レノファを青黒の眼で東京から見るblog

レノファ山口を応援・分析します。

松本のパスの行き先  23/3/11H熊本 79分河野のゴール

第2節からRCBのスタメンとして出場を重ねている5松本。正直2節の時点でブログには書きませんでしたが、「まだボールが来てから人を探している感じがする」とツイートをしました。

磐田戦では、前線の選手にボールを付ける役割は、ほぼほぼ相方の22生駒がしており、松本は近いところの佐藤や矢島との短い距離のパスや同サイドの高橋や吉岡へのサイドライン際へのボールを送り込むくらいだったと思います。前半こそ積極的に相手陣でのプレーもありましたが、磐田がプレスをかけてくると生駒へ、というのがこの試合の終盤の流れであったかと思います。

攻撃のところで課題が残ったと思っています。持てるシーンが多かったでので、そういうところで相手に脅威となるパスを増やしていければと思います。 引用元:https://www.renofa.com/archives/result2023/iwata-2/  

と、試合後インタビューで話すなど、個人の課題として挙げていました。いわき戦ではヘディングで跳ね返す松本が目立っていたが、前半に何本か矢島につけるパスが何本かありました。

とりあえず近い選手、ボランチの選手に、というものではなく相手の矢印が左の生駒から右の松本に向いてきたところで、その矢印を外すように矢島につなげるパスでした。

磐田といわきのプレスのかける場所なども違うので一概には言えないですが、磐田よりも強く前からくるいわきのプレスに対して、矢印をはずすようなパスが何回か出ていました

そして、この熊本戦のきっかけとなったシーン。78:15の佐藤から松本にボールが戻されところである。パスを出した佐藤はもちろん、RSBの前、LCBの生駒もそれぞれにマークがついており、出せる状況ではありませんでした。ここで松本の選択肢としては

・GK関へ戻す。

・センターサークルのところで若干フリーになっていた矢島。

・前方へ大きくけりだす。

といったものだったと思います。矢島にもパススピードが遅ければつぶされるし、GKに返すのが無難なシーン。現に熊本OH17平川やRSH15三島はフリーの矢島につくために、動き始めていました。もしかしたら、熊本的にはこの平川の矢島への動きは実際はNGであったかもしれませんが、松本はこの平川の動きを見て、平川の裏にボールを受けに来たライン間の河野へアウトサイドのパス。平川のほか河野の動きも見逃さず、見事熊本のファーストとセカンドラインを突破してみせました。

この河野に入ったところで、LSH14竹本の視線も河野に向くため、15前はすかさずスプリントをし、竹本の背後でボールを受けることに成功しました。

後ろ向きの守備をせざるを得なくなった熊本に対して、クロスが入った時点でCF梅木、両WGの松橋と小林とエリア内ではすでにレノファの人数が優勢となっていました。
ボールを引き出し、ゴール前まで詰めて得点をとった河野が殊勲であったことは間違いないですし、今後にもつながる良いことでした。ただ、個人的には松本のこのトライは河野に匹敵するくらいとても好印象に思えました。ナイスプレー!!

それと2節で生意気なことを言いました。すみません!!(こんなごめんなさいはいくらでもするんで、ブレイクスルー期待)

www.youtube.com

 

ここまで読んでいただきありがとうございます。

いわきの時のなんちゃってアウェイ遠征記や今回のような記事には入れられなかったものなど時々投稿してみようかなって思っています。引き続きよろしくお願いします。

(※文中敬称略)

まだまだこれからよ。 レノファ山口vsロアッソ熊本@維新 2023年3月11日

完敗!でもなんというか、あまり悔しくはないんですよね。もちろん負けは嫌ですし、たらればももちろん出てきます。

前選手が言うように「これまで2勝1分で結果は良かったけど、内容を見たら今日みたいな結果になってもおかしくはなかった感じだった。次につなげるしかないと思う。」(引用元:【公式】山口vs熊本の監督コメント(明治安田生命J2リーグ:2023年3月11日):Jリーグ.jp)という発言の通り、特にいわき戦は同じような敗戦でもおかしくなかったかと思います。勝点3を得ましたがなかなか自分たちの形を表現することが難しかった試合であったと思います。

今節の熊本戦については負けはしたものの、チームとしての形は前の3戦に比べれば良いものが見れ、前を向きたいなと思うことがありました。今回は下記について考えていきたいと思います。

 

1)佐藤、生駒がともに指摘をするところ。

2)ある程度苦しめることはできたハイプレス

3)これが例の新しい形か?!

 

得点

山口          熊本

79分 河野       35分 石川

            56分 松岡

            75分 江崎

1)佐藤、生駒がともに指摘をするところ。

今節の試合後インタビューで佐藤謙介生駒仁チームの骨格の2人がこのような談話を残していました。

今季からの新加入選手たちとの意思疎通がもう少し良くなっていけば、良いチームになると思う。(佐藤)   引用元:【公式】山口vs熊本の監督コメント(明治安田生命J2リーグ:2023年3月11日):Jリーグ.jp

守備の行き方で、行くところと行かないところのコミュニケーションをもっとピッチの中でやっていかないと2失点目のような失点になったり、ミスからの失点につながってしまいますので、後ろから自分たちが声を出してコミュニケーションを取らないといけないと感じています。(生駒)    引用元:第4節 ロアッソ熊本 | レノファ山口FC

ともに別のシーンを指してはいますが、まだもう少しチームとしての新戦力とのコミュニケーションなど成熟が足りていないことを指摘していました。

佐藤謙介についてはわかりやすい場面で言うと、6:55の佐藤から沼田に左サイド深くへのパスに沼田が感じれていなかったところ。同じような場面はいわき戦の後半にもありました。橋本健人ならいただろうな、というシーンでした。もちろんこのようなわかりやすいところ以外にもあることでしょう。何度か田中にもうちょっとで合うのにな、という場面も含めてあともう少し、という感がありました。

個人的にもっと修正点なのかなと思うのが生駒がいっていた守備のところ。2失点目というよりも1失点目について言えるのかなと思います。1失点目と22:10のシーンを挙げたいと思います。共通しているのは

・中に入ってきた竹本を捕まえる人間が指定できていなかった。

・生駒のキープレイヤーを捕まえる意識が裏目に出た。

まず22:10のシーン。まずこのシーンではレノファ陣の左サイドのエリア付近までボールを運ばれ、攻撃のやり直しで熊本RCB黒木までボールが戻ったところ。ここでまず注目したいのが熊本LSH14竹本の中に入ってくる動き。本来このバイタルエリアを埋めるダブルボランチの佐藤と矢島はそれぞれRWG島村・OH平川をマークするために左サイドに流れてしまっていました。そのためここがポッカリと空いた状態に。

ここを竹本が突いてきました。マーカーのレノファRWG11田中は竹本が中に入ったことを指示していたが誰も掴めていませんでした。そこに遅れてここをケアしたのが生駒でした。矢島も竹本を捕まえようとしたのか、平川のマークを外してしまい、竹本がフリック。平川は生駒があけたところへ侵入し決定機を作られてしまいました。

そして1失点目のシーンでは、まずRWG島村がRSH15三島からの縦パスをツータッチで17平川につけることを試みます。熊本大木監督語録のブラッシング(ワンタッチで前方の中の選手にパスを出してライン間で相手の背中を取るプレー)のようなプレーを狙っていました。この平川へのパスは通りませんでしたが、ここにいたのが再び竹本でした。

この場面でも佐藤謙介が左サイドの守備に加わっており、その位置へ竹本が侵入。やはり生駒はキーマンである平川へのボールが入ることをケアし飛び出してしまっており、竹本がフリー。松本は竹本と石川の1vs2の局面を作られてしまいました。松本はこの場面でドリブルで最短コースで行かれないような体の向きを作りました。もちろん背後の石川はほぼ見えてないと思います。戻ることができた前がオフサイドを取るような動きはしましたが判定はオンサイド。残念ながら得点が認められてしまいました。

 

このような形で熊本が明確にレノファが空けてしまうところ、ずれてしまうところを突いてきたことで失点をしてしまいました。このあたりは「五十嵐もう少しバイタルケアしろ」「田中そのままついていけ」「ボランチバイタルあけるな」など解決はできたかもしれません。まだまだこれから向上していければと思います。

