さてさて、2023年J2も残り4節になりました。
今回は、岡山って今どんな形でサッカーしているの?岡山にどう立ち向かおうか。というプレビュー記事になります。初めての試みなので細かいところは温かい目でよろしくお願いいたします。
では早速。
まず、現在までの岡山の成績。
2023年 38節現在
13勝16分9敗 勝ち点55で9位。45得点43失点(1.18得点 1.13失点/1試合)
2022年
20勝12分10敗勝ち点72で3位。61得点42失点(1.45得点 1失点/1試合)
3位に入った22年と比べると既に失点は上回っており、得点も平均0.28点下げてしまっています。
ただ、9位ではありますが、昇格プレーオフ圏の6位までは勝ち点差3とまだまだ十分にプレーオフを狙える位置にいることは確かであり、強敵なことは間違いないです。
ちなみにレノファは
2023年 38節現在
13勝16分9敗 勝ち点42で20位。33得点59失点(0.78得点 1.55失点/1試合)
2022年
13勝11分18敗勝ち点50で16位。51得点54失点(1.21得点 1.28失点/1試合)
岡山さん、昨年より点数が。。。とか生意気言ってすみませんでした。。。
では、開き直って岡山の戦い方について書いていきます。
基本フォーメーションは5-3-2(3-3-2-2)。シルビオ・ジュニオールと梅木がツートップで並んだホーム大分戦などと並びは同じと言えば、レノファサポにはイメージしやすいでしょうか。
岡山が目指しているサッカーとして<相手の陣地でサッカーをする>という、言葉は違えどエスナイデルレノファと共通するところがあります。
では、その中身をちょっと紐解いていきましょう。いつものように4局面から。
<攻撃>
まずはタテの意識が強い。
左右の役割は多少異なる。左サイドは同サイドでCB-WB-IH-CFと3人~4人を関係させて、タテ⇒タテと崩してくる。LCB43鈴木は持ち上がる場面も多く、WBやIHもそれぞれの立ち位置を見つつレーンを意識したポジションを取っており、ワンタッチを交えつつ左サイドの奥を狙う。
右サイドはRWB17末吉のスピードが脅威。RCB15本山は末吉の使うスペースに配慮するようにバランスをとっているように思える。基本はタテを意識であるが、つなぐこともできる。ただ、やはり末吉がスピードを活かしてニアゾーンを取る形もあり、このサイドを守備するときはWBには速い選手を起きたい。
フィニッシュ局面はやはりチアゴアウベスが中心。今季は6得点ではあるが欠場期間もそれなりに長い。出てくればやはり最も気を付けないといけない。相棒が誰になるかで戦い方が変化する。ムーク、坂本、ルカオ、櫻川とJ2では怖い面々がそろう。
ムークは割とセットプレーであったり中央部?
坂本は落ちたり流れたりができる
ルカオはゴリゴリ。ただただゴリゴリなのに献身性があっておかしい。
櫻川は単発ではこわい。ゴール前での迫力はピカイチ。ただ、岡山のスピード感に多分あってない。
<ネガティブトランジション(攻⇒守)>
アタッキングサードであればボールロスト後にまずは即時奪還をねらう。ボールホルダーから出てきそうな選手を予め捕まえる動作も早い。2人、3人と囲んでとることも多く、そこからのショートカウンターには要注意。
正直レノファよりも強度は高いし、連動している。
スペース管理が難しそうなのがWB。行くときは行く。引くときは引くの判断を誤るとビルドアップの逃げ道とされたり、背後を突かれがち。
<守備>
基本自陣では5バックを形成。ファーストサードではWBは最終ラインまで下がってスペースを埋める。
5‐3‐2を引くが前の2人は多少緩い。矢島ワンダーランドという言葉がゼロファジさんから出たアウェイでの試合ほどではないが、今もそこまで意識としては高くない。
ロングボールなど迎撃する主な役目はCB5柳が担う。ミドルサードあたりでのロングボールなども積極的に前に出て行き対応。
その分、最近ではCB裏などへボールを送り込んでくる対戦チームが多い印象(後述)
<ポジティブトランジション(守⇒攻)>
上述したように、まず<敵陣でプレー>することをチームとして狙っているので、敵陣でボールを取れば、矢印を一気に相手ゴールへ向ける。
