レノファを青黒の眼で東京から見るblog

レノファ山口を応援・分析します。

中2日でも能動的に。 ヴォルティス徳島vsレノファ山口@ポカスタ 2024年3月20日

公式3連敗&中2日でのアウェイ。相手は中3日での試合の対戦成績があまり芳しくない徳島。難しい試合展開が予想されましたが、1−2と見事に勝利!

オウンゴールで1点は失うものの総じてレノファペースで試合を進めるなど、難しい状況でも大き進歩と大きな勝ち点3を手にすることができたように思います。

では、今節について振り返って行きたいと思います。

 

1)大きかった相田と梅木の復帰と早い時間の成功体験

2)冴えた志垣采配

3)失点時のちょっとした雑感

 

得点者

徳島           山口

81分  オウンゴール   51分 野寄

             56分 ヘナン

 

1)大きかった相田と梅木の復帰と早い時間の成功体験

まずこの試合を振り返る上で外せないのが<強風>。昨年のアウェイ秋田戦のときのように割り切ったサッカーが求めれました。

志垣監督が試合後インタビューで仰っていましたが、本来は前半風上で戦って試合を優位に進めてから後半を迎えたかったようです。ただ結果論ではありますが、前半から五分以上の戦いをしてくれたこともあり、それが後半に繋がったのかなと思います。

また、去年のアウェイ秋田では風のほか芝の問題もありましたが、割り切って主導権をある程度諦めているような展開での勝利でしたが、今節は主導権は概ねレノファが握っての勝利と昨年よりも成長した姿も見せてくれました。

では、内容に触っていきます。

 

まずレノファが流れを呼び寄せたのは相手陣でのプレー時間を長くするプレー、ゲームプランだったかと思います。

最初の5分ほどは徳島に攻め込まれましたが、まずレノファが行ったのが下手に繋くことはせず相手陣内へボールをおくること。1分や4分で関がボールを持ったところで多少つなぐような素振りは見せるものの相田や平瀬が前線を指差しロングボールの選択をします。

また、5分にはスローインのセカンドボール争いのところでも長崎戦同様に平瀬が相手のCF16渡が落ちたところまでついていきます。ここは徳島にボールが渡りますが、平瀬がでていっても前やヘナンが後ろで準備ができているので、前が裏へのボールをカットし若月が収めて、新保へつなぎ梅木のヘディングまで繋げました。

開始5分で前線からのプレス。相手陣でサイドボールを奪ってのショートカウンター。これでシュートまで持っていけたのは大きかったと思います。上述したように中2日ということもあり、ハイプレスを行うには体力的にきついものがあったと思います。風下ですしリトリートしてゴール前に引きこもってしまったほうが体力の消費は抑えられたでしょう。ただ、今年は走るチーム。相手陣でボールを追い奪還することで早いうちに『今日もこのプレーはできるぞ』という成功体験があったからこそ、前半から積極的に行けたのではないかと思います。徳島にうまくいなされてボールを回されてしまったら、岡山戦のようにうまく行かない時間が長くなっていたかもしれなかったですが、見事ここで決定機まで持っていくことができました。

 

この試合キーになっていたのが出場停止明けの梅木。スタミナ的な事情も他の選手よりもあったかと思いますが、まず彼が存在感をしめします。

前半はほぼ繋がずにロングボールであったり、自陣からの相田のロングスローなどを使い相手陣へボールを送っていました。梅木が主に起点を作った場所は左サイド。徳島のRSB13西野のところでした。

身長を考えると西野よりも橋本のところを狙うかと思いますが、やはり考えるのは『新保にクロスを上げさせる場面を作れるか』などがあったと思います。また、橋本もそこまで守備が得意ではないですが、西野も元々FWの選手とのことでスピードはあるものの多少ふわっとしていたところがあったと思います。そのようなスカウティングもあったのでしょう。序盤から常に梅木を左サイドでボールを引き出していました。21分には関がペナルティエリア右でボールをキャッチしましたが、わざわざ左サイドへ移動しているシーンも有り、チームとして狙っていたと思います。

この左サイドに上がったボールに対してはほぼ梅木が競り勝つことができ、前半からここを起点にすることができ、レノファの時間を増やすことができました。前半40分くらいからはRCB3石尾が代わりに競るように徳島は変更してきましたが、梅木はそれもあまり苦にはせず、河野の決定機なども演出していました。

DF優位である空中戦勝率も62.8%と高い数値がでています。ちなみに梅木より高いのがおそらくヘナン77.8%、平瀬68.4%の2人。平瀬はグレイソンやEジュニオ相手にしていたことを考えるとかなり健闘しているなと思います。

(引用元:Jリーグ公式www.jleague.jp

前半のスタッツはボール保持率は徳島59%で山口が41%、パス本数も255本(成功率75%)と136本(57%)ではありましたが、つなぐことはあまりせず前線にボールを送り込み、セカンドボール勝負、徳島ボールになっても高い位置でボールを再奪回するというサイクルができていました。レノファのボール奪取位置は40mを超えており、決定機も多かったのは明らかにレノファでありました。

成功率が低いロングボールを選びつつもゴールに迫れた1つの要因として梅木の復帰は大きかったなと思います。

 

また、ボールの再奪還で効いていたのが相田でした。

昨年のJ3ボール奪取率上位、抜群の運動量という事前の情報通りの働きだったかと思います。6分に左サイドの流れたボールに対しての河野のプレスに呼応して14玄にプレスをかけるところから、14分にはアンカー位置の27島川へのゆるいボールと島川のCBへ戻すボール対して猛烈にプレスを掛けるなど所々で相田が強度を上げることで前線のプレスを牽引します。

16分のように相田がプレスのスイッチを入れ、徳島にかわされるものの再度河野が今度はプレスのスイッチを入れてボランチの相棒の池上が前に出ていけば、相田は真ん中を埋めるなど、なりふり構わず動くのではなく周りとの連動もしっかりと取れていました。

18分のプレスのところではヘナンがプレスに連動するように前に上がった際はヘナンの位置を埋めており、16渡、10杉本、17高田に対して、レノファは吉岡、相田、平瀬、前と構えることができており、もしヘナンが杉森にかわされたとしてもまだ備えることができていました。

また、そこからのスローインですぐにヘナンの位置でそのままボールを受けて、ハーフレーンに落ちてきた若月にすかさずパスを付け、そのまま上がっていき吉岡から再びボールを受けるとエリア内の梅木へ差し込むなど幅広く顔を出していました。

このシーンは最後は池上の決定機まで繋がっており、チームのハイプレスに対して彼が追うシーンもありますが、時には埋める役割もしてそこから試合を作るといった多くの場面でチームに貢献できるボランチだなと感じます。

田邉がルーキーながら色々なプレーができるなと思いましたが、佐藤謙介や池上も含めてもちょっと相田がこの位置では抜けているかなと思う試合にもなったように思えました。

 

2)冴えた志垣采配

連戦で出ている選手たちで、インテンシティーも高くやってくれている中で、後半に足が止まることは考慮しました。また、ハーフタイムで交代カードを切ることで、後半も3回の交代枠を使えますので、もっと勢いを持って入れるというところで交代をしました。(引用元:第5節 徳島ヴォルティス | レノファ山口FC

とインタビューにあるように悪くない前半ではありましたが、やはり中2日、ハーフタイムで動きました。

この試合での出力を下げないことや、次の試合に対しての吉岡や若月のコンディションも考慮されているでしょうから、まさに5連戦も総力で乗り切るような交代であったかと思います。

いきなり野寄が結果を出したほか、高橋がおそらく負傷欠場のなか板倉をRSBで試すことや最終盤河野に代わりジュニーニョを入れることでもう一度前線で収まるポイントを作るなど、的確な采配が行われたように思います。

後半は野寄を入れたこともあり、前半のような左サイドからの起点にこだわるでけでなく、つなぐことであったり、右サイドの山本をめがけてのハイボールなど、新保に〜という彼に負担がかかるようなやり方も変えていたように思えます。

志垣監督は相手のやり方を見てから動くよりも、まず先手を打つ。ただ、次の一手は相手の動きを一手、時には二手分くらい見てから動くようなイメージです。

岡山戦、徳島戦と交代選手が出る直前での失点が続いているのは気になるところではありますが、この試合は総じて先手先手で手を打てたように思えます。

 

野寄にはクロスには中に入っていけ、という指示やニアサイドを狙うという共通認識があったようで、これもバチッとあたったようです。

この場面では徳島のCBの2人が河野と梅木に付いて、山本には橋本がついているので、CB2人に対してレノファは野寄含めて3人があのスペースに入り込めていました。相田のボールも見事でしたが、CBに対して、数的優位であのクロスへ挑めたことなど良かったなと思います。

前半から若月や河野がゴールへ向かうプレーが多かったりと矢印がしっかり相手ゴールへ向いている場面も多かったなと感じる試合でした。

 

3)失点時のちょっとした雑感

断っておくのはこれは個人批判をするわけでもなく、志垣監督のやり方について批判をする意図ではないことを予め記しておきます。

まずボールを失ったところは相手陣の左奥。特に怖い位置ではないので問題ないかと思いますが、その後にボールを回されたところで多少レノファの選手は遅れ気味。

ただ、27島川にパスが出たところで山本がプレスバックで相田、梅木とともに奪う。梅木から板倉へ。

まず板倉がここにいたのは直前に交代で入った8柿谷がボールを逃がせる位置にいたことで左サイドまで付いていったと思われます。

そして3人で島川からボール奪い、板倉がここにいたからこそ梅木はボールをここに出せた。野寄も板倉がキープしそうなので、パスを受けれるよう多少位置を上げた。

ここで児玉が板倉からボール奪取。何人かの選手がおいていかれるような形でカウンターを受けてしまい、最後は不運形でオウンゴールとなった。

 

77分にコーナーキックの流れからやはり多少ハイプレスを仕掛けた時に板倉はセットプレーの流れということもあり、このときも左サイドまで出てハイプレスに加わるような形でプレスの陣をコンパクトするような立ち位置を取っていました。

ただ、このような動きは前も新保も行っていない。結果論で言ってしまうとあそこでボールロストがなければ、、、となるが、うまく児玉をいなせていれば「よくあそこでフォローに入ったな」ともなる。

また、70分くらいに右サイドの高い位置で板倉が攻撃参加をした時に志垣監督から「たける下がるな!追え!」といったような声が飛んでおり、ファーストディフェンスをしっかり行うことやそれに連動することは割と意識をしていたと思われる。

この失点シーンでは最初野寄が30坪井が明らかフリーでいたこともあり、右サイドを埋めるような形で戻っていた。また平瀬・ヘナン、ボランチにポジションを移していた前もある程度後ろにポジションは取れていた。

ただ、一瞬ボールを奪ったことでポジティブトランジションで前がかりになり、再度ボールを奪われてしまい、ボールを失ってから12秒位で仕留められてしまった。橋本への対応も平瀬が1対2のような形で難しいものとなってしまった。

Xの投稿でもともと板倉がここに戻っていることを選んでいればというたられば書いたが、特に選手や監督からもそのような指示は飛んでいるようにも見えなかったし、この場合ではあのポジション取りは正解であったかもと個人的には思っています。誤解を与えるような形になっていたら、すみません、その時はあの投稿消すようにします。

ただ、INSIDEで板倉自身が語っていましたが、「時間を考えてのプレーが大事だった」これに限るのかなと思います。一瞬一瞬判断をしてプレーする難しさ。プロの凄さがあるなと感じた失点シーンでした。

 

板倉が続けて「レベル高いというか楽しい、自分がプレーしてて。成長ができるなって思ったしチームに貢献できるようにしていきたい。試合に絡めてなかったが充実した時間で成長を感じられた。この壁を超えられたらもっといい選手に慣れると思った3カ月間」(意訳)と語っているのを見て、まだまだ成長してレノファに色々なものを還元してくれるのかなと今後に期待したく思いました。

 

関・平瀬・新保・前らは多少替えが効かない選手らも愛媛戦もでることが予想されますが、相田、池上、野寄、板倉等この5連戦で上げてきた選手もいるなど、このあたりはコーチングスタッフ陣もうまく選手のやり繰りができているのかなと思います。