2失点目について自分の考えを言うと、確かに松本の技術的なクリアミスではありましたが、あれを松本だけのせいにするのは酷と思います。まず、良い点として後述しますが、レノファは明らかにペースを上げて前半からハイプレスに行っていた。どこかで試合を落ち着ける時間が必要でした。

名塚監督のインタビューにある「ういうサッカーをする以上、それでもやっていくものですので、もっともっと(マイボールの)時間を増やすことが大事だと思っています。前半もそうですが、なるべくボールを握る時間を増やすことで消耗度が変わってくると思います。
熊本さんを相手でも奪ったあとの攻撃で、もう少しボールを握る時間を増やしたかったと思っています。」とあるように、熊本にゴールを脅かされていた時間であったので、解説の中島さんがおっしゃっていたように落ち着けたかった時間だったと考えます。そこでボールを受けた田中であったり、高木が消極的なバックパスを送ってしまい、熊本のプレスを継続して受けるような展開になってしまったと思います。そのように心理的にも熊本に飲まれてしまった中での失点。試合終盤のガス欠状態を見る限り、1失点目、2失点目ともにここ踏ん張ろう、流れ押し返そう!というところでの失点ということもあり、チームとしてペース配分、メンタルコントロールが難しかった試合だったかと思います。

ということでネガティブな話は終了。

2)ある程度苦しめることはできたハイプレス

名塚監督の試合後インタビューでこんな事を仰っていました。

熊本さんを相手に用意してきたプレッシャーなどの部分では、チャンスも作れていましたし、選手も前向きにやってくれていました。

この試合のレノファは熊本に対してハイプレスを行いました。1節2節はある程度ミドルゾーンで構える形、3節はいわきが蹴ってくるのでハイプレスをかけるような相手ではなく、今季初めてハイプレスの形を見せたかと思います。

解説の中島さんも言及されていたように、熊本DH8上村に対して五十嵐をつけるようにし、熊本のビルドアップを阻止するような形を取りました。25分くらいまでは五十嵐をメインにするも、4-4-2のような形でボールホルダーと限定したサイドのCBに対して五十嵐がプレスを掛け、そこに矢島や佐藤が上村についていました。25分すぎくらいからは五十嵐をよりしっかりと上村につけた感じかと思いました。

単純に形で嵌めにいくのではなく、相手のキーマンも抑えつつプレスを行うことで何度かチャンスも作れていました。下記は40:20のシーン。

熊本LCB相澤に田中、LSH竹本に矢島、OH平川に佐藤、DH上村に五十嵐がつき、皆川が外へ誘導するようにボールホルダーのCB江崎にプレス。江崎から竹本に出すも、もう一度江崎にもどり、出すところが少なくなった江崎がLWG松岡にパスをしたところで15前がカット。すかさず矢島、佐藤とつなぎ小林が熊本のDFラインの裏を狙うことができました。

取った瞬間にLSB沼田もすかさずスプリントをし、空いたレノファの左サイドを駆け上がっているように、この試合は嵌めてボールを奪ったあとにどのようにゴールへ迫るか、などチームで描けているように思えました。

この試合のファーストシュートの矢島のミドルの場面(2:50)についても、左サイドまでRWG田中が加わるように相手に対して、プレーエリアを圧縮した上でプレスを2度3度かけていました。ボールの出口であった17平川に対して沼田が付ききったことで、奪ったところでのシュートでした。また、28分もやはり五十嵐がチェイスをしたところで上村のパスがずれたところを矢島が回収。佐藤謙介がすぐに段差をつけるようにポジションを取り、小林へ繋げ、小林はそのままフィニッシュとボールを奪って10秒以内に相手のゴールを脅かしていました。
相手のミスからの小林の決定機含めてこのハイプレスをかけることについては、磐田戦でも一定の形は出ていましたので、ゴールという成功体験ができてくれば、今後レノファの得点パターンとして期待ができるかもしれません。同じようなことを昨年も書いて昨季はおそらく得点には繋げられていなかったと思うので、今季は1つ言わず、2つ3つと得点が奪えるといいかなと思います。

 

3)これが例の新しい形か?!

そしてここからは妄想タイム。好き勝手考えてたのしいやつです。はい。

名塚監督が開幕前から言っていた新しい形。第1節と第3節で実況の方から、「相手を押し込んだときに使う形らしい」という言及がされていました。

ただ、その形は出せていないとも名塚監督は仰っていました。シーズン前から新しい形と言っておきながら全く形が出せないのも解せないな、と。そんなところ見直していたときに、「あ、こういうのあまり見ないな」と思ったのが、前半44分。右サイド深い位置でスローインからの流れ。五十嵐から松本へ戻し、ボールは生駒へ。生駒から内側へ位置どった小林。ポストプレーに入った皆川へボールをつけて、皆川は相手の2列目の脇をとっていた矢島へボールを落とし、矢島はワンタッチで右サイドの前へ展開。前はワンタッチでグラウンダーのクロス。田中がスルーして五十嵐が決定機。残念ながら空振ってしまい、小林のシュートもDFのブロックに合いましたが、きれいに揺さぶった展開でした。

新しい形か?と考えた点として、今年の特徴でもある

『内に入るウイングと大外のサイドバックがあげられるかと思います。

第1節の大宮戦でも小林と吉岡の2人でゴールに迫るような形があったように、今季は昨季に比べてウイングが内(ハーフスペース)にポジションを取っています。吉岡が持ち、高橋がオーバーラップ。小林が持ち沼田がオーバーラップといった具合にウイングが必ずしも大外にいないことが今季はよく見るかと思います。

このシーンではまず小林が内(ハーフスペース)というよりも中(センター)にポジションを取り、ボールを生駒から受けました。皆川が同じく中でボールを受けることで相手のDFラインの意識を中へ。矢島がすかさず前へ展開したところも、RWG田中はペナルティエリア内にいました。もちろん中を締めている熊本のLSH竹本は前選手へは行けないで余裕を持って際どいクロスをあげることができ、エリア内にはLSB沼田も加わり5人がシュートを狙う位置にいました。

また、去年のレノファのCF事情がありましたが、この位置でCFがポストプレーをして相手の視線を中に集めておいて、外へ展開するという形はなかったかと思います。この辺を考えると、選手たちの即興で行ったといえばそうかもしれませんが、狙いを持っていたのではないか、と考えることもできるのかなと思います。

 

失点シーン、良かったところ、妄想と段落ごとに前向きに良かった探しをしてきましたが、負けるのは悔しいです。ただ、まだ4節ですしいいところを探してポジティブに行ければと思います。

次は金沢戦ですね。もう少し皆川にはシュートを打つ仕事をさせてあげたい、河野にはもっと得点を期待したい、などフォワードが点を取ってチームを乗せてくれればと思います。小林もそろそろゴールしてくれる気がします。この4試合ですでに決定機は4回は迎えてます。次こそは!ですね。

ここまで読んでいただきありがとうございます。

※文中敬称略

トンネル抜けたらスタジアム

※試合レビューではないです。いわきの居酒屋での出来事を備忘録として記事調で残したいと思います。

 

トンネルを通り抜け、

 

山(丘)を登って、

 

長閑な公園を歩いて行ったら、、、

 

 

現れる【いわきグリーンフィールド】。2023年J2リーグ第3節、レノファ山口が対戦するいわきFCのスタジアム、今回の目的地です。

実は関東に住んでいながら東北遠征に行ったことがなく、そもそも東北へはスノボーしに行くか、入社当時に青森の得意先へ半年いったことがあるくらいで、東北地方にはほぼ縁がありませんでした。

そんななか、J3よりいわきFCがJ2へ昇格してきました。アンダーアーマーと組んでチーム作りをしているという数年前より噂になっていたチームということもあり、どんなところなのかなと興味をもちました。また、自分が行けそうなレノファのアウェイということで今回いわきグリーンフィールドへ行ってきました。(※いわきFCフィールドへは行ってません。行くという発想がなく、もったいないことをしました。。。)

東京の自宅から特急を使わず約4時間。水戸を経由して到着です。まず改札を出るとこのような歓迎のボードが。

スタジアムにも歓迎のボードが飾られており、どのスタジアムでもいろいろな形で見られますが、こういうのはアウェイサポとしてはうれしいものです。

スタジアムは専用スタジアムで良い雰囲気であり、どこか牧歌的な雰囲気もあり、快晴も相まって気分は高まります。

昨年はJビレッジと併用だったようですが、いわきグリーンフィールドを改修し、座席数も2300席から5030席へ。そして立派なスクリーンも。チームがカテゴリーを駆け上がっていくのに合わせて、スタジアムも改築していっています。

