九州でこんなに雪降るんだ!
INSIDEの成岡の談話を聞く限り、アップの時にはそこまでひどくなかった雪が一度ロッカーに引き上げたところから、大きく悪化してしまったようで、その環境への再順応などピッチ上では色々考えることが増えていたようです。選手・コーチ陣の皆様お疲れ様でした。また、沼田が雪の影響があったかどうかは定かではないですが、けが人が出てい待ったことは敗戦以上に残念でした。
ただ、だからと言って負けていいわけではない。
「最短でのJ2復帰」と、その先につながる「成長性のあるJ2復帰」を実現する
このスローガン本当に実現するのか?このあたり首を傾げてしまいたくなる内容であったように思えました。エクスキューズはあれどそれは熊本も同じ。熊本もJ3に降格した同士、監督も交代した、その中でチームの差が見えてしまったなと思います。
では、その差は何なのか?それはチームの狙いの定まりや、それの遂行の精度であったように思えます。
1)4局面を考える
2)相手陣でボールを取りたいのか?自陣でボールを保持したいのか?
a)捕まえられないシャドー
b)可変させてどうボール運びたいのか?ゴールに迫るのか?

【得点者】
熊本 山口
56分 べ・ジョンミン 89分 小林
74分 三島
1)4局面を考える
まずは今年の4局面(攻、攻⇒守、守、守⇒攻)を抑えてみます。まだ1試合だけなので今後も変更はあるでしょうけど、とりあえず。
a)攻撃の局面
ファーストサードではまずボール保持を考える。ある程度詰まった状態であったり、GKが蹴らざるを得ないようなところでもつなぐことを意識。ターゲットは落ちてくるシャドーがメイン。また、3バックが基本フォーメーションだが、ボランチが一枚(この試合では成岡)落ちて、4バックのような形を作り、4‐3‐3のような形を作ることもある。
この時はWBはWGのようなところにいるが、ここを使うような選択はあまりしない。前述したようにシャドーが落ちてくるところにあてることや、RWBがRSBのようなところに落ちて、RCBがポジション変更をしてシャドーの裏へ抜ける(この試合でいうと大岩の動き)
ミドルサードに入ったくらいになるとロングキックで裏を狙うことも出てくる。このあたりでようやくCFへのロングボールの選択肢が出てくる。
b)ネガティブトランジション(攻⇒守)
ピッチのどこでも基本は即時奪回。ただ、ボールへ行く意識は高いが、トランジション時ボールの近くにいない選手が危険な場所を締めるところであったり、戻るときの速さなどは今後の課題。去年(というか一昨年)よりも強度は低く感じた。
ミドルサードでボールを失うことが割と多く、その場合はシャドーにあてるボールをかっさらわれることやシャドーにボールが合わない等が比較的に多かった。そのため割と相手に前を向かれた状態でボールを奪われ運ばれてしまうので、ボールをすぐに奪えるシーンは少なかったし、奪っているのは自陣が多く、有効的な敵陣での再奪還は少ない。
c)守備局面
5‐4‐1のように並び、人を捕まえる意識よりもまずはブロックを形成するなど並びを意識。
並びを意識してなのか、相手にポジションを崩された際、マークの受け渡しには苦労していた(後述)。相手陣に押し込んだところではある程度人を意識するように時間を経るごとに変わっていたように思う。ただ、捕まえようとしたところで背後を突かれて、2失点目にもつながるのだが。
d)ポジティブトランジション
自陣でのポジティブトランジションは基本大きく背後へ送るボールは蹴らず、つなぐことが多い。敵陣でもすぐにCFなどゴールに迫るよりは人数を掛けられるようにボールを落ち着かせるシーンのほうが多かったように思う。この試合ではその時間をかけてしまうことで、レノファの選手があがる前に熊本選手がもどる方が多かったように感じた。
2)相手陣でボールをとりたいのか?ボールを持ちたいのか?
a)捕まえられないシャドー
今節の対戦相手のロアッソ熊本。近年躍進を支えた大木前監督が退任し、片野坂監督が今年から率います。
熊本のサッカーをずっと見ていないので詳細は分かりませんが、人の配置をずらして相手もずらして、コンビネーションで崩すというところは同じと思いますが、個人的に多少違いを感じたのは下記の2点
・ボールの保持時の人の関わりや同サイドにかける人数は減った?
