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ピッチ不良だろうと。 レノファ山口vsモンテディオ山形@維新 2024年5月6日

第2回1万人プロジェクト、またも雨でしたが2連勝!

ピッチに水たまりがある状態では水戸戦を入れると1分2敗とホームアドバンテージがないような状況でしたが、ピッチの状態関係なく相手最終ライン裏を狙うことなどチームの狙いをしっかり出せたことで、勝ち取った勝ち点3であったように思います。

では、今回は下記について考えていきたいと思います。

 

1)ピッチ関係なしに狙う事とピッチに合わせる事。

2)30mライン侵入回数とPA侵入回数

 

【得点者】
山口           山形

33分 新保

39分 若月

 

1)ピッチ関係なしに狙う事とピッチに合わせる事。

多少ピッチ中央部分は乾いているところがあったようですが、今節もほぼ田んぼサッカー。山形の渡邉監督が試合後に仰っていましたが、ある程度山口対策で考えていたものもピッチの状態もあり出せなかったと仰っていました。

確かに山形はしっかりビルドアップをしてくるチームですし、前節岡山戦ではそのビルドアップに対して相手がプレスに来たところで、ウイングを深い位置へ走らせるようなロングボールでひっくり返すようなプレーもあったようで、それを狙いたかったというコメントも残されてました。

ただ、同様に雨用のものも用意していたようでしたが、それを出していったら山口の土俵に上がってしまう形になっていってしまったかもしれない。とのことでした。

(参照:山形公式 渡邉監督コメント

 

山形らしさというものはこのピッチのために出しにくかったかもしれません。

そしてそんな山形と比べてレノファの狙いはこのピッチでの影響はそこまで受けなかったという考え方はできるかと思います。(ホームアドバンテージとは思いませんが)

では、その狙いとは

・DF背後を狙う。

・セカンドボールを回収し、相手陣へ押し込み、相手陣でのボールの奪還を狙って、相手陣内で4局面を回す。

・守備についてはミドルゾーンで構え、山形のロングボールに対してのセカンドボールをしっかり回収。

・4-4ブロックしっかり組むことでエリア内では隙を作らない

といった感じで、いつもよく書いていることが並ぶのですが、今節アクセントになっていたのはSHの2人であったと思います。まずこの試合のレノファで良かった点としてしっかりとDFライン裏へのボールの送り込みがあったと思います。

ピッチの問題で相手がロングボールを回収してもバックパスをすればボールが止まるリスクが有るために基本安全第一でサイドラインにボールを蹴り出してスローインになります。

しっかりと敵陣深くでのスローインにするためにはまずボールを送り込み、このボールに対して前線の4人でプレスをかければ深い位置でのスローイン獲得。

また、こぼれ球の回収についてもトップは相田ではありましたが、SHのふたりもインサイドに位置を取ることでレノファボールへの回収にも寄与していました。

そしていざボール保持になればサイドを積極的に駆け上がり、レノファの推進力を担っていました。

1得点目のところで言えば結果的に田邉のDFライン裏へのボールからのスローインですが、この田邉のプレーの前にあったのが山形にボールが渡ってからの末永のディフェンスがありました。ここで末永がワンテンポ遅らせたところで田邉がもう一度構え直すことができたのですぐにボールへ反応ができたように思えます。

ピッチの状態は関係なしで、しっかりと相手陣内でのプレスを行うことで高い位置での即時奪還は叶わなかったものの、その次のプレーで回収ができたことが得点につながりました。

 

また、あくまで自分の考えですがこの日の山本と梅木のCFはおそらく試合当初のプランで45分と45分での役割であったように思えます。

山本は梅木に比べて空中戦についての勝率はないかもしれませんが、しっかり裏へのランニングであったり、もちろん空中戦などもサボらないことで、相手のCBに対してしっかり自分の仕事をしていたように思います。そして後半満を持して梅木が入り、ある程度山本が摩耗させていてる相手に対してしっかりと空中戦を制して山形のペースに持って行かせないようにしていたと思います。

最終盤こそ山形の圧力がありましたが、結果的にはボールの保持率はレノファのほうが高く、それは前半の山本やSHの奮闘であったり、後半に梅木を中心としたいつものレノファのペースが保たれていたからこその数字であったように思えます。

やはりピッチは重いですし、いつもと違うプレーを求められます。そしていつもよりも違うプレーを強いられたのは山形の方だったでしょうし、得点を取るためにより足で山形の最終ラインを揺さぶることが守備のほころびを生むでしょうし、そこからの攻撃へ移る精度も下げることもできていたように思えます。

あまりうれしくはないですが、これまでに3試合こなしたピッチの慣れがあったのかなとも感じました。

 

 

2)30mライン侵入回数とPA侵入回数

そして抑えて置きたいのはこの数字。

以前Xスペース「なんクロ」で葛西部長が来られた時におっしゃられていた数字の一つである30m侵入とペナルティエリア侵入の数です。まず数字を出しますと

 

愛媛戦:30m侵入:28回  PA侵入:11回(チャンス構築率:11.5%)

熊本戦:30m侵入:19回  PA侵入:11回(チャンス構築率:14.8%)

山形戦:30m侵入:24回  PA侵入:19回(チャンス構築率:9.4%)

こちらピッチが悪条件時のスタッツ。水戸戦は相手が退場してしまったりしているので、この試合の数字は除外。

現在のレノファの1試合あたりの平均値は30mライン侵入回数は31.1回で全体の13位。ペナルティエリア侵入回数は11.7回で7位です。

これを見ると山形戦でのペナルティエリア侵入回数が多かったです。また30m侵入回数との比率を見ても、通常であればだいたい3回に1回はペナルティエリアに侵入しているところ、今節は5回に4回侵入することができていました。