 

試合はなんとか苦しみながらも0-1で勝利!アウェイに来ましたし、勝ち点3もとれたのでやることは1つ!祝杯!そのために車ではなく電車できましたから。(車でも全然来やすいと思います。駐車場も僕が行った1時間前でもある程度公園入口のことろでも空いてました。観客数は2600人くらいでした。)

 

試合後は最寄り駅の湯本を離れて、電車で10分のいわき市の中心部いわき駅へ。この駅を降りてもやはりJ2昇格の弾幕が貼られ、街頭にもペナントが掲げられていました。

そしてふらふらしていて出会ったのがこちらのお店。なんとレノファの子供用?のユニフォームを店頭に飾ってくれています。これは行かねばと入店。

カウンターへ案内されて料理に舌鼓を打っているとこんな会話が、


ほかのカウンター席の常連の?お客さんと大将さん、おかみさんの会話が。

客「あそこに飾られている服はなに??」

将「サッカーの山口のだよ」

客「山口ってあの山口?遠いところだよな」
将「いわきと今日試合なんだよ」

か「お客さん来るかなって思ってこの前買ったんですよ」

客「へ~いわきってJ2にあがったんだよな。今つよいの?」

か「よくわからないけど、遠方の方来るなら飾ってみようかなって」

あ~、そのユニフォームにつられたのがここにいるんですよ~。と思っていたら、10分後くらいに隣のお客さんがお会計。なんと「僕、そのユニフォームあったからこのお店は入ったんですよ」

え?!それ丸々同じこと言おうと思っていたよ。と驚いて「僕もです!」とパーカーの下のユニフォームをチラリ。

なんとまあ、まさかの同じユニフォームでつられた人間がカウンターに二人とお店の方も驚かれており、そこから大将さんらとサッカーの話へ。(すみません、WBCの話とかしてましたよね。。。)

将「いわきはJ2に上がったっていうけど、どう?順位表したのほうだったじゃない」(いえいえまだ始まったばかりです)

「お客さんっていわきに来てくれるのかな~。シャトルバスも湯本だからとまっちゃうじゃない?」

(僕らはきましたよ!)

「湯本は旅館で、いわきはビジネスホテル、泊まったりしてくれてるかな?昨日は来てなかった気がするんだよね」

(さっき何人か山口の人いましたよ。それに清水や磐田などサポーター多いところからきてくれますよ)※隣の男性の方は湯本に前日泊されてたとのこと

「え?この前静岡のチームきたでしょ?」

(それは藤枝です!別のチームです。)

「静岡は3チームもあるの?」

J3合わせたら4つです。そのなかでも清水や磐田はJ1で優勝経験もありますし、サポーターさんその分多いですよ)

「そうか~来てくれるとうれしいな~」

(店の前のユニフォーム飾ってくれたの、うれしいもんですよ)

「でもさ、さっきも言ったけど、いわきにお客さんはきてくれるのかな。湯本やJビレッジでお客さん終わっちゃうんじゃないの?」

「サッカーで盛り上げていくのはわかるけど、ちゃんと俺らにもお客さんきてくれるといんだよな」

「この平地区は~・・・」

 

などなど、正直ここまでいわきFCの話をするとは思わなかったです。

自分が山口にも川崎にも住んでおらず、おらが村のチームという感覚があまりないファンなのもありますが、こんな風にホームタウンの方がそのチームに期待をしていることや一方で不安や不満のようなモヤモヤしたものももっているんだなと感じました。

カテゴリーが変われば競技場をもっと回収しないけないこと含めて、「とんとん拍子に上にあがると、いろいろ考えることもあるんだな~」としみじみと会話をしてくれた大将さんの姿が印象的でした。

僕が店を出るときには、もともと大将さんと会話をされていた常連さんも「サッカーファンあついな~。じゃあね~」と笑顔で送り出してくれました。

2015年12月に発足したいわきFC。クラブが進むとともにこのホームタウンの方々も、いわきFCへの関心なども変わってくるのかな。今はまだどのようにホームタウンがこのいわきFCと関わっていくのかなど拡大中なんだろう。10年後ここを訪れたらまた違う光景が広がっているに違いない。普段とは違った遠征の思い出として残るだろうな、残したいなと思い記しました。

いつも以上にまとまりませんでしたが、ここまで読んでいただいた方ありがとうございました。

勝ちながら修正できることはいいこと いわきFCvsレノファ山口@グリーンフィールドいわき 2023年3月5日

今季初アウェイ。花粉強襲?のいわきへ乗り込みました。

昨季J3チャンピオンのいわき。言わずと知れたフィジカルに特徴のあるチーム。前へのプレスに迫力があり、特に前半は自分たちのミスも絡み危ない場面が続く試合でありましたが後半に挽回。しかしながらゴール期待値はいわき1.51に対してレノファは0.81と劣勢だったことは否めず、相手の決定力の低さにも助けられたと思います。しかし、レノファは勝ち点3を勝ち取ることができました。

今節は下記について考えたいと思います。

1)うまくいかなかった前半

2)いわきの矢印を向けせるな

3)河野・松本にみるベンチメンバーに求められているもの

 

得点

いわき         レノファ

なし          65分 皆川

 

1)うまくいかなかった前半

レノファの今季の基本フォーメーションである4-3-3に対して、いわきは4-4-2を敷いてきました。

レノファのボール保持局面。序盤はいつもの左を中心に。2分30秒のところの関→生駒→沼田→矢島→小林→皆川→小林が裏抜け、というパターンを見せ相手陣へ攻め入ります。

この試合で前節に比べて目立ったのは佐藤謙介が最終ラインに落ちる機会が多かったことが挙げられると思います。佐藤がおちるので、矢島がアンカー位置に入り、GK-3-1のような枚数でいわきのプレスの回避を狙いました。ここでレノファの狙いとしてはいわきの第1節の対戦相手の藤枝があったのかもしれません。

藤枝は3バックを敷いており、後ろ3枚でいわきの4-4-2の「2」の脇から3人のCBのサイドの2人が持ち上がるなどしていわきのズレを狙っていました。また時にはRCB小笠原が前線にあがり後ろが2枚になってもGK上田がCBとともにビルドアップに加わりあ、上田からも精度高いロングフィードで前からくるいわきのプレスを無効化していました。

レノファもある程度このやり方を参考にし佐藤謙介が最終ラインにおちる動きを考えたのではないかと思います。序盤にわかりやすい場面がありました。

4:30 まずは佐藤謙介がおちて3バックのような形。この場面ではアンカー位置に落ちたのは五十嵐。生駒に預けて関まで戻す。この時佐藤謙介はまたアンカーの位置に戻り、4:42に生駒が松本にもっとサイドに開くように指示。関・生駒・松本の3人で相手のCF2人に対して佐藤謙介を消すのかCBに対してどう対処するのかなどを突きつけ、最終的には多少食いついたいわきのCF脇から松本が持ち上がっていきました。

ただ、いくつか誤算やミスが前半のようないわきペースで試合が進んでしまったと思います。

1つは芝の問題。高木大輔が試合後インタビューで言っていた芝の問題。現地にいた僕はきれいな芝だな〜とのんきなことを思っていましたが、実際の選手たちとしては「ボールに芝が噛んだ印象」とボール自体が走っておらずパススピードが上がりにくく、パスを通せないことをあげていました。(引用元:【公式】いわきvs山口の選手コメント(明治安田生命J2リーグ:2023年3月5日):Jリーグ.jp

もう1つは単純にレノファの力不足。まず前半割とミスが目立ってしまったのが目についたのが左サイド。生駒自身も反省の弁を述べていましたが、

前半はピッチの部分もありましたが、僕のところでボールを受ける前に、もっと相手の状況と味方の状況を確認してポジションを取っていれば、もっとスムーズに前に進めたと思っています。相手のプレッシャーを強く感じたというわけではないですが、出しづらさというのはありました。  引用元:第3節 いわきFC | レノファ山口FC

