※ポジティブなことを一切書いていないので、苦手な方はブラウザバックして下さい。
絶対に負けてはいけなかったアウェイの大分戦、山形戦を落としてしまし、せめてホームでは!と迎えたこの1戦。現実は非情でした。ただ、これも実力ではあるし、前半の20分は何もさせてもらえず、チームとしての準備であったり自力のところで負けてしまっていたように思います。
結果や試合後のおかれた状況はとても厳しいものでしたが、どんな1戦であったか振り返ってみたいと思います。
1)試合開始直後から崩れたプラン
2)シーズン終了後に考えるようなことを書いてしまうが

1)試合開始直後から崩れたプラン
この試合レノファは変わらず5-3-2の布陣。山形戦では契約で出場できなかった有田がスタメンに戻り河野とツートップを組み、トップスコアラーである山本(桜)を外し、成岡IHで起用する並びでした。
まず、キックオフのところではパリサンジェルマン方式みたいな形で言われているでしょうか。相手陣のタッチラインへ蹴り、そこから相手のスローインをハイプレスで仕留めるような最近の流行りのやり方に。(正直もう少し深いところへ蹴ってほしかった…)この試合相手を嵌め込んでいくという姿勢がうかがえました。2分には野寄が相手陣深くまでもっていきボールを失うもカウンタープレスで小澤のシュートがあるなど狙いは明確であったかなと思います。
ただ、狙いは明確でもそれが嵌っていなければ効果は出ません。残念ながら試合開始のところからエラーが出ていたように思えます。
レノファとしては鳥栖の最終ライン3枚に対してFWの有田、河野が制限をかけて、鳥栖の中盤の選手に対して野寄、成岡、田邉の3人で対応ということを想定していたかと思います。
西矢(健人)選手がスタメンでしたので、ある程度、相手がダブルボランチで来ることが想定できた中、守備と攻撃は1週間用意してきたものをやるということで進めていきました。(引用元:レノファ公式)
とあるようにまず鳥栖の並びとしてワンアンカーにして前節の今治戦のように5-1-2-2の形にするか、ダブルボランチにして3-4-2-1の形にするかである程度両方に対応できるようにフォアプレスの形を用意していたようでした。
おそらく鳥栖がワンアンカーを採用するなら、野寄を1枚上げてアンカーの選手を捕まえて、成岡、田邉でIHの2人をあてて、CF2人にはCB3人で対応するといった形を取ったのではないかと思います。ただ、この日の鳥栖はダブルボランチであることのほか、厄介であったのがシャドウの選手である西沢と西川の2人でした。
プレスのかけた方としては前述したように鳥栖の3バックにとしては河野と有田で制限。野寄は多少上がり気味でCBとボランチを見れるようなところ。鳥栖のダブルボランチは有田と河野がコースを消しつつボールが出れば田邉と成岡が対応。彼らが前に出ていけばCFが代わりに鳥栖のボランチを消す。WBにはWBをぶつけ、鳥栖のシャドウ西川、西沢には両サイドバック松田、磯谷がついていけるか。といった形を想定していたかと思います。一人一殺ではないですが、マンツーマンでの対応が必要でした。
ただ、3分のシーンでは鳥栖のボランチ2松本に対して田邉がでる。そのままキーパーまでプレス。河野は代わりに松本につく。鳥栖のGK泉森からRCB13井上にパスが出たところでまずエラー。西矢についていた有田がそのまま井上についていきますが、ここに成岡も出ていってしまい、レノファのボランチとCBの間には大きなスペースが生まれてしまいます。
磯谷、松田はともに西沢、西川についていきますが、CF酒井のところには大きなスペースが空いてしまっていました。酒井はレノファのボランチが空けたところへ落ちてボールを受けます。すかさず喜岡も捕まえに出ていきます。松田はその喜岡が出ていくところを埋めるために西沢のマークを捨てますが、酒井は西沢へフリックをしてここからカウンターのような形で攻め込まれてしあい、最後は酒井のヘディングシュートと危ない場面を早速作られます。
5分のところではミドルサードあたりまで運ばれたところで、鳥栖のシャドウ西川と西沢は田邉と成岡の背後に位置取り、磯谷、松田が出ていきにくいところに位置取ります。そして、西矢、松本のダブルボランチは鳥栖の最終ラインと近い位置でボール回しに参加。
レノファの中盤はシャドウの2人が多少自分たちの背後にいるものの、河野・有田との距離感を保って相手の出どころをつぶしたいから多少前にポジションを取る。レノファの最終ラインとしてはボランチが見るような位置にいる。また、鳥栖のWBは高い位置を取っているので、そこまで上がってしまうと背後をあけてしまうことになるので自重する。
すると、鳥栖のRCB井上がその形を待っていたように、CF酒井へレノファの最終ラインを押し下げるようなロングボールを入れます。そしてそのセカンドボール対策でRWBの長沢があたかもシャドウのような位置をとってセカンドボール回収。そして、レノファの中盤の選手もCBも捕まえられていなかった西沢が前向きにフリーでボールを受けてシュート。2回目の得点機会で早々に先制点を奪われてしまいました。
