0-6。僕も応援しているチームがこの大差で負けるというのは初めての経験でした。
体調崩していたので1度目の中断でもう寝てしまったのですが、起きたら「なんだこれ」で驚きました。
ただ、まだ10節だよ。時間はある。そう思っていこうと思います。
では今節は下記について考えていきたいと思います。
1)ライン間への対応での苦慮。
2)セカンドボールが拾えない。
3)全部改善しようとすればボロは出る。
得点者
山口 清水
なし 15分 井林
19分 北川
65分 井林
71分 ディサロ
88分 中山
1)ライン間への対応での苦慮。
今節のレノファは最近採用している4-2-3-1。非保持は池上が上がり皆川と並ぶ形で4-4-2。栃木戦や大分戦では相手の3-5-2に合わせて吉岡がLSBのように落ちることはありましたが、今節はRSHに高木を使い4-4-2に。
対する清水は乾をトップ下で使った4-2-3-1ではなく、20オ・セフン、45北川がツートップとして配し、4-4-2を使ってきました。
”前から奪いに行くというところをやっていますし、その分、後ろにスペースがありますので、僕個人を含めて高めていかないといけないと思います。
個の強い相手には1対1だけでは難しい部分もありますので、チームとしてどう守るか、どう攻めるかをもっとはっきりとやらないといけないと思います。”(引用元:第10節 清水エスパルス | レノファ山口FC)
と生駒の試合後インタビューで語ったように
前線からプレスに行くことはチームとして考えていたが、CFは前から行くがボランチが間に合ってない。もちろんCB間に合ってない。行く、行かない判断のところで各選手の意図があっていませんでした。また、最終ラインが後ろのスペースを危惧し思い切ってラインの高さをあげきれなかったことなどもあると思います。上げられなければ、レノファのライン間にスペースが出来てしまいます。
大分戦より池上がスタメンに入ったことで、プレスのスイッチを入れる役は彼が努めていたかと思います。わかりやすいところでは7:40や9:57のところ。GK51権田から38井林、もしくは50鈴木のところに入ったところで、池上がスピードアップ。明確にファーストディフェンスにいき、それに後ろの選手も合わせます。両シーンともに前がこの出た先を潰すことで相手陣でのボール奪取を狙っていました。
ただし、清水が用意してきたものでこの目論見は砕かれます。
まずLSH神谷のトップ下への位置取り。フォーメーション上ではダブルボランチ同士がバチッとマッチアップする構造ではありましたが、ここに神谷が侵入することでレノファのダブルボランチに対して2vs3を強いるようなポジションを取っていました。前が厳しく付くシーンも見られましたが、付いて行き過ぎれば北川や吉田に空けてしまった位置を使われるので、そこまでは出られません。そのため神谷が中でボールを触るなどうまくボランチエリアを攻略されてしまい、プレスをかけてもかわされるシーンがありました。
次にGK権田からのフィード。この日の清水のSHは神谷も中山もサイドラインに貼るというよりは中に絞り気味。そのためエスパルスのSBの前にある程度大きなスペースがありました。そこをめがけて権田からRSB岸本へフィード。15:20や21分、31:58など2度3度ここのスペースへ出され、岸本にはLSB沼田が自分の場所を捨てて付きに行く形になりますが、ここでも流石に距離があるために岸本が競り勝ち中山や北川などがこのボールを回収していました。15分のシーンではゴール前まで一気に行かれていました。
そして3つ目がオ・セフンの存在。生駒も試合後インタビューで語ったようにこのオ・セフンとの1vs1で難しい対応を迫れてしまいました。いつもなら潰せるという感触があるところでもしっかり背負われてしまい、ボールをおさめられてしまいます。
そしてオ・セフンを潰すために出てきているので、ここが潰しきれなければ後ろはあいてしまいます。熊本戦・金沢戦・大分戦などのように、出た裏を狙われての失点を喫している現状、前から行くのはCBとしてはわかるがやはりリスク管理として後ろを空けたくない、そういう葛藤もありラインを上げられなかったかと思います。(まあ上げたら上げたで付きに行ったチアゴサンタナはびくともせず、その流れで5失点目が生まれてしまいましたが・・・)
2)セカンドボールが拾えない。
また攻撃の局面でも難しい状況に。まず清水と中を切った外誘導のプレスに対してこれを剥がすことが出来ずロングボールを蹴るだけになってしまった。
例えば17:50あたり。
ゴールキックから吉満→国本→山瀬。ここもオ・セフンは下がるではなく、山瀬から吉満のコースを切り、山瀬が仕方なく国本に出したところで再度プレス。左サイドの2人が捕まっているので、残りは前線の2人。大分戦では小林や吉岡のそばに池上が落ちることでボールを引き取る動きを見せていましたが、ここは13宮本が。その奥の皆川にしてもCB30井林が付いており、結局井林がカット。そのまま北川に繋がりエスパルスボールに。
2失点目については国本が小林に出して、その戻しをオ・セフンにカットされた流れでした。これはまず3:50のところで国本→小林→山瀬で北川のファウルで事なきを得ましたが、あわよくばここで取られてしまってもおかしくなかったため、エスパルスとしてはここで各選手を抑えてしまえば大丈夫。あわよくば取れるし、ほぼ蹴ってくる的な考えは持てていたと思います。
レノファのビルドアップ自体危なっかしいところはありますが、それ以上に誘導させれば蹴ってくるからそこで回収しよう。このような考えはエスパルスにはあったと思います。現に30分から45分の間はほぼクリアや前線へ長いボールを蹴ってもCBにクリアをされセカンドボールも相手ボール。のループになっていました。
ビルドアップが詰まった際はロングボールで解決、というのはもちろん手段としてあります。去年の終盤戦は困ったら梅木に当てる、というのはありました。ただ、すぐに繋げないからロングボールといった安直の形になってしまったため、次の予測を相手につけられやすくなってしまったと思います。
また、相手陣に攻め入ったところでもエラーが。21:25のシーンのように、右サイドで多くの人数をかけてボールを回そうとしておりました。狭いところで選手をかけて細かく繋いでそこを攻略する。抜けた先は相手も密集してくれているので手薄になります。Jリーグで言えばフロンターレが最も得意なチームでしょうか。
ただ、いかんせん難易度が高い。なのでレノファはこのオーバーロードをしてもそこにこだわるのではなく、そこから相手も手薄な逆サイドに展開をするのではなかったのか?今までの試合もそのようにしてなかったか?
