レノファを青黒の眼で東京から見るblog

レノファ山口を応援・分析します。

得点がないと勝ち点3には届かない。レノファ山口vsモンテディオ山形@維新 2022年8月6日

悔しい。

フォーメーションを変え、新しい選手がでて、「変わろう」「上へ行こう」というところで欲しかった勝ち点3。無理な注文ではなく勝利は実現できるところまで来ていたと思いますが、勝ち点1も叶わず敗戦となってしまいました。

声出し応援など後押しもあった中、掴み取ってほしかった勝利。。。今節は下記について考えていきたいと思います。

 

1)落ち着いて試合はできていた。

2)差が出てしまったか、山形と山口の交代策。

3)やっぱり頑張れ高橋くん。

 

 

 

得点

山口       山形

なし       90分 デラトーレ

 

1)

この日のレノファも3-4-2-1のフォーメーション、対する山形は前回対戦同様に4-2-3-1、4-4-2のようなフォーメーションを組んでいました。山田康の位置でどちらの言い方になるかな?という具合。レノファのボール保持時はどちらかと言うとディサロがワントップ、山田はアンカー番をするように見えました。

ディサロ一人でCBへ来るため、前節仙台戦の前半のようにRSB高橋は相手のファーストラインよりもあがり、後ろはGK寺門、CB渡部・ヘナンの3人で回していました。(10:15のような形)

山田が時折ツートップのような形になったりすることもありましたが(14:20など)、ファーストプレスが定まっていないため、特に山形のRSH国分がヘナンに付いたほうがいいのか桑原に付いたほうがよいのか中途半端になり、桑原がビルドアップの出口となるシーンが続きました。寺門も2試合目とはいえ積極的に相手の頭を越すパスに挑戦していました。この桑原に対してもRSBの半田がジャンプしてつくのか、ボランチの藤田がつくのかも整理ができていない様子でした。とくにボランチはファーストラインから距離ができてしまっており、田中謙にも付きに行くことがなかなかできていませんでした。

そんな山形が2枚で前に並べても後ろが連動することが少なかった前半、解説の中島さんが仰ってましたが、25分のシーンのようにCBが抑えられてても佐藤謙介に寺門から差し込むことができていれば、より展開に幅が持てていたと思います。彼の伸びしろですね。

 

話を多少前線に移すと、先に挙げたように山形のボランチがあまりファーストラインに上がれなかった理由とはどんなことが挙げられるか?要因の一つとして田中渉と佐藤謙が縦関係になり田中渉が高井と並ぶようにインサイドに位置することで、山形のダブルボランチを牽制。そこで山形の南、藤田の両ボランチはポジションを留められてしまったため、ファーストラインとの距離を詰めることができなかった。そのためレノファは相手のファーストラインを超えることができれば、ミドルサードファイナルサードにボールを運ぶことができていた考えられます。※いつもの通りこのシーンがあまりテレビに映っていないため想像です。

もう一つが兒玉がよりインサイドに入ってくるときが多かったか。高橋に幅とり役、左サイドの桑原のようなポジション取りをさせ、兒玉はインサイドへ。そこで田中渉、高井とボランチエリアに侵入をすることで数的優位を作り前へなかなか出させなかったかもしれません。※同上

また仙台戦でも見られていましたが、ボール保持時のロングボールに対して梅木と沼田がツートップのように並び、競り合ったあとのフォローが構えられており、ロングボールでの前進についても改善が見られていました。前半については決定機は多く作ることはできていないものの、相手を見てボールを動かして前進することはできていたました。

 

ボール非保持時についても時折右サイドに侵入されることはあれど、中のマーカーを外すことはせず、守れていたと思います。そのため60分まで山形のゴール期待値は0.4点以下となっていました。(※引用 sporteria様)

https://sporteria.jp/data/2022080613/290944

前からのプレスも山形のダブルボランチに対してボールをあまり入れないようにし、外回りを促し、縦にボールが入ってもWBとサイドのCBで山形のSH、SBを捕まえており、抜け出されても渡部がそこのフォローに入るなど中で勝負させず外へ追いやることに成功していました。

また時折前線でボールを奪うことにも成功しており、特に上述したロングボールのフォローのように、沼田と梅木がそれぞれ近い位置でプレーすることで、引っ掛けたボールの回収をできるシーンがありました。

 

2)

ただ、流れが多少変わってしまったのが山形の3枚替えとLWB桑原と高木の交代だったように思います。

山形はこの交代でボール非保持時には2枚でレノファのCBにつくことで前半のようなどっちつかずというよりはある程度整理をしてきたように見えました。また山形のSHチアゴ・アウベスと樺山がレノファSBへの道を切るような位置取りをしていたことや、レノファのCBとSBの距離感があきすぎており、ショートやミドルパスではなくロングパスだろうなという予測が立てられるようなシーンも見られてきていました。反対に山形はレノファのボランチLWBの間に替わって入った樺山が侵入しボールを引き出せるようになり、レノファは前から奪うこともできなくなっていき、徐々にお互いがボールは運べど試合は動かないという硬直状態に陥ってしまいました。

