レノファを青黒の眼で東京から見るblog

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やはり14番ver.2に期待をしたい。 町田ゼルビアvsレノファ山口@町田GION 2022年9月10日

横浜戦の勢いそのままに!という感じではありませんでしたが、アウェイの地で勝ち点3!残留争い5連戦を前にチームにも良い意味で余裕と勢いをもたらす白星であったと思います。

高井、前、成岡と新戦力がはまり、くすぶりつつあった沼田がゴールをするなど残留に向けて体制は整ったようにも見えます。

ただ、もちろん油断はできませんし、この試合も難しかったところもありました。今回は下記について考えてみたいと思います。

1)借りパクしたい田中、成岡、寺門

2)橋本はまだ引き出しがあるしチームの主役になれるはず

3)今日の高橋君ではなく生駒君

1)借りパクしたい田中、成岡、寺門

今節は両チームともほぼ同じような布陣。フォーメーションは同じ3−4−2−1。ボール非保持時に多少町田のほうが前から取りに行くような姿勢。レノファはある程度割り切ってミドルゾーンまでラインを下げていました。

また、町田ももっと後ろから繋いでくるかなと思いましたが、いつもよりかはロングボールが多めだった印象。お互いショートカウンターをされないようにと多少大事に行っていたようにも見えました。

この試合でもボール保持の場面では佐藤謙が左CBに落ちて、両サイドのCBがSBのような位置に。

対する町田は5−4−1のような形でレノファに対してプレスを掛けてきました。ヴィニシウスはアンカーの位置の成岡を消しつつ、ボールを持ったCBの位置の2人にプレスを掛けてきました。時折どちらかというと8高江が残りつつ、18長谷川がもう一つ前の太田修と平戸と並び用な5−1−3-1のような形になることもありました。

まずそのような町田の中盤に揺さぶりをかけていたのが田中渉。この数試合同様シャドーの位置から3列目まで降りてきてボールを受けて、動かすこと。また、彼が動くことで相手も引き出し、そのスペースを吉岡や梅木、反対のシャドウの高井に使ってもらうことなど相手の「4」の位置を揺さぶります。ボールを持てば左足で左右長短のパスを出すことのほか、シュートまでいく場面も。得点時はやはり佐藤謙からのボールをすかさず梅木に繋げたところなども良さが出たところでした。

 

そして成岡です。横浜戦以上にスペシャルだったと思います。アンカー位置で受けてもくるっと前をむくことで相手に飛び込ませない技術。ポジションの取り直しを繰り返すことでマーカーに絞らせない動きなど織り交ぜレノファのビルドアップを支えていました。

彼の真骨頂は時間は飛びますが、62:50でしょうか。

シャドウの2人は降りてくるものの、出しどころなく停滞をしてしまっていたところから、生駒からボールを受けると一気にターンをしてドリブル開始。マーカーの10平戸をかわして橋本とワンツーでハーフスペースを駆け上がり、最後はアウトサイドで梅木へクロス。梅木決めろ!!と叫んでしまいましたが、成岡の見事なプレーでした。高井が落ちてくることで、町田のLSB5深津を釣り出しており、深津が守っていたハーフスペースが空いているのを確認し、そこをすかさず使うクレバーさ。ほぼ1点もののプレーでした。

時間を戻して、前半の町田は上述した田中や成岡が町田18CH長谷川を引き出すような動きをしたことで、町田の2列目が「4」枚ではなく、「3」枚になり、その空いたところを使うことをレノファは心がけていたと思います。

 

そして後半、町田はそこを修正するためか長谷川と鄭大世の身長を活かすためかは不明ですが、CH長谷川とLSH平戸の位置を変更します。

この選手交代と位置の交代があり、後半は町田に多少ペースを握られてしまいました。今節でも後半から佐藤謙が落ちる形ではなく横浜戦同様3バックの3人が後ろでボランチ2人が前にという形でビルドアップ。ただ、53分には佐藤謙が奪われてショートカウンターを食らう場面や。56分のようにゴールキックから繋がれて、2奥村から鄭大世→長谷川とあわや失点というところまで迫られてしまいました。

ただ、ここで守備陣が踏ん張ったこともあり、上述の62分の成岡の梅木の決定機の演出、64分には高井の決定機も高江のマークを外した田中渉が関わっていました。目安程度の話ではありますが、ゴール期待値を見ると、町田の攻勢に対してこの若い2人が関わった決定機が町田へ流れを渡さず、その後の沼田のゴールまで流れを呼んだと考えることもできそうです。(sporteriaさんより引用)

sporteria.jp

 

 

