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自分たちの進む道  レノファ山口vs清水エスパルス @維新S 2024年6月2日

まだ何も成し遂げてもいないのですが、なにか凄い空間だったなと試合後終わって約1週間経っても思っています。

グランパスだったり、セレッソだったり、ジュビロだったりJ1経験が長いチームが突如J2に降格してくることは時々ありますが、なにかこのエスパルス戦はそういうもの以外にも、去年の大敗もあってか「ついに勝った!!」みたいな地方クラブならではの歓喜や幸甚とでもいいましょうか、そんな思いに浸ったひとときでありました。

試合としてはどれだけ今年のレノファの形を清水相手に出せるのか、出せた先に何があるのか、挑戦的な意味合いの言葉が並んだ試合前コメントだったと思いますが、結果として2−0と複数得点無失点の勝利と内容的にも上回るような勝利となりました。

今回は下記についてこの試合を考えていきたいと思います。

1)ベクトルは自分たちだった?

2)自分たちの強みと相手の嫌がること

 

【得点者】

山口           清水

14分 吉岡        なし

27分 佐藤

 

1)ベクトルは自分たちだった?

この節対戦相手の清水のフォーメーションは4−2-3−1。ボール保持時と非保持でこの試合のレノファがどのようにできていたのかを見ていこうと思います。

まず清水のボール保持。トップ下に入る乾がポジションにとらわれずに各所で顔を出し、周りがそれに合わせるような乾システムのような形。

昨年もおなじように乾がトップ下に入り各所で当時のレノファの5-3−2の形を揺さぶってきました。特にミドルサードアタッキングサードに入ったあたりで、ボールと反対サイドに張ってレノファの中盤「3」の脇を取ってきて、ボールの逃がしどころとなったり、失点シーンでは彼のパスから被弾と、とても厄介な存在でした。

この試合も序盤1:40のあたりで清水のビルドアップ時にレノファの中盤の脇を取り、ボールを引き出してルーカスブラガを走らせるようなボールを供給と早速存在感を出してきます。ただ、レノファもここで乾を自由にプレーさせるわけには行きません。

2:15のように乾にわたったところで佐藤謙介がファウルをとられたもののここで潰すことに成功。また、この試合についてレノファが試合のイニシアティブを握った要因として、プレスがあったと思います。

田邉が相田のように多少高めに位置するのは前節の大分戦の時もありましたが、違っていたのは佐藤謙介の位置であったように思います。
ある程度大分戦では田邉と最終ラインの間でバランスをとることが多かったと思いますが、乾の位置に合わせてある程度高い位置までいきレノファのプレス圧縮に一役を買っていたと思います。

その代わりバランスを取るのはボールと反対サイドのSH。上の図では河野ではありますが、試合途中の20分あたりでレノファの左サイドにボールがあった際は志垣監督はRSH吉岡に対してもう少し中へ絞る。また、低い位置を取るように指示を出していました。(このシーンは見事にここを突破され右サイド奥深くに進まれてしまいましたが)。

もっともこのハイプレスが功を奏したのが1点目。右サイド奥に相手をプレスで押し込み、清水はレノファの左サイドにぼボールを逃がしたところで、プレスのスイッチを入れました。RSBの位置に落ちた白崎に対して河野が勢いをもって迫ります。それに合わせて新保がRSB原を捕まえ、LCH中村に対しては多少遅れながらも若月が追います。白崎はそれぞれボールに近い選手の足元に出してしまってはどこも捕まるような状況であったと思います。最前線のCF23北川、RSHルーカスブラガへの縦パスもあったと思いますが、田邉、佐藤がスライドを間に合わせており、ヘナンとボムヨンはスタンバイ済み。白崎の選択は中村の前方へのボールでした。

しかし、スライドを間に合わせていた田邉、佐藤のレノファの両ボランチ。結果的に手前にいた田邉がここを抑えてショートカウンター。ビルドアップで陣形を崩していた清水の選手たちが急いで戻るもののところどころに空いているスペースが。田邉や新保、若月が絡むことでポケットをとり最後は吉岡で先制点を奪いました。

 