と芝の問題にも言及しつつも、立ち位置が掴めていないところがあった模様。目立ったところとして沼田のパスミスがあったかと思いますが、これはすでに生駒から沼田に渡ったところですでに沼田には相手が付ききっていたので、パスコースがなくすでに詰まっていました。チームとして生駒のところに入ったときにパスコースを作れておらず沼田を選択。しかしこれはいわきの思うつぼでした。生駒が深い位置で開いてボールを受ければ相手が圧縮してくるので、ここでは相手のプレスラインの裏や脇に小林や五十嵐あたりが顔を出すような動きが求められたのではないかと思います。

また、右サイドでは同サイド(同レーン)に3人を並ベることは狙いなのかもしれないと考えていますが、全員が同じレーンにいることでパスに角度がつけられずにここでノッキングしてしまっていました。もちろん14分の生駒から松本にサイドチェンジいわきLSH14山口が中途半端に出てきたことで、松本→高橋→田中とつなぐことはできていました(熊本の「1レーン3人」というやつですね。有料記事ですが見れる方はこちらです。 https://www.footballista.jp/feature/143335

といった感じで上手くいかず、皆川めがけてロングボールを蹴ってもいわきの競り合いに強いCBになかなか競り勝てず、打開する糸口が見いだせないような前半となってしまいました。

 

2)いわきの矢印を向けせるな

そこで名塚監督がシステムなどをいじった。と仰っていましたが、明確に4-2-3-1にしました。前半の終盤から多少もう矢島が佐藤謙介の位置まで落ちていましたので、4-2-3-1気味だったと思います。ただ、変わっていた1つとして皆川がわかりやすく右サイドを意識していました。中央のいわきのCBの2人のところではなく、LSB35江川のところでも起点を作るようなプレーが増えました。これはキックオフから意識されていました。この2節はレノファボールのキックオフでは、センターサクルに矢島、もしくは佐藤が立ち、生駒へ戻してロングキック。競るのは大外の吉岡でした。中央から佐藤、五十嵐、皆川、吉岡の順で内から外へ並んでいましたが、今節は佐藤、五十嵐、田中、皆川と皆川が大外待ち、生駒は滞空時間の長いボールを蹴っていきました。キックオフは比較的そのチームの色が出ますし、この時点からある程度大外皆川が設定されていたことがわかります。

そして皆川を寄せることで、いわきをレノファの右サイドに寄せておいての手薄な左サイドの攻略ができるようになっていきます。

いわきは大宮のように同サイドのスペースを埋め、レノファのプレースペースを消しに来ます。これに捕まったのが前半でした。そのため、レノファは後半まずいと思えばすぐに前線へ蹴っていましたし、途中後退で入ったRSB高木のスローイン一つにしても、大きく前線へ投げて皆川にあてることしかほぼやっていなかったと思います。いわきがせーのでプレスを連動させる前に、その矢印を向かせる前にセカンドラインを超えさせてしまう。そうすることでいわきの武器の1つを出させないようにしました。

話を戻して皆川が右サイドで収めたボールを佐藤謙介が左に展開。小林のドリブルはなかなか効果的形は作れませんでしたが、ここを起点にしていわきを押し下げることができればレノファとしては1つミッションは達成。前半からもでしたがアタッキングサードにボールを運べれば、高さや運動量のようないわきの特徴はあるものの、前半31分のように五十嵐の中間ポジションを取る動きについてマークが曖昧だったこと。また、河野が3度左サイドのニアゾーンを取られたことを見ると、いわきのセットディフェンスについては強度が落ちる傾向にあったと思います。ここまで進めることができれば、というところで右サイドでしたがファウルをとり、セットプレーから得点を呼んだとも考えられると思います。

3)河野・松本にみるベンチメンバーに求められているもの

まず、生駒の談話から

相手のサイドバックが前に食いついてくるというのがありましたので、足元だけになりすぎに、その背後も狙っていこうということは話しました。

このように前半のうちにいわきのサイドバックが食いついてくるので裏が抜けられるという手応えや見込みは立っていたようです。現地で見ていると、今節RWGに入った田中はテレビで見れないところで裏抜けの準備を何度もしていました。

また、これも今節の名塚監督の試合後インタビューで

中盤もプレスバックでしっかりとプレッシャーを掛け、前線の選手たちもやってくれました。

と仰っていたように、ここの強度も昨年よりも選手たちがしっかりと行っているように思います。考えてみれば昨年水戸から帰ってきた高井も「強度や切り替えのところが水戸より甘い」といった感じのことを言っていました。名塚体制3年目ということもあり、外から取ってくる選手、残った選手ともに最低限このラインはできないと試合には出れないよ、といったものがありそうです。

また、昨年は交代で勢いがつけられなかった、という展開が散見されましたが、今季はこの面でも名塚監督が動くのが早いイメージなのと、何より交代して入ってきた選手のギラツキが違う。そういう意味で前節からの高木・松橋や今節の河野のようなチームに勢いをもたらすプレーを見せつけないと、試合に出られないという考えもできそうです。

そういう意味でこの84分に見せたこの河野のプレーは監督にもファン・サポーターにもアピール抜群であったと思います。

84分佐藤がパスカットからすかさずトップ下の位置に入った河野へ。五十嵐のように相手ボランチ周りの相手のプレッシャーが薄いところでボールを受け、小林へ展開。小林が持ち上がり、沼田が追い抜くことで7杉山を引き出し、小林からフリーの佐藤へ。焦って出てきたRCB4家泉の動きに合わせて河野がその裏を突き、クロスバー直撃のシュート。

五十嵐とはまた違った形、裏へのランなどでトップ下をアピールした河野。今後もジョーカー的な存在になりそうな予感もありますし、そもそもスタメンで頑張ってもらわないと困る選手ですので、いっそうの奮起を期待したいです。もしかしたらCFで河野、IHやトップ下で五十嵐といった形ももしかしたら出てくるかもしれません。

また、ベンチメンバーではなかったですが松本にも言及をしたいと思います。前回のブログでCBのビルドアップ時に難があるということを言いましたがこれについては、わかったとは思いますがほぼほぼ松本への言及でありました。

今節は試合前のアップから松本を見ていましたが、丁寧にRSBやRWGへのパスを練習をしており、ルーティンワークのアップではあると思いますが、黙々と取り組んでいました。試合が始まれば8分にはすぐに高橋に出すのではなく、中の矢島を経由させるパスや、上述したいわきの「2」の位置を意識したような持ち上がりをときおり見せるなど、持ち前の対人の強さ以外にも前節からの課題に早速向き合っているように思えました。試合終盤流石にオープンになってきた中でも、高木がRSBとして位置を修正したということもあり、効果的に右サイドを使うこともできたことにMD選手の守備以外の密かな貢献がありました。常に切磋琢磨して成長。3節にして既にチーム内の競争がしっかりあるのではないかと思えた河野と松本の姿でした。

 

さあ、苦しみながらも手に入れた勝ち点3。選手の大量引き抜きがありましたが、チームの大崩はしていないようなので、油断はなりません。ただ、いわきに負けてこの1戦に臨むのと勝って臨むのでは気分は全然違います。

高橋くんの脳震盪もおきてしまい、けが人もいるとあってなかなか大変な時期ではありますが、維新は勝つ場所(n回目)。勝利を期待しましょう。

 

ここまで読んでいただきありがとうございます。

文中敬称略。

惜しい試合。これを勝ち点3にできるように。レノファ山口vsジュビロ磐田@維新S 2023年2月25日

第2節にして早速昨年J1に所属していた強豪ジュビロ磐田を迎え撃ったホーム2戦目。結果として1-1の引き分けでした。

この引き分けについて、個人的には勝っておきたかったと考えました。

やはりトップ6に行くためには当面のライバルチームには勝っておきたい。勝ち点を与えないようにしたい。場所はホームである。などあります。

同点に追いつき勝ち点をもぎ取ったことは評価できると思います。勝ちきれなかったのは何が理由だったのか、挽回できたのはどんなことがあったのか、など下記について考えていきたいと思います。

 

1)引いてきた磐田。

    a)攻撃

 b)守備

2)プレスの形を4-4-2に。

3)ビルドアップにこだわるのか、割り切るのか。

得点
山口          磐田

85分 高木       45+2分 鈴木

 