例年通りレノファのベンチの選手たちも良い雰囲気でピッチの選手たちに声をかけているようにも見えますし、元気印の寺門の役割もヒョンチャンが担っていそうで若い選手たちが頼もしい年になりそうです。

愛媛戦はまた荒天のようですが、ホームで勝ち点3。連勝を期待して、この第1ターム勝ち点10で追えられることを強く願って東京から声を届けたいと思います。

 

ここまで読んでいただきありがとうございます。

(※文中敬称略)

 

 

 

 

 

さて、そろそろこのあとがきも違うことを書きたいのですが、いくつかセットプレーのことを今回も書いてみたいと思います。

長崎戦のあとがきで触れたCK時の守り方。これはあの通りでしたね。今節はメンバーは変われど、ファーポストに一人配置をして全員ゾーンで守ってました。これでしばらくCKからの失点がなくなるといいなと思います。

 

で、2点目についてです。

レノファはだいたいいつもCK時にはエリア内に6人の選手を構えてエリア外に3人といった形(1−6−3)。

その他の形でいうと時々ショートコーナーを狙うようにしますが、それでも6人はエリア内に配置します。エリア外は2人。今節でいうと新保がキッカーで池上がショートコーナーでよっていき、新保がオフサイドになったシーンですね。このときはおそらく(2−6−2)

中の並びは都度違うんですが、大体若月辺りがGKの前に立つんです。特に新保のアウトスイングのボールに対してGKがでてくるのを多少邪魔するように。秋田戦の梅木のゴールの時も若月がいます。

ただ、ヘナンのゴールのときは誰も立たなかったんですよね。確か前半は若月がいたし、ヘナンのゴール後も板倉だったかなキーパー前にちょっと行くような素振りをしていました。

もしかしたら、相手GKスアレスがあまりアウトスイングのボールにでてこない、というスカウティングがあったのかも。で、6人でこの場面では梅木、ヘナン、平瀬にはマークを付けて、ゾーンの選手含めて結構人がいそうなところにあえて蹴ったのかもしれないですね。全部想像です。妄想のレベルに近い。笑

僕のセットプレーの情報は85%くらい下記の本からのインプットなので、興味がある方はこちらを読んでみるのも良いかもです。セットプレーだけの本なのでちょっとおすすめしにくいですが。。。ではでは。

https://www.amazon.co.jp/%E5%85%83AC%E3%83%9F%E3%83%A9%E3%83%B3%E5%B0%82%E9%96%80%E3%82%B3%E3%83%BC%E3%83%81%E3%81%AE%E3%82%BB%E3%83%83%E3%83%88%E3%83%97%E3%83%AC%E3%83%BC%E6%9C%80%E5%85%88%E7%AB%AF%E7%90%86%E8%AB%96-%E3%82%B8%E3%83%A7%E3%83%90%E3%83%B3%E3%83%8B%E3%83%BB%E3%83%93%E3%82%AA/dp/4905349303

相手CBを動かすための矢印 レノファ山口vsV・ファーレン長崎 @維新S 2024年3月17日

 

雨が降る中の第4節。前節の岡山戦での敗戦をホーム2連勝として流れを変えたかったレノファ。

しかし結果は0-1の敗戦。セルフジャッジが絡んだミスとなってしまいました。誰がゆるめたというわけでもなく全員がゆるんでしまったことで、ボールホルダーへの寄せ、囮になった選手へのマークの引き渡しなど全員の指示が止まっていたようなところを突かれてしまいました。

良い試合をしても勝ち点は0。例年よく聞くフレーズではありますが、内容としては良いものを継続して発揮できており、戦う相手に対しての微調整などもできているので、あとは得点をとること。次節以降期待したいと思います。

では、今節は振り返っていきます。

 

1)ハイプレスとミドルブロックの使い分け

2)両SBを上げての「2」への攻略

3)動かせなかった長崎のCB

得点者

山口         長崎

なし         32分 マテウス・ジェズス

 

1)ハイプレスとミドルブロックの使い分け

今節対戦した長崎はこれまで対戦してきたチームと割とやり方が違っていました。しっかりとこの3節を見ていないので、予測の範囲ではあるのですが、4-3-3のフォーメーションでポゼッションベースのサッカーを目指していると思われ、レノファはルヴァンカップで行っていたようなハイプレスを試みるような布陣を守備局面で敷きました。

ゴールキックでは試合序盤こそ、長崎のアンカー17秋野に対して、若月・山本の両CFが中央に寄り秋野を抑える形でCBへ出て行く形を取っていましたが、前半途中からCH田邉と佐藤を縦関係にして、田邉を秋野にそのまま充てる形に。
長崎も最初は繋いでいましたが、雨の営業があったのか15分すぎには無理してつなぐことを選ばずにゴールキーパーからロングキックを選択します。

長崎がIH6マテウスをツートップのような位置に置いて、CF11エジガルジュニオが落ちたり多少左右に動き、このロングキックに対して競りますが、ここはほぼどこにいても平瀬が対応。浅い位置にエジガルジュニオが移動しようが追尾していき、相手に起点を作らせないようにします。

 

セカンドボールが長崎に行ってしまっても、ここからこの年のレノファの代名詞4-4-2ブロックを構築していきます。

長崎は4-3-3でWGが割としっかり幅をとる形。これまで4-4-2で最終ラインはあまり動かさないようにしていたレノファでしたが、この試合WGに対してはSBが積極的に出て行っていました。そしてSBとCBの間はCH佐藤や田邉が埋めました。

失点シーンではセルフジャッジをしてしまった以外にも、米田がマテウスから前貴之のマークを外すために、ポケットをとるような動きをしたことで前がそちらへ吊られてしまい、中の面々もシュートブロックに遅れてしまっていました。

そして、失点後は多少長崎の時間になっていましたが、Eジュニオなどもこのハーフレーンに入り込んだり、マテウスらも引き続きここを突くことで徐々にレノファのブロックもズレていきます。どうしてもマテウスやEジュニオには2人などで付いていくこともあるので、別の場所が空いていきます。それがバイタルエリアでした。

立て続けに秋野にミドルシュートを狙われ、その後もマテウス、Eジュニオのフィジカルに苦戦をするシーンも有り、下記SPORTERIAさんのゴール期待値の推移ですが、得点直後から多くチャンスを作られてしまいました。

ただ、試合を通してみれば概ね危ないシーンはつくられていなかったと思います。負はしましたが、これはしっかり今年の特徴をだして戦えていた証左と思います。

 


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次は前半の攻撃の局面について。

長崎は4-3−3を基本フォーメーションにしてましたが、ボール非保持はマテウスを1列上げて4-4-2のような形。秋田戦同様にレノファは新保を左肩上がりにさせるような形を取ります。

後ろDF3枚とダブルボランチ2枚のレノファに対して、長崎は4-3−3のままでマークに付けばフォーメーション通りにバチッと形はハマるのですが、それはせずに4−4−2を保っていました。

この長崎に対して、レノファはこれまた秋田戦同様にCH田邉や佐藤がLSBの場所に落ちつつ、河野がCHの位置に落ちることでLSB飯尾を釣り出してその裏を狙う場面が早速6分にでました。流石に何度もやっているプレーなので、長崎もこれは対策済み。

11分にはやはり田邉が落ちて新保を前に上げますが、新保がパスを出そうとしたところでキャンセル。やりなおしを選びます。おそらく新保のジェスチャーから察するに、CF及び河野が同じ狙いで動いたと思われます。誰かが裏抜けをすることでCBを引っ張るので、その分CBの前が空くのでそこに落ちてこないといけなかったのが動きが被ったと思われます。このあたりはちょっといつものユニットと違ったためか。

26分にはよく左サイドでやる河野が落ちたその裏、というものを右サイドでも繰り出します。吉岡が落ちてLSB米田を吊って、山本がその裏を突きます。いくつかやり方を変えながら長崎ゴールを狙っていきます。

この試合は一旦攻めようとしても、やりなおしを選べるほどレノファはボールを持てました。理由としては、この数試合割りとアグレッシブにボールを奪いに来るチームとの対戦が続いてましたが、長崎はむしろ引いてしっかり守るチーム。前二人は多少ゆるいと感じましたが、後ろ8人は強固にブロックを気づき、粘り強く守っていました。

この多少ゆるい2人と崩せなかった後ろ4人についてはそれぞれ第2項と3項で触れていきたいと思います。


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2)両SBを上げての「2」への攻略

上記した通り長崎のぼーる非保持は4-3−3の形にはせず常に4-4-2でした。前半時々後ろ3人に加えてCHが最終ラインへ落ちる動きをしていましたが、これは秋田戦でもやっていたのでなんとも言えないところですが、長崎が4-3−3にして前線3人で来たときに備えて、可変させつつも最終ラインを4人にして長崎の前線3人のプレスに備えて、一人余らせるようなことを想定していたかもしれません。

ただ、長崎はその形(4-3-3のプレス)をやらず。そして前2人のプレス貢献度はあまり高くない。これがわかったことで後半のレノファのやり方が変わりました。今まで後方でパスを捌く側にいたRSB前をRSBとして高い位置へ上げます。後ろ2枚になるところには後半替わって入った相田や田邉が時折落ちること後ろを3枚にして片方はアンカーの位置で長崎の4-4-2の「2」を牽制します。

この形をとるころで「2」の脇からレノファは前進をすることができるようになっていきます。

そして前がミドルサードからアタッキングサードへ侵入することで吉岡、若月らと共に右サイドを攻略していくことでほぼ長崎陣内で後半時計を進めることができました。

左サイドは河野がFWのようにエリアへ侵入することなどもあり、新保が孤立するような状態も散見され多少バランスが悪かったものの、相手陣深くまで行くことができていたので、長崎のクリアしたボールに対してもボムヨン、平瀬も積極的にボール回収するために持ち場を離れて積極的な敵陣でのボール奪回を狙います(ネガティブトランジションの局面)。

時に相手陣内でのサイドチェンジも出すことも増え、縦にも横にも相手をずらすことを狙っていきます。前を上げることや相田の投入で運動量とロングスローを駆使しつつ、4局面を長崎陣内で回すことに成功はしているもののなかなか長崎ゴールを割れないレノファ。時間だけが過ぎていき徐々に自分たちのスタミナのほうが切れていきました。f:id:cross_reno:20240320002132j:image

3)動かせなかった長崎のCB

個人的に攻め込んでいてもなかなか難しいなと思った理由が長崎のCBをあまりゴール前から引きずり出すことができず、クロスもしっかり跳ね返されていたことが要因の一つであったと考えています。

まずこの試合通じてクロスが跳ね返される、クロス自体をブロックされる場面が多かったと思います。何故か、長崎の守備ブロックの外からのクロスが多かった。

確かに後半特に右サイドを攻略ができていたようにも見えましたが、しっかりシュートに行けたのは54分の前が奥をとってからのクロスで相田のボレーシュートがありましたが、その他のクロスは残念ながら届いていませんでした。

72分のようにハンドっぽい場面はあったものの、それ以外はエリア内への侵入はなかなか叶わず。上で触れたサイドチェンジも長崎のブロック自体はスライドしますが、ボールに触れてスローインにされてしまったり、そもそもレノファの選手自体もなかなかフォローに間に合っておらず、新保が三笘薫なら別ですが彼が孤立することが多く、なんとかしようという彼の思いとは裏腹にスタミナの消耗からプレーの精度が落ち、最後は足も攣ってしまっていました。

それもこれも長崎の4−4ブロックの献身性があったからと思います。特に増山、加藤など2列目の選手もサボらず戻り、ブロックの中にレノファが侵入することさえもなかなかさせてもらえませんでした。ブロックの中に入れなければ、長崎ゴールへレノファは矢印を向けることができません。

58分のようにうまく関のクリア(パス)を相田→田邉→若月とつなぐもなかなかゴールへの矢印が向かない。68分も前からエリア内の若月へ差し込みがありますが、ここもすぐにクロス。70分のカウンターではエリア前まで行きますが、ジュニーニョは一度泊まる選択をし、吉岡と息が合わず。75分もカウンター時にジュニーニョが相手を引いたところに河野が中を取りますが、吉岡の選択はサイド。とチームとしてつなぐ意識、狙いなどは共有できていそうで、ファイナルサードに入ったところで矢印がゴールに向かわない場面が続きました。