また、ボール保持でも清水のギャップをつくことができていました。

最終ライン、この試合はボムヨンよりもヘナンがボールを持つシーンが多かったように思いますが、まずいつものように新保が高い位置をとって河野がインサイドに。時々この二人は縦関係になってそこに梅木が絡んで3人でロングボールを交えつつ崩すシーンがありますが、割とこの試合は河野がインサイドに長くいたように思えます。

清水のRSHブラガがあまり誰へプレスをかけるのか、パスコースを切るのかがしっかり設定されていないように思え、ヘナンはある程度余裕をもってパスコースを探せる状態に。

例えば1分のところではインサイドに入る河野にはブラガではなく白崎が対応。河野はボールをもらいに降りてきますが、ヘナンは河野の頭を超えて山本に背後を走らせるボールを選択。

RCB高橋にクリアはされるものの、セカンドボールは河野が回収。アタッキングサードで前を向いてボールを抑えることに成功。

続く8分は今度はRSB原が河野につこうとしますが割と距離は遠目。とブラガが中に入ったほうが。。。またツートップのプレスに対してもレノファの最終ラインは3人で回してますので、時にボランチを経由しながらツートップを交わしていると、レノファの右サイドの前貴之が余裕をもってボールを受けることができ、ここから前線へボールが供給されていきました。

攻守においてトランジションのほかスライドについてはレノファのほうが上回っており、走ることボールを動かすことにおいて清水を上回れた前半であったと思います。

ただ、じゃあなんでこんなにできたんだ?と考えたところで、いくつか疑問。やはり相手はあの首位清水。

少しアウェイの戦い方を見直すべきときが来たのかな、少し変化をもたらしたほうがいいのかなという、それは考え方なのか、それともやり方自体なのか。(引用元:Jリーグ公式)

と秋葉監督が残しているように多少清水の戦い方に問題があったようです。それについては清水の試合を多く見ていないのでわからない部分がありますが、多少勝ち点をアウェイでも取るために攻撃的な布陣を組んでいるというのがあるのかなと思います。

この試合の流れを考えると序盤セットプレーから危ないシーンは作られたものの、まずレノファとしてはボールを相手陣に送り込んでそこからハイプレスといういつものやり方で流れを自分たちに呼び込んだと思います。

清水もそのレノファのハイプレスに対して乾を久しぶりにスタメン復帰させるなど、ある意味真っ向勝負であったように思えます。

ただ、その真っ向勝負はレノファの対策としてあったものか?と言われるとそうであったようには見えませんでした。

 

ロングボールあるよ、ハイプレスしてくるよ、可変させてビルドアップするよ、位はもちろん情報として入れていると思います。ただ、ロングボール1つにしても19分くらいのときに志垣監督は中山コーチを呼んで受ける位置などの確認をさせていましたし、現に山本は住吉側で競るようなケースが多かったり、ボランチの中村とせるような形を取るなどいくつか場所を変えておりました。

レノファのビルドアップにしてもインサイドに入る河野の捕まえ方であったりファイナルサードに入ったところでの新保への対応にしても、清水を上回れたと思います。

確かに原と白崎のようにダブルチームでつくようなシーンもありましたが、その白崎の裏へ田邉が入ればここが空いたり、ここに中村がつくなら、若月はまたそのギャップをつくなど、清水が対策するその裏を突けていたように思います。

2得点目についても同サイドに人を集めつつ最後のバイタルエリアに対して全員が絵を描けていたようなパスワークからのゴラッソ。相手の立ち位置を把握できていたように思えます。

対する清水はあくまで自分たちが如何に相手を上回れるか、潰せるかというところに重点が置かれていたように思います。それは上で秋葉監督のコメントであるようにアウェイのやり方を考え直さないといけない。にも通じると思います。あくまでまず自分たちに矢印を向けてこの試合に入ったのではないかなと思います。

その中でレノファの選手達はほぼパーフェクトな前半を送れたことは今まで続けてきたことが確かなものになりつつあるのかなとも思います。

 

