中山レノファが始まりました。
折り返し地点を超えたところでの指揮官交代。中山監督に残された時間はありませんが、独自の色をしっかり出そうとした中山体制初戦であったように思います。
残念ながら望んだ結果には届きませんした。ただ、進んでいかなければならない現状。秋田に勝ち点3を与えなかった。自分たちは勝ち点1はなんとか手にした。と前を向かないとな、と思います。
では、簡単にですが、下記について考えていこうと思います。
1)中山レノファを簡単にまとめる
2)本領発揮を求められるIH陣
【得点者】
レノファ 秋田
82分 喜岡 5分 吉岡
1)中山レノファを簡単にまとめる
まず今節のレノファで大きく変わったのはフォーメーションでした。4-4-2を長く使い続けていた前政権でしたが、5バックに輪笠のアンカーに成岡、田邉をIHに並べ、ツートップに山本(桜)と古川を起用しました。
※中盤の3枚を田邉と輪笠のダブルボランチで成岡をトップ下のような正三角形で記載しているところが割とありましたが、個人的には逆三角形に見えたので、以下その体で考えていきます。アンカー輪笠、IH成岡、田邉
奥山や有田など今まで割と起用していた選手がベンチ外だったため、単純に外したのか怪我であったのかは今節だけでは不明ではありますが、並びから変更をすることで中山色を出したように思えます。
では、いつもの4局面について。
◎攻撃の局面:
裏への意識については継続。ただ、前節の愛媛戦への反省のようなものにも感じたところもあり、このあたりはもう少し見守りたい。ただ、IHの田邉、成岡が相手の裏へのランニングやSBのところへ流れるシーンは多い。
また、3CBということもあり、サイドのCBである喜岡と松田の位置は多少高め。攻撃参加をするシーンもあり、サイドからのクロスは割とシンプルにあげる。ただ、目が合ってないのかボールはよくても人が入ってきていない、クロスの質が問われるところは目立っていた。
ビルドアップについてはCB下堂がある程度イニシアティブを持っていそう。マルスマンの怪我もあり、ロングキックは3人のCBのなかでは最もありそうなことや、田邉成岡らゲームコントロールを任せられていた選手はIHで相手の背後を取ることを求められてもいるので、落ちてくることはないのでCBや時にはGKでかじ取りをする。
つなぐビルドアップの場合はWBを使い相手のSHをおびき出すことや、IHにボランチを食いつかせて山本(桜)がおちることでボールの逃げ道を作ることが多い。
◎攻撃⇒守備の局面(ネガティブトランジション):
おそらく即時奪還は継続。ただ、相手が秋田だったためアバウトに蹴る、シンプルに前線に送ることが多く即時奪還をうまくできるところはそこまで見せられず。
その代わりアバウトに蹴ったボールなどに対しては攻撃局面同様にサイドのCBである松田喜岡が前に出て競り合うシーンは多い。中盤の起用された選手は輪笠、成岡、田邉と身長が高くないため彼らが出ていく。背後を突かれるシーンが散見されたのでここの精度は彼らに求められるが、セカンドボールへ備える選手は中盤・WBと割といるのでここでしっかり回収することを願いたい。
回収が出来なければ15分前後の喜岡が相手ゴール前でヘディングができずに背走してなんとか止めるようなシーンになってしまうし、相手を押し込んでセカンドボールを回収し続けることができれば得点シーンのような波状攻撃にもなる。12分のFKの流れでもCB陣は攻め残りもしていたので、おそらく今後もセットプレー直後のプレーでもターゲットになる選手を残しておくのではないか。
◎守備局面:
基本は5‐3‐2のままであまり可変しているようには見えなかったのでこのブロックになると思われる。ある程度5枚で5レーンを埋めたうえで中盤にはしっかりスライドなど求めることになりそう。
この試合での危ないシーンはショートカウンターのような形やスペースを埋めることを優先するも、そのブロックの大外に振られたところからのピンチもあったので、このあたりは今後すり合わせが必要となってくる点かもしれない。
◎守備→攻撃局面(ポジティブトランジション):
