ふ~3連敗でどうなることかと思いましたが、なんとかここでストップ。降格圏脱出まであと少しというところまで持ってこれました。
今季に入りなかなか守れない試合が続いていますが、今期勝った試合はすべて失点0とやはり志垣レノファは守れることが勝利への近道であるなと感じました。
では今節は下記について考えていきます。
1)懐かしい<普段着>での勝利
2)継続できるか、いやしなければならない
【得点者】
山口 山形
3分 山本 なし
1)懐かしい<普段着>での勝利
今節は年に1回の下関開催。ピッチについての言及はまあもう慣れたものです。
山形は昨年は大雨のピッチに水がたまる維新みらいふスタジアムでの試合もやっているので、まあ2年連続色々よろしく…といったもの。水たまりの次はでこぼこピッチとなかなかと難しかったかと思います。去年もホーム山形戦のブログで書きましたが、やりたいサッカーを出しにくかったのは山形だったでしょうし、レノファは「ある意味」徹底できるという側面はあったでしょう。
では「ある意味」とは?
・裏へ意識
・ブロック形成の意識
上記2点の意識のしやすさがあったかと思います。
まず「裏への意識」。
コンディション自体は山形も同条件でしたが、レノファは昨年からこういうピッチであったり、天候ではかなり割り切って裏へボールを簡単に蹴っていきます。(例えばホームの水たまり以外にも、アウェイ秋田、豪雨の天皇杯ベスト8など)
今節の先発のCFは山本(桜)と奥山でした。彼ら二人で最も印象的な試合は直近で最後に勝った磐田戦のハイプレスなどがあったと思います。ボール非保持については後述しますが、この試合ではRSH山本(駿)の競ったところのセカンドボールであったり、山形のWBの裏を狙っていくことが光ったプレーであった思います。
スピード、スタミナに優れ局面での仕掛けもできるこの2人を配置することで、裏へアバウトにボールを出し、そこでボールを収めて手数をかけずにゴールへ迫る。こういう青写真を描いていたと思います。
その中で開始早々の先制点はとても大きなものでした。なかなかピッチが厳しいときはロースコアになりがち。先制点率の勝率もありますが、そういうコンディションでの先制点はより勝率が上がるのではないかと思います。
形としてはやはり奥山がサイドでボールを収めて、縦へ仕掛けてクロス。流れたところを岡庭が回収して田邉がうまく相手を外すドリブルにシンクロして相手の背後から顔を出した山本(駿)の素晴らしいゴールでした。
もともと岡庭のクロスに逆サイドの山本(駿)が合わせる形を想定していたとのことでしたが、相手もやはり<岡庭のクロス>というのが頭にあったのか田邉ヘの寄せが甘くなっており、そこを見事についたゴールでした。
結果論にはなりますが、この開始直後のゴールというのもよかったのかなとも感じす。終盤に点を取って「守り切る…!」というメンタリティではなく、まだほぼ90分まるまるあるような状態であるわけで、良い心理面で試合に入れていったように見えました。
そこがやはり常に山形のWB裏を突き続けていた奥山の動きやそれを意識的に、そして効果的に使うことができていたレノファの攻撃面に現れていたように思います。それは後半から出てきた古川も変わらず相手の背後であったり、アバウトなボールに対する反応など見れば感じれたのではないかと思います。
こういう試合ではやはり攻撃が単調になりがちになります。そして精度も落ちることもあり、ロースコアになる一因かと思います。単調になれば相手も慣れてきますし、ある程度ボール保持をしたい山形にとってみれば好都合になります。
ただ、この試合ではレノファは先制点を取った後の浮足立つようなことはあまりありませんでした。一方、山形は追いつかないといけない、逆転したい、という前のめりにかかってくるところをひっくり返すという意味では、この「裏への意識」は試合終盤まで効果的に作用していったように思います。それがシュート数14と相手を上回る数を記録していたり、チャンス効率で数字が上回っているところがその証拠かなと思います。
(FOOTBALLLABさんより引用)
で、ブロックの意識。
今節もっともしっかりできていたのはここだったように思います。いつも書いているようにやはり守れていないことが今期はあり、例えば鳥栖戦の1失点目や水戸戦の1失点目のように陣形はそろって人はいても、誰かが外された場合カバーが間に合わなかったり、人を外してしまっていることで失点するケースが昨年に比べて多かったと思います。
今節は、磐田戦のようにハイプレスをかけて相手陣で時間を使っていくような勝ち方ではなく、ミドルブロックを組んでそこからプレス。山形の3-5-2に対して特に後ろの4-4のブロックは極力ブロックを崩さずしっかり対応していけていたように思います。
もちろん、開始直後や30分あたりのような岡庭の裏へのボールを送られた時に松田が出ていったところで2回とも交わされてあわや、というところは「やられちゃまずかった」ものではありましたが、総じて山形がWBを張らせて、CFは時におりてボールを受けることでCBを引き出して、というプレーに対してもCHがしっかりそこを埋めるなど徹底する時間が長かったように思います。
18分のように山本(桜)、奥山のプレスをかけに行き、それに対して山形がCFもビルドアップに加えようとRCF9高橋に差し込んでいたところもしっかりそこはブロックの中で対処できていたり、22分のようにブロックを組んでコースを消しているだけで山形が勝手にミスをしてくれるような場面もありました。
