レノファを青黒の眼で東京から見るblog

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前後分断。夏休みの宿題はお早めに。 ブラウブリッツ秋田vsレノファ山口@ソユースS 2024年7月14日

中断期間を経て再開されるJ2リーグ。残り14試合です。

中断前の秋田戦はかなり難しい試合になってしまいました。もう少し言えば19節~24節自体が難しいものでありました。2勝1分3敗となかなか勝敗もですが試合内容もなかなか厳しいものがありました。

ハイプレスを仕掛けてくるチームに対してボールを蹴らされる状況になり、セカンドボールを拾えないという試合が続いてしまっています。

中断期間があったとは言え複数得点できた試合は2か月前の清水戦までさかのぼらなければなりません。悪い状態でしたが、中断期間に入ることでブレイクタイムが取れたことはラッキーだったかと思います。修正する時間はもらえたことでしょう。

では今回は秋田戦の振り返りとそれを踏まえて大分との試合どうなるのか、考えていきたいと思います。

 

1)酒井をつかう理由、活かせなかった理由

2)下がり続ける30mライン進入とPA進入

3)大分戦の簡易プレビュー

【得点者】

秋田       レノファ

87分 河野    なし

 

 

1)酒井をつかう理由、活かせなかった理由

アクチュアリープレイングタイム37分。なかなかない時間ですね。まさに秋田ペースであったように思います。

この間のレノファの負け試合のパターンであるセカンドボールが抑えなれない。これがもろに出てしまっていたとおもいます。

この試合から新戦力の酒井が先発。小林とツートップを組み河野がLSHに戻りました。

まず考えないといけないのが秋田の戦い方であり、秋田のピッチ状況などがありました。そのためには酒井の起用はマストであったかと思います。

梅木のような前線でのエアバトラーとしての活躍も求められているところですが、それ以上に梅木のようにセットプレーの守備時のファーサイドを担当することであったり、ロングスロー対策としても必要な高身長要員でした。多少攻撃であっていないようなところがあってもピッチには立っていてもらわないといけない選手でありました。

そのためもったいなかったのはまだ連携面はこれからの酒井に対してよいボールを後ろから供給できなかったことであると思います。彼自身に頑張ってもらうようなところに行く前にボールを失ってしまいました。

2分や5分のようにいったん自陣でボールを動かして、酒井を使うようなところは今後の課題。ただ、序盤から出てしまっていたのはボールを失ってからの被カウンター。

カウンターを食らってしまうということは、ボールを自陣に運ばれてしまい相手陣で時間を使うことができないことを示します。セカンドボールを奪われても相手陣深くでのスローインであったりすればまだ相手陣でのプレーをすることができますが、カウンターを食らってしまえば反対に自陣に押し込まれてしまいます。

また、そうはさせずとカウンタープレス(即時奪還)を狙おうとしてファウルをおかしてしまいまえば、秋田はGK圍が自陣のかなり高い位置でもFKのキッカーを担い、秋田は全体的にゴール前まで上がるようにし、レノファ陣内高い位置へ押し込んできます。

レノファとしてはこの状態にはしないように不要なファウルであったり、安易なボールロストはご法度ではありましたが、これを繰り返す展開になってしまいました。

では、なぜか?

それはこの数試合でビルドアップがうまくいっていないことが挙げられるとおもいます。つなぐにしてもロングボールを蹴るにしても相手のハイプレスをいなして相手をずらすことが必要となります。苦し紛れに蹴ってしまえば水戸線のような展開になりますし、単にクリアするだけだといわき戦のようなサンドバック状態になります。

そのため、この試合でも秋田のハイプレスに対してどう策を講じるか、が必要でした。

秋田はこの試合でCBにRCBに27善岡を起用。アライバルインタビューで1vs1で勝つことを期待しての起用であることを明かしています。その期待通りに相方の河野と共に酒井に満足に仕事をさせなかったかと思います。

ただ、ここで酒井が競り負けてもセカンドボールを拾うことができれば、鹿児島戦の河野のように競り勝たなくてもある程度相手に満足にヘディングさせずにセカンドボールをレノファが抑えればよいのでそのあとまでしっかり設計ができていればOKであったと思います。

