レノファを青黒の眼で東京から見るblog

レノファ山口を応援・分析します。

ミドルサードでのブロックとプレスのリスクとリターン、そして相手の事情 ヴァンフォーレ甲府vsレノファ山口@JIT 2024年3月30日

第2ターム白星発進!!

今季の38節を6節ずつに分けて(後ろ2試合は余り扱い)、タームという言葉を使わせていただいておりますが、この第2ターム(7~12節)の中で最もクラブ規模が大きく、順位が良かった甲府の本拠地へ乗り込んでのアウェイ戦。相性自体はそこまで悪くはない相手ではありましたが、0-2と無失点複数得点での勝利。これ以上ないスタートであったと思います。

第1タームで得た手応えそのままに第2タームも駆け抜けてくれそうな予感です。

では、今節は下記について考えていきたいと思います。

 

1)「常に背後を狙う」

2)ミドルゾーンでのプレスの裏に三平

3)レノファの修正だったのか甲府の修正の裏目

 

【得点者】

甲府          山口

なし          50分  平瀬

            79分  山本

 

1)「常に背後を狙う」

INSIDE MATCHDAYで志垣監督が「常に背後を狙う」という言葉がありました。

この試合は2つの意味があったのではないかと考えました。

・DFライン裏

アダイウトンの背後や脇

 

まず1つ目が横浜FC戦から見せているDFライン裏へのロングボール。この試合開始早々から池上がアバウトにボールを甲府のDF裏へ送り、それに梅木が走るというシーンからこの試合は始まりました。

ロングボールを送り込むことで敵陣深くで起点を作ります。2分には関からのロングボールに梅木と甲府LSB荒木が競った裏に若月と野寄が走っており、ボールが流れて(流して?)野寄があと少しで抜け出すという場面を作ります。

9分は15前から同じく右サイドの奥へ若月へ目掛けてのロングフィード、12分にもスローインから池上がアバウトに蹴って梅木が競り勝ち、ボールを拾った若月から河野への決定機を生み出し、14分もヘナンから梅木がGK渋谷に競り勝ちあと少しという場面も作りました。


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また、この試合で序盤ペースを握る要因になっていたのが、相手陣でのプレスでした。

序盤ゴールキックなどレノファはロングボールを蹴ることを選択していましたが、甲府は10分過ぎまではつなぐことを選んでいました。

この日対戦の甲府はボール保持時は4-2-3-1、非保持は4-4-2とほぼレノファと同じようなフォーメーションを取るチームでした。

レノファは新保を上げて後ろを3枚にしたり、RSB前も1列前に上げてボランチの相田や池上を落ちるようにして、相手の4-4-2に対して備えると同様に、甲府ボランチを落として後ろを3枚にすることやGKを交えて後ろを3枚にしてビルドアップを行おうとしてきました。

ただ、この形に対して特に相田が対応してましたが、この最終ラインへ落ちるボランチに付くのではなく、アンカーの位置にいる選手をまず捕まえ、甲府の最終ラインの3人に対しては梅木と若月2人で見る形に。

篠田監督が大声で「怖がるな!」「ボランチにあててそのまま抜けろ!(?)」など声を上げていましたが、甲府はレノファのファーストラインの2人を超えることに多少手こずっており、SBへのロングボールなどが出ればしっかり後ろで構えているレノファの中盤の選手たちにボールを拾われる、もしくは通ったとしてもその後のプレーでレノファにボールを奪われるなどしておりました。

前半の終盤は甲府もDF裏へのボールを多くするなど、最初のプランで考えていたと思われる形を放棄しておりました。

それでもレノファは4分や10分、22分など相手陣でボールを奪いショートカウンターを成功させるなど、まずロングボールで相手陣での時間を増やし、そこからハイプレスを置こうなうことで相手陣で4局面(攻、攻⇒守、守、守⇒攻)をまわすことに成功していきました。

 

そして「背後を狙う」のもう一つがアダイウトンの脇や背後。

レノファの最終ラインがボールを保持しているときは、甲府はウタカと三平がCBを観察するような形。SHの宮崎とアダイウトンはそれぞれのサイドでレノファのSBや中盤の選手を見る形になります。

すると4−2−4のような形になった甲府のプレスに対してレノファは多少やり方を変えてました。開幕から右サイドの吉岡に比べて左サイドの河野のほうが比較的ボランチ位置へ落ちてくるなどして、相手のSBを吊り出したり、そこでボールを受けるなどしていましたが、この試合はここに降りてボールに関わるのはRSH野寄でした。

