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レノファ山口を応援・分析します。

水戸戦の宿題返却 鹿児島UFCvsレノファ山口 @白波S 2024年4月28日

公式からも発表されていた「引きずらなければいけない敗戦」であった水戸戦。INSIDE MATCHでもこちらに伝わるくらいチームの中でも多く考えることがあったと思われます。

29日に行わせていただいた通称なんでも氏と僕のXスペース「なんクロ」に小山会長と葛西部長に参加をいただきましたが、水戸戦でチーム内で実際どういった反省があったのか、ということをお聞きしました。

 

もう少し押し込みたかったという気持ちがあった。それが悪い方にでてしまった。自分たちの出した最大限の力をだした結果が、今でている結果(負け)であることを認めなければならない。そして、それに対してできないこともあることも認めなければならない。

勝てるだろう、もう少しこうしたかったという欲求は必要ではあるが、やるべきことはなんなのかは整理しましょう。という話をしました。

 

と葛西さんからいただきました。(ちょっと無理にこのコメントを聞いたこと反省してます。。。)

チームで狙っているもの(背後を取る。DFラインを高くして高い位置でボールを奪う)やれることやれないこと(ロングボールを使う。ビルドアップで剥がしていく。ミドルゾーンで構える。ハイプレスをかける)、色々とあるかと思います。

今回の鹿児島戦については、シンプルに背後を使うこと、セカンドボールを拾って2次攻撃につなげること、高い位置でボールを奪ってショートカウンターを打つこと、など水戸戦で出せなかったものが見られたと思います。

今回は下記について考えていきたいと思います。

 

1)4-3-相田-2システム

2)1-0から2-0、1-0と1-1

 

【得点者】

鹿児島       山口

なし        37分 梅木

 

1)4-3-相田-2システム

今節でまず目立ったのが攻守における相田のポジションであったと思います。フォーメーションは4-3-1-2のような形で相田は「1」の部分、「トップ下」のようなポジションで特に前半はプレーしていたと思います。

 

まず鹿児島の並びから確認。4-2-3-1が基本フォーメーション。

比較的つなぐことでボールを持つ時間を増やして主導権を握るようなサッカーを目指しているチームとのことですが、今節の前半はロングボールが主体となっていました。

試合前の分析の中で、CBが前に釣り出てきて裏が空くというのがあったので、僕の持ち味であるキックでチャンスにつなげられたのは良かったが、そこから得点まではいかなかった。(引用元: Jリーグ公式

と鹿児島GK泉森が試合後に語っているように、序盤いくつかGK泉森からレノファのCBやLSB新保の裏を狙うようなボールが出ていました。確かに、長崎のエジカルジュニオに対しても平瀬がポジションを離れてロングボールの迎撃に出ていくことがありましたし、このあたりはレノファの空いてしまうことは分かってCBは出しているでしょうし、ライン設定も高くしていると思います。

なぜなら、繋いでくる鹿児島に対して、高い位置でボールを奪う、もしくはこのようなロングボールを回収してマイボールにすることが目的であったからと思います。

 

そんなレノファのボール非保持(守備)の局面では、相手GKがボールを持てばレノファのツートップの梅木と河野はそれぞれ鹿児島のCBを捕まえ、ダブルボランチが最終ラインにおちるなどして可変をさせてきますが、レノファは4-3-1-2のようにすることでアンカーのような形で残る主にCH8藤村を相田が捕まえ、鹿児島のSB(LSB外山や可変させたDH山口)に出れば相田やCFが2度追いするように追い込みます。

それを超えるボールがでてくるなら池上、吉岡、田邉が3CHのような形で待ち構えており、DFラインの奥を狙ったボールについては最終ラインの選手たちが対応していきました。

この試合特にレノファは鹿児島のLSBの位置では多く前半では引っ掛けたり、相手のキックミスを誘うなど敵陣での即時奪回ができていました。下記鹿児島のボールロスト位置ですが、ここでのボールの奪還がレノファの効果的なカウンターを生んでいたように思います。この試合の唯一の得点もこのLSBの位置でボールを受けた山口へのボールを吉岡がカットしたところから攻撃が始まっていました。

 

悪い入りではなかった。狙っていた相手の背後のスペースは的確に狙っていたし、そこをとることもできた。ただ、相手がイヤがるのであれば、そこを徹底的に突いていきたかったが、そこで山口のハイプレスを受けてしまっていたところが、見ている人の目に相手ペースと映ったところなのかもしれない。

Jリーグ公式で大島監督が残しているように、まずは泉森が挙げたような形でOKというふうに捉えていたかもしれません。また、レノファがボールを収めきれないとワンタッチツータッチでレノファのDF裏へ抜ける攻撃がいくつか出されてしまっていました。