昨年はやはりプレスがはまらなかった時もブロックを作ってしっかり構えることができていたこともあり失点が少なかったと僕は考えてます。磐田戦のようなハイプレスで相手を押し込んだ勝利のほうが好みではありますが、今節のような勝ち方ができたことは昨年のような失点が少ないチームへの道を歩めているのかなとも感じ、浮上のきっかけになればよいなと感じます。
2)継続できるか、いやしなければならない
ピッチコンディションのこともありましたけど、やはり戦い方の部分で、自分たちがどう戦うのかというのを整理して、自分たちが勝つために本当に必要なことをすり合わせて戦いました。(中略)磐田戦に勝利したときと同じように、やはり勝った次の試合が大事だということはずっと思っていることです。磐田戦に勝って、次の(第13節・)仙台戦で負けてしまい、少し自分たちの中に何というか、迷いみたいなものが生まれたんじゃないかなと思っています。(引用元:Jリーグ公式)
と松田が試合後コメントを勝手に解釈すると、やはり仙台戦の前半のあのハイプレスの空振りが結構チームをブレさせてしまったのかなと考えます。確かに磐田戦では効果的だったハイプレスは全くかからずむしろ相手を追いかけ疲弊し、何度も背走するようなシーンが続いてしまいました。まあ、確かに迷うきっかけになってしまってもおかしくないかもしれない。
そして、次節は藤枝… の前にレノファはもうすでに試合をしています。そうルヴァン柏戦。
この試合の出来自体は皆さんはどうとらえていますか?そしてチームはどうとらえただろう?そのあたりが藤枝戦での選手の振る舞いで見ることができるかなと考えます。
この柏戦、前半こそハイプレスやミドルプレス。また相手のWB裏への意識などは見せることができていたと思います。
確かに決定機も作られましたが、ズタズタに組織を壊されていたか?となるとぎりぎり持ちこたえることはできていた。そして恐れず自分たちの色も見せることができていたと感じました。
ただ、前半のところから突かれていたのは
サイドの4-4-2の守備のところで、相手が3枚で回してきた時にプレスに行きましたが、相手がウイングからボランチを使ってくるというところで言えば、同サイドの二人が相手に食いつくと、背後のシャドーの選手がフリーになっていました。サイドにプレスに行ったときのズレ方にミスマッチが起こっていましたので、修正しようという話をしました。(引用元:レノファ公式 ルヴァン柏戦より)
とミドルプレスから相手のサイドのCBにレノファのCF出ていったところで、WBにはSHが捕まえ、相手のボランチにはレノファのボランチが捕まえに行ったところで、その背後にいるシャドウを使われてのビルドアップを許してしまうところがありました。
この形は山形戦でも多少形は違うと思いますが、やられていたものでした。前半途中から山形が3-5-2から、3-4-3のように国分、高橋をシャドウのように並べて藤本をワントップにするような形に修正したところから押し込まれる時間が増えてしまいました。
やはり4‐4-2の泣き所を突いてくる3-4-3のような中間ポジションを取られてしまうと、なかなか自分たちで能動的にボールをひっかけることがまだ難しいような印象を受けます。
藤枝はこの形をそのまま使うのではなく違うアプローチをして崩してくることでしょう。その時にしっかり耐えることはできるのか。柏戦の後半のようにずるずるラインを下がりきった状態にさせられてしまわないか。そこから押し返せるのか。
Jリーグの日程君、このレノファの課題提出に際して絶好の相手をここで持ってきてくれました。ここで負けるわけにはいきません。勝てば降格圏脱出です。ほんとに絶妙なマッチングです。
そういえば、維新スタジアムのピッチの工事の甲斐もあってか水たまりもたまりにくくなってましたね。根腐れっぽくなることもないかもしれません。これは藤枝はがっつり襲い掛かってきそうです。
そんな勇ましく来る藤枝を跳ね返せるのか。またはその前にプレスなどで形を封じるのか。山形戦パターンか磐田戦パターンか。どちらにしても無失点で勝つ姿を見せてもらいたいなと思います。
さて、なんか日曜は晴れるかもしれないようですね。(土曜には大雨みたいですが。)
僕も久しぶりの維新みらいふスタジアムです。楽しみたいなと思います。
ここまで読んでいただきありがとうございます。
(※文中敬称略)
で、あとがき。
最近ちょっと心配に思っている選手がいて、それが成岡君。
おそらくサポーターさんの中では田邉君よりも成岡君だしてよ!って思っている人のほうが多いんじゃないかなと思います。開幕前の期待感なども大きかったですよね。
彼がボールを持つとやはりひらりひらり相手を交わしたり惜しいシュートを放ったり、守備もしっかり戦っているように見える。でも、なんか難しそうな顔を見せている。もちろん試合に出られていないのはちゃんと志垣監督の中で物差しがあって不当なものではないでしょう。
なので、メンタル的に難しい時間を今過ごしているのかな~、と思っていたんですが、
INSIDEだったかな、先制点を奪った後に、成岡君も一緒にベンチから出てきて田邉君とも抱き合ってて、あ~なんだ勝手に外野の僕がナーバスに考えていただけだったなと。
難しい思い自体はあるでしょうけど、この悔しさをばねに後半戦力を発揮してくれるといいなと。柏戦はちょっと頭の上や彼の横をバンバンボールが過ぎてしまってボールになかなか触れませんでしたが、こういうのも経験しつつ進んでいってほしいなと感じます。山本(桜)君も開幕戦以降割と厳しい時間を過ごしてましたが、見事4月のヤングプレイヤー賞取りましたし、なにがきっかけで立ち位置が変わるかなんてわからないですが、このレノファにはきっとたくさんそんなきっかけが転がっているでしょう。
頑張れ成岡君。そして田邉君も頑張れ。もっと点に絡むプレーを!