1)引いてきた磐田。

試合前にツイートしましたが僕の予想では、キーになるのは右ウイングの吉岡や田中と考えていました。理由としては、岡山戦で磐田は割と前からプレスをかけてくる様子があったことがありました。またその岡山戦で先発をしたLSB14松本は攻撃に特徴がある一方、その裏を岡山に使われてしまっており、これはレノファでもつくことができるかな、と思ったのがありました。

しかし、磐田はやり方を修正しミドルソーンでブロックを組んで守っていました。これについては名塚監督も試合後インタビューで

磐田さんが思ったより来なかったので、そういう相手に対しても自分たちがもっともっと相手を動かすビルドアップをしていかないといけない

と振り返られていました。(引用元:https://www.renofa.com/archives/result2023/iwata-2/)

この日の磐田は先発に50遠藤、32針谷と運動量というよりもボールスキルが高い2人をダブルボランチに並べてきました。彼らのピッチのカバー範囲は広くないため、前からプレスをかけてしまうと岡山戦のようにカバーできないエリアができ、全体的に間延びするような形を回避したいと磐田は考えたのだと思います。そしてアライバルインタビューで横内監督がおっしゃっていたように、この2人の特性を生かすように自分たちのボール保持率を高めることを狙ったと思います。

では、そんな磐田に対してレノファでどうだったかを振り返ります。

 

a)攻撃(ボール保持)

まずビルドアップについてはDAZNで見えないところもあるのですが、おそらく下記のような感じでした。

レノファのやり方についてはほぼ前節と変わらず。アンカー位置に佐藤謙介。磐田は9杉本10山田がツートップのような形で佐藤を消しつつ、ミドルゾーンまで後退する時間がおおかったため、レノファも10分や12分に矢島や小林が佐藤謙介の位置まで落ちて、誰が誰につくのかを確認するような探るような序盤でした。

前半左サイドの小林、沼田は前節に比べて奥深くまで侵入していくような形は少なく、一方の右サイドの吉岡は裏抜けであったり、吉岡がインサイドに入り、大外にRSB高橋が上がる形などチームとして右サイドを意識しているように見えました。

 

b)守備(ボール非保持)

後半になる前にボールの非保持についても抑えておきます。

前半はこれまた前節同様に4-5-1(4-1-4-1)のような形でセカンドラインを形成。ただ、攻撃→守備の切り替え時(ネガティブトランジション)のところで多少ボールの即時奪回の意識が強かったと思いました。

磐田のダブルボランチの起用は自分たちのボール保持の時間を増やすこと。その相手の土俵で戦わないためには、相手の攻撃のフェーズに移さないようにすれば良い。よって相手陣でのボールの奪回は名塚監督が志向しているところでもあるので、前節に比べて積極的に追っているように見えました。相手のパスミスを誘った上で、フィニッシュまで持っていく形が出た場面もあり、前節一定の成果が出ていたと思います。

ここでキーになっていたのは矢島と五十嵐だったと思います。即時奪回がうまくできているシーンはこのIHの2人がゴール前まで押し込めていました。そこで取られたとしても、相手全体も下がっており、パスを出すコースも限定されています。山田や杉本へ繋げられてしまっても生駒やMDがしっかり付くことができているため、パスを通さない、またはそこでボールを奪うなどができていました。

 

ただ、前半18分の50遠藤→32針谷に通され、針谷がすぐに前を向きOH10山田につけたところあたりから、ジュビロが流れを作れるようになっていきました。遠藤がDFラインにおちたりすることで、ワントップの皆川がコースの制限をすることが難しくなり、CBのふたりもボールを回すことを苦にしておらず、針谷へのコースを限定できなくなっていきました。そして、アンカー佐藤の周辺に山田が位置どるほか、RSH18ジャーメインや33LSHドゥドゥが入るなど、中央の道を作られてしまいそこからサイドへ展開しピンチを迎える場面が増えていきました。

磐田の両SBの運動量や推進力も高く押し込まれる時間が多くなり、そんな中不用意なファウルから、前半終了間際に失点を喫してしまいました。

 

 

 

2)プレスの形を4-4-2に。

そして名塚監督がハーフタイム中にプレスの形を変えた、とありましたが、後半はプレスのやり方を4-4-2に。五十嵐が皆川と並ぶようにし、彼らが2CBを抑え、下りる遠藤を矢島が捕まえるように変更しました。

この形にしたことでそれぞれのマークがはっきりしました。

磐田が先制していたこともありましたが、前半のような2CBとダブルボランチでボールを回されるような展開は減り、多少ピンチはあれど決定機をつくられることや、磐田のボール保持の時間を減らし、レノファの時間を多くすることができてきました。

左サイドも小林が中に入り、沼田の上がりを促すような動きも出てきたことで、右サイドと左サイドで深い位置までは入っていくこともでき始めました。

そして、68分名塚監督動きます。今年ちょっと動くの早いですかね、ベンチメンバーへの信頼が去年よりもあついのかもしれません。

野寄と田中の投入です。まず目立っていたのは野寄ですかね。持ち前の運動量を活かし、アンカーにポジションを移した矢島の位置まで顔を出したかと思えば、ハーフスペースでサイドに展開されたボールを受ける動きなど、多くの場所で顔を出していました。

大学4年の時の情報だけですが、野寄は前期はLSHを担ってましたが、後期はOHに入ったりと1年でサイドと中央のポジションを経験しています。それもあってかピッチのどこでプレーをするにも不得手が少ないように見えます。身長は低いですが、体をぶつけることも厭わず、ファウルをもらうことも行えており、磐田も終盤にこのプレーをする選手が出てきて嫌だったのではないかと思います。

また、もう1人の田中にしても、中に入り気味であった吉岡よりも外に張って裏を狙う動きをしていました。ベンチからの指示があったのかもしれません。テクニック駆使し虎視眈々とサイドでの仕事を行っていきます。

そして最後の選手交代。高木と松橋が入りました。松橋も田中同様に相手の裏を狙う動きをしていたと思います。

背後がなくなってしまったので、交代選手で補いました。

という名塚監督の言葉の通りであったと思います。ただ、右サイドは役割がかわります。高木の推進力を活かすためか、ほとんどテレビの画面では映っていませんでしたが、田中が得点シーン以外でも中に入ることで、高木の上がるスペースを作っていました。

この日スタメンだった磐田LSB松原は攻守にきいてましたし、LCBリカルドグラサは守備範囲は広いは1対1は強い、パスもさばけるとJ2レベルではない選手が、山口の右サイドに門を築いていましたが、ここからこじ開けることに成功しました。

大宮戦もでしたがベンチメンバーがチームに勢いをつけることができるのは今後のスタメン争い含めて、良い兆候と思います。

 

3)ビルドアップにこだわるのか、割り切るのか。

ただ、じゃあなぜ勝ちきれなかった?個人的に感じたのは、磐田の引いた陣形を崩し切ることはできていなかった事が挙げられると思います。(セットプレーについてもあるのかと思いますが今回は割愛します。)

 

相手があまり前から奪いにこないぶん、ボールを持てたと思うが、どんな意識でプレーしていたか?僕の場合は、SBのところですごくフリーになれていたので、そこからゲームを組み立てることはすごく意識をしていました。僕が相手を引きつけて、そこからフリーの選手を作ったり、ほかの選手と連係をしたり、チームとして狙うところは決まっていたので、コミュニケーションを取りながらやれていたと思います。あとはもう本当に何回も言いますけど、点を決め切るところ。

(引用元:【公式】山口vs磐田の選手コメント(明治安田生命J2リーグ:2023年2月26日):Jリーグ.jp

高橋君のインタビューのコメントの抜粋ですが、得点シーンの高木同様に、前半の高橋君も確かに空いていました。30分のMD→高橋→吉岡で縦に早く繋げられたシーンなどもそうだったと思います。ただ、ここからがやはり侵入させてもらえなかった。PK含めて得点期待値は1.81点。PKが0.8だったか0.75なのでやはりそこまで多くは作れていなかったのが僕の印象です。

sporteria.jp

上述したようにこの日の磐田の左サイドの2人は本当に硬かったと思います。だが、そんなお手上げ状態だったか、というとそんなことはなかったと思います。

・生駒とMDのところからのパス出し

・サイドで複数人での崩しをしたあとのペナルティエリア

このあたりが名塚監督が考えられている修正ポイントではないかなと思います。去年からの試合後インタビューでもよく指摘している点ですし、この試合でも多少目についたことだと思います。

