レノファを青黒の眼で東京から見るblog

レノファ山口を応援・分析します。

2025シーズンスタート!総力⇒全力⇒…

1月11日(土)に【2025レノファ山口FC新体制発表記者会見】が行われました。渡部社長、葛西強化部長から出されたメッセージは<昨年の継続・昇華>であったように思います。

振り返ると2024年の新体制発表会にて、競技面はチームを再構築すること、事業面は2026年のクラブ創立20周年に向けての事業拡大など、3年の中期計画が発表されました。その2年目として2025シーズンはクラブ創立20周年へと向けてどのような舵とりをしていくのか。それが『継続・昇華』であったのかなと思います。個人的には醸成や拡大といった言葉がこの中期計画にはあるのかなと感じていますので、お時間ある方は最後までお読みいただけると幸いです。

 

競技面は終盤戦での失速もあり勝ち点こそ目標に届かなかったものの、失点は目標をクリア。事業面も売上13億円の目標にはとどかずも、観客動員数では1万人プロジェクトを2回成功させました。競技面がかかわることですが、1万人プロジェクトを行った試合の戦績は3勝1敗と、多く観客が訪れた試合で成果を出すこともできました。

1万人を超える試合では勝ったことがなかったというジンクスを大分戦で破ったり、1万人プロジェクトではない試合でしたが、7000人を超える観客の中で清水エスパルスを破るなど競技・事業が一体となって成功させた試合も作ることができました。

 

まず競技面について触れると、昨年の新体制発表会では渡部社長から「チームを再構築する」ということが出され、それまでの「レノファのサッカーといえば」というスタイルからの脱却を目指しました。

・能動的なアクション

・組織的な守備

・素早い攻撃。

はシーズン開幕直後からレノファの新しいチームカラーとしてクラブ内外に知れ渡ったと思います。そして、今期はこれを継続していくことを葛西部長から発表されました。

 

着実に一歩一歩すすんでいくというプロセスは大事と思っている。クラブとして目の前の試合を1試合1試合確実にたたかっていくスタンスを変えずにやっていきたい。   やはりJ1を目指すにあたってピッチレベルのこと、クラブ規模など一歩一歩スタッフ・選手や周りの環境も成長していかなければ、突発的な飛躍・活躍は後で重荷になってしまうこともある。ひとつひとつ力をつけていくというクラブの目標・意思の表れというのは大事であると感じている。

ただ、ピッチレベルで戦っている選手・スタッフは上しか見すえてないと感じてますし、あくまでも数字の部分というのはクラブから課された最低限の目標と思っている。 しっかりとそこを早めに達成して、上のほうに、上の高みを目指していきたい。

と志垣監督もNHKの方からの質問の回答で上記のように仰っており、フロントとチームも同じような画が描けているように思いました。

さて、仮ではありますが布陣としてはこのような31名がそろいました。

 

何か新加入選手の追加の情報でもあるか?!と思いましたが、この31名でまずシーズンに入る模様。やはりボランチの人数が少ないイメージはありますが、youtubeなどを見る限り、野寄、末永がインサイドでプレーしていたり、事前情報で峰田が大学でボランチ(アンカー)として出場していたというのもありました。この辺りはシーズンが始まって色々わかってくることなのかなと思います。

 

ただ、このメンバーで確かなことがいくつか。

前年の出場時間×年齢(2025年4月1日時点)

平均年齢が25.8歳と昨年より約1.2歳若返り、平均身長についても178.3cmと約2.6cmほど伸びています。

葛西部長からも昨年はJ2の中で最も身長が低かったチームという報告もあり、なるほど新加入の選手の平均が178.9cmとクラブとして意図していたことが分かります。

セットプレーからの失点を一昨年に比べて減らせなかったことは身長のせいだけではないですが、ショートカウンターやクロスなどからの失点は大きく改善できたなか、セットプレーだけが浮いて見えてしまっていました。今期の目標である失点40点以内を達成するためにはこのセットプレーからの失点の改善は急務であったように思えます。

また、この場では言及されていませんでしたが、得点・失点のところにPKの数字を入れればこの数字はより悪化します。葛西部長が挙げられていたのはあくまでFKやCKからの失点であり、昨シーズンのPKについては0得点6失点で、【セットプレー】全体で見れば明らかにここは改善をしなければならないところであると思います。

 

そして同様にチームの改善として挙げられていたのが【先制数】でした。前半戦は19試合中13試合と先制することででき、先行逃げ切りの形が作れていましたが、後半戦は19試合中6試合と激減。思い返せば6連敗中はすべての試合で先制点をとれませんでした。

この先制をすると約7割の勝率があることはやはり見逃せず、決してチーム人件費が多くない分、上位チームに比べて選手やチーム戦術に多様性をもたらすことが多くはできないレノファとしては、自分たちの武器をより研ぎ澄まし、相手の先手をとることができるかが生命線になってくると思われます。