この時間高橋がある程度後ろを3枚にしてボールを動かそうとポジションを下げていましたが、残念ながらここを使ってのビルドアップではなく、高橋をあげてCBとGKで山形のファーストラインを突破することを試みていたようで、高橋は位置を上げることを指示されていました。ただ、この山形が前線を変えた60分あたりからレノファは後ろから丁寧につなぐことをしなくなっていったように思えました。ある程度ロングボールでもゲインをすることが時折できていたからなのか、仙台戦の後半のようにサイドのCBを余らせてそこから持ち運ぶことを自ら放棄していたように思えました。

また桑原が高木になった際に気になったのは高木の良さが出せていない起用であること。霜田さん時代よりこの位置でプレーをすることがあったための起用であると思いますが、効果的な位置取りができていないためボールも特に回ってくることもなく、汗かき役としてしか存在感を出せない形になってしまいました。

例として83:50のように前線へ高木は上がってきておりましたが、たしかに彼の良さはゴール前とは思いますが、この場ではもっとWBとして幅をとり相手を広げることにあったのではないかと思います。同じように右サイドからインサイドへボールが渡り左サイドへ展開する流れであった53分のシーンでは桑原はサイドに張りカットインからシュートまでいきましたが、この83分のシーンでは残念ながらボールが高木にはまわってきませんでした。失点後の92分では高木が外に貼り、相手を広げておいて、そこに佐藤健へ戻したところでドンピシャの大槻へのクロス。やはり高木の得点力を活かすならせめてシャドウのポジションが良かったのではないかと思います。

そして皮肉めいたものになっていまいましたが、この試合唯一の失点を喫したのがレノファでした。押し込んだ状態ではありましたが、低い位置からの高木のゴール前へのクロスボールがラクラクとGKにキャッチをされてしまい、そこからカウンターになりその流れで失点をしてしまうという、発端をたどると自分たちの<拙攻>が起点となってしまいました。

ゴールシーンについてはヘナンの裏をつかれました。高木がうまくしぼり外へ誘導することができていましたが、高橋と寺門の股を抜かれるという相手を褒めたほうがよいゴールであったかと思います。

1失点はしてしまいましたが、この試合守備陣はよくやっていたと思います。確かにクリーンシートができればそれに越し事はないですし、名塚監督のおっしゃる通り最後寄せきれなかったかなど思いますが、それよりも先に点を入れることができていればこのようなシーンも生まれなかったと思います。攻撃陣の奮起を期待したいと思います。自分たちの時間であった前半の30分以降から後半の10分までの間、ここでなんとか点を取りたかったし、この攻撃をまた流れが変わった60分以降にも繰り出せることができていれば、とタラレバが尽きません。。。

 

3)

で、高橋くんです。今節はホントに守備での奮闘が印象的でした。正直スタメンはヘナン左で、生駒が右かなと思っておりました。しかし、彼ならではの運動量、競り合いの強さを見せ、この数年山形との数試合幾度となくやられていた加藤を抑えておりました。21分の加藤のダイアゴナルランについてもしっかり高橋が付いたことで、加藤の山田へのパスはヘナンがカットできましたし、31分にはイレギュラーのこぼれ球からの加藤の裏抜けについても走り負けずについていけたのも彼の真骨頂であったと思います。

また、前節目についたボール保持時の兒玉とのポジション被りなども目立たくなり、高橋アウトサイド、兒玉インサイドなどすみ分けができてきていました。

また、最大の見せ場だった田中渉からのヒールパスからの持ち上がり沼田へのパス。沼田の切り返しまで100点だったと思います。これも彼の機動力がいきたと思います。この2試合でどんどん自信を深めているのではないかと、次の試合に期待をしてしまいます。だからこそ最後の失点シーンが悔しい。。。

次節岡山戦はスタメン!ということを信じたいと思います。すっかりミーハーのようなファンになってしまってます(笑) もちろん、前節もそうでしたがファイナルサードに入ったときに存在感を出せるとよりレノファの中心選手にも近づけると思います。41分の左サイドから右サイドへ展開されたボールについてトラップが浮いてしまい、相手の接近を許してしまいました。このような場面でピタッととめることで、より自分に余裕を持てる展開になれば、もっと期待ができるのではないかと思います。

 

日付変わって昨日は等々力で偶然フロンターレモンテディオを応援している知り合いのサポーターさんに会い、この前の試合に勝ち喜んでいたとのことで、試合が終わってもまだ「ぐぬぬぬ、、、」といった会話をしてました(45分後には私達共々ぐぬぬぬでしたが)。やはり負けるのは悔しい!勝って色んな話を知り合いとしたい!と思いました。週末は強敵岡山さんですがホームでは追い込むことはできていました。次こそはやっってもらいましょう。祈・勝ち点3!

 

ここまで読んでいただきありがとうございます。

※文中敬称略