開いた小林や沼田が左サイドを攻略してクロスをあげるのではないか?どうもそういったプランが与えられてなかったのか、矢島や前も逆サイドを見ていない印象でした。そして清水にショートカウンターを打たれるといった悪循環に。トランジションも清水のほうが反応上回っていたと思います。
点こそ後半のほうが取られた結果でしたが個人的には何をやっても清水にシュートやクロスで終わられてしまう前半のほうが厳しいものであったなと思いました。
3)全部改善しようとすればボロは出る。
そしてようやくここから脱せたのは43:50。生駒がオ・セフンに競り勝ち、山瀬がセカンドを拾いダイレクトで国本へ。国本は時間をもらえたので、ハーフウェイライン付近から左足を振り抜き相手CB背後の皆川へ。オフサイドにはなりましたが、初めて清水のCBの背後を取るプレーが生まれました。
後半最初のキックオフも明確に国本から相手のCB背後へのロングキック。1失点目のキックオフは中途半端なボールで清水にプレゼントするようなボール。2失点目は珍しく6矢島→15前とつなぐような形を見せていましたが、ここでは落下地点にも高木が走れていたので、相手の処理もずれたので15前がセカンドボールを取れました。
続く47:38のFKでも前から皆川。やはりLSB吉田の背後へのボールを使い相手陣深くへ。自陣での時間から相手陣の時間が増えていったところで、60:40のような場面も出てきました。
LSH神谷からRSB岸本へのボールを沼田がカットし皆川へ。矢島に落として小林→高木→前へとわたりクロス。
クリアされてもやり直し、左サイドでボールを回しスキをうかがっているところで、国本からCFの位置にいた小林へロングパス。そこから右サイドを駆け上がった高木へと密集していたサイドからスペースが多くあるサイドへの展開も生まれました。
残念ながらこの2シーンとも得点には繋がりませんでしたが、前半であった良くなかった自陣でのプレーを強いられること、密集したところを無理に崩そうとしてからのショートカウンターなどは避け、相手ゴールへ迫ることが出来ていたかと思います。
【ボールを握り立ち位置取って前へと運ぶ】【前からボールを奪いにいく】【セットプレーで点を取られない】【点を取る。】
挙げられている言葉をすべてすぐに解決は出来ません。解決できたとしたら去年優勝したマリノスや2020年のフロンターレです。J1昇格まったなしです。
そんなにすぐにうまくいくものでもないので、秋田戦のような割り切った戦い方でもいいので、できることを徐々に増やし、精度を上げていくしかないのかなと思います。
そしてその活かしていくものというのを見せてくれるのが次の岡山戦になるのかなと思います。それが何なのか。注目したいと思います。結局【ハイプレスして、しっかりビルドアップ】でも驚きませんが、何か驚かしてもらえるものを期待したいなと思います。
昔の事件やプロレス風に言えば、「4.16ミラスタ」(よんてんいちろくみらすた)みたいな言い方で風化できればいいのですが、それくらいショッキングな敗戦でした。
ただ、大敗しようが大勝しようが次の試合はやってきます。秋田戦のように耐えて耐えてセットプレーで勝ち点3など、脈絡なく勝ち点がこぼれてくることなんてよくある話です。
ずるずる連敗しないことを祈りつつ、中国ダービーに期待したいと思います!
岡山サポのゼロファジさんのプレビュー記事がとてもわかりやすかったので、まだ読まれてない方は是非!
J2 第11節 岡山vs山口 プレビュー【特盛】|Zerofagi @ZeroFagi #note #Jリーグ https://t.co/AIFQPe7dyZ
— ゼロファジ (@ZeroFagi) 2023年4月20日
こうやってプレビューが公式以外にも上げていただけるのはうれしいですね。いろんな意見が聞けるのは楽しいです。
ここまで読んでいただきありがとうございます。
文中敬称略