矢印がゴールに向かわなければ、CBは引き出されずゴール前で構えた状態でクロスの対応ができますし、長崎の選手たちもしっかりエリア内に多くの選手を戻しクロス対応をすることができていました。

では、どんな場面で長崎のCBを動かせていたか、

開始1分。特に形を作ったというよりもセカンドをしっかり拾って繋いだ河野のミドルシュート

38分の佐藤から山本への裏へのパスで山本が抜け出して、LCB田中を引き出してドリブルで交わして若月へシュート性のクロス。

69分吉岡がカットインで中へ入っていき、若月がエリア外へLCB田中を吊って、河野がその裏へ入り込み吉岡のパスを引き出し、RCB29新井が河野へついたことで生まれたスペースへ加藤潤也がエリア内へしんにゅうしたところへヒールパス。残念ながらここはIH加藤大の見事クリアにあってしまいノーゴール。

といったように、如何にCBに対して攻撃ができ矢印をゴールへ向けられるか。たぶん風間用語なので他の言葉が僕はわからなく表現しにくいのですが、

長崎に意図的に外循環にさせられたわけではないですが、レノファが外循環で進んでしまったことで、ボールは長崎の怖いところから遠ざかっていたように思えます。CB位置でもう少し勝負をしたかったなと思う試合になりました。


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ビルドアップを目的にするのではなく、ゴールを目指していく姿勢も見られたと思いますが、最後を割れなかったですので、アタッキングサードの質だったり、相手にとって脅威となる背後を狙って攻撃を進めていくことがさらに必要になってくると思います。(引用元:レノファ公式

と志垣監督が残しているように相手に「脅威を与えるプレー」。これを徳島戦以降増えていくといいなと思いました。

前が言うように相手の立ち位置を見て、ボールを相手陣で回すことやそのうえで組織的に守ることなど昨年からの上乗せはしっかりあると思います。この2連敗を引きずらずに連戦を乗り切ってもらいたいと思います。

けが人も戻ってきました。まだまだこれからですよ。負けていられません。

次こそは勝ち点3ですよ。

ここまで読んでいただきありがとうございます。

(※文中敬称略)

[お写真:トリバンさんよりいただきました @jtki2004]

 

 

今回のあとがきはまたセットプレーの話題を2つほど。

コーナーキックがこの試合長崎に1本しかなかったので、試行回数が1回なので断言はできませんが、前節から修正があったと思われます。

横浜FCの森や岡山の柳にマンマークでついていた田邉を今節はゾーンに組み込みました。田邉は新保がいたところに入り、新保はファーポストへ。おそらく前回柳に田邉がついていてもものともされていなかったり、ファーサイドのケアが弱いと見てこのような形にしたのかもしれません。

徳島戦以降どうなるか見てみたいなと思います。

 

また、ちょっとスローインで面白かったシーンを。

14分に新保がスローインをするのですが、田邉が長崎の増山をちょっと押すんですよね。ただ、新保が投げれなくて審判に注意を受けているところで、田邉が河野にジェスチャーで落ちろよと言っています。おそらく増山をバスケットボールのスクリーンのように邪魔をして、田邉が空けたところへ河野が落ちて、スローインをもらおうとしていたのだと思います。

やり直しのところでは、見事に河野と若月が同じ動きをしてお互いに邪魔をするような形になり台無しに。笑

ただ、上で書きましたが、38分のところのチャンスはこの田邉が増山をスクリーンをして河野がおちて、平瀬へボールを逃がしたところから始まっていました。

きれいに決まるとこんなふうになるんですね。という面白い対比的な場面でした。

よろしければ見直してみてください。

ではでは。

ファジアーノ岡山という基準点 ファジアーノ岡山vsレノファ山口 @シティライトS 2024年3月10日

晴れの国岡山。本当に気持ちの良い青空が広がったなか行われた今節、残念ながら84分セットプレーからの失点を喫し敗戦となってしまいました。

昨年のホームゲームでのイベントに参加させていただいたこともあり、個人的には岡山さんとは縁を感じており、今年はアウェイに行ってみたいなと思い現地参戦しておりました。

よく頑張った!ここができてないんだよ!いや~梅木!など反応は様々な試合でしたね。新監督を迎えてまだ3節と始まったばかりですし、ましてや岡山さんとのアウェイゲーム。そりゃ色々負けたらみんなが思うことなんて違いますよね。

僕も試合後ちょっと自滅な印象で落ち込んでいましたが、岡山から東京に戻る時くらいにはできていたこともあったよね。と思うようになっておりました。

 

今節も岡山サポーターのゼロファジさん、レノファサポーターのエルロコ・ペップさんとXのスペースで今節の振り返りを行う関係もあり、そのスペースを意識した書き方をしているので、ご了承いただければと思います。

 

1)コンパクトにはできていたが、しつこかった岡山の狙い撃ち

2)ファーストサードの難しさ

3)第3節アウェイ岡山であること

得点
岡山         山口

84分 田中      なし

 

1)コンパクトにはできていたが、しつこかった岡山の狙い撃ち

両チームのスタメンはほぼ前節と変更はなく、出場停止の田上のところに柳(育)が入ったのみと、両監督開幕から信頼して送り出した11人を継続して起用してきました。

 

今回のブログでは時系列に物事を追わずに、この項ではやられてしまったなと思うところを挙げていこうと思います。

 

では、まずレノファの守備局面のところから。

アライバルインタビューで、志垣監督はグレイソンとそこに関わるシャドウの選手への警戒を口にされてました。

コンパクトにした4-4-2のスリーラインを敷いたうえで、平瀬とボムヨンの両CBの距離を近づけグレイソンを警戒するような形に。時折グレイソンにこぼれ球や甘くなったボールをかっさらわれてしまうこともありましたが、彼のところで起点を作らせないことやセカンドボールをシャドウに拾われないようにするなどの作業は試合通してできていたように見えました。

一番ゴールに直結するところを潰すレノファ、プレスのかけ方についても横浜FC戦同様にCB→WBへのようにボランチやシャドウを経由させないように行っていきました。

 

そこで岡山が次に打つ手としてはハーフレーンの活用。

フォーメーションの噛み合い上、どうしても岡山のシャドウとサイドのCBがここを突きやすい形になります。そのためレノファとしては極力コンパクトに最終ラインを組んでCBとSBのスペースを埋めたいところでしたが、岡山の両WB柳(貴)と末吉が高い位置を取るために、レノファのSBが岡山のWBに出ていくことになります。

そうするとCBとSBの距離が広がってしまうため、シャドウの木村・岩渕がここをしつこくついてきます(ハーフスペースやポケットのところ)。この動きは試合終盤まで徹底をされていました。前半早いうちはまだ田邉や佐藤がこのスペースを埋める、このハーフスペースへ侵入する選手を捕まることで対応をしました。

しかし、20分にはレノファの左サイドで柳(貴)、阿部、木村、藤田の4人に対して、新保、河野、田邉の3人と位置的数的優位を作られてしまいます。これは上述した通り、3-4-2-1の岡山と4-4-2のレノファではどうしても数的不利ができてしまう場所です。

柳にLSB新保がでていったところで、流れてきた岩淵にハーフスペースを取られてしまいます。ここは佐藤がなんとか間に合いましたが、

22分のところは末吉に前と吉岡が二人で付いたものの、再び岩淵へのパスを許してしまい、木村についていた佐藤の寄せは間に合わずグレイソンに決定機を与えてしまっておりました。

やはりCHであったりSBが外へ出ていかずに予めこのスペースを予測して埋めれていれば怖くないのですが、走り込んだ選手を追うような形になってしまうとちょっと危ないなというのは横浜FC戦から感じているものでもあります。※横浜FCのWBは岡山ほど高い位置を取ってこなかったので、コンパクトさが保てていたというのはあると思います。

 

後半については徹底的にここを突かれてしまったのは木山監督がここが勝機と考えたからかなとも思います。シャドウの選手を同サイドに寄せておいて、ハーフスペース攻略などもしてこられましたね。後半立ち上がりの木村が左のハーフスペースを取ったところなどは最たる例だったと思います。

また、ここに至るまで秀逸だったのが岡山のサイドのCB。レノファのSHが横浜FC戦のように1列上がって4-3−3のようにし数を合わせたかったところですが、準備が間に合っていないと、すぐに4-4-2の「2」の脇へ持ち運んで来てしまうので、ここでレノファ自体は守備の遅れを取ってしまうので、ズレを作られてしまいました。持ち運んだ岡山のCBにレノファのSHが付きに行けば、そのCBの選手はWBへパス。SHは引き出されているので、レノファのSBがWBにでて行かざるをえないのでCBとの間にスペースが生まれるのでシャドウが走り込む。

とてもざっくりとした例ではあるのですが、このようなことが頻発してしまっていたなと思います。ただ、後半についての見解は違うので後述します。

 

話をもどして、やられてしまったの2個目はセットプレー。

まず失点にも繋がってしまったCKの守備について。秋田戦のレビューでも触れましたが、横浜FC戦にストーンに171cmの若月をおいていましたが、2戦目には180cmの佐藤がストーンを担っていました。ニアサイド対策。

そして、ゾーンで守るレノファの中で田邉のみ最も警戒をしないといけない選手にマンマークで付きます。すべて秋田戦と同じだったと思います。そして田邉がマークしていたのが柳(育)でした。競り勝つ必要はなし。体を当てて体制を崩せればOK。

この試合岡山最初の10分のCKではニアサイドに蹴って佐藤がクリアをしていました。ただ、そのほかはFKを含めても結構な比率でファーサイド狙いだったと思います。もちろんレノファもファーサイドを警戒しているので、秋田戦ではロングスロー迎撃要員として使っていた梅木を配置しており、現に彼が何回かクリアをする場面がありました。

ただ、岡山はしつこかった。ハーフスペースを突くこと並みにしつこかった。失点シーンはRCB4阿部がスクリーンというか手を田邉に絡めるような形で柳のマークから外し、梅木が目測を誤り田部井の高速のCKがバッチリ柳にあってしまいました。もう少しボールが緩ければ目測を誤らなかったでしょうし、中でも誰かが対応できる速さになっていたかもしれませんが、ここ一番で最高のボール、最高のヘディングと続いてしまい、田中のプッシュには誰一人反応ができませんでした。かなり悔しいですが、横浜FCの福森同様にあの時間帯にあの精度を出してくるのがJ2上位勢。また形が変わるかもですが、改良を続けていくほかないのかなと思います。

※下記は簡単な今のレノファのCK時の守備体型です。

 

2)ファーストサードの難しさ

次にレノファの攻撃局面。

ここはいくつかコメントをまず引用させてもらいます。

志垣監督

攻撃のビルドアップのところで簡単にロストするところがありました。それは私自身が立てた戦い方の部分もありますし、選手の部分でもイージーなミスが目立ってしまったというのがありますので、全員で反省しなければいけないと思います。

相手のウイングバックが積極的に前を狙ってくる中で、足元、足元へのボールになり、相手のやりたいプレスにうまくはめられてしまったというところがあります。ゲームの中で修正してくれた部分もあったが、動き自体が遅くなってしまいました。その中で迫力ある攻撃をできなかったのが今日の大きな敗因の一つだと思います。

平瀬

もっと謙介さん(佐藤謙介選手)と光平(田邉光平選手)をうまく使い、監督も言っていましたが相手の前への矢印を一度ストップさせたかったです。単なる横パスでは相手はプレスを掛けてくるので、真ん中へのパスを挟んで相手を絞らせたかったですが、ボランチへのパスが今日は少なかったと思います。僕もボムさん(キム・ボムヨン選手)もタカさん(前貴之選手)もボランチには当てたかったですが、ボールが跳ねやすいグラウンド状況だったのもあって、出すのが怖いというところもありました。そこでの意図が上手く噛み合っていなかったというのはあったと思います。

(両コメント引用元:レノファ公式

志垣監督、平瀬共にビルドアップ時に狙いを出せなかったことを挙げています。

岡山のグレイソンはボランチあたりを消して、シャドウの二人がCBを見つつSBまで2度追いすることや、WBがSBまで強くでて来る場面が多かったと思います。

横浜FCの戦では序盤横浜FCの5−2−3の前線の2−3で組まれる5角形の中を使いながら、SBを浮かせることを狙っていることを書きました。ただ、横浜FCにコンパクトにされたところでこの5角形の中を使うことができずに逆にボールを奪われるシーンがふえました。そして後半ここを飛ばしてロングボールをDFライン裏へ送ることで再度流れを握っていきました。