・そして背後を取る意識は強くなっている
このあたりかと思います。
片野坂さんと言えば、自陣でボールを保持してある程度相手を自陣に引き込んだところから疑似カウンターのように、自陣から一気に相手の背後を突くなど大分で特色を出していました。熊本もレノファがプレスに出てきたところで一気に背後をつくところ、そのままスピードをもってゴールを陥れるところなどは片野坂さんの色であったように思いました。
では、なぜこの試合レノファは背後を取られ続けてしまったのか。
熊本がまず仕掛けていたのはWBを大外に張らせて、シャドーの選手をレノファのボランチの脇に落としたところから始まっていたように思います。
この落ちたボランチの選手を誰が捕まえるのか?この対応で何度かレノファはやり方を変えており、試行錯誤というか四苦八苦していたのが伺えました。
いくつかその場面は振り返ると
・17分、20分とそれぞれ熊本RSH13飯星、LSH7藤井が落ちて、それぞれ輪笠、大岩がマークにつくがその裏を熊本のWBに使われる。
・21分はRSH13飯星が落ちたところに今度はLWB田邉が捕まえに行き、LCB輪笠はRWB大本を捕まえる。ボールは出なかったが、輪笠が大外へマークに行っているので、熊本7藤井はRSHの位置へ移動しており、レノファが空けたところを意識している。
・28分は13飯星に対して輪笠が出ていく。流れてくる7藤井は喜岡が捕まえ、CF11べジョンミンはRCB3大岩がマークに。ここは喜岡と成岡でボールを回収するが、ここからポジティブトランジションのアイディアが少なく、19山本のところで奪い返される。

といった具合に、プレスをかけてもレノファのボランチ脇や背後に熊本の選手が入り込みズレを作られたところで、誰がマークするのか、スライドをどうするのかを突きつけられ、中途半端にマークに出ていって背後をとられることが続いてしまいました。5‐2‐3、多少5‐1‐1‐3のような形でプレスをかけに行っているため、ボランチ脇が空く傾向にありました。そのため熊本はこのボランチ脇をよく使っていました。
ここでシャドーの選手をフリーにさせればそこから持ち運ばれますし、中途半端に間に合わないタイミングでつぶしに出ていけば背後を突かれるなど難しい対応が続きました。
そして押し込まれる時間が長くなり、ボールをクリアしても熊本ボール。前線でボールを収めることもできず、レノファ陣内からボールを相手陣へゲインする術も少なく、前半は特に厳しい時間を過ごすことになってしまいました。
失点シーンを振り返っても結果的に相手を捕まえに行こうとしてボールを取りに行ったところで背後を使われていました。
1失点目はやはり相手のRSH13飯星を輪笠が捕まえにいったところで、左サイドの後ろが田邉とRWB41大本の1対1になっており、田邉の頭を越されるようなボールを出されてしまい、ほぼここで勝負あり。田邉の対応が悪かったといってしまえば簡単ではありますが、やはり試合を通して背後をずっと取られてしまっていた以上、組織としてしっかりこのケアはしないといけなかったように思います。
2失点目は喜岡が交代で入っていたCF半代を捕まえようと前に出たところを、ワンタッチでその背後を突かれ、上述したシーンと似ていますが、反対サイドのシャドーの選手が喜岡の背後をとってボールを収めることに成功。トランジションの悪さもあり、フリーでエリア内でクロスをあわされてしまいました。
どちらのシーンもプレスが遅れたり、連動性がなく、裏へ蹴った選手へのプレッシャーはなく、相手に自由に蹴らせてしまっていました。前半からやられたい放題やられていた熊本の形に対して、とりあえずプレスはかけるもののそこを抑えることはなかなかできず、パスのレシーバーの選手をしっかり捕まえることで応急処置をしていました。
ただ、そこにボールが出てくればこれは「しっかり対応した」となりますが、背後を取られてしまえば「相手に動かされた」だけであり、しっかり締めないといけない場所(ゴールに直結してしまう場所)を放棄している状態ですので、失点をしてしまうのも当然の成り行きとなってしまいます。
2失点目についてはビハインド状態ということもあったと思いますが、レノファのクリアボールを熊本が抑えたところで、古川がプレスを開始。ただ、それに対して後ろの選手が間に合っておらず、おそらく末永、輪笠、喜岡はそのプレスにあわせて慌てて相手を捕まえに行くような形となり、その背後を見事に取られたように見えました。
このあたりのプレスのスイッチを誰が入れるのか?ボールを取るのはパスを出された先なのか、パスの出し手をつぶすのか。そもそもプレスを開始するのがこのタイミングでよかったのか?始まったばかりのチームの課題のように感じました。
b)可変させてどうボール運びたいのか?ゴールに迫るのか?
