レノファを青黒の眼で東京から見るblog

レノファ山口を応援・分析します。

梅木への道 大宮アルディージャvsレノファ山口 @Nack5スタジアム 2022年10月9日

6ポイントマッチ5連戦。結果としては2勝2分1敗。なかなか岩手戦に引き続き「う〜ん」といった試合内容での終戦。結果だけ見ればぎりぎり及第点。内容を考えると最終問題に向かうに連れて誤答がおおくなり、平均点ギリギリ。といったところでしょうか。ちょっと消化不良ですね。

ただ、成岡が復帰し、河野孝汰も約1年ぶりの試合と悪いことばかりでもありませんでした。そんな大宮戦を下記について振り返って見たいと思います。

1)超えられなかった大宮のダブルボランチ

2)4−3-3よりは4−2−3-1か。

得点

大宮           山口

3分 中野       60分 成岡

18分 中野

 

1)超えられなかった大宮のダブルボランチ

今節もレノファは3-4−2−1。佐藤謙が出場停止のため、前がボランチに上がって菊地がLCBに入りました。対する大宮は4-4-2の形。前から取りに行く場面もありつつも割と重心は後ろ。その代わり相手を引き込んでおいて、一気に裏を狙ってきました。

名塚監督「大宮が背後を取ってくるのは分かっていたこと

相馬監督「山口さんが前への勢いが強いチームという中で、われわれとしてはそれをひっくり返す狙いで試合に入った」

(引用元:Jリーグ公式https://www.jleague.jp/match/j2/2022/100903/live/#coach)

とあるように、相馬監督はアライバルインタビューでもほぼ同じことを仰ってました。言ってみれば、お互い狙うことはわかっており、成功した大宮と失敗したレノファ。と言えると思います。レノファは2試合連続で相手の術中にはまってしまいました。

名塚監督が言うように正直裏を取られるのもあっけなく取られ、マークも「え?」という形で外れていたし、付きにに行けてなかったので「安かった」と名塚監督がいうのも納得ではありました。

早々に失点をしたことである程度大宮がどっしりと構える。レノファが多少焦り気味に攻撃を伺えば、大宮が返す手で裏を狙うという展開が繰り広げられました。

まずレノファのボール保持時の狙いとしてはいつものざっくりですが、下記のような形だったと思います。

まず最終ラインからのビルドアップのところでは大宮の「2」の脇を使うことを意識していたと思います。今節もRCB高橋をRSBの位置へ上げ、田中渉がアンカーのような4−3-3のような形。15前は大宮の「2」の脇を使うため、右に左に降りてきてボールを動かす役目を担っていました。アンカーの位置にいた田中渉も本来ならこういうプレーをできるものの、この試合は佐藤謙のように大宮ツートップの間にいて、レノファのCBに大宮のCFが食いつけばボールを引き取るプレーが求められていました。

ただ、正直ここに(「2」の脇)腐心をしてレノファ自体が自ら難しくしていってしまったかなと。大宮は最前線から行くかというとそこまでは来ず。ボールを取る位置をミドルサードにしていたと思います。なのでレノファはハーフウェイライン付近まではすすむことができていました。

その方法として序盤は降りてくる前を使うことで前進を狙っていました。しかし、なかなかうまく行かず解説の石川直さんがおっしゃっていたように、外回りになるか、前自体が奪われてしまうような場面が散見されました。前の他に高井なども降りてくるものの今度は前線へ選手不足になるなど難しい時間が続きます。大宮がブロックを作る4-4のツーラインの前に手をこねても大宮は揺るがず、といった展開になってしまったと思います。

レノファ全体がある程度前進をしているため、ミドルサードでボールを奪われた場合、GK関とDFの間には20〜30mくらいのスペースができており、ここを中野に終始狙われてしまっていました。

 

その要因のひとつとして表題にも書きましたが、梅木への道がなかったことが上げられると思いました。前節の岩手戦である程度できていたことについて、梅木を使った前進を挙げました。

レノファが後ろからつなごうとしてうまく行かない場合、梅木へあててしまうというのが、梅木が復帰してから1つの方法としてありました。希望を言えば「後ろからキレイに繋いで前線へ」というのはあると思いますが、最終ラインから梅木へ通せば相手のファーストライン、セカンドラインも突破できるので、言ってしまえばショートカット。群馬戦なども前から来るところを生駒⇒梅木といった形でひっくり返してましたので、チームとしてもうまく使いたいところであったと思います。

ただ、大宮は先制していることもあるので【特に前から来ない。】

そのため、梅木が裏抜けをうかがうことや、ボールをおさめるエリアが狭かったことがこの試合あったかと思います。また上のgif画像の2枚目のようにボランチの二人が梅木へのボールが入らないように締めていました。CBとイーブンの競り合いさえもさせないようにその前で門を築いていました。

そしてレノファの中盤の選手がこのボランチの前のエリアでボールを受けようものなら、大宮のCF、SHがプレスバックをし複数人でレノファのボールホルダーを自由にさせず、あわよくばボールを奪い、ショートカウンターを狙っていました。

この試合大宮のダブルボランチの大山と小島はCBの前の壁として立ちはだかっており、それぞれ守備のスタッツについても、クリアやタックル成功・ブロックでCBなみの数字を叩き出していました。(下記sporteria様の守備スタッツを参照ください)

sporteria.jp

こうして大宮はレノファに対して中を徹底的に締めることで、レノファの攻撃を封じにきました。そこでレノファが取ったのがサイドチェンジ。これも1つの武器としてつかっていますね。あまり見ないシーンでした、高橋から橋本へのサイドチェンジも2度ほど前半あったりと横の揺さぶりをかけにいきました。