カウンターの意識は高くなったように思える。特にロングカウンターでもその意識は高くなっていたように思える。最大のチャンスであった72分の古川⇒山本も2人の態勢をみると田邉のクリアのところからカウンターに備えているし、その後の田邉の岡庭のスプリントのスイッチの入り方も以前よりも早かったように見えた。特に田邉は相手のパスをカットしたボールを古川につないで、その起き上がりからのフルスプリントだったので、一瞬の判断もあったと思うが、狙いとしても予め持っていたように思えた。(その後の岡庭をフリーにするためのランニングなども彼自身の好判断だったように思うが、そこまでデザインしていたのなら、、、いや、あれは個人戦術だったかな。)
また、29分の古川と山本(桜)のカウンターも古川のキックミスはあったが、2人で4人の相手に対してカウンターを仕掛けるというのはあまりなかったように思う。それこそ昨年は割とボールを落ち着かせることを念頭においていたように思うので、意識や狙いは変わっていたと感じた。
と、この試合の現象を多少交えて振り返りました。
で、チームの傾向にも多少触れたいと思います。
攻撃の局面のところでシンプルにクロスを、と書きました。やはりクロスをあげる選手となると岡庭が中心に。そのため右サイドが中心に。喜岡が左サイドの松田に比べて上がる回数が多かったのも高い位置を取る岡庭のフォローがあったためかと思います。
WBにはクロスの質も求められるほか、逆サイドのWBは大外でクロスを合わせることももちろん求められる。CB、特にサイドのCBについては前体制比べて攻撃の精度も求められ、それは時にはクロスあげることや、CBの位置から前線へつけるボールの配球などが挙げられるかと思います。この点については松田⇒磯谷という交代もありましたが、点が欲しいときには左サイドなら左足からの配球なども考えているのかなと感じました。
そしてやはり触れないといけないものがIHのところかなと思います。
2)本領発揮を求められるIH陣
僕はあまり言及はしてきませんでしたが、3節に1回行っておりますXのスペース【なんクロ】の中で、一緒にスピーカーをしていただいております通称なんでも氏さん(以後なんでも氏)が中盤をIHを置く形にすれば適正ポジションになる選手がたくさんいる。今のダブルボランチは多少違うと考えている。今の(当時の)ボランチに入っている選手たちは1列前に上げてほしい。もっと輝ける。 といったことをなんでも話してくれました。で、今回の並びはまさに成岡、田邉とまさにといった選手が今節のスタメンに名前を連ねました。
中山レノファでIHに求められている中で攻撃のところでは、割と裏へ抜けることやサイドに流れる。そしてフィニッシュ局面に顔を出す、というようなものがあったように思います。
もともと歴代のレノファだったり、一般的にIHのプレーとしてはもう少しボールに触れるようなプレーが多いかなと思いますが、この試合の成岡のタッチ数は27、田邉にいたっては13とかなり低い数字でした。そもそもタッチ数が多かったCB陣からのパスコースの矢印が全くないのもそのタッチ数の少なさを物語っているかと思います。
ただ、そのCBやWBからのボールを引き出し役を担っていたのがCFの山本(桜)でした。IH陣は山本へのコースを作り出すことやパスが渡ったそのあとのプレーに関与することを求められていたように思います。
で、この試合田邉と成岡どちらが目立っていたかと言えばボールタッチ数は少なかったですが、田邉であったように思います。やはり色々なところに顔を出すこと、守備のところも寄せる場面などは多かったと思います。動き出しや動き直しのところも岡庭が近くにいることはあれど田邉のほうが精力的にプレーしチームへの関与も大きかったように思えます。
成岡の試合後のコメントを読む限り、前半はある程度相手を見ながら、ということを意識していたようでした。ただ僕個人の意見としては、周りとの距離感は多少つかみかねているようにも見え、上述したように動き直しのところなどは苦労していたように見えました。それはやはり今シーズンのプレー時間も少ないのもあったり、今シーズン初めてのフォーメーションというのもあったかなと思います。ボールロストした場面も一瞬相手をかわすところまではよいがその次のところのプレーがつながっていかなかったのも、最初の交代の選手になってしまった要因になってように思います。