そして攻撃の局面ですが、前半目立っていた形としては成岡が一列ポジションを落として3バックから4バックのような形へ可変させていたものがありました。
試合開始早々にLCB沼田が負傷退場。この2年ほどポゼッションを主としたサッカーをしていた沼津からの加入、また左利きということもあり、LCBからの配球を期待されての抜擢だったように思います。そんな選手が早々に負傷交代になってしまい、メインとなるプランが崩れてしまったように思います。
・この成岡を落とす形がメインで使おうとしていたものなのか?
・流れの中から多少オプション的に用意していたものをメインとして使わざるを得なかったのか?
この辺りは分かりかねるところがあります。ただ、この形が好ましかったのか?このあたりは考えないといけないかと思います。
去年も言ってきたことですが、繋ぐビルドアップについてそれは悪いという考えは僕はもっていないです。ロングボールと使い分ければよい。それは手段であって目的は【得点を取る】ことです。
まず沼田がいた時間帯。前半5分のところでは沼田がボールを持ち運んでいたところでLWB田邉が大外に張って、熊本のRWB大本が出てきたいところで、LSH山本がその裏を取って沼田がそこへパスを出してファイナルサードへ進入していきました。よくあるWBをおびき出してその裏をつかうという形でした。ただ、前半この形が出せたのはこの1回だけだったように思います。
負傷交代後輪笠がLCBを務めていましたが、聞き足が違うためどうしてもライン際からのパスの精度は落ちますし、左サイドで右足でボールを扱うと中央に寄ってしまうため、なかなかWBへの選択がなくなり、WB同士の駆け引きというのもあまり多くなかったかなと思います。
おそらく下堂を入れて輪笠をボランチのままで起用するよりも、ボールの保持率を上げるためには輪笠を一列落として、中盤に三沢を使うというほうが良いと判断したのかと思います。沼田ももともとボランチの選手だったようなので、輪笠にも同様の動きを求めたがそこまでスリーバックを形成してのビルドアップを試みることが出来なかった。
そこでレノファのビルドアップが上記の成岡を落として4バックのような形になったのかなと思いますが、これは輪笠や三沢が生きていたかと言えばそれはそれでなかなか難しかったように思えます。
成岡が落ちて4‐3‐3のような形になってましたが、基本パスが出るのは4‐3‐3の真ん中の「3」特にシャドーの山本と中島がターゲットになりますが、そこは熊本も厚めに人間を割いているところであるため、ここからボールがつながり前線にいくことはなかなかできませんでした。できた形として33分にRCB大岩が裏抜けをした場面は、4バック化させるところで、RWB小澤が落ちることで、大岩が中島や山本よりも前に上がることでずれを生みました。とても惜しい形ではありましたが、多少これは奇襲的に使うことで効果を発揮したかと思います。38分にも同じように小澤がおちて、大岩を上げるようなジェスチャーをしていましたが、この場面では喜岡のボールは自陣で熊本にカットされてしまいました。
その他の場面でもパスが各駅停車のような状態でパスを受ける選手は常に相手を背負っているような状況であり、輪笠や三沢が満足に前を向いてボールを受けられるような状態でもなく、折角の起用もビルドアップよりも相手のゴールキックのこぼれ球からの攻撃のほうが生きているような印象を受けました。
ボールの保持率を高めるのはいいですが、特に前半は選手間の距離は離れており、選手がボールを出すのに苦労しているかと思えば、近すぎて狙いどころを抑えられてしまっていたりと、ショートカウンターを食らうことを繰り返してしまいました。