今節で言えば、コメントを読む限りこの5角形の中であったり、この脇を使えなかったと。

さっと見る限り11分のところで河野が「2」の脇を取ってRSB前へボールを逃がしたシーンがありました。

また32分には相手のロングボールを回収したところから、岡山がプレスに出てきたところにボムヨン→佐藤→田邉と相手の中間ポジションを取っている二人でボールを動かして、田邉から若月へロングボールをが出た場面がありました。

おそらくこういう場面をもう少し織り交ぜたかったのかなと思います。ただ、相手を自陣深くまで引き込んでの疑似カウンターであったり、相手プレスを受けてしまい意図的にロングボールを蹴ることができず、柳(育)の制空権を脱することができませんでした。

秋田の選手のような体躯をしていれば、まずは蹴っちゃえでも良いとは思いますが、レノファの面々では全てそれをするのは難しいし、選手の特徴を考えれば一旦手前で相手の矢印を変える、相手の特定の選手を動かしてから、その場所を突く。このことが相手の嫌がることをするというのにつながるのかなと思います。

ただ、今節で言えば前半は藤田を動かしてその裏という形がいくつかありましたが、後半はグレイソンをもっと下げておいてシャドウとWBでレノファの最終ラインに対してプレスをかけて、蹴らせたところを柳と前線に行かずセカンドボールを拾う役に回った藤田に回収されてしまい、流れをレノファに戻すことができませんでした。

岡山のこぼれ球回収のトップが藤田で、レノファが関。本来であればレノファも田邉や梅木の名前が欲しかったところですが、岡山に押し込まれてしまった証左であったかと思います。

 

相手陣に入りさえすれば、サイドの奥を突き、クロス主体にゴールを狙う。

クリアされてもセカンド拾う。ボールが相手に渡っても即時奪還を狙う

奪還できれば2次攻撃、つながれてもブロックは崩れてないので、しっかり守れる。

といった具合に岡山相手でもファイナルサードミドルサードでの振る舞いについては4局面を回す流れはできているので、ファースサードの精度については今後の課題、伸び代かなと思います。

あと、みなさまシュートは枠飛ばそう!!笑

 

3)第3節アウェイ岡山であること

で、色々難しかったことを長々と書いてきました。確かに岡山に圧倒され気味ではあったと思います。ただ、僕のなかで若干あるんですよ、後半山口プランを変えて積極的に勝ちを取りにいかなかったかな。という感覚が。引き分けOK。ワンチャンあれば点を取ろう。

リスクを冒してまで勝ち点3を取りに行かなかったかなと。なぜなら、今節は第3節であり岡山アウェイであったことが挙げられます。

もちろん勝ちたいですが、レノファは別にこの試合勝ち点1でも全然OKであったと思います。

『ラインを上げて岡山のCBへプレスに行ったほうが』という解説の方の意見も、CBへの制限がかけられていなくそこから展開されていたので、最もなご意見ではありますが、最終的にやられていたか、というとやられておらず木山監督が『あとはどうやって1点取るかというところが焦点だと思います』と仰っていたように、岡山が1点取れるか取れないか、だったように思います。それだけ後半開始から岡山は出力を上げてきましたので、その出力に付き合えば先にガス欠をしてしまったのはレノファであったでしょうから、あの守り方・時間の使い方は必ずしも間違いではなかったように思います。

悔し紛れの意見ではありますが、失点する5分前くらいから、徐々にレノファが岡山ゴールに迫るシーンがでてきており、ようやく岡山陣でのプレーが増えてきているところでした。また、失点したCKの時点ではすでに高橋と石川が交代の準備を進めており、次の1手を出すところでした。

交代で入った石川もCF山本と中盤をつなぐような役割を担うようにいわれたとのことで、岡山が間延びしつつあったので、CKから失点してしまった上、梅木が退場になりタラレバばかりにはなりますが、80分前は試合の潮目がレノファほうへ変わるタイミングであった可能性もあったのではないかと個人的には思っています。

それくらい、最後のところで体を張る、そもそもやみくもに体を張るのではなく、ちゃんとエリアのスペースを埋めつつブロックに行っているので、岡山の『ゴールまであと少し』の時間が長くつづいたでしょう。

 

若月が一番前で柳相手にもしっかりボールキープをするところ、裏抜けをするところなど体格関係なしにJ2屈指の選手でもやれていました(その分50分過ぎにガス欠でしたが。。)。

加藤も左サイドでやはり形を持っていますし、田邉はプレーの好不調もないし、平瀬も審判と戦った以外は悪くなかったと思います。関さんは相変わらず神・

負けは負け。できなかったこと、積み上げないといけないことなどが浮き彫りにはなりました。それでも下を向かずに引きずらない。ルヴァンカップであったり4節の長崎戦をしっかり超えることができればそれでいいと思います。

J2上位との力の差という物差しを岡山さんとの試合で手に入れることが早々にできました。去年のようにだめだこりゃという物差しではなかったと思います。

岡山さんがつよかったからこそ、この敗戦があったからこそ。そんなふうにできればそれはそれで良いんじゃないかなと個人的には思っています。

 

ここまで読んでいただきありがとうございます。

(※文中敬称略)

 

 

 

で、あとがき。

岡山サポさんにも発見されていたので、もう隠す気はないので、ここから。

聞きました?木山監督のインタビュー。

 

「柳らしい」はそれ以上素因数分解できないから「柳らしい」でいいと思います。

 

かっこよ。正直真意であったり「柳らしい」は他サポの僕では細かいところはわかりかねますが、監督と選手の距離感がわかるな〜と思いましたね。

アライバルインタビューでも多く語っても〜というようにいつものらりくらりかわす監督ってイメージでしたが、しっかりご自分の言葉をメディアに発信もされるんだなって、ちょっと印象が変わりましたね。

あと、アライバルインタビューでも「アグレッシブでも守備もできる。いやなこともできる」って志垣監督の言葉をそのまま言っただけな気もしますが、今年のレノファを見てくれているなって感じましたね。

四方田さんは「データがない」 謙さんは「攻撃的!」みたいなことを仰ってて、ちょっと去年までのイメージ引きずっているなって思ったんで、今節の木山さんはちょっと良い意味での驚きでした。

次は霜田さんに下平さんか〜。語る派ですな〜笑  楽しみだ!

 

 

1節2節を超えていけ ファジアーノ岡山vsレノファ山口プレビュー

難敵秋田に対して「これぞ志垣レノファ」という姿を示し、勝ち点3を取ったホーム開幕戦。勝ち点4、失点1と目標に向けて上々の内容と結果であると思います。

そして第3節アウェイに乗り込むのは『pride of 中四国』、岡山との対戦です。

今年の岡山は以前にも増して縦への意識が強く、またフィジカル・選手層共に厚みをましたような印象です。

大雑把な言い方をすれば、1節の横浜FCと2節の秋田を足して2で割って秋田にちょっと寄せたようなチームです。ハイブリッドという言葉を使ってもあながち間違いではないと思っています。

この1節〜3節を見ると「日程君やってくれるね。第1節と2節のおさらいをさせてくれるようなチームをぶつけてくれるな」といったような試合になりそうです。

では、試合展開を考えていきましょう。

 

1)コンパクトな4-4-2を保ち続けられるか

2)意図を持って蹴ることができるか

まず岡山のフォーメーションは3−4-3。去年も3−4-3のような3−5−2のような形でしたので、並びにはそう大きな違いはないです。

ただ、冒頭に書いた通り去年の岡山に比べるとまず単純に縦に早い。僕の去年の岡山のチームイメージは、『いかにCFの選手、チアゴらにボールを届けて彼らがフィニッシュワークができるか』といった感じでした。昨年の第1節では4バックでLSBの選手がボランチに位置に入るようなこともしたりとポゼッションを意識していたように思えました。

ただ、今年は『シャドウに入った選手の動き出しでチームの攻撃のスイッチを入れ、それに合わせて縦に早くボールを動かしている』イメージです。

フィジカル能力に定評のあるクラブからの移籍や、フィジカル能力に長けた選手などが移籍してきており、コーチ人事についてもいわきから招聘されていたりと狙いが見えてきます。

 

予想フォーメーションとしては前節中央のCB田上が退場したこともあり、ここに柳(育)がおそらく起用されると思います。ルヴァンカップは柳以外ターンオーバーをしていたので、ほぼ1節、2節のメンバーが起用されると予想しました。

レノファ側の話は後述します。

 

1)コンパクトな4-4-2を保ち続けられるか

では、今年のファジアーノ岡山にはどのように対応をしたらよいのか。

今季のレノファの守備の特徴であるコンパクトな4−4−2をしっかりと保ったうえで、岡山のシャドウ、CFに中央で仕事をさせないことと考えます。

第1節の栃木、ルヴァンカップの宮崎の試合を見ているとまず目立ったのが、プレスを掛けて奪いに行くことで自分たちで自陣のスペースを岡山へ渡してしまうことでした。

特に栃木が致命的であったのは5-3−2のような形で守っているのですが、アンカー脇に入り込んだシャドウを捕まえることができず、CBやWBからシャドウの木村・岩渕にパスがわたり、中央でやりたい放題やられていました。

シャドウの彼らが中央で持つことで、単独突破をすることもできる突破力の高い両WBも高い位置を取ることができ、サイドのCB阿部や鈴木もハーフスペースへあがってくることで、攻撃に厚みを出してきます。

例で言うと、第1節の35分過ぎあたりから、カプリーニ、中野のボールを持たれ、サイドに張った山根にボールが行ったと思ったら、福森がいつの間にかペナルティエリア近くまで上がってきていたようなをシーン思い出していただければと思います。

そのためにはまずシャドウに好き勝手やらせない。岡山の第2節の対戦相手であったいわきは田村監督は試合前にこれをポイントの一つとして挙げておられ、だいぶここを意識されており、割としっかりとそれを遂行できていたように思いました。

宮崎はプレスを掛けに行くも、肝心のこのシャドウを外してしまっており、前進を許してしまっていました。

 

レノファとしては、コンパクトな4-4-2を保つことで、

  • 後方やサイドからこのシャドウへのコースを寸断する。外誘導を徹底。
  • SBが簡単にWBへでていかないようにし、シャドウがレノファのSB裏へ流れるようなプレーをさせない。
  • CFへ長いボールをあてて来た場合はセカンドボールの回収をしっかり行う。

このあたりが大事になってくるかと思います。

それでもCFのグレイソンは納める力、競り合う力はJ2屈指のものに見えましたし、カウンターは早い、WBは単騎で突破をする能力を有しており、ピンチを迎える場面がでてくるでしょう。

ただ、秋田戦のように深い位置からクロスをあげられるシーンがあっても、エリア内をしっかり締めていれば脅威は減ります。それは秋田戦でもしっかりと対応できていたものでもあります。

 

また、押し込まれてしまったときに、フォーメーションの組み合わせ的に局地的に数的優位を取るために岡山のサイドのCBも積極的に上がってきます。このときに大切なのがCFもしっかり戻ること。栃木はボールを奪われたあと、切り替えが遅くそのままゴールをうばわれてしまいました(2点目)。

ただ、今年はトランジション時のハードワークも徹底できていますし、若月、梅木についてもこの2節で献身的なプレスバックをしてくれていますので、3節でもその姿を期待したいと思います。

そうすれば、横浜FC戦のときのように奪った後はWB裏に大きなスペースが生まれているはずなので、そこをしっかりついていけばよいのです。頼みましたよ吉岡君、若月君、田邉君。

 

2)意図を持って蹴ることができるか

次はボール保持時です。

岡山は基本ハイプレス、ハイライン。横浜FCや秋田よりも強度は高いです。また、ネガティブトランジションは秋田以上に鋭く即時奪還を狙ってきます。

良いように解釈をすれば、この動きはすでに秋田戦で予習済み。前半20分前後にある程度引き込んでからのボムヨンから吉岡へのサイドチェンジなど、相手を見て引き込んでからの解放などはすでに披露済み。いなすことができるイメージはできていると思います。

 