ただ、前半については総じてレノファののペースであったと思います。

 

前からのプレッシャーもやれていましたが、その中で思った以上に相手がサイドバックの裏に蹴ってきていました。その回収もうまくやれていたと思います。奪ったボールを効果的に攻撃につなげて、良い形で得点できたのは素晴らしかったです。(引用元:レノファ公式

と志垣監督が試合後コメントされている通り、上述したハイプレスもそうでしたが、相田を上げること、その後ろを3枚にすることで守備が安定したように見えました。

それが相手陣でレノファがボールを失った後のファーストディフェンス(相手のボール保持者に対して最初にプレスに行く、という意味で今回はこの言葉使ってます)の設定が早くできること。

例えば18分のようにロングボールを梅木が競りセカンドボールを田邉が狙いますが、鹿児島ボールになります。ボールを持ったRSB野嶽、そして野嶽からパスを受けたLSB外山へ相田がすかさずプレス&2度追いをすることで、外山がたまらずボールを前線へ蹴りますが、このボールをヘナンが回収することになりました。

相田だけに限った話ではないですがまず相手陣でビルドアップでボールの出所を潰すこと⇒相手陣での良い守備から攻撃へ切り替えることができており、相手陣で4局面を回すことができる展開になっていきました。

29分の梅木の2回目の決定機などはまずファーストディフェンスが梅木と相田で被ってしまいましたが、CH藤村が最終ラインに落ちてボールを受けたところに梅木がプレス、RCB戸根にたいしてはそのまま相田が二度追いすることで、田邉はインサイド入るRSB野嶽を捕まえるほうにシフトし、田中渉へも池上睨みをきかせているので、パスコースは必然的にRSH福田になっており、多少ファウルっぽく見えましたが、新保がここを潰したことでカウンターが生まれました。

上述もしましたが、得点したところも、映像では河野が井林にプレスをしたところからしかでませんでしたが、ここで彼がファーストディフェンダーとしてプレスを強めにかけたことでインサイドにポジションを移したLSB外山へのパスコースはないと判断した吉岡の素晴らしい切り替えでLSB位置にいたCH山口へのボールを奪いました。

 

水戸戦終了後に志垣監督は「プレスのところも半信半疑にプレスに行き、その中でコンパクトになれずにスペースを使われて、下げさせられています。」とコメントされておりましたが、この点についてはこの前半を見る限り監督の「前半はパーフェクトな内容だった」というのは納得のいくものであったかなと思います。

 

 

2)1-0から2-0、1-0と1-1

前節のブログにてショートカウンターが実ったことを良かったこととして挙げさせていただきました。

この試合前半からハマっていたからこそショートカウンターではありませんでしたが、相手陣内でボールを奪うことで先制点をあげることができ、1-0で勝利をすることができました。

さて、1-0で勝つこと。この試合はこの「1-0勝利」に2つの側面が見られるのではないかと思います。

a)前半や後半の頭で追加点をあげて突き放して勝つことができたのではないか?

b)先制点をあげたことで、ある程度鹿児島の負けパターンに持ち込むことができたので、暑さなどもあるので試合のクロージングにリソースを割くことで1-0で勝った

 

まずaから。

梅木がインタビューで残していたように、先制点を上げるまでにいくつかチャンスがあったのは確かであったと思います。

梅木のゴール以外だと約0.85くらいがこの試合の他のゴール期待値であったと思いますし、シュートは打てないけども惜しいシーンというのは後半の吉岡の抜け出した場面などいくつかあったと思います。チャンスはあれど1点差のまま。。。

今年に入ってクリーンシートで勝った試合は今節で4試合になります。今節以外は複数得点をあげてのクリーンシートでした。唯一失点をしての勝利であった徳島戦で言えば1点取って、2点目もとって相手の反撃を1点に抑えての勝利ということもあり、やはりセーフティーリードのために(サポーターの心情を慮るためにも)、複数得点をするというのは大切かなと思います。群馬戦のように相手の心をおるようなこともありますし。

現にいくつかチャンスもあったこともあり、これをちゃんと決めることができればきっと強いチームとして今シーズン戦っていけるのかなと思います。

 

そしてb面。

先日の試合翌日の僕と通称なんでも氏さんでやらせていただいているXのスペース「なんクロ」にて、強化部の葛西部長が出ていただいたときの言葉を冒頭に書かせていただきましたが、実は僕だいぶ緊張しており、2度ほど聞き直しました。

で、『できないこともあることも認めなければならない。」という言葉が引っかかりました。

聞いた2回とも、この言葉を額面通りに受け取らないほうがいいな、と個人的には思いました。

 

できないこともあることも認める⇒できている領域についても確認をしている。

 

では、どこなのか?

