レノファを青黒の眼で東京から見るblog

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緊急事態でわかる今の立ち位置  レノファ山口vs藤枝myFC @維新S 2024年5月19日

スタメンとベンチのメンバーを見て「平瀬復活!」もありましたが、「どうしたどうした。なんかちょっと様子が変だぞ」といったような印象だった今節。

試合後インタビューで「ウイルス」という言葉や「前線の選手は全員ベンチ入り」といったちょっと心配になるような言葉がでてきておりました。

翌日のTMも中止になったことから欠場していた選手は怪我なのかコロナなのかは定かではないですが、多少今後に向けても心配なところはありますが、普段試合に絡めていない選手などスクランブルの状況で藤枝相手に勝ちきれたことは十分評価できるように思います。

こういう試合で負けてしまって「こんなめぐり合わせのときもある…」と諦めるような言葉を普段よく切り替えるときに使うのですが、こういう試合でも勝ち切ったという事実は前向きに捉えたいなと思います。2019年以来の3連勝であり、ホームでしっかり勝ち点3を取ったことをまずは喜びたいなと思います。

では今節は下記について考えていきたいと思います。

 

1)DF裏と5-4-1の「4」の脇

2)右サイドに見るライン設定の難しさ

3)緊急事態で見えたチームの底上げ

【得点者】

レノファ      藤枝

23分   若月    63分 山原

90+3分 末永


1)DF裏と5-4-1の「4」の脇

今節の対戦相手の藤枝のベースのフォーメーションは3-4-3。ボール保持ではLCBを上げてGKを含めて後ろを3枚にするなど可変をさせてきます。主にはボールをつなぐことに特徴があるほか、GKから一発で裏を狙ってくることもあるチーム。ボール非保持時には5-4-1のような形をとってきます。

対するレノファはロングボールのキーマンである梅木、池上が欠場をしたものの、山本と田邉を起用。そこまで欠場選手と大きく個性が変わらない選手を並べました。

この試合の立ち上がり10分くらいはお互いがロングボールを使いつつ、どの程度のボールが来るのか、セカンドボールを取りにくるのか、というのを探り合っているような立ち上がりであったかと思います。

そんなところで、こぼれ球の奪取数がレノファがリーグで1位、藤枝が18位という情報が実況の方から伝えられました。このままの展開であればレノファに優位に試合が進むかなと思ったあたりから試合が動き始めたように思います。

まず、ゴールに迫ったのは藤枝。11:50の藤枝のゴールキック。LCB99ウェンデルを一列あげて、残りのCB4中川、16山原とGK北村でビルドアップ。そしてLCH26西矢がLCBの位置に落ちることでボールを引き取り、新保の裏へ対角の長いボールを蹴り込んでアンデルソンがこれを収めたところから9矢村の決定機がありました。この場面は志垣さんも指示しているように外誘導を促すために中を切っていた若月が西矢まで出て行こうとしましたが、間に合わずロングボールが出てしまいました。

5分、13分とCKはレノファのゾーンの2列目(若月、田邉)を狙うような形を2回続けて蹴り込んでくるなど徐々にギアを上げていくような展開に。

ただ、ここでレノファもマイナーチェンジ。横浜FC戦のようにミドルゾーンで構えてある程度じっくりと対応。横浜FC戦と違っていたのは相田がこの試合にはいた事。

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18:20の藤枝のビルドアップに対して、相田が鹿児島戦のようにボランチへのコースを見つつ、高い位置をとることで西矢に出たボールに対して相田が対応する方法をとります。

25分は同じく西矢が落ちますが相田は出ていかずボランチを消しつつ睨みを効かせ、多少西矢が高い位置を取れば野寄が対応と、4-1-3-2のように対応しミドルサードへの侵入を許さないような守備をしていました。

これで前半藤枝は思うようなビルドアップをすることができず、流れはレノファに。15分には相田がセカンドボールをすぐに山本へつけたり、徐々に相田が存在感を出していっていました。

また、21:40では自陣でボムヨンのボール保持時では藤枝の5-4-1のままラインを高くしつつ、前線がプレスを掛けようと伺ってくる場面。相田のマーカーには9矢村が付いており、相田が最終ラインに落ちることで矢村が田邉へのパスコースを空けます。藤枝の5-4-1の守備ブロックの「4-1」で作る五角形の中にいた田邉にボムヨンからすかさずボールが入り、田邉はすっと前を向き若月をDF裏へ走らせるロングボール。