もちろんおそらくCB陣に負傷者が出ているので、負傷者が戻ってくれば!という考えもあります。ただ、それはチームとしての解決になっていない。後半のMDのパス出しについてはちょっとツイートでも触れましたが、まだ改善点は多くあると思います。MD本人もインタビューでも課題と捉えていました。

また、崩すことについても得点から逆算すると、人数はかけられているか?クロスの質は?と各人のレベルアップが求められていると思います。そうしなければ見えないのがトップ6です。去年も3節終わった時点で1勝2分。対戦相手は熊本、秋田、新潟から上げたものでした。熊本はホームで戦ったときに比べてアウェイで対峙した時、かなり力の差を感じました。

ただ、そこまでビルドアップにこだわるのか?というのも感覚としてあります。中盤に佐藤、矢島、五十嵐とJ2のなかでは屈指のテクニックのある選手が並ぶ中盤ではあります。ただ、後ろは??というのがあります。まだ2節ですがシンプルに裏を狙ったほうがチャンスになっていることや、大宮戦など裏をケアしてきたときに足元でのつなぎがうまくいっている場面もあり、このあたりチームとしてのプライオリティをどこに置くかなど次節以降注視してみたいなと思います。

まあ、たった2節で悲観的になっても仕方ないのでそろそろ切り上げます。トップ6を想定して厳しく見るというのは難しいな〜・・・(笑)

 

さあ、週末は今季初アウェイです。自分もいわきへ参戦予定です。頼もしくなっている五十嵐くんや高橋くんをスタジアムで見られるのはとても楽しみです。多少悲観的なことを書いてしまいましたが、MDみたいな真っ直ぐな選手はなんか伸びしろありそうだなって思ってもいます。スポナビに有望な若手がいなくなり、伸びしろがないなんてかかれてましたが、見返してやりましょう。

ここまで読んでいただきありがとうございます。

文中敬称略

それぞれのスタートライン。肝心なのはここから進むこと。レノファ山口vs大宮アルディージャ@維新S 2023年2月18日

2023年度シーズンが始まりました!

降格するもチームの核を残すことに成功したチーム、大量補強に成功したチーム。今シーズンはJ1のチームとの入れ替え戦はなく、3~6位のチームはプレーオフさえ勝ち抜けば昇格が決まります。例年以上に昇格枠の争いは激化しそうです。そのプレーオフに向けて目標を「トップ6」に設定した我らがレノファ山口。初戦は雨の中での1-0勝利!新加入組も多く出場し今シーズンはどういったチームになりそうなのか、期待や不安、興味に疑問と色々な感情がでたのではないでしょうか。開幕戦はそういうものですね。では、今節下記の3つについて考えていきたいと思います。

1)相手が前から来るなら。

2)新里の出てきたところを狙え。

3)良いプレーの連続と継続が課題。

 

得点者

レノファ山口】        【大宮アルディージャ】 

72分 矢島           なし

 

1)前から来るならその裏へ

この日レノファの並びは昨年度初期と同じ4ー3ー3。佐藤謙介をアンカーにIHには新戦力の矢島と五十嵐が入りました。CFには皆川、LWGに小林と攻撃的なポジションに新戦力の多くがベンチを含めてメンバー入りをしていた印象でした。

意外だったのは前、池上のベンチ外。youtubeに上がっている【inside match】には池上はいるものの、前の姿が見当たらない。両者ともに怪我なのか前のみ怪我なのかはわかりませんが、少ないながら驚きがありました。皆川の試合後インタビューにもある通り、数人の人選が変わったのだと思います。(Jリーグ公式より【公式】山口vs大宮の試合結果・データ(明治安田生命J2リーグ:2023年2月18日):Jリーグ.jp

対する大宮は4-4-2の布陣。解説の中島さんがおっしゃっていたように、相馬監督が率いていた時の町田のようなコンパクトな4-4-2の形をとっていました。

ツートップが佐藤を挟むように監視しボール保持をしたレノファのCBに片方がアタック。GK含めてCBへ両CFがプレスに行く際は8CH栗本が佐藤へつき、7CH小島が矢島と五十嵐を見るような形。矢島が落ちれば小島がついてきて、栗本は佐藤と五十嵐を見ていました。両サイドは大宮のSHとSBはそれぞれレノファのSBとSHを捕まえることで今季の大宮の志向する形を出してきました。15分過ぎくらいまではこれに面を喰らってしまったのか、レノファはボールを保持することができず防戦の展開に。時系列は多少後になりますが、20:50の沼田から小林に出たところでつぶされショートカウンターを受けたシーンが最たる例であったのかなと思います。

 

少しずつ流れが変わり始めたのが、16分~17分のあたり。3つの場面が挙げられるかと思います。

a)16:20 右サイドから左サイドバックの沼田へボールがわたり、多少プレスが遅れ気味になっていたところを、大宮のブロックの外からライン間に落ちた皆川へ楔のパス。

b)16:50 ヘナンのインターセプトから五十嵐がターンで栗本をかわし、イエローカードを出させる。

c)17:30 GK関がボールを保持していた場面。佐藤謙介がボールを受けに来るように落ちたところに栗本がつき、五十嵐と矢島はある程度距離感をもって位置するので、関は矢島がフリーなのを見逃さずミドルパス。大宮17LCB新里が矢島につきかけたところに皆川が裏抜け。矢島が皆川へ通して、小林、沼田とつないで最後は沼田のクロスからRSB高橋のヘディング。

 

ここで矢島と五十嵐の試合後インタビューから抜粋。(第1節 大宮アルディージャ | レノファ山口FC)

佐藤謙介選手との関係性で意識していることはあるか?

矢島  自分たちのビルドアップのときに、謙介くんがうまくポジションを取ったり、ポジションを変えたりしてくれています。自分が反応して動くことが一番大事で、そこから(五十嵐)太陽に当てる動きがもっともっと増えてくれば、もっと良くなると思っています。

 

ペナルティーエリアに入って行くシーンも多かった。どういうことを意識したか?

五十嵐  (矢島)慎也くんと(佐藤)謙介さんとのボランチの一角でしたが、慎也くんと謙介さんは落ちて受けられるので、自分は前で、よりゴールに近い位置でボールを受けることを意識して、ターンして前に展開することを意識していました。

 

とあるように、佐藤謙介の動きに合わせて佐藤→矢島→五十嵐といった中盤の3人の縦関係が見えてきます。矢島は13分のところの沼田と小林で左サイドを突破したところもそうでしたが、あえて落ちてもらいすぎないことを意識していたと思います。開幕前の雑感ブログで触れたダブルボランチのような形のほうが、と書きましたがこの試合ではそうはならず。この試合に関していうと雨というコンディションもあってか、前から来る相手に対しては丁寧につなぐというよりは相手の2列目を飛ばして、3列目とのライン間へボールを送ることや、大宮のハイラインの裏へのロングボールを選択したように思えます。個人的にはこれでOKと思いました。つなぐことが目的ではなく、ゴールに迫る・奪うことが目的なので、コンビネーションはこれからという段階ですし、より早く前線へ届けられるのなら今節はこれが好ましい形だったのかと思います。

現に、上記で挙げたaとcについては出てきた相手をいなすことができていましたし、bのように個での突破もできるなど大宮に対して、レノファこういうこともできるよ、と提示ができたと思います。

 

2)新里の出てきたところを狙え

そして今季もレノファの攻撃の軸となりそうなのが左サイド。前半戦の攻撃傾向については50%を超えていました。沼田と小林の関係性。矢島のかかわりや小林単独の突破など、去年とはまた違った形で攻撃陣を引っ張って行ってくれそうです。そしてここでキーになっていたと思うのが、小林と岡庭のマッチアップ。上述した20分の自陣で岡庭にボールを奪われた場面はあったものの、13分の矢島のワンタッチのパスで岡庭の背後をとるところや、ドリブルでの仕掛けをするところなど、概ね試合を通して小林に軍配が上がっていました。

するとそこをケアするために大宮RCB新里が自分の位置をずらしてきます。ハイラインを敷いているため、大宮のボランチの裏のスペース管理などもあるため、前に出てくる傾向もありました。例えば1分の皆川の裏抜けのところのラインのずれ、25分あたりからの五十嵐と矢島のポジションチェンジなど、レノファが新里の周りへ人を送り込もうとしていたことがうかがえます。