それでも38:50あたりでは山本がボールを受けに落ちたところで、成岡がその奥に位置どることでボールを引き取り岡庭へ出し、岡庭のクロスにエリア内へ入っていくシーンもありました。よりこのような周りとの関係性が作れると輝いていくのかなとも感じます。後半に入ってからはよりボールサイドに寄っていくプレーも増えていきましたし、このあたりは微調整をしていくところのようにも感じます。
そしてそのような成功体験を増やしていった先にIHの選手たちにはゴールやアシストという結果を求められます。前半クロスをあげる場面は作っていましたが、やはりチームとしてシュートは1本。しかもこの1本だけという時間は長く続いていきました。あまりIHに当ててゲインするような場面もないので、彼ら自身がシュートを打つような設計になっていなそうなものもありますが、積極性は出していきたいところかと思います。
また、41分のようにデザインしたFKでおそらく田邉的にはほぼ狙い通りのボールを中へ送っても中の選手が飛び込めていなかったりと一人ではどうしようもないものではありますが、繰り返していってほしいなと。そして繰り返していった先にあるのが『小林のアシスト』であったのではないかと思います。何度もセカンドボールに対してラインをずるずる下げてしまっていた秋田に対して、ブロックの外からどんどんクロスを供給し喜岡の動きにしっかりと合わせたクロスでのアシストだったと思います。流石小林成豪。「これが結果だよ」とベテランの貫禄を示してくれたように思います。
頑張れ若者たち。頼んだよベテランたち。ここから這い上がるよレノファ山口。
と思う試合でした。
もちろん、またセットプレーからの流れで失点ですか?だったり、秋田のプレスに対して狙いをもって蹴ることができていなかったり、28分のように裏を狙うプレーに意思疎通が合わなかったりと突き詰めないといけないところはあるでしょう。IHを攻撃的な選手に変えたら(その時は成岡⇒山本(桜))、ちょっとそのIH裏というかアンカー脇への進入を許すようになって、ピンチが続くなどもありました。
ただ、新しい指揮官(内部昇格ですが)、新しいフォーメーション、新しい狙いと舵を切ったレノファ。得点シーンのような場面やカウンターでの迫力も見せてくれたと思います。いきなりはうまくいかない。ただ、この悔しさがきっとバネになる。きっと次はうまくいく!
次の試合は勝ってくれることを願いたいと思います。
さあ札幌にうまいもの食べて勝ち点3という贅沢コースにしますよ!!!
ここまで読んでいただきありがとうございます。
(※文中敬称略)
で、あとがき。
いや~吉岡君すごいゴールでした。ご自身も力も抜けてよいゴールだったとコメントがありました。確かに結構レノファではカットインしてから力を込めてズドン!というようなシュートが多かったかなと思います。彼のレノファでのゴールはクロスでゴール前でごちゃごちゃってなったのは流し込んだものだったので、あんなシュート見たことがない、って投稿したのもヨシ君ファンのみなさん許してください。
ただ、やはりあういうシュート見たことがない、となったのも、彼自身が秋田で磨いたものなのかもしれません。相変わらず運動量は多く、さぼらない。いつもの吉岡君でしたが、たぶん彼自身も山口に慣れていたところでもう一度厳しい環境に自分をおきたいという気持ちもあったのではないかなと思います。もちろん契約ごとなので、レノファが切った、秋田がよい給料提示したとかそんな話も可能性はあると思いますが、なんかふとそんなことを感じました。
お礼参り(恩返し弾)をくらうことが多いレノファにまた一人名前が加わってしまいましたが、宮代君が代表に選ばれたりとすこしでもレノファに関わってくれた選手がほかでも活躍するというのはやはりいいなと思いました。うん、夢がある。レノファはちゃんと代表につながっていく。きっと次はカイリあたりがその夢を見せてくれるはず。
そして孝汰もそんな選手になってくれるはず。と妄想しながら北海道への準備に入りたいと思います。
ではでは。