10分のシーンでは相手のボールを奪った直後ということもあり、三平とアダイウトンの脇にぽっかりスペースができていたのでここに入り込みボールを受けます。

また、16分には今までロングボールを送り込んでいたゴールキックをショートパスに変更。池上が降りて前を1列上げる形でビルドアップを試みます。

池上は右のCBの位置とボランチの位置をウロウロすることで徐々にアダイウトンが池上に付くために上がっていきます。このシーンでは池上がずっと特に右サイドの状況を確認するように首を振っていました。

そこで一列上げて幅を取っているRSB前が野寄に対してボランチアダイウトンがでていったスペースの間に入るよう指示します。野寄にはCH林田が付きますが、平瀬が選択したのはRSB前への浮き球のパス。これが見事に通り、林田も野寄に付いているため間に合わず。林田はそこからプレスをかけてきますが、今度は野寄が裏を取るような動きも入れることで前はあっさりこの林田のプレスを交わして相田にボールを逃がしました。アダイウトンはなんとなく戻っているような具合。

 

ここからの流れで相手陣内へ。一度はクリアされるも、相手陣でボールは池上に。また池上は梅木と前で3角形をつくり、池上と前の二人を見るような形になっていたアダイウトンをショートパスを交えることで吊り出します。アダイウトンが出てきたところをポジションをアダイウトンの脇から背後に移していた前に通してサイド右サイドを攻略していきました。

アダイウトンのボールに食いつき気味になるところや、多少守備をおろそかにしてしまうところを突いていきました。

いつもより左サイドよりも右サイドが目立ったのは、この何節かのレビューで書いておりました「いかに新保がクロスを上げる場面をつくるか」というよりも、アダイウトンの守備がゆるいところを梅木、前、池上、野寄で突くことが目的としてあったのではないかと思いました。

38分などもアダイウトンへのボールを前がカットしてもすぐには戻ることはしませんでしたし、戻っても正直いるだけというような守備。攻撃があれだけ強烈なのでこのあたりはある程度免除されているのでしょう。そこをレノファが突いた。そう見えた前半でした。

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2)ミドルゾーンでのプレスの裏に三平

割とうまく行っていた前半ですが、いくつか危ない場面が。いくつか個人で打開をされるシーンも有りましたが、個人的に怖かったのは三平。

まず25分に左サイドの奥を取られたシーンではRSH宮崎、RCH村田、RSB関口に対してレノファは相田、新保、河野とフォーメーション通りの選手たちが対応していました。

ここでフラフラっとこの3vs3に加わったのが三平。ボールを受けないものの相田がサイドへ出ていったスペースへ入り込むことでヘナンを釣り出しておりました。最終的にヘナンはサイドの対応にいくことになり、池上のヘナンのポジションを埋める動きが多少遅くなりましたが、なんとか平瀬とともに対応する形に。

また、34分にもやはりレノファの左サイドで人数をかけてボールを奪おうとボランチが2人でていったところに三平が位置しており、ボールを引き出してそのまま危ないクロスを上げられる場面を作られてしまいました。

43分もこぼれ球を収められてそのままトリッキーなワンツーから強烈なシュート、45分はプレスに行ったところをかわされてウタカ→三平→アダイウトンと繋がれるなど前半終盤にかけて多少三平を捕まえにくくなっていました。



3)修正だったのか甲府の修正の裏目

三平が目立ったシーンではレノファがミドルサードで積極的にボールを奪いに行ったところでそこをかいくぐられてしまったのピンチでした。

前述した通りこの試合はハイプレスからアタッキングサードミドルサードでのボール奪取が目立っていました。相手陣でボールを奪えばショートカウンターでゴールを狙うなどチャンスが作れます。

ただ、積極的に行ってもそれは人数をかけている、言い換えれば本来いてほしいポジションを放棄してまでも取りに行っていることもありリスクも伴います。

相手あってのスポーツのサッカーではすべて成功することは難しいので、どこに折り合いをつけるかは繊細なものになります。相田と池上2人でボールを取りに行ってボールを逃されるのは多少なくしたいシーンではありますが、前線からプレスに行くこと、引いてブロックを作って守ること、この使い分けは今後も大切なポイントになるかと思います。エスパルスの乾などはこういう空けたスペースをとても上手く突いてきますので。。。

 