そして29分に生駒→ヘナンとサイドを変える中、沼田が五十嵐へインサイドへの位置取りを促し、ヘナン→沼田→五十嵐とつなぎ、五十嵐が体を入れて、いれかわるように前へ行ったところでファウル。おそらく異議でのイエローカードだったと思いますが、揺さぶりをかけていきます。

そしてゴールシーンについても相手に押し込まれたところから、皆川についた新里、小林についていた岡庭に対して、皆川のポストプレー→矢島がワンタッチで岡庭・新里の裏へスルーパス→小林がスピードを生かしてペナルティエリア侵入。反対サイドの吉岡もエリア内へ入ったところでのこぼれ球を矢島が仕留めたものでした。

後半に入ってから徐々に右サイドで形が作れてきました。左サイドで脅威を与えることで大宮が陣形をレノファの左サイドへ圧縮してきたところを、サイドチェンジで吉岡や高橋を使うといった去年からの試みの継続したものが出せるようになりました。

3)良いプレーの連続と継続

守備の場面にも多少触れておこうと思います。

レノファの基本陣形としては守備時は4-5-1、4-1-4-1のようにも見えるような形でハイラインというよりは、ミドルゾーンで大宮からボールを奪いたいという意図があったのかなと思います。

ワントップの皆川がコースを制限し、セカンドラインの5人でそれぞれのテリトリーに入ってきたボールホルダーに対してアタックをかけていきます。ボールホルダーに対してのファーストディフェンダーがはっきりして、プレスが連動する代わりに、出て行った選手のスペースもケアすることが求められます。

ちょっとまずかったシーンとしては10分のところ。大宮RCB新里へボールが渡ったところでLWG小林が新里へプレス。矢島は小林の位置も埋められるところ移動。大宮CH栗本小島にたいしては、佐藤・五十嵐が付きます。大宮が様子をうかがうようなパス交換をしたところで一気に彼らがプレスをかけて奪いかけますが、大宮LCB袴田のところへ吉岡が若干遅れ、そのまま中に絞っていた49LSH大津に通され48RSH柴山から決定機を作られてしまいました。(61分のシーンは狙い通りだったと思います)

また、オープンな展開になった最終盤については、大宮19アンジェロッティがアンカー脇を意識してボールを受けるようになったこともあり、セカンドラインが混乱したようなポジション取りになってしまいました。

上述のシーンのように自分たちの形は出せどもひっくり返されることや、形さえも取れなくなったときに、上位に来るチームはこのほころびは見逃してくれないでしょう。最終ラインが踏ん張ってくれたものの、ここは今後は要改善になってくるのかと思います。

また、一人一人のプレー精度も皆川がいうように上げていくことが必要になってきます。良いプレーを見せていた五十嵐についても、フロンターレサポーター兼任の身としてはよりレベルアップをしてほしいので、揚げ足をとるようなことをいうのですが、、、

前を向いてゴールに迫るところまではできていたと思います。ただ、ゴール前での精度については今後の伸びしろかと思います。最終盤にドリブルで仕掛けてそれを取られたところからのロングカウンターを受けてしまったところも、プレー選択としてどうだったのか。また67分のようなアンジェロッティに対して良いプレスバックを見せましたが、取り切るに至らず大宮の2次攻撃を受けてしまいました。彼の先輩の脇坂泰斗やフロンターレで求められる水準を考えるとこのようなプレー強度も上げていく必要があります。

と書いたものの、FKから相手がもたついたところを相手の背後をとり佐藤謙介からボールを引き出すところ、ボールを受けるのを怖がらず前を向く姿勢などリーグ戦初出場の選手としては、とても好印象であったのは間違いないです。

矢島も同様のプレーをしていましたが、IHがサイドに開いてSBかの縦パスをうけ、ウイングに落とす。ウイングから中央やもう一人のIHがさらに裏へ抜けるなど、サイドで3人以上の人間がワンタッチでの連携をし、裏をとっていく形も周りと連動できていたいと思います。(五十嵐くん1年間レノファをよろしくお願いします。)

 

上記のような個人の課題、連携の精度があがることや、去年から棚上げの右サイドのビルドアップをどのようにしてチームに組み込むかなど、よかったところ・改善をしていくところが洗い出せた開幕戦だったかなと思います。リアルタイムで見ていた時は交代策遅くないか?と思いましたが、見直していると何となくどこまで引っ張れるか(特に五十嵐、皆川)を名塚監督が見極めているようにも思えました。

そこで勝ち点3が取れたこと。これが最低限であるものの、まずはトップ6へ向けての立派な成果であったと思います。

 

さて、名塚監督の言っていた「新しいチャレンジ」はご本人がおっしゃったように、僕たちは見ることができませんでしたが、実況の方から「生駒選手によると押し込んでいるときの立ち位置」ということでした。どんな形なんでしょうか。その形で得点が生まれ、維新2連勝を期待したいと思います。

スタメン組の今節試合に絡めなかったメンバーの底上げなど1年間楽しみですね。

ここまで読んでいいただきありがとうございます。

(※文中敬称略)

レノファについてシーズン前雑感その2

早いものでもう2月。スーパーカップも行われ、あっという間にJリーグが開幕ですね。

さて、キャンプも終わり、徐々に情報がでて・・・こない!参った。フォーメーションとか情報が出てくるかと思ったが出てこない!

来週開幕するのにレノファを見る準備ができてない!という僕みたいな方、一緒にこのブログで開幕準備をしてみましょう。

1月の雑感ブログとあわせてお読みいただければと思います。

https://cross-reno.hatenadiary.com/entry/2023/01/14/013231

 

1)今シーズンの陣容について

2)練習風景の映像を見ての雑感

3)コーチングスタッフについて

 

1)今シーズンの陣容について

割と前の話にはなりますが、今年のキャプテンが佐藤謙介に決まり、高木、前、生駒が副キャプテンに就任しました。

キャプテン佐藤謙介についてはそうだろうなと思いました。なんでも氏への返信というのもありますが(前回ブログ参照)、ちらっと昨年の3列目事情に触れたいなと思います。

一昨年の出場機会はケガもあり22試合(先発22試合)でしたが、昨年は40試合(先発38試合)と大きく伸ばしました。出場時間についてもフィールドプレイヤーの中ではトップでした。

出場時間もさることながら、試合の存在感についても大きかったと思います。以前も挙げさせていただいたアウェイ栃木戦の2失点目直後のフィールド内のふるまい。試合中にも各選手とのコミュニケーションなどよくカメラに抜かれていました。スタジアムで観戦されていた方も、そういう姿をよく見かけていたかと思います。

前や成岡が加入したあたりでは、彼らの加入やフォーメーションの変更で佐藤謙介がやりやすくなっている、という旨が選手の声などで上がっていたこともあり、いかに彼が中心であったのかと思います。

そんな経緯もあり今季のキャプテンが佐藤謙介になったことは必然であったのかなと思います。

 

で、やはりキャプテンに就任したこともあり、今季も彼が中心となるでしょう。どのように彼を中心に据えていくでしょうか。フォーメーションについて考えてみます。

昨年の最初は4-3-3で始まりました。特徴的だった左サイドの攻撃を得る代わりに、相手のカウンターに対しての耐性が落ちてしまい失点を重ねてしまいました。また、セットされた守備についても佐藤謙介が務めていたアンカー脇を使われることが多く、うまくいかない守備対応があり、守→攻の局面でも相手に上回れてしまい、再度この局面でボールを失うなど、攻撃につなげられないことも増えていきました。ちょうどアウェイ栃木はこの時期だったと思います。

そこでとったのが、3-4-2-1。そして4-2-3-1とアンカーではなくダブルボランチにする形をとりました。被カウンター対策、ビルドアップの安定などがこの変更の理由としてあるかと思います。

ただ、この3-4-2-1の場合、4-3-3のよりもサイドで起点を作る、コンビネーションで崩す、という場面が少なかったかなと思います。WBにWGのような役割を任せるなど、大雑把な言い方になりますが、サイドに割く人員がすくなくなります。そこで最終版にとったのが、折衷案であった4-2-3-1だったのかなと思います。

では、今シーズンは4-2-3-1か?というと違うかもな~というのが今の僕の意見です。ではなにか?4-3-3ではないか?。参考にさせていただいたのが、レノファのyoutubeNHKさんの映像になります。