そのあとについても前から行きたいレノファに対して酒井を頂点にして、シャドウの西川と西沢がセカンドボールに入ったり、彼が落ちれば鳥栖のWBがそこを使うなど、レノファのボランチとCBの間にどのようにボールを送り込んでそこからゲインするか、を鳥栖はしっかりと準備してきたように思えます。
札幌戦などではスリーバックのサイドのCBが勇気をもって前に出ないと、というシーンがありましたが、この鳥栖戦ではサイドのCBが捕まえたい選手がなかなか捕まえられるところにいない。また、思い切って捕まえに出ていきたいが、前線の選手たちのプレスがそこまで制限できているわけではなく、ボールを背後に送り込まれてしまうので、怖くて出れない。これを繰り返しているうちに前半30分あたりまで厳しい時間が続いてしまったように思います。
前からプレスに行きたい。ただ、嵌れなければ後ろはついていけないのでスペースを空けてしまう結果になる。また、人数は足りていても制限がかかっていなければ最終ラインはさらされてしまう。すると全体的にラインは下がってしまい狙いとは別の形になってしまう。という悪循環になっているように思います。
2)シーズン終了後に考えるようなことを書いてしまうが
そして後半レノファはファーストサードのハイプレスについては、おちるシャドウの西川、西沢に対して松田、磯谷が高い位置まで出ていくような形に。画面では移っていないのでわからないですが、後ろではWBが絞って4枚のようにしていたのだと思います。田邉と成岡も松本、西矢の鳥栖のダブルボランチをそのまま捕まえていき、マークを最初から明確化するようなかなりつよめの一人一殺のようにしました。
後半開始直後についてはこれがはまり良い奪い方もできていました。ただ、2失点目のようにやはりミドルサードまで進まれたところでは、思い切って出ていくのは難しい。その対応が遅れてしまえばスキルの高い選手を抱える鳥栖に前半同様にレノファがプレスをかける際に空ける場所を突かれてゲインされてしまい、ゴールをこじ開けられてしまう結果になってしまいました。
世界のサッカーの流れで言えばそれこそ前半のキックオフ時に行ったようなパリサンジェルマン方式のように相手陣に大きく蹴りだして、相手陣深いところからハイプレスをかけて相手陣内でボールを奪回。というのがあると思います。
ただ、これを90分ずっと続けることは難しいので、どこかで調整をする時間が必要。なので志垣前監督はある程度ミドルプレスとハイプレスを併用した。
しかし、なかなか勝てず得点を取るためにハイプレスの割合を増したのかなと想像します。
FOOTBALL LABさんのデータですが、確かに路線変更もあり、チャンス構築率は1節~21節と22節~32節の間で2%改善をしております。ただ、1試合あたりの平均得点数は0.05点改善しているだけで、失点自体は平均0.1点増えてしまっています。勝ち点についても0.86点だったものが0.64点まで落ちてしまっているのが現状です。
1試合勝てばこの数字は改善はしますが、失点の仕方として個人的な印象としてセットプレーよりも常に失点の危うさというようなものも上がっているように感じます。千葉戦や長崎戦の前半のようにやり方が嵌れば強さを出せる。強度が高く見ている側もわくわくするような展開にもなる。
ただ、そこで強さが出せても複数得点ができるところまで持っていけていない。また、その強さが出せないとき、例えば今節のように相手にプレスをうまくかわされた時や、多少疲れなどを考慮しテンションを落とした時などに簡単に失点をしてしまうような、良いときと悪いときの差の激しさというものが不安定さになっているように思えます。
考えてみれば志垣監督の時は良くも悪くもその差が逆にあまりなく、一度悪い流れになるとマイルドにその悪い流れが続き、挽回する波がなかなか大きくできなく勝ち点を積み上げられない状態が政権末期にはあったように思えます。
どっちもうまくはいかないですが、やはり今のやり方を正直にやり続けてしまえば、相手も対策が立てやすいのかなというのがこの鳥栖戦で感じたことでした。
池上の復帰もあり、個人的にはまだ最後いい流れにもっていってほしい。そんなことを思ってはいましたが、なかなかこの試合難しかったです。
まだまだシーズンは終わっていない。厳しい状況は変わらない。だからこそもう吹っ切れて!!というのは無しで、まずは不安定なものをある程度排除したところから、勝負をかける時間を作るなど多少強度の強弱を最初に持ってこない試合ができるといいな、と願っております。
泣いても笑ってもあと6節!奇跡を信じたいと思います。
もう日付は変わって今日ですね。今治戦勝ちましょう!!










