思います。受け身になりすぎていないといいましょうか、自分たちで時間や試合のペースをコントロールできる立場であったかなと思います。

ただ、今治に後半手を打った来た、点を決めた横山、後半頭に交代した笹らの若い選手が今治の攻撃の矢印をしっかり前を向かせてきました。今治が徐々に息を吹き返していき、ミスがらみからの失点をし試合をひっくり返されてしまいました。

 

先制したあと、もう少し積極的に2点目を狙いにいかないと。1-0では追いつかれるチームなので。そういったところが課題かなと思います。(引用元:同上)

野寄がこのようなコメントを残しており、これまでも今シーズンこのような言葉が並んでいると思います。

志垣レノファ、となると昨シーズン守備を整備していただいたこともあり、守備の堅いイメージがあり、つい昨シーズンのように1点差ゲームをものにしてくれるようなイメージが個人的にはついています。ただ、このチームは札幌戦のように2点差にすることが必要。

『守れない』という意味ではなく(多少はありますが)、今シーズンの編成自体はある程度攻撃を意識した選手の編成。であれば、先制点を取りましたじゃあその次は?

やはり『得点』なんだろうと思います。それは目先の勝利ということではなく、今後レノファ山口が昇格をめざすチームになっていくためには先制点を取る⇒相手を突き放す、このプロセスが必要になってくるのでしょう。だからこそ、その目標に向かっての過程の段階である今、それを求められているのでしょうし、それを達成しなければこのままずるずる行ってしまうことにつながってしまうのかなと思います。

ただ、もちろん守り切る力は大事ですし、そこをないがしろにしていると思ってもいません。

核となるのは「能動的なアクション」「組織的な守備」「縦に速い攻撃」去年挙げられたこの3つのもの。11節を終わって、ようやく今シーズンのレノファの形が固まりつつあるように思えます。どのようにこの悔しさを昇華していくのか。メンバーが戻ってきつつあるのでそこで質を上げていくのか、今治のように交代選手でもう少し勢いをつけることや、チームとしての方針を明確にして試合を進めていくのか。

どのように今後進めていくのか見守っていきたいと思います。

 

さ、今日は中2日のアウェイ磐田戦です!!向こうは中3日で格上と厳しい試合は続きますが、勝ち点3がほしい!これは変わりません。後押しをしていけたらと思います。勝ちましょう!

 

ここまで読んでいただきありがとうございます。

※文中敬称略