 

その武器(セットプレー、ショートカウンター、クロス)の中で質の向上を図ることを挙げられていたのがショートカウンターでした。

相手陣でハイプレス・ミドルプレスをかけることで、ボールを奪いカウンターを仕掛ける回数はJ2リーグで3位の数字であったとのこと。しかしながら、それをシュートまでもっていくことは15位、得点はさらに下がり17位ということでした。

FOOTBALLLABさんからの引用ですが、やはり30mライン進入回数とPA進入回数がリーグ平均より下回っています。それにもかかわらず攻撃回数は4位と多くなっており、この攻撃回数は速攻と遅攻の合計数ではありますが、いかに「攻めきれていない」かを表しているかと思います。

Youtubeでは秒数制限を設けて3vs2のような状況でゴールへ迫る練習が行われていましたが、昨年もやっていたような覚えもありますが、今期はより一層この攻撃をやり終えるということを重点的に改善をしていくことになるのかと思います。

ドリブルで仕掛けられる選手、ドリブルで持ち運べる選手、など昨年よりも選手の個性を多少変えてきたのも、【チーム】だけでなく【個】でも解決しようと考えたのではないかと思います。

 

ただ、このショートカウンターの質を求めるのは当然ですが、回数自体を下げてしまえば、成功率が高くとも得点は伸びません。ショートカウンターの回数を維持・もしくは伸長をさせるためには、昨年同様開幕節から質の高さを出していくことが求められます。

昨年のチーム内でこぼれ球回収率の高かった新保や前、プレスでの貢献が高かった河野(長期離脱)、相田、吉岡らが移籍や離脱をしました。また、プレスをされた後の相手のロングキックに対する迎撃をする最終ラインも顔ぶれが変わることが予想されます。

特に河野や相田のような相手へのプレスのスイッチを入れる選手が誰になるのか、ボランチはこの陣容で足りるのか?運動量は担保できているのか?シーズンが始まってから色々とチェックしたい項目があるのかなと思います。

 

 

話を変えて事業面についてです。

この事業面については先に書いた通り売上目標は達成できずも、平均入場者数が大きく伸びました。J2での伸長率はリーグナンバー1だったとのことでした。

コロナ前に比べて観客動員数で低空飛行が続いてしまっておりましたが、競技面での躍進や1万人プロジェクトなどの施策も成功し、ようやく入場者数がコロナ前に戻ってきたように思います。おそらく手応えがあったのか、今期の入場料収入の予算を大きく伸ばされています。

今期の目標である約2.3億円というのは2023年度ベースでいうと岡山の2.48億円が近い数字になります。この年の岡山の平均入場者数は8,495人。これを目標としているわけです。

では7000人目標でこの数値は達成するのか?

おそらく席種の変更やフレックスプライシング、値上げの面があるものかなと思います。それでもある程度観客の来場が見込めなければ、ここの数値目標は出せないと思いますので、昨年の新規来場⇒複数来場などがあったことが予想されます。

また、2019年シーズンにレノファの入場料収入がほぼ同様の数字(2.16億円)であり、その際の平均入場者数が5,728人。招待チケットなどは使いつつ、しっかりお客さんをつかめていけば達成できる数字のように思えます。

 

 

Jリーグクラブ経営ガイド2024年 P51より

 

上記はチーム人件費と順位の相関関係を表したものになります。

J3は割とばらつきはあるものの、J1,J2はかなりチーム人件費の数字と順位はこれに沿って行く傾向になります。もちろん、「ここが昇格?!」「ここが降格?!」という場合はありますが、やはりある程度それは例外となっており、概ねはこれに沿っていることになります。

昨年昇格を成し遂げたファジアーノ岡山は事業規模、トップチーム人件費は2023年度決算ではJ2平均より若干下でありました。(売上高19.37億、トップチーム人件費7.15億)。2024年度はどうであったかはわかりませんが、少なくてもそのあたりまではクラブの規模を大きくしなければJ1昇格にはなかなか手が届かないと個人的には感じています。(※今のレノファのチームを否定するという意味ではないです。)

レノファは昨年発表された3ヵ年計画の来年度に売上高18億円、トップチーム人件費は(多少低く出されてしまったと小山会長が仰っていましたが)それに準ずるところを目安とすることでしょう。おそらく7億前後。

ただ、これでもようやくスタートラインと思います。岡山もある程度この数年は赤字を覚悟で昨年度から編成組を計画していたと今年の新体制発表会で岡山の森井社長がおっしゃっていました。やはりクラブの事業規模の分析のところに出されていた上のグループにいったところからがJ1への本当の勝負になってくるのかなと感じています。

