レノファを青黒の眼で東京から見るblog

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ベースを上げないと残れないのがプレーオフ圏内 ベガルタ仙台vsレノファ山口@ユアスタ 2024年5月3日

ん〜なかなか連勝できませんな〜。

ジャッジについてはあとがきのところで書いておきますが、それがなくても1−1。アウェイ仙台で勝ち点1というのは悪くない結果ではありますが、「連勝をする」という目標をもって挑んだ今節。まだまだ精度を上げていかないと連勝も上位にはいられないよ、と仙台さんに教えられたようにも思いました。

今節は下記について考えていきます。

 

1)自分たちのやるべきことが整理されたからこその精度。

2)後半の失速は選手交代か?疲れか?

3)ただし・・

 

【得点者】

仙台         山口

45+2分 中島     20分 池上

90+4分 中山

 

1)自分たちのやるべきことが整理されたからこその精度。

まずはボールの非保持のところ。

前節鹿児島戦のような4-3-1-2のように相田を多少上がり目に配置したところで仙台のビルドアップに対応していきます。

序盤、SBへボールを逃されSHまで届けられてしまっていましたが、最終ラインはコンパクトにしている他、中盤も併せて帰陣をしていることもあり、外誘導のまま仙台のプレーを終わらせることができており、中央での仕事はさせないようにできていました。

ただ、ここである程度対応できていたことでこの守備局面で反撃開始。

15:30で相田が3度追いをしてGKまでプレッシャーをかけます。GK林⇒RSB高田⇒RCH松井とでたところで、河野が松井へのボールをカット。ショートカウンターを出します。このあたりから相手陣地内で4局面を回せるようになっていきます。

やはり相手陣内で4局面を回す要素になっているのが梅木のロングボールの競り合いのところ。先制点が入ったということもあったかと思いますが、この15分以降から徐々に形がでていっていました。

先制点も始まりは梅木が相手陣でファウルをもらい、そのFKのところからでした。

相手陣で背後を狙う、幅を取った選手を使いながら、サイドでは2,3人が関わるなど仙台に対して揺さぶりをかけてのところでした。

池上のフリックのようなゴールでしたが、ゴールした池上は揺さぶりのところでサイドを変えながら、ボール保持者に対して何度も顔を出し、後ろで構えていた前貴之にしても、最後の局面では中央部から右サイドでオーバーラップをかけることで、吉岡のカット、インを促すオーバーラップでのアシストをしておりました。

得点後はほぼレノファペースで25分後が過ぎていったと思います。前節のように田邉が相田の出ていったところを埋めていたり、29分のような梅木⇒河野がロングボールの対応をしている中、DFラインの裏を伺うようなプレーをしたと思えば、34分のように、池上、吉岡、相田で右サイドを圧縮してボールを取りに行ったところでは中央部分を埋めると同時に、奪ったボールに対してボールの逃げ道のようになることで、このシーンでは新保までボールを届ける役割を担っていました。河野がLSHのレギュラーで使われている際には攻守において多くの役割を任されていますが、田邉もこれを鹿児島線同様にチームの潤滑剤のように担っていたかと思います。

 

またボール非保持のところに戻りますが、水戸戦辺りからレノファの4−4ブロックに対して揺さぶりをかけるために、鹿児島同様にミドルゾーンで仙台に逆サイドへのサイドチェンジのボールを出されるプレーがありましたが、レノファのこれに対するスライドは間に合っているので、ボールはカットできないにせよ、決定機までは作らせることもなく、レノファペースで推移していったように思えます。

前節からの相田を1列上げて受けられるメリット(前線のファーストディフェンスの設定)、デメリット(出ていったところのアンバランスさ)についてはある程度担保ができていたようには思えました。

ただ、38分あたりで実況の方から、吉岡の縦へのボールが仙台のGKへ行ったところで、「志垣監督から最終ラインへ、上げが遅い!」という声が上がったと中継内で言及がありました。

 

先制できたことは非常に良かったですが、先制できたからといって前半の内容が良かったかといえばそうではなく、一人ひとりの立ち位置、ポジション取りの遅さが目立ったゲームでした。前半を1-0で戻ってきたら、ハーフタイムでそういうところを引き締めようという話をしようとしていた矢先に前半の最後で失点しました。一人ひとりに隙、甘さがありました。(引用元:レノファ公式)

と志垣監督が仰っているように、ところどころでほころびがあったとのこと。

1失点目で言えば確かに本来であればアシストをした長澤のところへは4−4ブロックの前でボールを受けていることもあり、CFのどちらかが埋めているポジションではありましたし、得点をした中島が

相手のラインコントロールができていないときに背後を狙っていた中で、(長澤)和輝から良いボールが来ました。難しかったのですが、決められて良かったです。(引用元:Jリーグ公式)