DFラインからのロングボールではなく、一度田邉を経由することで相手のリズムを崩します。藤枝のDFラインはロングボールに備えてラインは上げてセカンドボールの意識があると思いますが、田邉にあてることで相手のボランチも止まりますし、タイミングも狂います。

ここはGKに抑えられてしまいましたが、セカンドボールをしっかり野寄が抑えたところから得点が生まれました。

 

まずは右サイドから左サイドへ展開。相田がLSBの位置にポジションを移し新保の位置を上げます。それと同時に河野は中央へ。CFの山本が落ちてボールを受けることで藤枝のボランチを引きつけます。そして相田は山本にパスを出したその足で左サイドの深い位置を取ります。

山本→ヘナンへボールが渡ったところで新保は相手のDFラインとMFのラインの間のところへ位置取りました。

ここでヘナンから新保へボールが出たことで藤枝のRWBが新保に食いついてくれたことで、左奥を取っていた相田が完全にフリー。新保がその間とワンツーで駆け上がり、CF陣が中で仕事をし先制点が生まれました。

 

まず最近のロングボールで相手DF裏を取ることから、2次攻撃で相手の空くところをうかがうようなボール回しとただ縦に早くするのではなく相手を見ながら相手ゴールへ迫る。この試合で言えば試合を通して相手のSHはボールホルダーへ突っ込みやすく、新保や野寄がその背後にポジションを取れていたように見えました。

横浜FC戦ではRWB中村のところに人をかけたり、おびき出すことでこのRWBを攻略していきました。この試合も人数をかけるところは同じでしたが、ロングボールからではなく、ボールや人を動かすことでこのWB裏を突くことができました。

39分もやはりヘナンから新保に入ったところで河野が落ちるうごきでRWB大曽根やRCB中川を吊り出して山本が裏を取ってあと少しでポケットを取れるところまで行けました。夏場にかかるということもあり、次の引き出しを徐々にあけ始めているのがうかがえる前半であったかなと思います。


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この試合の前半の藤枝の狙いは?というと上述したように、試合当初はあまりリスクを犯さずレノファの裏を狙うようなものが多かったと思います。

29分の須藤が監督のジェスチャーをみるとファーストサードやミドルサードでもレノファが出てくる背後を狙えと指示しているようにも見え、現に割とボールを大事にするというよりもロングボールでの裏狙いが多かったように思えます。これについてレノファも特には慌てずしっかり対応できていたように思えます。

 

良く言えばレノファが良かったと言えることもでき、悪く言えば藤枝のプランがうまくいっていなかった。そして後者については「藤枝がレノファをリスペクトしすぎた」という言い方もできるかなと思います。

藤枝がレノファに対してある程度出方を見つつ試合に入った。セカンドボールなどレノファの得意な分野もケアしつつの試合の入りだったように思えます。

割と藤枝はカラーがはっきりとしていて相手にあわせるということは少ないように思えます(あくまで僕の印象)。結果的に前半はそこが藤枝はうまくいかなかったことにつながってしまったと思います。

そんな藤枝にある程度リスペクトされたというのはそれこそが今の順位である理由付けにもなるでしょうし、そんなチームに今年はなっているということも考えられるのかなと思います。


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2)右サイドに見るライン設定の難しさ

ただ、後半藤枝が動いてきます。前半のようにロングボールで縦に揺さぶるよりも、サイドを変えながら立ち位置でレノファを惑わせに来ていたように思えます。

前半で相田が負傷退場してしまったこともあり、田邉が同じように位置上げたところからスタートさせます。


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藤枝は最終ラインである程度左右にふることを意識してきたように思えます。暑さであったり疲れなどもあり、レノファの前線の選手の運動量の低下に伴い、持ち運んで敵陣への侵入などができるようになっていきます。

後半最初の交代で今まではLCBウェンデルを一列あげるような左肩上がりのような位置取りをしてきましたが、これを変更。

LWBに榎本を起用し、ウェンデルをカルリーニョスへの交代でしたが、カルリーニョスを右サイドに入り、中川がLCBへ。

それまでは<シマブクー前>、<ウェンデルー野寄>といったようにある程度マークがはっきりしていまいしたが、LWB榎本の位置が前と野寄の中間位置のようなところになりました。