 

2)練習風景の映像を見ての雑感

まずはレノファのyoutubeから。

www.youtube.com

【CAMP REPORT.7】の1:50あたりのトレーニングより。

8vs8+1人フリーマン、GKのビルドアップの練習かと思います。ファイナルサードへの侵入をするまでの練習。昨年のレノファの前半戦がファイナルサードへの侵入数がJ2でトップだったこともあり、名塚監督がこれを意識していることが伺えます。

J STATS REPORT 2022      96ページレノファのキースタッツの項参照。
昨年前半戦で敷いていたフォーメーションは4-3-3であり、この練習で4-3-3の練習をしていた?と思われるので、今季も最初は4-3-3かと考えました。

まずは練習の布陣(1本目)は下記です。

1本目 攻:ビブスなし 守:白ビブス

白ビブス

五十嵐、大槻、野寄、神垣、高橋、高木、松本、国本。

ビブスなし

前、ヘナン、沼田、山瀬、池上、松橋、吉岡、皆川。GK寺門。フリーマン河野。

 

ボール保持のビブスなしチームが左サイドから組み立てて行くような練習なのかな?と感じました。感覚でいうと、RCB前、LCBヘナン、LSB沼田、アンカー山瀬、RIH池上、LIH河野、LWG松橋、RWG吉岡。のようなイメージです。

1本目のここではIH池上が落ちてボールを受けて、寺門に戻す。山瀬が大槻と野寄の間で受けて前を向く。沼田へ展開。沼田の縦パスを高橋がカットするも池上がフォローして、松橋→池上がDFラインの裏までスプリントで終わります。

※ただ最初の1秒で山瀬が落ちているようにも見えるのでダブルボランチかも。。。

 

2本目 

攻:紫ビブス  守:ビブスなし

紫ビブス

上本、生駒、石川、矢島、河野、小林、田中、梅木 フリーマン野寄、GK関

関→矢島→関→生駒→河野→田中

生駒と矢島で皆川と池上を吊る。生駒から河野に入ったところでヘナンが付きますが、河野がターンでかわし、沼田が更についたところで田中へ。追いすがる松橋は及ばず。

 

3本目

攻:紫ビブス 守:白ビブス

GK→石川→小林→石川→梅木→矢島→石川→サイドチェンジで田中を狙うも国本がカットし、神垣へパス。 で映像終了。

 

といった感じで3枚目の1人とCBで組み立てて、CFやIHが絡みつつミドルサードへ。時にはサイドチェンジを交えるといった狙いがあったように思えました。

山瀬や矢島の脇や近くにはダブルボランチの相棒のような選手が位置どっていなそうにもないので、アンカーかな~というのが1つ。

 

また、NHKの映像では

www3.nhk.or.jp

僕の中で視認できたのが
GK:チェ・ヒョンチャン

DF:ヘナン、生駒?、前、沼田、

MF:山瀬、五十嵐、野寄

FW:吉岡、高木、皆川

ではなかったかな~と。ビブスありは神垣、石川、松本、矢島、高橋、大槻、池上、松橋であと二人がわからなかったので、何とも言えないのですが、今季の布陣としてはこんな感じなんではないかな??って予想が下記の通りです。

新戦力の田中や小林のようにドリブルでアクセントがつけられる人材が加わったこともあり、より彼らの突破力を生かすことを考えると、ウイングを置くのではないか。。。吉岡もいますしね。

ただ、このアンカーを置く場合ですと、やはり昨季と同様に3枚目が1人になってしまうため、強度が心配になります。

その際はIHに多くのタスクがかかってくることになります。各選手のインタビューや記事を見る限り、名塚監督の考えとして、昨年よりボールロスト後の即時奪還を求めていらっしゃるように思えます。であれば、IHはまず前線の選手たちと連動しまずボールロストしたあとのカウンタープレスが求められます。また、その一方でそこを抜けられてしまった場合のリスク回避のための帰陣も求められます。

また、昨季終盤に佐藤謙介と成岡(田中渉)が並んだり、縦関係になることで、ビルドアップが安定した時のように、時にはアンカーの位置までIHが下りてくるなども求められるかと思います。今季は左の橋本がいないこともあり、低い位置でどこからボールを運ぶか、というのも開幕戦では注目したいなと思います。

4ー3ー3ならこんな感じかな〜。順番はレギュラーではなく、それぞれのファーストポジションです。

 

3)コーチングスタッフについて

まず関コーチ。ユニークなキャラクターをされており、youtubeの練習風景でもよく関コーチの声が聞こえてきますね。河野のシュート練習にもよく付き合わられている印象です。

現役時代はJFL時代の東京ガスや旧ベルマーレ平塚コンサドーレ札幌などでFWとしてご活躍されたようで、河野のシュート練習にお付き合いされていたのも納得です。

昨季所属されていたのはJ3讃岐。

分析:国内クラブ分析:カマタマーレ讃岐の分析:カマタマーレ讃岐の分析_2022 [Windtosh's Cantina]

こちらのサイト様より記事を拝見させていただいたところ、昨季の讃岐も「ボールを保持したい。前から奪いたい。攻撃はサイドから」と名塚監督の志向に近いサッカーをされていた模様。もともと平塚でチームメイトというのもあったかと思いますが、讃岐での仕事が関係している可能性もありそうです。

讃岐の昨季の順位は苦戦をしてしまっていましたが、そのなかでフォーメーション変更をするなどし、今まで積み上げていたものを何とか出そうとしていたようでした。そのような難しい経験は今季レノファが長いシーズンの中で厳しい時期を迎えた際、生きてくるのではないかと思います。

 

そして安部コーチ。

鹿屋体育大学の時から学生コーチを務められていたようです。

テクニカルコーチの仕事がセットプレーだけではないですが、前任の武石コーチがセットプレーをデザインしていたので、ちょっとこの部分の数字を取り上げたいと思います。

昨季の琉球は残念ながら降格となってしまい、その中で得点は41点に対して9点。(※レノファは51に対して19。)ただ、躍進をしていた一昨季は57点中17点とまずまずの数字。その前の年は58点中13点。ちょっと少ないですかね。ただ、キッカーに左右される数字でもありますし、レノファの貴重な得点源としてセットプレーがあるので、さて、どうなるでしょう。

また琉球のプレースタイルにもよるところがありますが、過去3シーズン琉球の得点で最も多いのがクロスからのゴール。また30m未満のパスからのゴールについてもレノファよりも良い数字が残ってます。(セットプレーの割合がレノファは多いから当然ではありますが) 

レノファが最も躍進した2018年の数字ではセットプレーよりもこのクロスと30m未満のパスからのゴールが多かったです。今のセットプレーからのゴールに加えて、「どこがこのチームのねらい目であるのか」「ニアゾーンをとるにあたってどこからの侵入が良さそうなのか」など、クロスなどからのゴールする分析も期待もされているのではないでしょうか。参照元https://www.football-lab.jp/r-ya/?year=2022

 

といった感じで見てきましたが、皆さんの開幕の並びの予想はいかがでしょうか。おそらく合宿中に佐藤謙介の全体練習の合流はなかったのではないかなと思いますが、さて開幕に間に合うのか。

石原GMのおっしゃっていた「29人登録にしてスリムにした」とのことでしたが、昨年はコロナの影響もあり、リーグ戦は32人登録で29人が出場。21年度も32人登録で31人が出場、20年も30人中29人と結構しっかり総力戦をしています。昨季はCFの離脱期間が重なりCF高木という時期が割と続きました。「だぶついた」とのことでしたが果たしてそうだったのか?後ろの人員が少ない気がするなど、正直僕はもう一人くらいは。。。と思っています。

ただ、予算があっての話ですし、GMがおっしゃるように引っ張ってきた選手たちは過去最高に近いと思います。下馬評低くても関係ありません。開幕前までは全チーム横並びです。やってくれることに期待しましょう。

目標はトップ6。ファン・サポーターも一緒にこの数字も目標にしましょう。いい試合だったし仕方ない、ではなく「どうやったらトップ6にいけるのか」を前提に応援・記事を書くことをしていきたいなと思います。

では、皆さん18日勝ちましょう。維新は勝つ場所。

 

ここまで読んでいいただきありがとうございます。

※文中敬称略