なぜ三沢を中盤に入れる交代策にしたのか、可変にして誰を浮かしてどのようにボールを持ち運ぶのか、古川、田邉、小澤がずっと消えていたがどのようなビルドアップの関りを設計していたのか?彼らが相手の背後はどのようにつくのか?そしてどのようにゴールに迫ろうとしていたのか?この辺りがかなり見えない前半であったように感じました。
後半に入りさすがにやり方も変更。立ち上がりからLWB田邉にボールをわたし、ここを起点にするようなところも見えました。49分はこの左サイドから右サイドへサイドチェンジを行い、大岩から小澤へ敵陣深くへ入り込むパスが出ました。
その後もWBに奥山、末永と攻撃的なパーソナリティを持つ選手を投入し、この2人の突破を使うようなシーンも増えたことでチャンスも増えていきました。もちろんこれは2失点を喫していることも関係してきますので、イーブンの状態ではどのような振る舞いができたかは不明です。
ただ、シンプルに大岩から奥山にボールが出たところから得点が生まれたことは皮肉というか、やはりボールを持つだけではなく使い分けだよな、と思います。
-熊本のボール保持に対して奪いきれないところもあったと思うが、そこに関してはどう思っているか?
そこが一番のストロングなので、そこのやり合いだとは思っていました。自分たちが嵌め込むのは難しいチームだと思っていましたので、そこを耐えることと、自分たちが握ること。そこの主導権争いは大事になると思っていました。(レノファ山口公式より)
とあるように、おそらく今年のチームはボールの保持を武器にしていくのだと思います。攻撃の時間をのばすことで守備の時間を減らすというのがあるのかと思います。ただ、主導権を握れなかったらこの試合のように防戦一方になってしまうでしょうし、そこまでプレスが強いわけではない熊本に対して満足にビルドアップができなかったことは、今後プレスを得意とするチームに通用するのか?プレスに来られた時に割り切ってボールを前線に出して質的優位を出せる選手をどのように見ているのか?
そもそも、主導権を握る、これだけで通じる時代はもう何年も前に終わっており、ハイプレスなどは標準装備でそこからどのような色を出していくのか?というのが現代のサッカーの流れのように思います。熊本戦のピッチ上の現象や試合後コメントだけを見ると大丈夫なのか?成長性のあるJ2昇格というのはどの部分で成長性を見せてくれるのか?正直昨シーズンまでの2年がなかったかのようになっているのは気になるところではあります。そこの継承がなく、成長性のあるという言い方はできるのか?フルモデルチェンジなの?
100年構想リーグは試せる場。この試合をどのように昇華していくのか。チームの皆さんにはホームで躍動する姿を期待したいと思います。
以上ここまで読んでいただきありがとうございました。
(文中敬称略)
後書き
上記のように振り返ってきましたが、まずやり方は大きく今後は変わることはないと思いますが、フォーメーションはどうなのか?というのがあります。
今年は基本3バックの方が合いそうな選手でスカッドを組んでいるように思いますが、4‐4‐2や違うものもあるのか?小田切さんは4‐4‐2をつかっていた監督ではないのか?
多少失礼な言い方になりますが、スタメンの並びやベンチのメンバーを見る限り、コンディション不良の選手がいて、今いるなかでコンディション良いのはこの選手達。そしてその選手たちでスタメンを組んだら、こうなるといった印象がありました。戦術的なものよりもコンディション的なものがまずあったような。
怪我人や病人?が戻ってきたときにどのような並びがベストメンバーなのか。それは楽しみにしたいなと。あと、頼むから田邉君の無駄遣いをしてほしくない。明らかに熊本戦は何を期待されてあそこに配置されていたのか不明なほど、ボールを触ることも少ないし、失点の責任だけ追わされてないか?と思うようなものがありました。推しの選手だけに、頼むから活躍できる場所で使ってほしい。こんな不満も持ちながら90分が過ぎたので次節こそ活躍を。。。ではまた。