自陣でボールを奪えば、まず意識するのはやはり縦。CFがサイドに流れるなどしボールの逃げ道を確保し、後ろの選手たちが上がる時間を作る。
遅攻にした場合はWBが幅を取り、ボールを逆サイドへ逃がしがち。
<セットプレー>
中心になるのはやはり柳。すでに4点を挙げており、すべてヘディングとのこと。
千葉戦では序盤3回連続でCKを柳にあわせるなど極端な例も。
基本CKはアウトスイング(ゴールから遠ざかる)のボールをあげる傾向がある。
レノファのようにマンツーマンでつく場合は、ペナルティスポットあたりで2,3人スクリーン役として柳の周りに置いておき、彼らに隠れて外に流れる、またはスポットのところであえて動かないでヘディングなどのパターンがあるかもしれない。ヘナンが出場停止のため誰が出るか。。。ボムヨンはチアゴサンタナなどに外されていたから多少怖い。
蹴られるボールは割りと滞空時間は長め。柳はこの時間を活かして大外に流れているし、高い打点でのヘディングを実現させている。
と4局面+セットプレーはこんな印象です。
ではレノファはどのように戦えるか?ですが、ポイントになりそうと感じているのが、
・池上・河野が2列目の裏を取れるか。
・レノファもプレスをしっかりかけられるか。
・池上・河野が2列目の裏を取れるか。
岡山は必ず走ってきますし、前からボールホルダーを捕まえに来ます。似たような目的を持ったチームですが、分類してみると多少テクニカルなレノファに対して、岡山はフィジカル系になるかと思います。
ある程度参考になりそうなのが、群馬戦と山形戦。
まず岡山の直近の相手であった群馬はボール保持時の並びはレノファと形は違いますが、可変で3-4-2-1になります。
その際に岡山は5-3-2の形をRIH44仙波を群馬のLSB中塩にぶつける形で5-2-3を取ってきました。おそらくレノファがボールを持った場合、RIH44仙波またはLIH田部井が群馬戦同様にCFの位置まで上がる形を岡山はとるかと思います。そしてダブルボランチには中盤残りの2枚が付く形かと思います。
ここで空いてきそうなのが、レノファのIHの池上と河野。
おそらくレノファのWBは高い位置を予め取り、岡山のWBのスタート位置を後ろに設定させるようなポジションををまず取ることを考えると思います。
そうなると対峙する岡山の前の5人に対してどこをビルドアップの逃げ道にするか。それが池上と河野かなと思います。
山形戦、開始1分で山形が先制をしたこともあり、岡山は序盤から追いかける展開。いつものように、もしかしたらもう少し強度高くプレスをかけてきます。そこで山形が取っていたのが、最終ラインと2列目の間にボールを落とすこと。
山形CF11藤本やOH49後藤がプレスをかける岡山の2列目の裏に落ちてボールを引き取るシーンが散見されました。
ただ、これは前節負けた大宮にも見られていた形でしたが、できなかったのがレノファ。期待したいのは欠場明けの池上。この空いた位置に入り込むのが最もうまい彼に期待したいと思います。
また、上記にレノファのWBが高い位置を予め取る、というようにしましたが、なかなかボールが出てこず押し込まれてしまった場合に見ておきたいのが岡山の3CBの裏。
池上や河野も下がってボールを引き出そうとする動きが多くなるかもしれませんが、狙っておきたいのは、金沢戦に梅木が見せたようなサイドに流れてボールを受ける動き。
岡山は<前から来る>以上、後ろはやはり泣き所。このデメリットをわかっていつつも、リターンが多いと見ているハイプレスを選んでいます。
山形戦では岡山はボール非保持時は可変で4-4-2を作っていましたが、山形が狙っていたのはやはり最終ラインの裏。
LWBが誰になるかはわかりませんが、スピードのある野寄を起用し、吉岡とともにフィジカルを押し出してくる岡山にたいして、梅木・池上・河野を囮にし、彼らが一気に裏を取るシーンがあっても良いと思います。※千葉戦も点差が開いたあとはこの場面が多かったです。
まあ、そうして岡山がラインを下げてくれれば儲けもの。そうすれば山形戦の後半15分あたりのようにアンカー脇を今度はレノファが使えるように成るかと思います。
「レノファもプレスをしっかりかけられるか。」
それと二つ目はボール非保持のところですね。
