レノファを青黒の眼で東京から見るblog

レノファ山口を応援・分析します。

試合の途中で修正出来ての勝利! レノファ山口vsブラウブリッツ秋田 @維新 2022年2月27日

皆さん山瀬のイメージってどんなものを持っていますか?

僕は同年代なんですが、いつも点取られているイメージなんですよね。真ん中だったり、左からキレキレのドリブルで。フロンターレに来た時、失点減るわ~って素直に喜んだことを覚えてます。得点増える!よりもまずそっち。

なので、近年のボランチのイメージはあまり慣れませんでした。ただ、本人もレノファに来て担当ポジションが変わったということを好意的に捉えて、活躍してくれる姿はとてもたのもしいですね!それに23年連続ゴールという偉業。まだまだ記録を伸ばしてくれることを期待したいです。あのゴールの時のステップでDFを外すところとか、ほんと見事でしたよね。往年のキレキレの山瀬が維新に現れましたね。

さて、今回はこの2点について考えたいと思います。

1)流石の佐藤謙介。両CFを牽制・機を見ての展開。

2)大槻はどんな形でゴールをするだろうか。

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【山口】71分山瀬⇒神垣 沼田⇒兒玉 84分佐藤謙⇒佐藤健 大槻⇒高木 90分橋本⇒ヘナン
【秋田】33分沖野⇒高瀬 63分茂⇒三上 青木⇒吉田 武⇒齊藤 77分藤山⇒江口

1)

チャレンジ、カバー、プレスバック、休みなし!

吉田謙監督のらしさそのままに秋田は、前半の35分くらいまででしょうか、かなり強い勢いをもってゲームに入ってきました。

栃木対秋田を見た印象としては、去年のチームと土台・やることはほぼ変わりませんが、前線に40青木などを補強し、一旦青木に預けてもう一度右サイドへ、など多少攻撃のバリエーションを増やした印象でした。また39高瀬の左からのクロスなども去年にはない武器です。

ただ、秋田の最大の武器はあの走り続ける前からのプレス。これをいかにかいくぐるか、という事がレノファが行う第1の目標です。

ビルドアップ自体は秋田はあまり巧みに行ってくるチームではないので、ボールを秋田陣に蹴ってしまい、お株を奪う形で前から嵌めていく、ということをもしかしたらやるかな?とも考えていましたが、割と真っ向勝負といった立ち上がりでした。

そのため、3:30を過ぎたあたりでGKの流れでRCB22生駒へ強く秋田のCF40青木がプレスに行き、結果としてはファウルになりましたが、この生駒のパスはCH6輪笠に回収されていました。

一旦引っかかってしまうとボールを奪われるリスクをやはり警戒してしまいます。山口の方がアバウトにボールをクリアする機会が増えてしまいました。そうなると元気になるのが秋田。セカンドボールを拾い、すぐに前へ足を使って攻める展開が前半25分近くまで続いていました。

この時間レノファは後ろからつなぐよりも

1)片方のサイドに人数を集めて数的優位を作ってくる秋田に対して、手薄になっている逆サイドを使うこと。

2)高い秋田のDF陣の裏へ両WGを走らせること。

を意識していたように思います。後ろでつなごうとしても、正直秋田に面食らっているような状態で、パスを出そうとしている選手に対して顔を出さないような時間帯もありました。
自陣深い位置で眞鍋や生駒が引っかかっているような状態も、彼らだけが悪いのではなく、そこに顔を出す人が出てこず、苦し紛れにつなごうとしたところをひっかかったり、ロングパスで局面を打開しようとしますが、そこは秋田が待ち構えているのでとおらない悪循環となっていました。

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生駒がボールを保持している状況だと、いつものざっくりとした形ですが、このような形で外せていない状況でした。

何度か山瀬・池上が秋田の両ボランチが付いて行きにくいような、山口のSBの位置までおちることで、秋田のボランチ二人を揺さぶろうとはしていました。ただ、そこでつかまったり、うまくいかず戻してしまうようなことが続いていました。

 

ただ、さすが佐藤謙介と思ったが、34:30のところですね。まず34:35秒ふきんのスローインで佐藤が生駒へボールを解放し、秋田のファーストディフェンスをいなします。そうすることで秋田の連続したプレスを回避し、撤退をさせることができました。

そして、橋本、渡部、生駒が最終ライン。そこに秋田は武、青木、茂がプレスの準備をします。

しかし、ここで8佐藤謙が秋田両CFの間に位置取り、二人の意識を集めます。そのうちにバックステップを踏み生駒が渡部と距離を取ります。ただ、青木、武はこの二人のボール交換へ付いて行けず。交代で入っていた秋田39LSH高瀬が代わりに生駒に付くか、開いて幅を取っているRSB4眞鍋に付こうか、かなり半端な位置取りになっていました。