そこでレノファも後半微調整。57分のように相田がでていった場合若月であったり、交代した山本が反対サイドからボランチエリアをケアするようなシーンがありました。

また、これは多少印象論になりますが、甲府が後半の交代でFゴンザレス、鳥海を投入したところで試合の潮目が変わったように思えました。

まずスタメンだったウタカと比較して、裏のスペースというよりもFゴンザレス目掛けてのロングボールが増えたように思えました。また、鳥海やアダイウトンらSH陣が多少インサイドへ位置どるようになったと思います。この動きをすることで甲府SBが大外のレーンでクロスを上げるような機会が増えました。

ただ、このように中盤を飛ばして最前線へ当てるボールであったり、中間ポジションをSHも取るようになればレノファとしてはこの時間先制していることもあり、ボールを積極的に取りに行くのではなく、4-4-2のプロックを作って守ることを選びます。

70分などはカウンターを受けそうになりますが、池上がうまく寄せてやり直させたところでレノファは全員帰陣。何度かボールの出し入れやFゴンザレスへの縦一本などの場面はありましたが、レノファとしてはしっかりブロックが組めているので全く動じず。

前半は甲府のサイドからのクロスで危ない場面もありましたが、しっかりとブロックを組んだ状態でクロス応対ができればよほど素晴らしいボール、素晴らしいシュートでなければ今のレノファは対応できます。

レノファらしくないといえば失礼な言い方にはなるのですが、この4-4-2のブロックをしっかり組めているときはほぼ失点の臭いはしないです。

ハイプレスをかけて2点目を奪いに行くというのも手段の一つではありますが、そうはせずに先制をして優位に立っているからこそ、甲府が得点をとるためにギアを上げたことで必然的にレノファはミドルゾーンでしっかり守るということを選んだというようにも思えます。

また、前半のようにサイドに人数をかけるようなことも甲府がしなかったこともあり、レノファは中央部をしっかり固めることができていました。76分などはボールを持ったらまず前を向くようなプレーをする小林、加藤らがシンプルにボールを相手陣に送り込み、徐々にラインを上げれば山本がすきを見てボールを奪うなどしたたかさを見せます。そして、78分にはその姿勢が結実して2点目をとることに成功しました。そこからはボムヨンを投入して5-4-1のような形に。最前線の小林も守備に加わるなど隙を見せることなく無失点で試合終了となりました。


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また、失礼な言葉を重ねるのですが、今までのレノファでは考えられないくらいに試合巧者。秋田戦のようにある程度自分たちの時間で試合を進めるのとは違い、相手の出方を見つつ対応していき、機を見て追加点を奪っての勝利。なかなか経験値が高い勝利に思えます。それもアウェイ甲府という第2ターム最大の難関と思われたところでやれたのは大きいと思いました。


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3連戦初戦をアウェイで勝利をあげることができ、意気揚々とホームで熊本を迎えられそうですが、どうもまた大雨のようですね。熊本の特徴的なパスワークに対してレノファがどんな姿を見せるか楽しみにしていたのですが、雨でそれも見れなそうです。ただ、すでに愛媛戦で経験していると思いますので2連勝としてもらいたいものです。

勝ちを祈りましょう。

 

ここまで読んでいただきありがとうございます。

(※文中敬称略)

[お写真:トリバンさんよりいただきました @jtki2004]

 

 

 

さて、今回のあとがきはINSIDE MATCHDAYで最近よくMTの様子を出してくれています。

甲府戦は冒頭の「背後を狙う」を使わせてもらいましたが、このあとがきでまず使うのは岡山戦。

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まず、1:35あたりからでてくる【チーム走行距離128.850km】という言葉。

最初え?秋田戦そんなに走ってたの?と思いましたが、流石にこれはないなと。スタッツで走行距離がでるJ1でも120kmかもうちょっと多いくらい。フロンターレなんていつも大体110kmくらいです。

ただ、なんか関係ある数字だよなと思い調べたら、この数字は去年のJ1で鳥栖が記録したチーム別のシーズン走行距離の最長記録だったようです。

【公式】Jリーグの成績・データ:Jリーグ公式サイト(J.LEAGUE.jp)

特に多く走ればいいってものではないですが、チームとして目指しているものとしては『走る』ということを意識しているのがわかりますね。

 

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また、秋田戦では『準備+常にアラートに!(※予測=腰の高さ)』というフレーズがあり、よく志垣さんはアラートって言葉をよく使われてますし、愛媛戦の失点の原因は腰が高かったという言葉も出されておりました。徐々に志垣語録が表に出てきているな〜と感じる今日このごろ。

さて、次節はどんな言葉が出ますかね。今節はこの辺で。