と残しているように、RSHオナイウが上がり目になっていた前半、新保が低い位置を取る機会が多く、この場面では最終ラインに段差ができてしまっており、ボムヨンの頭の上を越されたところで中島に合わされましたが、新保が残っている状況であったためオンサイド。

最終ラインのミスももちろんですが、やはり長澤へほぼプレスがかけれていなかったのは前線のミスであったと思います。

 

水戸での敗戦を受けて、攻撃面では鹿児島、仙台とまずDFライン裏を狙うことや梅木の高さを活かすことが徹底されていたように思えます。

鹿児島では右サイドを中心にコンビネーションで崩し、左サイドは反対に田邉や新保がシンプルに裏を狙っていましたが、今節の仙台戦では反対に左サイドに人数をかけつつ、右サイドへサイドを変えるなど、相手にあわせて柔軟に形を変えて攻め込めることができていたように思えます。

守備時も4-3-1-2の形で相手のビルドアップを制限していく。外誘導を促して中は締める。そして高い位置でボールを奪えれば相手陣で4局面を回していく。『アウェイ仙台でもやれる』という一定の成果はあったように思えます。

 

ただ、志垣監督の指摘するようにポジション取りの遅さが目立っていた、など自分たちの精度を落とすと、仙台クラスの相手だと見逃してもらえないなと。

また前半の終わりあたりから目立ち始めていたのは被カウンターの多さのあったと思います。起因しているのはセカンドボールを収めたその後のところ。結局そのセカンドボールに対してのアクションの遅さもあったかもしれません。失点前の40分も河野が奪われた後に割と決定的なカウンターを浴びてしまっていました。

数えてはいませんが、被カウンターの数で言えばこの仙台戦は今季の中で多い部類であったように思えます。

4局面を相手陣で回すにはここでのボールを取られるのはご法度。自分たちのストロングがリスクにかわってしまうのはもったいないので、ここのチーム全体の精度も求められるかと思います。

 

 

2)後半の失速は選手交代か?疲れか?

そして追いつかれた後の45分、後半はというと正直出力を上げられなかったなと思います。追いつかれてしまったからこそ、勝ちを求めた試合で出力が上がらなければ得点は生まれませんし、勝ち点を得ることも難しいです。

例えば吉岡に替え野寄を後半の頭から投入しました。

この交代の意図を考えると徳島戦のように左からのクロスに対して中で仕事をしてほしい。右サイドを吉岡は左利きなので、一度持ち直してのクロスやシュートになりますが、右足が利き足なので、縦に早くということが考えられたかなと思います。もちろん連戦のために吉岡の披露を考慮してのものかもしれません。

ただ、結果としては右サイドからの攻撃がほぼなくなり左サイドがほとんど0となってしまっていたかと思います。とりあえず偏ってもチャンスになれば話は変わると思いますが、それはチャンスにならず。

下記footballlabさんのこの試合のスタッツですが、クロスの数自体は今季平均17.8に対して22と多いものの、クロスのチャンスビルディングとして、今季平均2.31に対して0.54とクロスを試みてもチャンスにはつながっていないという結果となってしまっていました。

クロスの項目でいうと、レノファは今節含めてJ2の中で2位とかなり上位に付けています。上位に付けているというよりも、レノファにとっては他のクラブと比較して得点機会を生んでいる生命線に近いものと言えると思います。

ハイプレスをかけていることもあり、終盤多少体力的にきついところもあるかもしれませんが、どこかで出力をあげなければならなかった後半、野寄、山本と攻撃的な選手を投入していったものの、それが打開策にならずに停滞を生んでしまったことは、交代選手当人の問題だけにあらず、後退を決断している監督含めてチーム全体で考えなければならないことなのかなと思います。

 

3)ただし・・

後半仙台はロングボールの供給元のCBやGKへの対応を修正したと森山監督が仰っていました。ただ、それよりも前半はレノファの外誘導に対してそのまま外誘導をしていましたが、後半インサイドをかなり意識をしていたように思えます。レノファの「4−4」ブロックが下がり気味であればボックスよりも多少外のところでボール保持をしていたり、そこでボールを持てればCB裏を意識したボール配給があったように思えます。

また、鹿児島同様に「4−4」の大外はやはり意識はしていたような形もあり、何度も相楽⇒オナイウといったように大きくサイドを変えるような展開がありました。

やはりこれは対レノファとして今後もどこも当たり前のようにやってくるのかなと思います。

ただ別の考え方をすればレノファがこれまでやってきたものについて成果がでている証左でもあると思います。

反省点ではありますが、前半・後半共に終了間際の失点などはそもそもやってはいけない失点です。それでもアウェイ仙台の地で自分たちがやらないといけないものを遂行する。精度が足りず失点をしてしまいましたが、それを克服すれば見える世界が変わるということにもつながるかと思います。