ただ、要注意しないといけないのがCHの藤田と田部井。

特に藤田はゴリゴリしている他の面々に比べて、多少おとなしめの風貌ですが、プレーはしたたか。ボールの逃がしどころを察知し相手陣でのインターセプトであったり、セカンドボールの回収などにも秀でています。田部井ともいい距離間での縦関係を築いており、ポジティブトランジションもスムーズ。DFラインも自信をもってハイラインを保ってきます。

彼らがいるからこそ前線が思い切ってプレスに来ます。これに屈すると秋田戦の後半のような展開が待っていると思います。

ですので、横浜FC戦のようにしっかりとボールを動かして、狙いを持ってWB裏をしつこく狙っていくことで勝機が生まれてくるのではないかと思います。いわき戦でも決定的なチャンスはないものの、いわきがWB裏へボールを送り込むことで反対に岡山を押し込む時間帯もありましたので、横浜FC戦のようにプレスをかいくぐりWB裏へボールを送り込むことで起点を作りたい。

そして横浜FCよりはボランチ周りは空きそうなイメージがあるので、秋田戦で志垣監督がおっしゃっていた課題である

攻撃のビルドアップのところでがはしっかり中に人数を増やし、中と外を使い分けなかがらやりたかったですが、長いボールが多くなった印象はあります。ハーフタイムに長短を使い分けることは話をしました。(引用元:レノファ公式

このあたりの改善した形が出てくると面白いかなと思います。

 

 

で、個人的なレノファの見どころとして

  • 右サイドと左サイド、どっちを主に使っていくか。
  • 1節2節起用されなかった組の台頭

の2点があります。

フォーメーションやスタメンはおそらくレノファも変えないと思います。うまくいっているので。で、どちらのサイド?ですが、

この2節目立っていたのがLSB新保の攻撃参加とセットプレー。

cross-reno.hatenadiary.com

2節のレビューで書いた通り、個人的には特に前半は、いかに新保にクロスをあげる形を作れるか、であったと思っています。

ただ横浜FC(3-4-2-1)戦の形を考えると秋田(4-4-2)戦のようなわかりやすい左肩上がりのビルドアップはせずどちらかというと機を見て上がる方ような形になるのではないか。そうすると秋田戦ほどクロスを上げる機会は多くなさそう。

また、岡山のRWB柳(貴)は185cm&運動量豊富とちょっとWB裏へのボールも届いてしまうかな疑惑が少々。もちろん秋田戦のように引き出しておけば彼の体躯については無効化できますが、左サイドを起点にするのか、今節は右サイドを起点にするのか。

ちょっと注目してます。

 

で、次が「1節2節起用されなかった組の台頭」ですが、どうもやはりケガでの離脱組があったようですが、

それも踏まえて期待したいのが「相田」。岡山戦はどうしても走り合いだったり、向こうのフィジカル推しで押し込まれることが多くなると思います。(no more ルカオ)

その時にスタメンなのか交代出場なのかはわかりませんが、セカンドボールを回収することであったり、あと一つ出力を上げて攻撃しないといけない時のピースとして彼の運動量が活きてくるのかなと思います。

また、脳震盪で交代した小林はおそらく大事をとると思いますので、おそらく交代の1枚として出場するFWの選手。彼がスタメン組と同じ強度・献身性を試合終盤まで発揮できるかがポイントと思います。

この2節を見る限り、おそらく大量失点はしそうもないのが志垣レノファ。するときは2点取られて前に行ったところをカウンターで仕留められるとかセットプレーぶち込まれるとかそういう時くらいかなと思います。

そうならないためにもレノファとしては組織としてのコンパクトさとインテンシティの持続。これが最後まで求められるのではないかと思います。

なので、明日は1点差ゲームになるのではないかなと思います。(岡山さん今節もどうかシュートをたくさん外してください!煽)

 

pride of 中四国 昨年は2分けでしたがそろそろ白黒つけさせてもらいましょう。

 

試合後おいしいビール飲ませてください!おいしいお魚たべさせてください!

お腰につけた勝ち点をすべて私にください(な)!!!!!

 

 

ファジフーズ楽しみです。千屋牛いただこうかな。3月だけど岡山の鰆食べれるかな。お土産に桃やマスカットのゼリー買って帰ろ。岡山遠征楽しみ一杯です。

岡山さんいい試合にしましょう (๑•̀◡-)و.。.:*

 

 

ここまで読んでいただきありがとうございます。

(※文中敬称略)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ちなみに、岡山のCKの守り方は末吉(166cm)と阿部(183cm)がストーンに入って、グレイソンが遊撃っぽい感じに入りあとはマンツーマン。

栃木と福島は末吉の前でボールを逸らすようなパターンを繰り出し、いわきはマンツーマンを逆手にエリア外の選手を活かすようなセットプレーも披露してました。

秋田戦は相手がゾーンで守っていたこともあり、梅木をフリーにすることができましたが、さて今節は。なんか途中でショートコーナーにして相手の目線を変えるようなクロスにするか、やはり末吉のところに蹴ってくることがあるんじゃないかな~という印象。あくまで予測。岡山がムキムキなのであまりエリア内で勝負ができる気がしないので、何か変化をつけて機先を制したいな、とも思ってます。

相手の嫌がることをしよう  レノファ山口vsブラウブリッツ秋田@維新S 2024年3月3日

1万人プロジェクトとしてホーム開幕戦をシーズンはじめから集客プロモーションしてきたレノファ。8906人と目標には達することはできませんでしたが、大観衆の中、見事に秋田を2−0で下し、今季初勝利をあげてくれました。

シーズン開幕戦の横浜FCとの試合でも感じた『今年のレノファは違う』。これを今節でも披露してくれたと思います。得点以上の快勝であったと個人的には思っています。

では、今節は下記2点について考えていきたいと思います。

 

1)SB裏と「4」の脇を取れ。目的は◯◯。

2)変更したセットプレー対策。

 

得点

レノファ         秋田

7分    梅木         なし

89分 小林

 

1)SB裏と「4」の脇を取れ、目的は◯◯。

プレビューでも書きましたが、今節のポイントの一つとして新保と秋田の中村のマッチアップのところがあったと思います。秋田はフィジカルを活かしたプレーを使いながら攻めてきます。アバウトにボールを縦に出してそこに体躯を活かしてせってきてセカンドボールを回収といった具合。特に自陣深くに押し込まれてしまうとロングスローなどを交えながら、常に押し込まれる展開になってしまいます。

そのため、レノファはこの位置でイニシアティブを渡さない、自分たちで握ることが勝ち筋の一つであったと思います。

立ち上がりからいくつかシーンを挙げていきたいと思います。

まずキックオフ直後。前回の横浜FC戦と同様に左サイドに選手を並べ、平瀬のロングボールからスタート。。。の前に平瀬と前で一度パス交換。秋田がどのあたりからプレスに出てくるかを観察します。

そして、そのロングボールが秋田にわたりRCB喜岡からCF小松。ワンタッチでRSH中村へボールが渡ります。ここでこの中村にマーカーの新保がつくのではなく、田邉がマークに付きます。ロングボール対応で飛び出していたボムヨンと新保はそのまま平瀬・前と共に最終ラインを形成します。

今年のレノファを考えるうえで昨シーズンまでと違う点として最終ラインの危機管理が挙げられると思います。

前節のレビューで4-4-2のブロックを作り、極力最終ラインを崩さずに、SHやボランチがサイドのケアなどをすることを挙げました。このシーンも最終ラインの面々は下手にラインを崩して相手に付くことよりも最終ラインを安定させることを選びます。

中村が深い位置まで来たところで田邉とともに新保もボールへいくと行った具合にしっかりと構えることを選びます。

また、このシーンではありませんが秋田の最終ラインから長いボールをこの中村ー新保のところに蹴り込んできても、佐藤や河野が対応するなどもしていました。

これは単に背の低い新保を競らさないということよりも、まずやはり最終ラインを崩さずに守ることが目的であると僕は考えます。

秋田のやり方を考えれば、ここで新保が競り勝ったとしても、こぼれ球を秋田に取られてしまえば、新保が出た裏へ小松らが走り込みここからクロスを上げてくる展開になります。

それよりは違う選手が競ったり、新保が競りに出ていってもそのポジジョンをしっかりと他の選手が埋めることを徹底していました。こうすることで守備局面で簡単に裏を取られずに押し込まれる展開を避けることをこの試合は徹底できていました。

 

守備は上記のように安定させており、では攻撃の局面は?

まず前半の早い段階のビルドアップ時にLSB新保を高い位置へ上げて、前、平瀬、ボムヨンの3人で最終ラインを組みます。4バックから3バックへフォーメーションを可変させました。FC大阪のときも志垣監督はこのような形を作ることもあったので、あまり1節では見れなかった形を出してきました。

このレノファに対して秋田はミドルゾーンで構えダブルボランチの佐藤と田邉を消す形で徐々にプレスの機会を伺います。

レノファが狙っていたのがRSH中村の脇、そしてRSB村松の裏であったのではないかと考えます。

狙いとしては如何にして新保がクロスを上げる場面を作れるか。

そしてそのポイントになるのがLSBの位置に動く佐藤とインサイドを取る河野でした。

 

上記で多少触りましたが、秋田のCFはレノファのCHを消しながらプレスの機会を伺ってきます。そして秋田のSHは基本中央寄りに位置し、CFが出ていけばCHを見つつSBに出ていくような動きをします。

 

これを抑えたうえで、9分のシーン。8分40秒あたりから佐藤と河野が一度ずつこのLSBの位置に入りボールを受ける動きをします。小松であったり中村が多少気にしながらもレノファはこの動きを見ながら最終ラインでボールを回し、チャンスを伺います。

そしてLCBボムヨンにボールが渡り、小松がついてきたところ新保がLSBの位置に戻ります。すると小松がボムヨンに出たため、佐藤を見るために中央よりにいた中村が新保のところへ向かいますが、新保は余裕を持ってワンタッチで佐藤へ。佐藤も藤山がマークにまだ来ていないこと、そして河野が落ちてくることでRSB村松を釣り出して、左サイドに大きなスペースができていることを確認してワンタッチでこの空いたスペースへ出します。

ここに梅木が走り込みボールを収め時間を作り新保の上がりを待ってクロスを促すようなパスを出しました。吉岡のヘディングかという場面を作り、最後は田邉のエリア内でのシュートで終わりました。

また11分は佐藤がやはりLSBのところへ受け、またCHの位置に戻ろうとしたところをボムヨンがハンドジェスチャーで制止し、レノファが後ろ4枚になったところで、秋田は中村が1列上がって3人で見るような形になり、CHのところには田邉の前方に河野が落ちてくることで、やはり村松を引き連れているので梅木がその背後を狙います。もちろん新保は中村の脇のところで常にフリーで待ち構えていました。

 

また、18分には佐藤が最終ラインに落ちて、前が多少上がり3バックのような形。ボムヨンが中村に向かってドリブル。正対したところで中村の脇を取りつつ並走していた河野へパス。ここはひっかかるもやり直して、今度は平瀬が多少持ち上がりLSH丹羽とやはり正対したところで脇を取っていた前へパス。とSHの脇を取っていきます。

結局最後は左サイドにボールが流れ河野、吉岡、新保、ボムヨンの4人に対して、秋田は中村、諸岡、村松の3人とレノファ数的有利の状態で新保がワンツーで抜け出そうとしたところでファウルをもらってFK。敵陣で人数をかけてやはりこのレノファで言う左サイドの奥へ新保の侵入を促していきます。

 

23分は田邉が今度はLSBのところに入ることで、秋田がぐっとプレスを強めますが、自陣深くに秋田のプレスを誘い込み、田邉からパスを受け取ったボムヨンは吉岡へロングパス。吉岡が一人交わしてゲイン。若月ポケットを取ってクロス。(流れたところにまた新保。)

 

25分は今度は新保がLSBの位置深くでボールを受けて、中村が出てくるのを待って河野→佐藤、そしてやはり村松が空けた場所へ新保を走らせる。

といった具合にLSBの位置に誰かがあえて入ることで、中村に秋田のプレスのスイッチを押させるような状況を作り、秋田が前のめりになった背後を突くことを繰り出していきました。