2)橋本はまだ引き出しがあるしチームの主役になれるはず

そしてレンタル組ではなくチーム保有の若手で触れておきたいのがやはり橋本健人。前回のブログにも書いたとおり、今のフォーメーションやチームのやり方では橋本はパスの受け手になることが多いです。前半戦と役割が変わっていますが、徐々にアジャストし始めていると思います。現在のWBになりより高い位置を取ることで、よりゴールに関わる機会が多くなっています。例えば

13:45から。ゴールキックからの流れで一旦やり直して生駒がボールを保持。落ちてくる田中には10平戸がつき、ヴィニシウスは成岡を消しながら生駒へプレス。生駒は佐藤謙へパス。しかし、ここは前が大外で幅をとり、高井が22太田と8高江の間に落ちてくることで彼らをピン留め。佐藤謙へのプレスに行かせんません。そして佐藤謙から高井。高井はワンタッチで成岡へ落として、成岡もワンタッチで裏へ送ります。ここに走り込んでいたのが橋本でした。

パスの瞬間はオフサイドラインが画面に映っていませんでしたが(もっと引いてくれ…)、正直感覚的に13:52の静止画を見る限り、割と足からボールが離れているタイミングにもかかわらず、走り込んでいる橋本とオフサイドの基準となっていた13菅沼が同じラインであり、多分オンサイドだったのかなと。何より菅沼はオフサイドのアピールはしていないし、していたのは出し抜かれた2奥山でした。

ちょっと判定への不満(ここ以外にもたくさんありますが)を書きましたが、それほど橋本の抜け出しは秀逸だったと思います。(52分のオフサイドも惜しかったです。)

48分には関のロングボールから梅木が競って、RWBの吉岡がつなぎLWB橋本が最後クロスを上げる場面など、レノファの現在の配置上の妙というか、WBがWGの役割も担っており、橋本は時に前半戦でいう4ー3−3の沼田のような役割も求められています。

このシーンではクロスがそのままゴールラインを割ってしまいました。中はしっかり人数をかけれていたシーンでした。よく高木などはホームヴェルディ戦などで強く求めていましたが、彼には良いボールをあげることが期待できるので、もちろんゴールもですが、特にアシストでチームを勝たせることができます。

また今のポジションではシャドウの高井は橋本が上がる時間を作れる選手であり、後ろのLCB前は攻守においてとても気を利かせられる選手。橋本が受け手以外に出してでも活躍ができそうな選手が構えてます。橋本がこの位置で活躍ができれば自ずとレノファの勝利は見えてくる。そんなレノファを引っ張る姿を残り7節期待をしたいなと思います。

 

3)今日の高橋君ではなく生駒君

で、今節影のMVPに挙げたいのが生駒でした。何度かミスはあったものの、この試合のクリア数は両チームトップの9。裏を狙ってくる町田に対して身長を生かした守備の他、CFに入るボールへの寄せも含めてクリーンシートに貢献していたと思います。(sporteriaさんより引用)

sporteria.jp

その他にもセットプレーのターゲットとしても身長を生かしたプレーでゴールを狙っていました。

16:30の右CKでは、ゴール前の密集から一人だけぐるっと密集の中を迂回してゴール前へ。5深津をあとちょっとで置き去りにし惜しい場面。

また39分の右CKでも20分にショートコーナーから高橋のニアサイドでのフリックを見せていたので、今度はニアに走り込む高橋、梅木らをよそに大外に開いてヘディングシュート。と岡山戦での菊地のようなセットプレーでの働きでした。

また、これは高橋にも言えるのですがクリアボールを前線の選手につける意識が高くなっている気がします。単にクリアするのではなく、生駒で言うと42分に佐藤謙につけたところ、58分の高橋から梅木へのボールは繋がらなかったですが、カウンターを仕掛ける意識が以前のチームよりも高いなと感じました。名塚監督の「練習します」の効果なのかトランジションのスピードは暑い夏場を超えたこともあり、相手を上回る場面も少なくありません。ただ、カウンターを仕掛けるにあたって、やはりいかに相手のセカンドラインを抜けて前線へ通すかは大事になってきます。そんななか生駒や高橋など若手が積極的にチャレンジをしているというのは、もちろん質が伴わなければ自分たちのピンチに陥ることいなりますが、頼もしいなと個人的には思っています。

レンタル組の高い個人能力に支えれているところもありますが、チーム保有組も苦しみながら成長している、成長途中だなと今後に期待をしたくなるこの数節でした。

 

さあ、久しぶりのミッドウィーク開催ですね。しかし場所は維新スタジアム。正直ここを取れればもう残留争いとかは使わないでよいところまでいけるでしょう。今節の最終盤の守備固めで入れたアンカー渡部の頭上をボールが通り、中を固めたことで大外からのクロスの雨あられなど、ちぐはぐした最終盤などは流石にもう見たくはないです(笑)

しっかり2点、3点と複数得点を取っての勝利を願いたいなと思います。

 

ここまで読んでいただきありがとうございます。

(※文中敬称略)