そしてこの試合ボランチに入った池上、相田の動きを見てみると、飲水タイムあたりまでかなり二人が最終ラインあたりまで落ちているシーンがあったと思います。

4‐4‐2というか4‐2‐4のような形でハイプレスをかけてくる秋田に対してボランチの二人があえて低い位置を取ることで相手のボランチを前におびき出したい、そしてその裏を使いたいという狙いがあったと思います。

ただ、全体がつなぐことを意識したのか、野寄・新保らが低い位置をとったり、それに合わせて河野や小林も周りとの距離が悪くない結局前線に蹴っても小林と酒井が孤立する形になりセカンドボールをとるというよりも、酒井や小林らで打開をしないといけないような前後分断状態に陥ってしまいました。

 

飲水タイム明けにボランチが2人が落ちる傾向にあったのを多少相田を前目に押あげて、相手のボランチの脇に位置どらせるようにし、ある程度藤山をけん制するような形にするもなかなか効果は出ず。

ある程度相手を引き込んでおき、17分のようにワンタッチを交えつつ裏へ行くことも狙っていたように思えますが、まずハイプレスに対してつなぐのかロングボールにするのか、このあたりのチームとしての意思統一がなかなかできておらず終始ペースは秋田という時間で最後の最後で決壊をしてしまいました。

先制したことである程度自陣にひかれてしまったところでようやく相手陣でプレーができるようになり、多少チャンスっぽいシーンができたのは、この試合ハイプレスに対してうまくいかなかったことを示唆しているようにも思えました。

 

2)下がり続ける30mライン進入とPA進入数

そしてもう1つチームとしてうまくいっていないのが得点ができていない現状。現在28点とリーグ平均を下回ってしまいました。そして複数得点は18節の清水戦からできていないのがあります。この低調な形に呼応して悪くなっているのが30mライン進入回数とPA進入回数です。以下footballlabさんのこちらのページより抜粋。

以前Xのスペース「なんクロ」に葛西部長が出ていただいた際に言及されていた30mライン進入回数とPA進入回数が今リーグの中で悪くなっていってしまいます。

特に30mライン進入が16位。言い換えると相手陣内に押し込めていないことがこの数値にも出てしまっていると思います。

そのため、最近あるような相手陣内に入れないことであったり、相手にカウンターであったり自陣に押し込まれる時間が長くなってしまっていることになっています。

この数字の改善も今後の14節のキーになるかと思います。

 

3)大分戦の簡易プレビュー

で、再開後初戦はまだ勝ったことがない大分。

アウェイでは多少追い込むものも決め手に欠いてスコアレスドローでした。ただ、ペースは握れていましたし、全く勝てない相手ではないでしょう。

そんな大分。アウェイのときの対戦時は4‐4‐2のフォーメーションを採用していましたが、今は3‐4‐2-1になっています。

ただ、特徴的なGKを交えてのビルドアップなどは変更はなし。

ボール保持では3‐1‐4‐2のようになったり、そこから人をすこしずつずらしながら、相會プレスをいなしていきます。

またボール非保持は5‐3‐2でミドルブロックを組んできます。

 

では、現在課題となっているレノファのボール保持の場面で考えてみましょう。

まず見ておきたいのはエスパルス戦ではミドルブロックを組んで対応していた大分はハイプレスにくるのか?この数試合でレノファがあまりうまくいっていないこのビルドアップのところで出てくるのか?

出てくるならレノファはどのようにかわすのか?がポイントになりますし、出てこないのなら最終ラインに5人を並べる大分に対してロングボールであったり裏へのボールは届けられるのか?があると思います。

出てこない場合は無理してロングボールを送るよりは5‐3‐2の「3」の脇を狙っていくことになるかと思います。

練習動画を見ると反対サイドへボールを解放するような練習をやっているようにも見えましたので、

・自陣ではプレスをいなして反対サイドへボールを届けられるのか?そしてボールをにがしたところから相手の背後をいかに狙えるか?

・相手陣では相手のミドルブロックに対してどこを狙うのか。「3」の脇。もしくはWBのところへ人をかけてサイドを崩すのか?

 

うまくいってないビルドアップに対して平瀬や前が課題を話していましたが、それをより意識する試合になるかと思います。

ここから大分、栃木、藤枝、岡山と5試合で4チーム3バック(5バック)のチームとの対戦が控えています。この大分戦で手ごたえを感じることができればこの8月シリーズよい形で進めていけるでしょう。

7月の課題はさっさと返して、8月はより高めていければと思います。

 

さあ、大分戦勝ちましょう!!