そしてそこを8佐藤が見逃さず生駒から両CF背中でボールを受けます。10池上が39高瀬、6輪笠を釣るようなポジションを取り、佐藤に輪笠、池上に高瀬とマークがずれました。場面進んで34:49に生駒がフリーで佐藤からのパスを受けます。この時点で4RSB眞鍋がより高い位置を取ることで、秋田のLSB33飯尾がマークに付きます。その時に山口RWG吉岡はフリーになることに成功。生駒⇒眞鍋⇒吉岡とパスがつながり、秋田LCB3小柳をつり出し眞鍋がポケットをとることがようやくできました。※眞鍋はこの試合幅を取るようになってましたね。

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※ごめんなさい。アニメーションがうまくできず雑なGIFになってしまいました。。。

 

前半割と佐藤がわかりやすく両CFの間に立ったり、前に顔を出したり、背後に出たりを繰り返してました。そして35分試合が経過し、青木や武の運動量もある程度落ちたこともあってか、ある程度渡部・生駒が高い位置でボールを持てるようになり、その際に佐藤がマークを自分に向けさせるような位置どりをすることで、両CFのファーストディフェンスを遅らせていました。

すると36分には両CFのバランスが崩れ、関⇒佐藤⇒吉岡の背後へのボールを出すこともできました。

そして調子が徐々に出てきた山口は37分には山瀬がおちることで6輪笠をつり出し、相変わらず8佐藤に留められている両CFは6渡部へプレスをかけられず、そうなると渡部は流石の配球。LWG30沼田がハーフスペースに落ちることで、マーカーである秋田RSB25藤山をつり出し、その背後にできたスペースを14橋本が付きます。ロングパスがミスキックになってしまい、チャンスにはなりませんでしたが、なんとか状況を打開しようとMFの3人の動きがようやく味方も敵も動かせるようになりました。

後半早々に山瀬のゴールで先制をしますが、やはりその前にベテラン勢の活躍がありました。持ち運ぶことで40青木を外した渡部。秋田の両ボランチは山口のIHに付き気味なので、見事にゲートを作ってしまい、それを見逃さなかった佐藤⇒大槻。そこからワンタッチで山瀬⇒沼田。と前半にみせられなかったビルドアップがまず成功しました。この初めての流れで1点取ることができたのは本当に大きかったと思います。

この流れも、HTに名塚監督の一喝などもあったと思いますが、前半のうちに佐藤謙が作った両CFのプレスについてある程度外せる成功体験があったからではないかなと、結果論ではありますが僕は感じました。

 

2)

後半改善した際に目立ったものの1つがCF13大槻がビルドアップの出口になるシーンが見られるようになりました。

昨年のA秋田戦の渡邉さんの時にも同じような形が見られました。その際は当時のファーメーション3-4-2-1(1-2)で小松と池上が秋田の当時のボランチの稲葉と普光院の背中に位置どることで相手ボランチをピン留めし、CH神垣からCFの高井へ通すシーンがありました。

今節も上記に挙げた33山瀬、10池上が同じように秋田23稲葉、6輪笠を留めて置き、その間を大槻が伺うパターンや、67:30のように10池上が落ちたところに大槻が入ってきたりと、DFラインからのボールをうまく引き出せるようになりました。

秋田が走ってくれるならどんどん走ってもらってその空いた場所を使う。去年やれていたことが出せてきていました。

大槻が落ちることでその大槻の位置に16吉岡が入ってきたり、10池上が入ってくるシーンもありました。また大槻がボックス内でファーに流れることでDF釣るようなシーンも。(ゴールシーンや68分など)

このような味方へのお膳立てはすごく去年に比べると多くなってきていると思います。ただ、CFだからこそゴールという姿を見せてほしい。

この2試合19沼田が1対1からクロス、または14橋本に戻してそこからクロス。というシーンがよく見られます。ただ、沼田はおそらく本職クロッサーではないはず。むしろ大槻がつぶれたこぼれ球など押し込むのが得意そう。

となるともう少し16吉岡の方からの展開も今後は必要ではないかなとも感じます。吉岡は足も速いのでカウンターで縦1本など飛び道具のようなプレーも魅力です。ですが、右サイドから切り返して左足のクロスで大槻、というパターンももう少し増えてもよいのかなと思います。

残念ながら梅木の4週間の離脱が発表されてしまいましたし、もちろん岸田もいますが、大槻にはCFとして点を取るシーンがでてくることが、今後のレノファには必要になってくるかと思います。

 

しかしながら、2節目で流れからのゴールがうまれたこと。FWのゴールが生まれたことは次につながることだったかと思います。特に19沼田は愚直に幅をとる、ドリブルでゲインする。今節はインサイドに入って橋本の大外スペースをつくるなど、献身性高くプレーしていたご褒美があの2点目であったのではないかと感じます。

チームの雰囲気もかなり良さそうですし、一つでも上の順位いけるよう期待したいですね。個人的には5月は勝負の月と思っています。町田、金沢、甲府、長崎、山形、横浜FC。この強豪と対戦が続く5月までに色々チームとして新しい形、新しい選手が出てくると面白い勝負が見られるのではないかなと思います。

まだ2節。でも早くも1勝!前向きにとらえて次節新潟戦もよい勝負、勝ち点3を期待したいと思います。

ここまで読んでいただきありがとうございます。

(文中敬称略)