失点シーンでは矢村が前貴之のところへ入り込みピン留めし、榎本が高い位置を取ります。こうなることで野寄が下がらざるを得なくなり、全体的にラインを押し上げることができなくなってしまい、ズルズルと下がってしまっていました。またサイドチェンジを織り交ぜならボールを動かす藤枝に対して、山本と若月が暑さや疲れなどもあってか制限をかけられなくなってしまい、藤枝の全身を許してしまい結果的にコーナーキックから失点となってしまいました。

失点のところも前半はレノファの2列目を狙っていましたが、このシーンは完全にゾーンの外側。梅木に代わって今節ファーサイドを担当した山本も前半は対応できる位置のものは跳ね返せていましたが、この位置は跳ね返せず。さて、今回は並びをかえるというよりも個人のところのものかなとも思うので、どうなりますかね。

 

3)緊急事態で見えたチームの底上げ

もったいなかったのはよくある話ではありますが、交代を目の前にしての失点であったこと。あと少ししのげれば。。。というものはあります。ただ、CFの一角に五十嵐、RSHに末永をいれることででこの右サイドをテコ入れ。

まず五十嵐を前線にいれることで制限をかけれていなかった藤枝のDFラインへもう一度プレス。また末永を榎本に対応させるのではなくその前でプレーをさせます。佐藤を多少下がり目にさせ、前貴之が榎本の対応に回すことでラインが下げさせられることを回避。(86分あたりがわかりやすいかなと)

この修正でほぼ5分5分のような展開まで戻せたかと思います。山本のアクシデントに対しては平瀬をCFとして投入するなど、今節のスクランブルを象徴するような交代も。

それでも最後は「4」の脇を相変わらず取り続けた新保のクロスから、交代で入った佐藤⇒田中⇒末長で試合を決めました。

 

今節の起用方法、実際けが人などいなければ違うものであったでしょう。

前線からの守備を考えるなら五十嵐ではなく加藤や小林、右サイドも末永ではなく吉岡、左サイドも田中ではなくそれこそこの試合スタメンであった山本らが起用されていたでしょう。ただ、アクシデントで満足な布陣をくめない中でもそれぞれができる限りの仕事を完遂。

また、70分や73分ではミドルサードのところであ引いた相手に対して、最終ラインとMFラインでボールを保持してゴールへ迫るシーンも出すことができていました。

 

途中から入った五十嵐について言及すれば今年はどのような基準でスタメンでなかったりベンチ入りも叶わなかったのかなと考えれば、フォーメーションの問題もあるかと思いますが、守備の強度であったり、エリア内での仕事などが挙げられるかと思います。

ただ、途中から入ってきた今節で言えば73分のようなライン間で前を向く彼の特徴の他に試合最終盤まで守備でもチームを助けるようなプレーも出ていました。


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今季のチームをこれを発揮できることが最低限。監督の要求水準なのだと思います。特徴+αであったり、守備のところのでの貢献など各メンバーの姿をなにかいつもと違うものがあるか、など見ていくのも今後の楽しみになるかなと思った今節でありました。

ナイス勝ち点3でした。

 

さあ、チームの連勝はどこまで伸びるでしょうか。そろそろリーグの折り返し地点が迫っています。どのような形で後半戦を迎えられるか。大分、清水、千葉と強豪との対戦が続きますが、たくましい姿を期待したいと思います。

 

ここまで読んでいただきありがとうございます。

※文中敬称略

[お写真:トリバンさんよりいただきました @jtki2004]

 

 

さて、あとがき。

この試合はとても両監督選手交代のマネジメント難しかったと思います。両チームとも前後半1回ずつ負傷交代で3回ある交代の機会を2回も使用を強いられてしまいました。

特に須藤監督は途中投入した中川、カルリーニョス(負傷交代)を再度交代させていました。本来であれば入れたかった選手、やりたかった交代などもあったと思いますが、その与えられた機会だけで流れを変えたり、修正を図るなどやれることはやりきった!というプロの監督を見たように感じました。

この試合なかなか評価は人によって分かれそうですが、個人的にはレノファはよく勝ちきったと思いますし、藤枝もいきなりキーマンが負傷交代があったものの特色は出した良い試合であったかなと思います。(まあ、ちょっと色々粗がありましたね〜という会話をゼロファジさんとはしましたが。)

レノファも他のチームにたいして、今年のレノファはこうである、というのがとても出せていますし、今後も他のチームがどのように対策してくるのかは楽しみですね。しっかりそれを乗り越えていってもらいたいものです。

 

今節は以上です。