他のJ2チームの売上高やトップチーム人件費自体も年々上がってきておりますし、上記の数字でも下位グループの可能性もあり得るかもしれません。改めてJ2は難しいリーグだなと感じます。

 

新体制発表会や先日の小山会長のスペースを通じて、

小山会長、渡部社長、志垣監督いずれの方もまず【目標を達成すること】。未来の話よりもまず今年の目標を、と3者3様に仰っており、未来を見据えつつ足元をしっかり固めていくという印象を受けました。

僕はだいたいネガティブに物事を考える人間なので、昇格やプレーオフ圏内という言葉よりもまだ『残留』という方にフォーカスしがちです。それはやはり前述したクラブの売上やトップチーム人件費がまだJ2で下から数えたほうが早いというのがあります。

今年J3から昇格してくる3クラブの内、大宮と今治は2023年度決算ではレノファよりも事業規模が大きいクラブです。今年のJ2は半数以上がJ1経験チームになります。もちろんこれらのチームはレノファよりもトップチーム人件費にもお金がかかっているチームであり、去年以上に各クラブの力差がないリーグになるかもしれません。

大半のクラブの監督が留任し、おそらく継続や熟成路線を取ってくることでしょう。より質を上げたクラブがスタートダッシュを決めてくるのかなと思います。

 

未来が暗そうなことを並べてしまいましたが、では実際今年のレノファは厳しいのか?

僕は厳しい時間あるだろうけども、目標に向かってまた良い航海をしてくれるのではないかと思っています。

競技面についてはまず守備から入るチームは大崩れしない。というのがあります。昨シーズン同様にしっかり失点をしないことにフォーカスできていればそこまで難しいことが続いてはいかないのかなと思います。

また、事業面についてはまだ見えないところはありますが、この事業面については僕らでもできることはあると思います。スタジアムに足を運ぶことであったり、グッズを買うこと、ファンクラブに入ること。これでクラブにはお金は落ちますし、それは強化費や様々なところに現れます。

また、スタジアムへの観客数が増えればその盛り上がりの熱はきっと選手たちにも届くでしょう。いつも来る人たちの分母が増えれば、初めてスタジアムに来たという方にも「また来たい!」という感情も与えることになるかもしれません。そうすればまたスタジアムの熱はより大きなものになるでしょう。(そんな熱を感じたスポンサー様が出てくれ………)

 

先日ご縁があり大相撲を見に行く機会がありました。

やはり千秋楽ということもあり満員御礼の中での雰囲気で、舞台や環境に発奮した力士の取り組みを数多く見ることができました。また、視線を観客席に移せば彼らを『推す文化』というものもありました。え、めっちゃ応援タオルや内輪があるじゃない。番付が進めば関取の名を呼ぶ人たちも増えていきます。

焼き鳥食べながら酒飲んで。未来ある力士に期待を投げ、応援している関取の一番に一喜一憂。あ~競技(相撲は神事ですが)が違えど、構図はあまりかわらないなと思いました。

この3ヵ年計画、よりサッカーという文化を山口に根付かせるという時間にもなると思います。隣の岡山ではJ1にあがることで、シーズンパスが売り切れ、ユニフォームも追加生産となっているようです。開幕節のチケットもそうそうに大相撲のように完売御礼だとか。本当に今はサッカー熱にあふれているようです。

それだけサッカーは地域を盛り上がることができる力がある。そういう熱、文化を山口にもたらすための助走期間がこの3カ年計画にもなっているのかなと思っています。

J1経験のあるチームに負けない県となる。負けないスタジアムになる。今僕たちはそんな3年間を志垣レノファと歩んでいるのではないでしょうか。

さあ、2025シーズンが始まります。まだまだ熱が上がってない人もそろそろ準備してください。推しの名前を叫び、チャントをうたって、1ゴールに一喜一憂する日々がはじまります。

すでに熱が上がってきている人は下記のような企画があります。Xで投稿したら、ホーム開幕戦に掲示されるようですし、是非この流れに乗ってみませんか?

 

 

https://x.com/nomuranorikazu/status/1885913039842709687

 

また、昨年同様にXのスペース「なんクロ」を今期も敵開催予定です。皆さんの声を是非教えてください。こちらのスペースで色々情報交換しましょう!

スレッドの2枚目にGoogleフォームを使ったアンケートもありますので、ご投稿していただけると嬉しいです!

https://x.com/cross_reno/status/1884612029350396190

 

 

あと、アウェイ甲府の開幕戦でもランチ会も予定しているので、お時間ある方は是非!

応援バットもお配りする予定なので、欲しい方はおっしゃってください。

https://x.com/cross_reno/status/1881176960946274732

 

2025シーズン楽しんでいきましょう!!

 

ここまで読んでいただきありがとうございます。

(※文中敬称略)