志垣監督も

-意図的なボール出しはできていたのではないか?
前に入っていく意識は良かったと思います。ただ、相手に人数が掛かっている状況で入っていっても仕方がないですので、もう一回広げる作業、意図のある横パス、意図のあるバックパスももう少し増やしても良いと思います。(引用元:レノファ公式

とあるように、上述したようなあえてボールを下げて相手をおびき出すことやプレスのスイッチを入れさせるような横パスを使うことで、いなすことなどができていたと思います。

 

前半終盤にかけて、秋田が村松が出ていったところは喜岡がカバーする。それに合わせてより秋田のブロックがコンパクトになったところで多少レノファは手詰まりを起こしてしまいました。前節の横浜FCでも5角形の中の話題を出させていただきましたが、相手がある程度修正、特にコンパクトに布陣を整えられてしまったあたりで多少ノッキングをしてしまいます。前半のうちに2の手3の手を出していけるようになるのは今後の課題かなとは思います。

また、後半に入り多少詰まっていたので、このLSBのやりかたを辞め、新保をあげて後ろ3枚(前、平瀬、ボムヨン)+CH2枚(田邉、佐藤)の形に変えて、前から吉岡そこからフリックでその裏を突くような展開をし打開をしていきました。

 

ただ、前半からこれをやらなかった理由としては修正ができなかったのもあるかもしれませんが、やはりシステムを可変させて新保を前に上げるというよりも、相手をずらすことでスペースを作り、新保がクロスを上げる形を作るというのがあったからこその展開ではなかったかなと考えます。

画像

レノファ公式に上がっていた「STATS LEADERS」ですが、新保がチャンスクリエイトでトップになっていますが、それは書いてきた通り、レノファとしては狙ってこの状況を作っていたと考えられるのではないかなと思います。

中村の談話が下記の通りであり、やはり彼自身が難しい対応を迫られていた。レノファが強いていたと考えたいなと思います。

新保(海鈴)選手とCBの選手から左足で長いボールを入れてくるという事前の情報があったので、そこにプレッシャーを与えたかったです。押し込んではいましたけど、自陣に入ったときにやっぱり人数を増やされて、クロスというのは形としてあったので、そこをもうちょっとしっかり奪い切ってカウンターにつなげていきたかったです。なかなか前半途中からそういうシーンが出せなくて、押し込まれる展開が多かった。そこをもうちょっと粘り強く守備をして攻撃につなげたかったですね。(引用元:Jリーグ公式

 

2)変更したセットプレー対策

いくつかセットプレーについても言及しておこうかと思います。

まず得点を取ったCKについて。ゾーンで守る秋田に対して、ニアへ人を集めるような形で秋田のゾーン全体がその動きにつられてしまい、梅木がフリーになりヘディングで得点をしました。

ボムヨンや平瀬が多少ニアによることで、秋田のゾーンの外で待っていた梅木がフリーに。

 

正直愛媛対秋田の試合で愛媛のCKが10本ありました。急いで見てましたが、確認できただけで8本のうちファーに蹴ったのはそのうち3本。その僕が見た3本全てインスイングのボール(蹴ったボールがゴールへ向かっていくボール)でした。また愛媛は新保の蹴ったようなアウトスイングのCKはほぼニアサイドに蹴っていました。

どうやってここが空くと調べたのかはわからないですが、プロはやはりすごいですね。単純に秋田対策というよりもゾーンで守る相手対策であったのかもしれませんが、FC大阪を率いていたときの志垣さんのチームもセットプレーからのゴールが多かったので、これはチームの傾向として良いものではないかと思います。

 

また、前節ゴールを奪われたコーナーキックの守り方にも変更が。レノファのCKのゾーンの作り方に修正が加えられていました。

横浜FC戦で失点時にニアサイドでボールをクリアする役割のストーンには若月と河野が入っていました。そして、この二人の間にボールを落とされ、ヘディングで合わされてしまいました。単純に若月の身長の問題に逃げたくはないですが、ストーンの間に入りこまれている以上応急処置としては仕方ないかなと。

今節の4分のCKの時点では佐藤と前がこのストーンの位置に入っていました。180cmの佐藤が一番前に入り、その後ろに172cmの前が構えました。その後も59分は佐藤と河野(177cm)であったり前節の修正を図っていました。

 

また、秋田のロングスローの場面でも、エリア内はマンツーマンでマークをし、吉岡と梅木が遊撃隊のような形でスローインに対して競る役を担うなど秋田対策もしっかりできていたように思えます。

志垣監督も

守備では集中力を切らさず、危ない場面はほとんど作られなかったと思います。失点するとすればカウンターやロングボールのこぼれ球の事故的なもになると思っていましたので、そこをさせないことは試合前にしつこいくらいに言っていましたので、選手たちはしっかり実行してくれたと思います。(引用元:レノファ公式

とおっしゃる通り、集中して守れていたと思います。

誰かが前に出てもすでにそこにフォローは入っていたり、相手におびき出されてしまってもCFの選手含めて戻る意識ができているので、隙をあまり作らないで開幕より守れているのではないかと思います。特に自陣。

かといって後ろに重くなるのではなく、しっかりと切り替えをし前へ出ていくことも厭わない献身的な姿勢もチーム全体に浸透しているように思えます。

 


今季の勝ち点目標が55で、失点目標が45。

特に失点目標についてこれは結構達成ができるんではないか?という姿を見せてくれた志垣レノファ。まだ2節ではありますがなかなかおもしろいシーズンが迎えられるのかと期待が高まります。

小林の負傷は気になるところではありますが、2点目のヘナンのクロスも結局RSBの奥に対して、数的同数だが位置的優位を見抜いてのオーバーラップであったこともあり、攻撃面でもチームの意思統一ができているようにも思えます。

 

次節の岡山戦から5連戦になる上、まだ自チームよりもクラブ規模が大きいチームとの対戦が続きます。

一喜一憂しすぎずにこの連戦を見守りたいと思います。まあ勝ったら騒ぐんですが。笑

2年連続の岡山。鰆食べれるかな?シティライトスタジアム初めてでファジフーズなにあ食べようかなって今からワクワクです(あれ?去年は?)

勝利を飾って美酒を飲めることを期待したいと思います。(ルカオは勘弁)

プレビュー記事出す予定ですので、またよろしくお願いいたします。

 

ここまで読んでいいただきありがとうございます。

(※文中敬称略)

 

 

 

 

 

 

5-4-1もオプションとして持っている?

さて、今回のあとがきはこちら。高橋と加藤が交代で入り、小林が脳震盪で交代となってからわかりやすくレノファは5−4−1の形へ。意外にも山本がCFかと思いきや五十嵐が最前線の5−4−1。もともと山本はSHで使うオプションがあったので、このあたりから今年のそれぞれの使われる場所がみえてきますね。五十嵐くん一番前の想定なのね。

ただ、もう一つ抑えておきたいのが、4-4-2の他に5−4−1のオプションがあったということ。おそらく高橋と加藤がSHに入る4-4-2を使うことはできていたはず。

だが、秋田がパワープレーで来ていたというのもあり、5−4−1を選択。身長のある山本はSHとして低い位置にさせ、おそらく小林が健在でもこのシステムを使ってのではないかと思う。

FC大阪のときに福島戦で3バックを1度だけ採用したことがあった、と実況のかたがおっしゃっていたので、てっきり志垣監督は4-4-2にこだわりがあるのかと思っていたが、実際は困ったときの3−4−2−1がでるかは分からないが色々違う引き出しはあるように思えた。

特に次の対戦相手の岡山が3−4−2−1を採用。4-4-2で受けきれなかったときに、この形を用いることはなくもない、、、かな、、、

そんな別の引き出しが見えた気がした、というあとがきでした。

次はどんな引き出しが開くか。 レノファ山口vsブラウブリッツ秋田プレビュー

開幕戦をアウェイで勝ち点1をもぎ取ったレノファ。ホーム開幕戦で迎えるのはブラウブリッツ秋田

ホーム開幕戦ということもあり、1万人プロジェクトが繰り広げられており、観客動員に期待が集まりますが、なんと、1万人を集めたホームの対戦成績はすこぶる悪いようですね。過去は過去ということでしっかり勝ち点3を維新スタジアムで勝ち取ってもらいたいところ。

詳細、楠木さんのブログ参照くださいませ。

 

対戦成績はレノファから見て6勝1分3敗と割と分が良い相手。昨年はエスナイデルさんが率いていた時期に、6試合無失点記録というレノファらしくない記録を見事に止められて敗戦までしてしまった。だが、2021年以降に限れば敗戦はこれのみで4勝1分1敗と数字上はお得意様にしているチームです。

2022年にも同時期に対戦をしており山瀬のゴールなど記憶に新しいと思います。ちなみにこのときの観客数は2890人。総力!!

Soccer D.B. : 対戦一覧[対戦成績] ブラウブリッツ秋田 vs レノファ山口FC

 

とういうことでプレビューしていきましょう。

まず、簡単に秋田の4局面を。フォーメーションは4-4-2。

攻撃

まず前線へ。CFめがけてある程度アバウトになっても蹴ってくる。それに対して収める、セカンドボールを取るなどして攻撃に厚みをもたせ、シンプルにクロスであったり、積極的にシュートをしゴールを狙う。

クロス時は4人がエリア内へ入ることも珍しくない。

 

攻→守

取れる場合は即時奪還を狙う。中央は逆サイドのSHが絞るなどかなり固い。

リトリートを選んだ場合は全員が即帰陣。

 

ミドルゾーンで4-4-2のコンパクトなブロックをつくる。GKなどつないでくる場合はハイプレス。

サイドへ追い込み圧縮していく。逆サイドは空いているが、基本は同サイドで仕留める形なので気にしない。

 

守→攻

取ったらすぐに前方のスペースへボールを送る。CFに当てるなどラインを上げる行動とゴールへの最短距離を模索する。

カウンターになれば人を割いてゴールへ迫ってくる。

 

上記に対して、レノファはどうするか?個人的な見どころとしては

・フィジカル的なもので秋田対策をしてくるか。

・狙うところは4-4-2の外側。早く動かせるか。

ショートカウンターで仕留めたい。

 

・フィジカル的なもので秋田対策をしてくるか。

前節MVP的な活躍をしていた新保が秋田のキーマンRSH中村と対峙するのでここでやられてしまうとかなり痛い結果になる。体格差は埋められないので人選含めて気になるところ。ただ、逆にここでまた新保が活躍できるのなら、レノファがその時は優勢になっているはず。

そして反対サイドにはフィジカル面で劣らない高橋を採用することを予想(推しメン頑張れ!)。おそらく横浜FC戦よりも全体的に運動量を求められると思うので、ボランチ位置には前が入るのではないか。相田はケガなんですかね?