2)自分たちの強みと相手の嫌がること

そして後半清水は形を変更。乾をLSHに移し、松崎と千葉を入れてツートップに。

乾が左サイドでインサイドに入ったり、サイドに張るなど自由に振る舞うことは変わらず。ただ、LSBの山原を高い位置に上げて後ろを3枚で回すなどレノファの保持に似た形を取りました。

それでも、乾へのパスへのアラートはレノファも変わらず。54分のように乾へボールが入れば、前と吉岡で潰す。吉岡→佐藤→田邉と奪ったボールを繋ぐことで、食いついてきた清水のボランチを外すことに成功。ボランチが空けたところに山本が降りてきてドリブルからシュートなど、清水が空けたところをまた突くなど再現性の高い攻撃を見せることができていました。

 

ただ、しかたないですが、徐々に疲れや暑さもありプレスもトーンダウン。清水も2点差を追いつくべくレノファのプレスが甘くなればしっかりボールを繋いでアタッキングサードへの進入回数が増えていきました。

 

そこでレノファはミドルゾーンで構えてからのプレスに変更。&前線をフレッシュな選手に変えることでプレスの強度を落とさないように切り替えます。

66分の末永の交代出場から1回目のプレーはミドルゾーンから出ていったところでのLCB住吉に対してのプレスでロングボールを出どころでカットしたものでした。

同じようにジュニーニョも時にプレスが甘くならシーンはありましたが、同じように住吉に対してロングボールを出させないシーンも出て来て、チームとしてファーストサードでは隙を与えない、ミドルサードでは、中を消しつつ外誘導のプレスをかける、といった意思統一ができたプレーをやり通し試合終了を迎えることができました。

 

清水に対して前半はハイプレスで圧倒し、多少押し込まれても、しっかり守ったうえでのカウンター。2点リードしているからこそのプレーができていたと思います。

今期一気に守備意識が上がり、守備組織も整っているレノファ。首位のチームに対しても自分たちが守備で相手からペースを奪い、ペースを奪われた最終盤でも相手の喉元にはナイフを突きつけるかのように常にカウンターの一手を絶やさず出し続けるなど、特色を出しての快勝となったと思います。

 

去年あんなに大敗した清水に勝ったことで前半戦のプレーオフ圏内での折り返しが決まりました。まだ何も成し遂げてはいませんが、少なくとも自分たちが今進んでいる道が間違っていないということを確認できたこの5節だったと思います。

ここからどんな姿を見せてくれるのか。後半戦が楽しみです。

もうあと千葉戦まで1時間を切っていますが、チームの勝利祈りたいと思います。

ここまで読んでいただきありがとうございます。

(※文中敬称略)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

して、あとがき。ちょっと清水の方には読んでもらいたくないので久しぶりに下段まで下げてます。

 

で、相手チームのことなので軽い憶測はしたくないですが、結局この試合レノファナメられていたかなって思うんです。秋葉監督のコメントを使いましたが、自分たちのやり方についての言及でした。

横浜FC戦では横浜FCの質などにも言及してましたが、レノファ戦ではなし。自分たちに厳しいという考えもできるかもしれませんが、やほりまだそこまでレノファが考えられていなかった、考えられていないということなのかなって、この試合見直しをしてて思いました。

プロである以上、色々なアプローチがあると思います。もちろんある程度はスカウティングもされてたかなと思いますが、あまりにあの首位清水がちょっと拍子抜けなレベルで前半は無防備であったかなと思います。

まだまだレノファ頑張っていかないと!と思います。藤枝や大分がだいぶレノファに対してリスペクトをしてきたので、僕自身もちょっとそんなチーム増えたんだなって思いましたが、やはりまだ上位はそうでないのかもしれませんし、そういう立場で勝ち続けるチームが上位なのかもしれません。

今回は勝つことができましたが、次はわかりません。もっと自力をつけてアウェイ清水戦に挑んでもらいたいものです。

ちょっと嬉しさが爆発したあとにもやもやが残った試合だったので、ちょっと強めに書いてしまいました。

清水しんに全く不満があるわけでもないですので、そこは了承いただければと思います。レノファまだまだだぞという自戒も込めて、今回はしめたいと思います。

ありがとうございました!