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『大外に高木』のその後は? この敗戦は活かせるのか? レノファ山口vs栃木SC @維新 2021年4月4日 レビュー

42節の中の6節が終わりました。リーグ戦1勝2分3敗 勝ち点5 得点4 失点6

皆さん、予想や期待などと比べていかがでした?僕は正直勝ち点が2点ほど少ないなというのが感想です。2勝2分け2敗。イーブンよりももう少し下くらいではないかな、って思ってました。2勝1分3敗くらいですね。

この試合おそらく勝ちを見込んでいたのかな、と試合後の渡邉監督の顔を見て思いました。おそらくある程度狙い通りに進められていたと思います。ただ、結果は結果。残留争う相手にホームで勝ち点3を与えてしまった。この事実が変わることはないです。

そして降格圏に足が浸かってしまった以上、この敗戦はしっかりと昇華していかないといけないと思います。

では、今日も思ったことを書き記していきたいと思います。

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スタメンはこの通り。2連勝をして勢いに乗る栃木を迎えた一戦でしたが敗戦。

下記3つについて考えたいと思います。

1)前半と後半の戦い方

2)『大外の高木』のその後

3)呼び込み始めた梅木

 

1)岡山戦に続き水が所々で悪さをするコンディション。前半はロングボール主体のタテに速い攻め。後半は今期のレノファの取り組み方ができていました。

前半は相手のプレスを逆手にとって、早めにSB裏へボールを送り込んだり、時には中へくさびなども使いながら左右への揺さぶりをかけていきました。ただ、飲水タイムあたりから栃木がこのやり方にアジャストしていき、ある程度膠着した状態に。

その中で痛かった不用意なファウルからの失点。

ピッチがある程度乾きだしたこともあり、後半は丁寧なビルドアップからの崩しへ変更します。栃木が4-4-2、4-2-3-1(単に29矢野の相方の問題?)、のような前線のプレス要員の配置にあわせて、8佐藤謙が最終ラインに落ちたり中盤にとどまったり、時にはSBが押し上げた位置に入り込んだりと、巧みなポジショニングからゲームを動かしていきます。

CBコンビもほぼ相手の攻撃の芽を摘みつつボールを運ぶなど後ろは失点はあったものの最低限の仕事をできていたと思います。6渡部は流石ではありますが、13楠本がどんどん自信をつけているようにも思えます。問題は得点が0であった前線ですね。

 

2)後半に入って何回か耳にした「大外の高木」。今期と言ってもよいかもしれません。※高木選手を悪く言っているわけではございません。

左サイドの6渡部、44石川、46高井。31草野や29田中陸あたりも加わりこちらのサイドは前半のようなロングボールであったり、後半のようにコンビネーションで持ち上がることができるなど、相手をこのサイドに引き寄せることができます。

琉球戦のようにここを攻略することもできますが、割と空いた右サイドへ大きな展開をし左右に振ることがあります。守備時に「解放」した際に澤井がうけることもあります。ここからがもう一工夫するところかなと思います。

前半は7高木も14澤井も運動量を生かして上下に栃木ディフェンスを揺さぶっておりましたが、後半は監督の意図の動きができていなかったのかもしれないなと。

後半52分、56分、58分、59分、61分と大外の高木・澤井にボールが回りましたが、タテに入れる、裏に放り込むなど割と前半狙っていたところへの運びでした。

おそらく監督が狙っていたのは地上戦。例えば45分50秒。

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6渡部が持ち上がり、栃木17山本、25佐藤の間に位置どる46高井へ鋭いボールを入れます。ここから大外44石川へパス。18小松が毎回献身的に裏抜けを行います。このパスは通りませんでしたが、本命は小松が引いたスペースに入り込んだ7高木だったはず。やはり手を挙げてました。このように内と外を使いながら持ち運ぶことが狙いだったのではないかと思います。