前線は同じ並びに。横浜FCと同様にセットプレーが怖いので身長が欲しいところではあります。ロングスローであれば福森対策よりも多少迎撃人数は減らしてもOKと思うのが、やはり警戒は大事。それと前節志垣監督が挙げていた不用意なファウルも厳禁。相手陣浅いところからでもFKはGKがゴール前にロングボールを送り込んでくる。

そして大事なのは通常時のロングボール然り、セットプレー然りセカンドボールをいかに相手に渡さない、自分たちがセカンドボールを拾うことが求められます。

そのためにはやはり運動量は今節のスタメンにはより求められると考えます。

 

第1節の愛媛戦では敗れはしたものの、見た感じ6-4から7-3で秋田の試合であったように思います。決めてれば、、、という『良くも悪くも秋田』という試合でした。

上述した通りロングボールでゲインし、そこからセットプレーで流れを呼び込み、相手陣での攻撃回数を増やしていました。

 

対して、愛媛はどうであったかというと、昨年の愛媛の状況を詳しくは知らないのですが、彼らのやり方とは違ったものを強いられたとのことでした。

愛媛が秋田に対して行っていた策は下記になります。4-4-2というか4-2-3-1ぽい感じ。

・ビルドアップでは割とCHのところで引っかけられてしまうシーンがあった。主なミドルゾーンへ進むルートはディフェンスラインから2列目を飛ばしてCF9ベンダンカンにおさめてもらう。

・ミドルゾーンまで進めたら、逆サイドのSHまでささっとボールを展開していき、そこで1対1などからのクロス。そうなるとSHに順足の選手を採用することもありではある。RSH田中、野寄など。あまり考えにくいが吉岡LSHなど。

・守備時はある程度リトリートベース。そこまでハイプレスで追うというよりも、裏へ蹴られることについて先にそこへの予測をもとにポジションをとっていたように思えた。それと当たり前だが、サイドでの1vs1は負けない。

秋田もでプレスに来られてもいつものように蹴っていたので、あまり苦にしているようには見えず。追いつくために焦ってはいた。

・セットプレー時にセカンドボールなどを拾った際に、SHへボールを逃がし、そこからCFを走らせるルートの設定。

まずSHが幅をとるようにライン際へ。そこでボールを受けてキープ。CFがタテに走れていれば、そこへ逃がしてゲイン。幅広くカウンターができれば逆サイドも意識。といったパターンが数度見られた。これでファウルなどもらってマイボールでプレーを終えていた。

・最終盤まであまり人を変えずに、高さなども担保。※ベンチの選手に高さがないため変えずらかったと石丸監督の談話

【公式】愛媛vs秋田の監督コメント(明治安田J2リーグ:2024年2月25日):Jリーグ公式サイト(J.LEAGUE.jp)

 

・狙うところは4-4-2の外側。早く動かせるか。

では、志垣レノファができることと言えば、

まず守備のところから。

4-4-2のコンパクト守備は継続であるだろう。セカンドボール対策としてもここは間延びさせたくない。また秋田のボランチがエリア内に侵入してくるので、エリア内のスペース管理もしっかりしたい。

ブロックを組む場所もずるずると下がってしまうと相手の土俵になるので、下がりすぎないようにしたい。ゴール前にバスを置くようなことができるのなら新しい引き出しだが、おそらくそれはないだろう。

 

攻撃のところ

愛媛は上述したように大きくは使っていた方法として、2つのルート。ラインを飛ばしてCFへパスをしそこから進んでいくもの。また、秋田のコンパクトな4-4-2を逆手にとってサイドを変えてSHが切り込んでいくものでした。

愛媛の得点シーンはセットプレーの流れからポジションチェンジをしていた逆サイドの選手のカットインからのゴールでした。

 

サイドで横浜FC戦のようにボールが納められれば、早くボールを中に送り込むなど突破口は見出せそうだ。また、これも横浜FC戦同様に若月が最終ラインとの駆け引きを行うことで秋田の最終ラインへのけん制し、ズレを生む、最終ラインと中盤を間延びさせるであったりワンチャン思い切って裏狙いも面白そうに思える。

中央は結構愛媛は引っかけていたので、外循環を強要される展開になると思うが、使えるときに中を使うなど変化は見てみたい。

 

ショートカウンターで仕留めたい。

そして、もう一つ気になっているのが、秋田の被ショートカウンター時の危うさ。

基本全員戻るときの秋田の戻りは立派なものがあるが、秋田ボール保持時に中途半端に前線に入れたボールをカットしてカウンターを繰り出す際に、気になるシーンがあった。

エリア内にもボランチの選手が侵入することを狙っている秋田は相手陣深くなった場合多少前のめりの状態になる。この状態の時に愛媛戦は3度ほどふわっとしたボールをかっさらわれてそこからショートカウンターを受けている。32分のシーンなど。

さすがに前のめりになっている秋田の前線も戻りきれずにあともう少し、といった形であった。

この場面画でも若月や梅木が裏を突けると面白い展開になるのではないかと思っている。

 

といった具合に、横浜FCよりも選手の技術というよりもフィジカルで押し込まれるような展開があるが、基本はボール保持時はレノファが多くしたいだろうし、持つのを嫌がって蹴ってしまったら秋田のペースになってしまう。

縦に早いサッカーをしている今季秋田の土俵には乗りやすくなっているので、どこかでペースチェンジは必要になると思います。

個人的にそういう時、志垣レノファはどういう対応をするのかは楽しみである。その時に誰がどのような振る舞いをするのか。そういう今年の中心選手の振る舞いを誰がするのかなども見どころとしてみたいと思います。

 

ここまで読んでいただきありがとうございます。

(※文中敬称略)

『守備はウチの生命線』 横浜FCvsレノファ山口@ニッパツ三ツ沢 2024年2月24日

待ちに待った開幕ですね!

割と大きくチームが変わった今シーズンどの様になるのかという期待と不安は、強化部の立ち回りで期待のほうが大きく上回っていたように思えます。

そして、その期待感がやはり間違いではなかったという感想を持てた今節の結果と内容であったのではないかと思います。

試合終了後の横浜FC側から起こったブーイング。これがこの試合を物語っていたでしょう。

では、今シーズン開幕節ということもあるので、4局面の確認など行いながら振り返っていきましょう。

 

1)若月大和のヒートマップに見るチームの狙いと五角形内を使うリスクとリターン

2)狙いを変えた後半の矢印



まずは今シーズンのレノファの4局面を考えたいと思います。

 

基本はロングキックで相手の背後を狙う(サイドも中央も)。そしてそこで収める、またはセカンドボールを拾い2次攻撃につなげる。

相手が引くなり出てきたら、相手が空けたところを狙う場合も。

 

攻→守

敵陣では即時奪還を狙う。奪えるとなればある程度人数は大胆にかける。SBやCBも時にはつぶしに敵陣まで出て行く。ただし逆サイドの選手はしっかりと帰陣しスペースを埋める。

難しい場合は一旦全体で帰陣し、ミドルゾーンで構える。

 

4バックはコンパクトに。SBはペナルティエリア幅よりも狭めにブロックを敷く。4-4-2のスリーラインを形成。大外の選手に出た場合は中盤の選手が出ていくのが理想。最終ラインは動かしたくない。

ボールを奪いに行くときにインテンシティはかなり強め。

 

守→攻

時には一発で裏を狙うも基本はキープを優先。

そこから裏をうかがえないかなど、それぞれの位置取りを優先させる。

※まだ1節ですし、個人の主観なので参考程度に。



今シーズンからレノファが採用しているフォーメーションは4-4-2。イングランドへ留学されていた監督らしいという古い概念ではありますが、らしいな、という印象です。

対する横浜FCは去年の3-4-2-1を引き続き採用。アライバルインタビューで四方田監督が昨年のJ1では守備の時間が長く練習もそれに割いたが、キャンプでは攻撃のところに注力したとおっしゃっていた(意訳)

横浜FCのプレビューでも、ビルドアップに時間を割いたという情報もあり、J2ナイズをしてきたようでした。(意訳)引用元:https://www.yokohamafc.com/g/240224_yamaguchi/ Today's Point参照)

 

まずはレノファの攻撃のところから。

いくつかプレビューをXのスペースでも出させていただきましたが、やはりレノファは丁寧にビルドアップするのではなく、シンプルに横浜FCの最終ライン裏、特にWB裏へのボールを使ってきました。※プレビューについては下記参照下さい。

https://x.com/cross_reno/status/1760622799688028366?s=20

 

ロングボールを送ることでサイドで起点を作ることの他、セカンドボールを回収することで相手陣でのプレータイムを増やすことを狙っていきました。

横浜FC側も予想をしていたが、想定以上に苦戦したことを談話で残されていました。アライバルインタビューのときから情報がやはり少ないという四方田監督の言葉を象徴するかのように、レノファは序盤ペースを握ることに成功しました。

 

形としては、例えば梅木、河野がサイドから裏を狙うのと並行して、若月大和が中央でも裏を狙っていました。

このように相手の最終ラインへの揺さぶりを行うことで、相手の最終ラインを下げ、その最終ラインと中盤の距離を伸ばすことにより、セカンドボールを再び回収しやすくし、サイドで起点を作るようになっていきました。

他の攻撃時の動きについては後で触れるので次に守備時の話。

攻撃から守備へのネガティブトランジションでは即時奪還を狙うなど昨季までの踏襲はありましたが、わかりやすく変わったのは相手にボールがわたってからのセット守備。

4-4-2のスリーラインを作りミドルゾーンで構えます。

4-4-2の横幅もペナルティエリア幅よりも狭くし、コンパクトすることで真ん中へ差し込まれないようにします。→フィールド中央への侵入を減らす。

例えばRCBンドカにボールがでた4:45ケースでは、河野が一列上がり4-3-3のような形でプレス。ここではフィールド中央のボランチへのパスコースを切って中から外への誘導。RWB中村またはRSHカプリーニへのコース以外を消しつつプレスをかけます。

RWB中村へ出たパスへは河野が二度追いをし、カプリーニは田邉が抑え、CF森に対しては最終ラインの4人がしっかり見ることのできる形でした。

 

まず相手が3バックということもあるので、時に吉岡が出る場合もありましたが、FW2人+SH1人で横浜FCの後方を見張ります。ただ、中は締めて外誘導させ、またそこでセットした形を崩してしまうのではなく、2度追い(マークをしていた選手から出たパスの受け手の選手までプレスをしに行くこと)をすることで、相手を誘導していき、崩れていないブロックを敷いた選手たちが、そこを仕留めるわけです。

WBへの間に合わないときは特にLCHの田邉が外へ出て行きますが、その位置に河野や梅木などがその場所を埋めるなど徹底させます。(これはFC大阪が5バックであった福島戦で見せていた形でありました。)

彼ら前線の選手の間にパスを通されて中を使われると苦しくはなりますが、最終ラインのバックス陣はまだ動いていないので、そこはまだしっかり壁があります。

昨年やこれまでのレノファを省みて、志垣監督・今のレノファのフロントが守備を重要視したことが伺えます。

 

蛇足ではありますが、

上記の場面で以前であればどういうプレスの仕方をしていたかというと、多少強引な当てはめ方ではありますが、

LSH河野ーRCBンドカ、LSB新保ーRWB中村、LCH田邉ーRCH和田といった形でマークにつき、ここらでボールが取れないと、レノファの左サイド奥にボールが送られ、LSHカプリーニがここでボールを受けることでLCBボムヨンがサイドへ引き出されて1対1。中には森、井上、中野がエリアに入り、平瀬と佐藤、前で数的同数で対処といった状況になっていたことが考えられます。

プレビューでも語りましたが、以前までのプレス、ハイプレスでマンマークの仕方は1人1殺なのでどこかでガツンと行って取り切らないとこういう未来が待っています。というか、よくこんな状況になっていた覚えはありませんか?どこかで取れてたら、チャンスなんですが、交わされてしまうとかなり弱い部分をさらけ出した状態でピンチに陥ってしまいます。

今季はこのリスクについてかなり抑え、ゴールを守っていると考えられます。

 

 

1)若月大和のタッチ位置に見るチームの狙いと五角形内を使うリスクとリターン

長いプロローグが終わり本題へ。若月のプレーをいくつか挙げて、WB裏へのボール以外のチームの狙いを考えていきます。

上記SPORTERIAさんの彼のヒートマップです。

 

◎中央部でサイドの選手同様に裏抜けをうかがう。カブリエルをサイドへのフォローに行かせない。

スローインであったり、多少自陣でプレスを受けた際のグラウンダーのパスをおさめめる役。

◎右サイドでのWB裏を狙うサイドへ開いてCBをおびき出す動き。

 

などが若月のプレーのなかのいくつかであったかと思います。

ただ、背後で蹴るだけでは一本調子になりますので、彼がアクセントを加えます。

一定のフィジカルとテクニックにアジリティを活かして序盤はほぼボールを失うことがありませんでした。ハーフウェイライン付近でのボールを引き取るプレーであったり、吉岡へLWB山根が付きに来れば、そのWB裏をとってクロスをあげるシーンなど、周りが動いたその後の場所のアクションを彼が主に担っていました。

 

個人的に考えているレノファがWB裏以外に狙っていたところとして、横浜FCの5-4-1の形の「4」の脇があったと思います。

序盤からレノファのサイドバックの前、新保が割と敵陣でのプレーが多かった理由の一つとして、彼らがこの脇をとれていたことがあったと思います。

多少時間を飛ばしますが、顕著にでていたのが19分。

試合を通して常に色々なところで顔を出していた田邉がこの時は横浜FCの井上-和田-中野-カプリーニ-森で作る5角形の中でボールを受けます。そして、ここで受けることでこの5角形が狭まり、「4」の脇があき、ここへ前が侵入しそこへボールが出ます。