もちろんこれはピッチコンディションもあるので、そういう戦い方なので通常期と比べるのはナンセンスかもしれませんが、他の2試合と比べてもかなり効率がよかったです。また、対戦相手の山形は30mライン侵入は27回に対して、PA侵入は12回なのでレノファがいかにペナルティエリアに入ることができていたかがわかると思います。チャンス構築率については他の2試合に比べて低い数値となっておりますが、山形の6.8%に比べると高く山口ペースで試合が進んでいったことがわかります。

 

では、どんなプレーでエリア内で入れていたか、でいうと通常のときよりもペナルティエリア内のポケットであったり、ハーフスペースのところで受けることができていたように思えます。

その中でもハーフスペースのところは特に前半多かったかなと思います。

例えば21分の敵陣に深いところからの左サイドでのスローイン。相田のロングスローと見せかけて、右サイドからの流れてきた野寄とのコンビネーションで田邉が左の奥をとったところで多少トラップが大きくなったところ。

また、26分にも新保が持ち上がったところから末永からワンタッチで若月につける場面もありました。

 

この3人が関わってハーフスペースでボールを受ける動きはこれまでに何度かでているプレーです。今節のプレーでは若月がここからシュートを撃ちましたが、何戦だったかは忘れましたが、ここから中にパスを送って、池上であったり前がミドルシュートを狙うシーンがありました。

キャストが変わっても同じプレーを出すことができるのはある程度パターンとして持っているものと思いますが、精度が徐々に上がっているようにも思えます。

そして、この形とは違いますが、2点目の前のPKを取ったところも新保と若月でポケットを取ったところでもあるので、この試合のペナルティエリアの侵入回数が実ったものだと思います。

セットプレーでの得点ではありましたが、その前までにしっかりストーリー(意図したプレー)ができていたのは、ピッチ関係なしにポジティブになっていいものかなと思います。

 

本来は晴れた天気のもと迎えたかった試合かと思います。1万人プロジェクトもありましたしね。必ずしも良いわけではないですが、負けた後にその試合に出た課題をしっかり返却するような試合が続いており、負けても引きずらない試合ができているように思います。

だからこそ連勝できれば乗っていけるようにも思えるので、いわき戦は連勝を期待したいと思います。

 

ここまで読んでいただきありがとうございます。

※文中敬称略

 

 

さて、今回のあとがきは今季新加入の板倉選手について。

前回のなんクロでMVPに挙げていらした方もいるくらいどんどん最近は試合に絡んで、好プレーを出しているように思えます。

 

-右サイドバックで起用した板倉洸選手のプレーはどうだったか?

板倉には私自身も口酸っぱく直さなければいけないところ、強みになるところを伝えるようにしています。J2のレベルにも慣れてきて、少したくましくなってきたと感じています。状況に応じたプレーができよるようになってきました。

 

-板倉選手は八戸でもサイドバックをしていたと思うが、どういうところで成長を感じるか?

一番は周りを引っ張ろうとする姿勢が出てきたことです。今までは周りに頼っていた部分がありましたが、声掛けの部分、自分がやらないといけないという気持ちを前面に押し出した部分というのが出てきたと思います。ただ、相手のセンターバックの跳ね返しの距離と、板倉の飛距離では差があります。中盤を超える

だけでも流れは変わってきますので、そういう部分はもっと期待したいと思います。(引用元:レノファ公式

と志垣監督も課題を述べつつも期待の言葉も並べています。

徳島戦のインサイドマッチで当初は試合に絡めなかったが、とても刺激になって充実な時間になっていると板倉選手自身も仰っていました。

ただ、そこから選手の離脱などもあり出番が回ってきてCBやSBで結果を出し続けており、徳島戦のあとに話していたことはホント彼の経験値になっていたのかなと感慨深いような気持ちになります。

板倉選手を見ているとどこか去年の五十嵐くんを見ているようで、試合を減るごとにやれることが増えるというか、精度が上がって試合で活躍の場を増やしているようにも見えるんですよね。

そしてそんな板倉選手を見ているともう一人顔がちらつくのが高橋くん。ようやく手術も終わって退院をしたようですね。インサイドでも五十嵐くんの後ろにもいてスタジアムにもこの前いたんだなと。

写真を見る限り筋肉量も結構落ちているようにも見えました。リリースから半年のなのでこれから暑くなってくる時期ですが、暑さが終わったあたりに復帰になりそうなので、とてもメンタル的にまだまだ難しい時期が続くのかなと思います。

前選手のレッドカードで今節板倉選手に回ってきた右サイドバック。本来であれば自分が!という気持ちも高橋くんにはあったと思いますし、板倉選手がしっかり勤め上げていた姿を見て、チームメイトとして嬉しさもあり焦りもきっとあるんだろうなと。

スタメンにからめていなかったメンバーが今節はスタメンとしてチームを勝利に導いてくれました。こういう循環はチームのベースを上げてくれますし1年戦っていくなからな必要なことなので歓迎したいところ。

五十嵐くんも最近はまたベンチ外もでてきてしまっていますし、高橋くんもまだ復帰は先です。でも難しい時間かもしれませんが、板倉選手が言っていたような貴重な時間に昇華して、今季中に推しの2人がまたレノファを盛り上げてくれるシーンが訪れることを密かに願っております。

 

今節は以上になります。