前節大宮戦ではボール非保持でもなかなかファーストディフェンスが決まらない展開が多くなっておりましたが、ここはしっかりと設定をしたい。ここを徹底していたのが千葉だったかなと思います。
千葉は岡山のプレスに対して裏を突くロングボールであったり、サイドチェンジでの矢印を定めさせなかったりとすべてにおいて巧みであったと思いますが、ボールの非保持もしっかりと岡山へプレスをかけてリズムを渡さないようにしていました。
攻撃のところで触れましたが、岡山は3CBのサイドのCBがまずボールを保持する傾向があるように思います。
千葉はまずここをしっかり抑えに来ました。並びはレノファとは違うので割愛しますが、ここからの配球であったり、アンカーやIHの道を遮断、というよりもここを狩場としてショートカウンターを繰り出していきました。
磐田も前半の序盤についてはほぼ一方的な展開に持ち込んでいたのも、このプレスをしっかりかけることで岡山の思うようにボールを運ばせないところが要因であったと思います。
ただ、山形戦などはマンパワーでなんとかしてしまっていたのが岡山のCBなので、大宮戦のようにデュエルでも負けるわけには行きません。
また時々CFの坂本などが中盤に落ちたり、輪笠が最終ラインに落ちることもありますが、過度な深追いは厳禁。結構大事なところを空けがちなレノファの痛いところを突いてきます。その時は群馬の大槻監督の「輪笠がおりてるだけ!」(群馬ー岡山14:40参照)を送りたいと思います。
で、この試合の予想フォーメーションはこちら。
岡山についてジュビロ戦のスタメンを予想。もしかしたら群馬戦のように坂本ではなくムークかも。ただ、怪我明けやコロナ(インフル?)の事情もあったようなので直近の試合から選出してます。
このメンツで何が一番困るか。それは左サイドに40番台が多くなり誰が誰だかが判別しにくいこと。
43鈴木の持ち上がりに、42高橋が幅を取って、44仙波がハーフレーンにいて、裏を48坂本が突いて41田部井が中で待つ。
ジュビロ戦は初見殺しですので、チャレンジしたくなった方は是非!
で、レノファ側ですが、やはりヘナンの欠場が一番の懸念点。代役は誰か。前貴之を左にして平瀬も考えましたが、沼田をチョイス。起用の理由としては岡山が寄せてくるところを利き足が左足で精度の良い沼田にIHやCFへボールを届けてほしい。多少右サイドの前やボムヨンと空中戦が心もとないところはあるが、彼の左足にここは期待したい。
そしてLWBには野寄を。正直レノファの悩みどころではあるが、岡山のRWB末吉のスピードがやはり怖い。ここはスピードタイプの野寄をあてたい。あわよくば野寄を裏へ走らせ押し込みたい。そうすれば末吉の怖さは半減する。
また、ボランチには大宮戦の後半のコンビに。岡山相手にはもう少し機動力を持たせたい。ということで矢島と成岡。あとはいつもの人たちですかね。
岡山と山口に共通しているのが、<序盤の失点で試合を壊してしまうこと>。この悪癖を岡山も持っており、この展開を両チームが恐れて硬い試合になる。。。とは両チームの色を考えると思えないので、やはり一方的に相手ペースにならないためにはレノファとしてはまずしっかりプレスを行い、ボールを持てば相手の矢印をしっかり外す姿を期待したいと思います。
ただ、テンションの高い試合経過になってしまうと不利になるのはレノファ。走り合いをすれば負けます。また、個人的に最も恐れているのは途中から出てくるルカオ。
途中から出てきて、ラグビー選手のようなガタイでもしっかり走るし、ゴリゴリドリブルをしてきます。軽量級が多いレノファにとってはただの天敵。疲弊をしたところでこのフィジカルモンスターが出てきてしまうと。。。得点こそ1点ですが、櫻川ソロモンもそうですが、なかなかレノファとしては組しにくい選手かなと思います。
と、注目点をあげてきましたが、どうなりますかね。『中らずと雖も遠からず』くらいがちょうどよさそうですが、果たして。。。
大宮戦ではホントに攻守ともに劣ってしまい、心配な内容ではありましたが、勝利を期待するだけですね。
次のレビューはこれの答え合わせになるかのようにしようかな。と。
では、またレビュー記事も宜しくお願いします。
ここまで読んでいただきありがとうございます。