前はすかさず吉岡へつけたことで、LSH中野が吉岡へ間に合わないためLWB山根が吉岡に付きに来ます。

ここで若月がこの山根が動いたところへ入り込み、ボールを引き出し、福森をつりつつガブリエルも若干引き出し、クロスを上げます。CKにはなりましたが、中には梅木、河野が待っている状況でした。

そして続く20分にはやはり左サイドで同じように、ボムヨンがこの5角形へドリブル開始。形が崩れたところで脇を取った新保へパス。RWB中村が出てきて空いたところへ河野が入り、RCBンドカを引き出してクロス。

と同じようなプレーが続きます。

 

河野のインタビューにて

相手の5バックをどう引き出して、どう崩していくか。クロスへの入り方も意識していました。一人一人が流動的に動き、空いたスペースをダイナミックに取りに行くことは意識していました。

とあるように、WBやCBを動かすことを考えてきていたのだと思います。

 

そして、続く21分にはこれがフリになったのか、この形を嫌がったのか横浜FCの最終ラインが5-4の間でボールを受けようとした若月、吉岡に不用意についていったところを梅木が最終ラインの裏を抜けて、平瀬からボールを引き出し決定機を迎えました。

この「4」の脇に付いては試合を通して新保がここを突き続け、左サイドはかなり重みのある攻撃ができていました。

対して横浜FCの右サイドのカプリーニと中村の意識があっていないように見え、前でボールを奪いたいカプリーニに対して、自分の裏を使われたくない中村というのがあったように見え、中村のところを河野と新保が狙っていました。

カプリーニから伊藤に選手が交代がありましたが、おそらく点を取ることをリクエストされていたと思われる伊藤はカプリーニ以上に戻らず、最後までここは中村が一人さらされ続け、ンドカや和田もフォローに入るものの、数的優位で守られることはあまりなく後半ほぼレノファペースであった要因の一つになっていたと思います。

 

話を戻して、この5角形のなかを使うこと。これについては上に書いた以前までのプレスのようなリスクとリターンがあるという側面もあります。

25分あたりでここで佐藤謙介が引っかけられたシーンがありました。この前線の選手が作るこの5角形のゾーンは言わば向こうもここを使われたくないので、このような布陣を組むわけです。横浜FCもここでやられてしまっては意味がないので、ここではやられませんよ。ここ来たら奪いにいきますよ、という場所であります。

ですので、ここをレノファが使い始めていたので、しっかりまずここを締めてきます。佐藤謙介や若月が相手ボランチ周辺でボールを受けようとした際にも、CBと中盤の選手につぶされるシーンがこの25分過ぎから出てきてしまいました。

そして、このあたりでレノファの選手がつぶされてしまうとGKやCBのパスの行く先がSBやSHに絞られた形になってしまいます。そうなると横浜FCがこのボールを予測できているので、受けた選手に対して強く、時には複数人で囲みボールを取れるようになってしまい、前半の終盤は横浜FCペースとなってしまいました。

 

この時間帯個人的にはスタンドに座っている際にあまり感じれていなかったのですが、佐藤謙介

──今日はかなり3バックの裏や脇に長いボールを蹴り込んできましたが?

「いろんな狙いがありましたし、開幕戦ということもあって、小さいことよりも大きいことをやって自分たちのリズムを取りたかったのもあります。それが上手いことハマっていた。前半の途中からちょっと苦しい時間もありましたし、風もあって難しい部分もありながらも、自分たちがゲームをコントロールできていた時間もありました。そのコントロールする時間をもっと増やして、相手じゃなくて自分たち主導でやっていけるようになれればと思います」(引用元:

とあるように風の影響でロングボールを押し返されてしまい、うまく前線に運べなかったこともあったようでした。そのためロングボールを蹴っても風で押し返されてしまう。では、地上戦でのビルドアップを試みたいというのが選手たちの中にあったと思いますが、芝もところどころ剥げていたり、なかなか下でつなぐのも横浜FCのプレスが機能していた時間ということもあり、徐々に横浜FCへと流れが傾いていきます。

 

また、守備のところにも触れたいと思います。

序盤は上に書いたように、4-4-2のスリーラインを作りつつ相手のボランチを消しながら外誘導を促せていましたが、徐々にこれができなくなっていきました。

ボールの失い方が悪くなっていたため、守備のスタートのポジションが悪く、前線と中盤が間延びしているような形になっていきました。そこで今まで消せていた横浜FCボランチを使われていってしまいました。

押し込まれて行くについれてレノファの選手間も空いてきて、福森が徐々にエリア近くまで上がるスペースが生まれてしまい、何度がここからクロスやスルーパスを入れられる場面も出てきました。

また、45分のようにプレスに行って交わされて、そのままCBもサイドまで引っ張り出されてクロスを上げられる場面も増えていきました。

そしてレノファがボランチにボールが行くのを嫌がり、CBは捨てボランチにだけ付く形を選択すると、前半終了間際のLCB福森からCF森へのロングパスからの決定機を作られてしまうなどなかなか厳しい時間でした。正直ミスに助けられたという場面が幾度かありました。

 

前半うまくいかなかった理由として志垣監督が

前半の途中から中を使う攻撃が増えてしまいました。その中で横浜FCさんの前線と中盤の五角形が狭いにも関わらず、無理に差し込んでロストしている場面が多かったです。スペースがどこにあるかを明確にして、そこから侵入していこうという話をしました。(引用元:第1節 横浜FC | レノファ山口FC

と残しているように、試合の中で時間帯によってはこの5角形の中を効果的に使えていたものの、そこに対して横浜FCが対策してきたことで、攻撃局面でうまくいかなくなり、守→攻のポジティブトランジションもボールをクリアをするので精一杯。

しっかりポジションをとる前に相手のビルドアップが始まってしまっており、守備もきつくなる。という悪循環となっており、最終盤の関のスーパーセーブはチームを救う、またこの試合の行く末を左右する大きなワンプレーであったと思います。

 

 

2)狙いを変えた後半の矢印

前半立ち上がりからちょっと違和感があったのが、「レノファ左サイドの攻撃多くない?」でした。

前半のスタッツで、左サイドからの攻撃が54%、中央9%、右サイド37%でした。中央はともかくとして、まず前から若月のようにエリア内でのプレーができたのが右サイド。梅木が裏を取った決定機も右サイドで、河野のヘディングも右サイドからのクロスと割と左を起点とした攻撃が割とゴールチャンスになる場面がありました。

全ての要因が彼であるわけではありませんが、あったのはLCB福森の存在と考えます。攻撃に非常に魅力がある選手ですが、守備についてはかなり不得手な選手です。そのためもう少し右サイド使えてもな、というように思っていました。

そして、後半いきなりレノファがここを襲います。

後半のキックオフこそ左サイドにラグビーパントキックのように選手を並べて平瀬から前半同様に横浜FCの深い位置へボールを蹴り込んでいきましたが、ここでボールをおさめることに成功。後半早々流れをレノファに引き戻します。

そして左サイドで再度ボールを奪取した流れでボールを受けたボムヨンからこの試合初めて対角のパスが吉岡へ飛び、福森の頭上を越え決定機を迎えます。その後も梅木が平瀬からのパスをここで受けることを狙うなど最初の5分で数度ここを陥れます。

そして、51分相手GKのパントキックがショートしたところを、田邉がヘディングで梅木へ。田邉は左サイドの河野を指さしていましたが、梅木の選択は右サイドの若月。福森がボールサイドに寄ってきてしまい、若月がドフリーに。ボールはカブリエルにあたりコースが変わる幸運はあったものの明確に右サイドを狙ったところが実を結びました。

 

試合前のシュート練習を見てもらえればわかりますが、後方からのボールに対して斜めに走ってのシュート練習をする場面があります。多少場面は違えど想定していたんじゃないかなと思える練習です。ホーム開幕戦にでも是非。

 

再度話を戻して、この後半に入りができてからこそ、もう一度 攻撃-ネガトラ-守備-ポジトラの4局面がしっかり回るようになり、守備も安定します。横浜FCボランチを消

しながらのプレスで中を使わせず、横浜FCにエリア内への侵入を許しません。

ゴール期待値

 

上記はSPORTERIAさんのこの試合のゴール期待値ですが、数値的には負けていますが、横浜FCの多くは61分の失点時の最初のヘディングとプッシュした中野のシュートであって、後半は失点以降ほとんどチャンスを作らせませんでした。

失点についてはセットプレーでゾーンを敷くレノファの外側をうまくあわされてしまったなと。個人的には質の高いセットプレーだったなと思い、防ぐ術としてはストーン含めて選手の配置を再度考えるくらいしかないのかなと思うほど、見事なセットプレーであったなと思っています。

 

コンディションで多少問題を抱えていた吉岡、佐藤に変え、ボムヨンをRSB、前をRCHに回すなどの采配を見せた志垣さん。多少ボムヨンが出て行きがちではありましたが、前がそこで絞ってろ!といった感じで69分にはボランチとWBを2度追いで消す場面もあったり、時にはサイドバックもWBまで出て行くことはありましたが、最終ラインを大きく動かさない意識は最後まで保たれていたように思います。

 

試合終了後の攻撃の傾向のスタッツも左サイド45%、中央14%、右サイド41%とかなり均等になるような形までもどしていました。小林や山本もスタメン組のような強度、推進力をもって試合に入っており積極的にシュートを狙っていきました。

チャンスはかなりありはしましたが、最後の一刺しができずタイムアップを迎えました。

 

『守備はウチの生命線』

佐藤謙介が残した言葉だそうですが、なかなか今までのレノファには出てこない言葉かなと思います。それでも、ただ守備的なチームという雰囲気はなく、相手を動かして空いたスペースを使う。愚直にチームために走るなど見ていて心躍るような場面をたくさん見ることができた開幕節であったのではないかと思います。

 

若月が手ごたえを語るようにJ1にいた横浜FC相手にも自分たちの狙いを発揮できていました。

好守において昨年より失点を減らせるようにリスク管理をしっかりした上でのサッカー。もしかしたら、見ててつまらないかも、と一抹の不安はありましたが、そんなことはなくとてもワクワクさせてくれる姿が展開されました。

まだ1節なので今後どうなるかはわかりませんが、少なくとも今年のレノファは違うぞ!ということを僕らは期待と共に感じることができたと思います。

ホーム開幕戦の来場見込み人数が8000人と渡部社長から発表されました。学生無料とか色々施策を打っているようですが、サポーターの皆さんのポスター張りやビラ配り。選手も同様に行っているのをXで拝見しました。

このワクワクしたサッカーで1万人の来場者の前で勝利の凱歌をあげることを期待してやみません。維新は勝つ場所。東京から勝利を祈って声を届けたいと思います。

ここまで読んでいただきありがとうございました。

(文中敬称略)

 

 

 

 

 

 

最近ちょっとはまっているここまでスクロールしてくれた人向けへのあとがき。

今回加藤、野寄がメンバーから外れました。ただ、翌日のTMではゴールも決めており、好調を維持しているようです。

個人的にこの試合やはり福森のセットプレーがとても怖かったと思います。そのため、新保、田邉、吉岡、若月とこれ以上小柄な選手を選べなかったというのもあるんじゃないかな~と思っています。

例えばCKのストーンですが、若月が一番前で河野がその後ろ。カプリーニに入られたのはこの間なんですよね。吉岡はショートコーナーなどで対処できる場所。田邉は森へマンマーク(体を寄せる役)。新保はこぼれ球が来そうなところと、当たり前ですがそれぞれの身長を考えての場所に配置されていたと思います。

たらればではありますが、河野とジュニーニョであればボールにふれることができていたかもしれない。(かなりいいボールでしたが) などやはりセットプレーでは身長が関係してくるので、何とも言えないところです。

次節の秋田はロングスローを使ってくるので、じゃあ次も?ってなりますが、これは最近フットボリスタの記事にありましたが、まあコーナーキックとは似て非なるものなので大丈夫かなと。

それに身長でサッカーをするわけではなく、そもそも上に挙げた選手たちは誰よりも体をぶつけインテンシティ高く戦ってくれていましたし、今節の彼らのプレーがなければ勝ち点1は得られませんでした。

ただ、ちょっとなぜあの選手が起用されなかったの??ってなっと気に僕はこんな感じに考えました。というお話でした。

ではまた~。