「しっかり喋っていこう!」。周南公立大学とのシーズン前のTMでも声がけされていましたし、もっともっと要求して、精度を高めて行ければ今のレノファならより高いところへ行けるはずです。

何度もくりかえしになりますが、1.6万人がおしかけたアウェイ仙台の地でも自分たちの色を出して、あわよくばというところまで行けました。正直今節は1vs1ドローの試合だったともいますが、これを勝ち点3に変えられたとき、プレーオフ圏内などが見えてくるのかなと思います。

まだまだ道半ば。すぐにはすべてが良い方向には変われないと思いますが、変わっていっている方向性はきっと間違っていないと思います。

その向かう道を信じて今後も後押しをしていきたいなと、今節試合後思いました。

いつか岡山でもそうでしたが、アウェイの地で大観衆を黙らせる志垣レノファを見たいなと思います。(まあ今年は割とアウェイの成績良いんですが。笑)

ここまで読んでいただきありがとうございます。

※文中敬称略

 

 

 

で、今節のあとがき。今回はだいぶ愚痴っぽくなりますよ。笑

鹿児島戦ではちょっとジャッジに救われたようなところがありましたが、今回は逆でした。個人的にはPKを与えてしまったところはファウルではあると思います。バックチャージっぽくあったかなと。ただ場所は外であって、なんでPKなの?という思いがあります。

前ちゃんのところも流石にイエローカード2枚での退場は妥当。でも一発レッド?まだ仙台の陣内で板倉が10m後方にいたら別ですが、そこまで決定機ですか?というところ。まじでありえん。ゴールまで50m手前でDOGSO適用されるの?

そもそも後半の2分?田邉がシュートを決めた時に河野のファウルを取ってましたが、だいぶ前方にあったボールに林がチャレンジしてミスっただけですよね?確かに河野もバックステップを踏んでますが、河野はGKへアタックはしていませんし、そうしたような判断してましたが、河野も林のチャレンジで傷んでますよね?結構イーブンなボールへのアプローチですよね??なんなら仙台のDFも林が傷んだ先に2人ほどいましたが??キーパーチャージは今ありませんよ?

 

ここまでは本音。

 

で、理性をちゃんと持ったところでいうと、結局こういうのも試合の一部なんですよね。こういうことが起きてしまうのはサッカーであり、審判はそのサッカーの一部分であり、Jリーグというエンターテイメントの仲間であること。

単に敵対関係になりやすいだけであって。

じゃあどうすればいいのか。

やはりこの2失点目で言えば田中のファウルがそもそも悪い。何度も志垣さんがこれまでの試合の中で不要な自陣でのファウルのことを話していましたし、遡れば前半9分に田邉が先にジャンプしたところで、下に入った仙台がファウルと思ったら、田邉のファウル。仙台の一部の選手も自分たちのファウルと思って後退していたようなところで、主審は田邉に割と強めに危ないから!と多少ナイーブな姿勢で注意を促していましたし、セットプレーのところもセンシティブに笛を吹いていました。そもそも立ち上がりから首をかしげるような笛はあったわけです。

昨年までJ3の担当で4月からJ2の担当へになった松澤主審。

選手もミスもしますし、センシティブなプレーもします。そりゃ主審だってします。ベテランの主審だってミスをします。

だったら、やはり試合開始直後からちょっとやばいなって笛を吹かれているなら、あのファウルは駄目。レフェリングに即してプレーするのもプロとして必要なのかなって思います。レフェリーも経験を積み重ねてJ2の笛を吹かれているプロフェッショナル。奇しくもレノファの11失点のうち3失点がPKでそのPKが今年からJ2を担当している審判。すごく思うことはありますが、アジャストしないといけないのはこちら側かなと思います。

これからできるようになっていけばいいんです。なりましょう。なることできっと強くなれますから。そもそもVARだって正直ミスってますから。笑

人間が下す判断に絶対はありえないです。 それ含めてエンターテイメントなんですから。

 

Xでも投稿しましたが、前半40分の板倉の良い守備に対して、新保がすぐにそれについてハイタッチを行うシーンなどもありました。こういうシーンもっと盛り上げていっていいと思います、審判と戦わず自分たちに矢印を向けていいプレーには惜しみない拍手、選手も鼓舞をしてレノファが盛り上がっていければいいのかなと思います。

現京都の監督のチョウ・キジェ監督もJリーグ公式のYoutubeで強いチームは守備のナイスプレーに対して盛り上がれる的なことを言っていました。

守備で魅せられるようになった志垣レノファ。ジャッジの1つや2つ跳ね返していきましょう。それができる土壌もできているのかなと思います。まだまだ成長途中。そんなレノファも含めて(敗戦を切り替えて)楽しんでいければよいのかなと思います。

今回は以上になります。