ですので、栃木もでしたが濡れたピッチで 走り回っていた二人はお役御免。10池上、15川井が交代で入ります。

交代直後の64分05秒

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8佐藤から15川井へ。川井の体の向きは中や内を伺うような体の向き。やはり18小松へあてます。相手をひきつけた小松から31草野。小松に引っ張られた栃木CB22小野寺のうらへ10池上が侵入します。惜しくも栃木SB26面矢につぶされてしまいましたが、この本命は池上の裏で右サイドにフリーになっていた15川井。渡邉監督も指さしてましたが、その後に拍手を送ってました。草野も「だよね」って顔をしてましたが、池上の中への伺うタイミングなどは出したくなるものではありました。惜しかった。

 

続いて69分15秒。左サイドに相手を寄せておき、13楠本の右にポジショニングをした佐藤へ。楠本には栃木LSH10森がついたので、佐藤はフリーです。栃木LSB面矢が上がることも考えられますが、15川井が高い位置にいることで面矢をピン留めしています。

このまま佐藤が持ち上がり、ハーフスペースの池上へスルーパス。小松18へグラウンダーのクロス。これは空振りに終わりますが、うまく右サイドをポジショニングで惑わすことができていました。

10池上のタッチの場所を見たところ、ハーフスペースを強く意識している分布になっていました。

sporteria.jp

池上はビルドアップの時は最終ラインの一つ前に顔を出しパスコースも作って、栃木のプレスを分散させています。交代投入時にこのあたりのタスクをしっかりと与えられていたかと思います。ただ、この交代で得点に至らなかったのが残念でした。

 

3)ただし、同じく交代で投入された24梅木が決めれば終わってた!という事にはしたくないです。3度あった決定機どれか決めていれば、3つのうち2つを仕留めていれば、というのはあると思います。ただ、いつぞやの南米選手権の鹿島の上田ではないですが、シュートは外してしまっていますが、ようやくペナルティエリア内で存在感をだすことができました。プレースキック含めて3本のうち、割とDFを外すというよりもDFの間にうまく入り込めてますし、次はシュートを打ちたいところを空けておき、走りこむプレーも見せていけばよりバリエーションも増え、相手を困らすことはできそうです。

75分の31草野のシュートの場面も、13楠本からのロングパスをうまく収めて15川井展開してます。この場面は楠本もしっかりボールを受ける前に首振って、草野と梅木を確認しており、草野が吊って梅木が収めるといったよい連携をしてます。
81分にも48河野が6渡部のロングボールを収めて展開。そこから展開後もう一度アタッキングサードでも箱で受けて梅木へ、といったプレーも出ました。

ハイプレスをかけてくる相手に対して、長短のパスを交えて翻弄することができました。栃木の疲労も前半の重馬場からの走りあいで与えたものでもあります。

やれたことなど含めてまだ質を高めて、量を増やす。悔しいですね。やれたことは確かに増えています。高めていってもらいましょう。きっと繰り返すことで花開くと僕は思います。

 

いくつか気になったことでは、26神垣のプレーでしょうか。89分、90分とラインをタテに走り、ディフェンスを引き連れ、スペースを空けたのですが誰も反応せず。

特に90分はペナ内が3vs5だった上、ボールホルダーの川井はライン際でしたので、クロスを上げても跳ね返されてしまったでしょう。パワープレーをするにしてももう少しゴールに迫った位置で行いたいこと。また、通常のクロスを上げているときでも中が2人しかしない時が多い。これは後半に限った話ではないですが。セカンドボールは拾えるかもしれませんが、もう少しペナルティーエリアへ人員を割きたいところです。その二人がファーで待ち受けているシーンが散見されます。そりゃクリアは容易だよな、と。

あと気になったのは栃木のコーチ?よく声が通りますね。「前に!前に!」「つけ!」などよく聞こえました。岡山の有馬監督なみです。交代で入った15菊池が右サイドで正しいポジショニングができていないときはこれは田坂監督ですかね「だいすけおちろ!だいすけおちろ!」と受験生には聞かせられないワードもありましたね。コーチ陣の指示はホントいつも試合のスパイスとして楽しめます。

 

さて、まだまだこれからこれから、と思っていたら、レノファが関東に遠征ですね。ヴェルディ戦のチケットがとれたので、参戦してきたいと思います。ゴール裏までは監督の声聞こえないと思いますが、楽しんできたいと思います。

読んでいただきありがとうございます。

(文中敬称略 すみません)