27分などは相手のクリアが中途半端になったところでしたが、吉岡から橋本、高井とつないでクロスに大外吉岡。中への折り返しを橋本のシュート。と中を締める大宮に対して大外を使いながらの攻撃を仕掛けていきました。

 

2)4-3-3よりは4-2-3-1か。

そして後半にレノファがシステムをいじりました。3-4−2−1から4−2−3-1へ。今シーズン中盤までつかっていた4ー3-3ではなく4−2−3-1へ。

変更した理由として、まず成岡を使った形にしたかったことと、守備がいまいちハマっていなかったことが挙げられると思います。守備についてですが、劇的に改善をしませんでしたが、この試合大宮が山口のシャドーの脇を使うシーンが何回か見られました。

上記のように20何分だったかな。。。すみません、メモのし忘れです。。。

大宮のLCB袴田に対して梅木がチェイスできずに高井が行こうとしたところを、すかさず茂木にその脇というか裏を使われ、富山の決定機(結果的にオフサイド)を作られたシーンがありました。その他にも落ちた小島を今度は誰も捕まえておらず、一気に裏を狙われるシーンも有り、人数は足りているものの相手への制限がかけれていないシーンがいくつか。橋本や特に吉岡が最終ラインから相手のSBまでチェイスしないといけないかみ合わせもあり、フリーで裏へのボールをいれられてしまい直接失点に関わってしまうため、ある程度大宮の合わせる4-2-3-1を使ったのかなと思いました。

そして攻撃としてはもともとボール保持時にはツーバックにしてますし、最初からこの形にしてしまおうというのがあったと思います。攻守においてシステムを可変させることでメリットとしては相手をずらすことがありますが、デメリットとしては奪われたときのポジションの悪さやトランジションの強度不足が挙げられます。そのためだったら最初からこうしよう。といったものだったのかなと思います。

後半から入った成岡が相変わらず臆せずボールを受ける、ターンをする、持ち運ぶとJ2では異次元のプレーをしてくれることもあり、前や橋本のSBも高い位置をとることができ圧力をかけることができていました。(もちろん大宮のボランチらにインターセプトされ、何度もカウンターを受けたことは問題でしたが) 名塚監督も試合後インタビューで言っていたように、前半にできていた横の揺さぶりだけでなく、「相手の背後をとった」縦の揺さぶりもかけられるようになっていったと思います。

そこにはSBから中の梅木への斜めの挿すボールもあったり、田中渉が3列目から追い越す動きが出てくるなどが縦の揺さぶりとしてありました。これが最初から出せればといったところですが、それはやはり大宮がリードしていたからこのような試合展開になったと言うのもありますので、20分で2失点は本当に痛かったなと思います。

 

システムの話に戻すと、基本は3ー4ー2ー1のままかなとも思いますが、4-2-3-1を併用するのもありかなと思います。名塚監督の理想は4-3-3の気もしますが、今いるレノファの陣容や現実問題としてワンボランチ(アンカー)を務められる選手、もしくはワンボランチにしてこの選手を助けられるようなIHはレノファにはいないので、このダブルボランチのほうが安定しそうですので、オプションとしてこの形は持っておいても良いかなと思います。この数回のブログで書いておりますが、来季に向けてうまくつなげる2試合にしてほしいなと思います。

 

さて、河野孝汰が復帰!と多く書こうと思いましたが、出場時間!!!次の試合はもっと長く彼の勇姿をみたいですね。長崎戦はリアタイできるので楽しみです。

もうこのチームでは2試合ですね、気づけばあっという間ですね。まずは長崎に初勝利!!これですね。

 

 

ちょっと脱線した話題を本文とは別に。

Nack5の雰囲気すごかったですね。僕の家から一番近いのが多分このスタジアム。(もしくは柏か埼スタ。) 結構10年前は友達と通ってました。川崎戦だったり、トゥーリオ見に行ったりと思い出の多いスタジアムなんですよね。

この友達は実は野球畑でなんかJリーグ見てみたいといったライト勢。何度か埼スタや等々力に連れて行ったのですが、一番ハマったのがこのNack5でした。目線と同じ高さで見る選手の迫力や筋肉がぶつかる音がたまらないとのことで足を運んでました。

そんな思い出深いスタジアムで菊地へのあの拍手。twitterでの画、改めてDAZNで見た映像は素晴らしかったです。Jリーグいいな!って思える光景が広がっていました。引退やお別れは寂しいですが、あのような花道は素晴らしいなって思いました。

奇しくもその前日に川崎対清水を見に行ってました。中村憲剛さんが等々力に来場しており、試合前のウォーミングアップのところで姿をだされ、その時に彼の現役時のチャントを歌うという一幕がありました。DAZNでも引退セレモニーは放映されてましたが、実際に彼へのチャントは録音でしか流れませんでした。

僕は昔はリーガエスパニョーラしか見てなかったんですが、中村憲剛さんのおかげでJリーグに、川崎に足を運ぶきっかけをもらいました。だからこそ、コロナで声が出せず「ありがとう」という言葉を届けられなかったことが唯一の心残りでした。ですが、この前の試合前のチャントを、僕が座っていた席は声出し不可でしたが、声をだされていたサポーターの方に思いを拍手で託して「ありがとう」をおくることができました。

あと2試合。ホーム最終戦で菊地・渡部の両選手のセレモニー。直接維新には足を運べませんが、しっかり「ありがとう」の思いをテレビの前から送りたいなと思いました。

コロナで色々不自由なことがあったからこそ、選手・スタッフさんへの思い入れもこの数年深くなったなと感じます。ただの自分の年齢のせいかもしれませんが(笑)

どうか悔いのない最終戦を終えられることを願いたいなと思った1週間でした。

ここまで読んでいただきありがとうございます。

文中敬称略