それはハードワークすること、コンパクトに守ること。であったのかなと思います。水戸戦ではこの両方ともできたとは思っていませんが、やはりこの2ターム12節を志垣レノファが戦って来た中で、何が今までとかわりましたか?何を今年の特徴として挙げますか?と聞かれれば僕はこれを挙げるかなと思いました。

そして後半。前半得点をあげた梅木は早々に負傷交代をし、相田も足を吊る。河野も途中交代とファーストディフェンスが決まらなかったり、それに併せて4−4ブロックのMFの「4」のほうが怪しくなっていった印象です。

ただ、5−4−1への切り替えであったり、足をつろうが疲労困憊だろうが体を最後まで張ることなどをし、守りきったレノファのゴールマウス

不格好になってしまったかもしれませんが、水戸戦で失ってしまったものの中の大事なことはこの試合では示せたのかなと思いました。

もちろん2−0にしてればもっと簡単ではあったかなと思います。

ただ、今節は試合開始前にコートチェンジがありました。これはキックオフが鹿児島でありましたので、レノファが要請したものです。風なのか、日差しなのか、前半の相手陣はレノファの応援席が近かったからなのか。真相はわかりませんが、暑さもあったでしょうから前半から仕掛けようという狙いはあったと思いますし、おそらくプラン通りに先制。

田中渉が

前半に失点して、相手に流れを持っていかれた中で、後半は自分たちの流れに持っていけたが、得点できずに敗れた。こういった負けを今季何回も繰り返して、自分たちの負けパターンに今日もなってしまってすごく悔しい。

と述べれば、大島監督も試合後インタビューで「(後半せめれていたが)失点してしまってからでは遅い」と仰っていました。

鹿児島は前節の栃木戦が初めて先制点を取ったということでしたし、千葉や愛媛のような試合はあれど、やはり先制点を取られて試合を難しくする傾向にあるというのはレノファ陣営にはあったことでしょう。しっかり先制点をとる。そしたらちゃんと守る。

アウェイで1−0勝利。去年20位のチームがもう一度足元を固めていくには最低限でありつつも、結果と内容については十分なものであったのではないかなと思います。

12節が終わってまだ試合数よりも失点のほうが少ないレノファ。誰か予想できた方いらっしゃいますか??笑

僕は春の一大事と呼びたいくらいです。でもそれだけレノファ全体の姿勢が変わっていることも感じているので、この一大事が長く続いてもらいたいと願うばかりです。

 

さ、日付がかわって本日は仙台戦ですね。3連戦の2戦目。ちょっと最近は負けがこんでいるようですが、少し前までは最小失点チームでありましたし、油断はできません。

でも、1万人プロジェクト第2弾を5月6日に控えているレノファとしては今季初の連勝をして、ホーム山形戦を迎えたいですね。

難しいスタジアムということもありますが、過去の戦績は関係無しで勝利を勝ち取ってもらいたいものです。

ここまで読んでいただきありがとうございます。

(※文中敬称略)

 

 

 

さて、あとがき。いやはや、最近はyoutubeのレノファ公式はすごいですね。
正直水戸戦後のもう少し生々しいやり取りってあったとは思いますが、ギリギリ出せそうなものを出されていた印象です。

先日の「なんクロ」に葛西部長に出ていただきましたが、正直このやりとりを聞きたく、ちょっとなんでも氏には申し訳なかったのですが、一旦たしなめてしまったのですが、僕のほうが結局我慢できず聞いてしまいました。

この映像と併せていかに鹿児島戦へ向かう姿勢をチーム内で共有したのか、勝手に想像するとちゃんと修正したんだろうなという思いになります。

ただ、おそらく名塚さんもエスナイデルさんも、渡邉さん、霜田さん・・・の歴代の監督さんもおそらくこういう志垣さんのような言葉はきって持っていたはず。

名塚さんの選手からの信頼はとてもあついように思えましたし、個人的にはエスナイデルさんの良い意味で選手との距離感を保っていそうな監督さんの言葉も聞いてみたかったなっていうのもあります。

 

こういうSNSで広告していくことが大事になった時代に、自分の言葉を持っている監督がきたことや、広告していくことを積極的に行うようにしているクラブ。最近僕が時々使う言葉ですが、「皆様、試合の解像度が高い」「クラブ、選手への感情移入がしやすくなっている」2024年のレノファ、なんか風が吹いている感じがしますね。

 

それと33分の相手CK。ストーンところでフリックしてファーにボールが流れたところで新保がクリアする場面がありました。

岡山戦以降でファーポストのところに人をおいてファーへの対策をしていました。ここはまさにその対応の賜物というか、その対策が実ったかなって思います。もちろん前の形でもクリアできていたかもですが、一つずつ良くないところを克服していくのは見てて嬉しいですね。

 

今回のあとがきは以上です。