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中盤の3枚の形から考える今節の意図と事情 徳島ヴォルティスvsレノファ山口 @ポカリスエットS 2023年8月20日

大事な6ポイントゲーム。落としてしまいました。

平瀬や高木がXを投稿するなどピッチ外も多少ソワソワした感じでしょうか。この先どうなるかわかりませんが、個人的にはとりあえず頭切り替えて次の甲府戦!とするしかないな、と思っています。

引きずっても仕方ないですしね。 

てことで簡単に今回は下記を。

1)神垣、水口のダブルボランチ→池上投入。

2)そもそもチーム自体がガス欠か?

3)サイドチェンジと平瀬



【得点者】

徳島          山口

6分  白井

26分 西野

 

1)神垣、水口のダブルボランチ→池上投入。

まずこの試合の前提としてコロナがチーム内で蔓延してしまい離脱者が出た。今回の遠征メンバーも万全であったのか?多少影響は受けていたのではないか?というエクスキューズはあるかと思います。

一応下記はこの前提については考えずに書いてますので、予めご了承ください。

 

エスナイデル監督が

ゲームに関しては1失点目でかなり崩れてしまったところがあります。(引用元:

第31節 徳島ヴォルティス | レノファ山口FC))

と仰っていたように、開始6分で試合のプランが壊れてしまったかなと思います。

アライバルインタビューでエスナイデル監督のコメントであった「色々あった。今できるベストメンバーを連れてきた」という旨は試合前の「なんかおかしくない??」という嫌な想像が、エルゴラで「コロナ蔓延」という報道で現実として現れてしまいました。

右サイドであれだけ使っていた高橋、清水戦も好セーブを連発していた関、チームの屋台骨である矢島とこれだけ主力がいないと、、、この大事な1戦を前にエスナイデル監督はじめコーチ陣の苦悩は相当なものであったかなと思います。

 

そして彼らが出した答えが5−3−2の中盤の形。

今まで4-3-3もそうでしたが、試合中に変更することはありましたが、基本は神垣などアンカーを1枚置いて、IHを2枚中盤に配置する形でした。(逆三角形▼)

しかし、今節試合の入りのところで採用していたのはダブルボランチでその前に五十嵐を置く形であったと思います。(正三角形▲)

ビルドアップのところで神垣と水口が並んだり、ボール非保持時に相手を押し込んだ際に神垣が高い位置を取り相手のダブルボランチを抑えて後ろを水口に任せるときもあったので、この形であったと考えます。(※あくまで自分の考えです。いろんなところでは▼の形の中盤で表記されています)

ダブルボランチにすることで、多少後ろを重めにしても点を取られないこと、清水戦で苦労したビルドアップのところを3枚目の位置を増やすことで安定をさせたいという狙いがあったのではないかと考えます。

 

ただ、残念ながら6分でこの策が瓦解してしまいました。

まずはこの平瀬の試合後インタビュー。

戻る時に水口選手に何か声を掛けることができなかったかということと、前選手がどういうポジションを取っているから、自分がどう動かないといけないか。味方の体の向きを見てしっかり判断すれば、自分はマイナス方向に対してもっと行けたのではないか。

という水口と柿谷のロングボールの競り合いのところからショートカウンターのような形で攻め込まれてしまったところでの反省が述べられていました。

なるほど確かに15前がニアを切っているので、平瀬は水口にファーを任せてもう少しマイナスのクロス対応に当たれたかもしれませんし、水口にファーではなくペナルティスポットあたりのスペースを消すことを指示すれば別の未来があったかもしれません。

ただ、そもそも論で言えば原因はここだけに限らずというのがあります。始まりで言えば相手陣深くへ追い込んだところから、深い位置で2対2の形まで追い込めているならば、ロングキックに対してもっとジュニーニョが寄せていれば、柿谷と水口との競り合いでもう少し柿谷に満足にジャンプをさせないようにできた。柿谷から森へボールが入ったときに相手陣へ押し込んでいたとはいえ、吉岡、神垣、五十嵐、田中はもっとスプリントをして帰ってくることはできなかったのか?画面に映ってしまっているので五十嵐の心象が最も悪くなるかもしれませんが、残りの3人も正直どうだったの?というのが本音です。おそらく五十嵐と同じくらいの戻り加減であり、徳島の選手たちに比べればトランジションのまずさは明確であったかと思います。

ハイプレスをかけるということでレノファは個々人がしっかり自分のマーカーを捕まえにいきます。それは自分のポジションを離れること、自分たちの陣形を崩してでもリスクをとって守備をするので、リスクヘッジであったりこのように相手に上回れたところでのリカバリーはマストになります。

大事に行く試合であったのであれば、まずはミドルゾーンで構えて相手の出方を伺うことも選択できたかと思います。

それでもハイプレスを行くなら行く、だめだったならしっかり戻る、などエスナイデル監督就任当初ではできていたことができなくなっているような印象も受けた失点でありました。

 

この序盤の1点でプランが崩れてしまったレノファですが、いくつかチャンスや決定機を迎えることができており、一見持ち直せたかのように見えました。

しかしながら、10分14分のように水口が自陣でボールロストがあったり、そこを抜けてもCFや五十嵐のあたりで大分戦のようにボールを納めることができずませんでした。結局徳島のファーストラインを突破するもそこからはロングキックの場面が散見されるなど、やはり全体的に体調であったり雰囲気的なものが重くなっていたように思えます。

前半20分すぎなどでの中盤でのボールロストに対してもやはり戻りが甘いところもあり、何とも自分たちで試合を難しくしていたように思えます。

そして2失点目を喫し、33分に水口に代え、池上を投入しもとの5-3-2(中盤▼)の形に戻すことになります。

狙いとしては池上を入れることでもう少し44分のような裏を使うプレーなどを増やしたいのかなと思いました。

ただ、水口と神垣でファーストラインを突破するような形があった中で後ろを一枚削ったので、多少後ろから出てくるボールの回数としては減っていったので、一つのプレーの精度はより求められるような展開になっていきました。

苦しい選手起用の中、おそらく固く行くことを選んだと思われた布陣でありましたが、早々に失点。また前半のうちに追加点を許してしまい、結局元の形に戻さないと行けなかった。結果論になってしまいますが、大事にいったはずが裏目に出てしまったような前半になってしまいました。

 

2)そもそもチーム自体がガス欠か?

そして後半。レノファは選手交代で体の重そうだったジュニーニョ、田中に代えて皆川と野寄を投入。野寄をRWBに入れ、吉岡はLWBに回しました。

特に徳島はLSH西谷を高い位置に貼らせて、吉岡の裏側を取ろうとしたり、RSH吉野はボールを低い位置で受けたり中に入ってきたと思えば開いたりと、割と自由な位置取りをしていたように思えたため、両CBが引っ張り出されることが多かったと思います。

そのため、多少WBの位置を修正。最初の設定位置を低くして後半から入っていきました。低い位置からスタートはしていたと思いますが、吉岡・野寄と走ることができる両翼であったため、そこまでボール保持時でも高い位置を取れていたので、影響はなさそうに見え、後述しますが、ちょっとずつ徳島のニアゾーンをとることができるシーンもありました。

しかし、残念ながら60分を過ぎたあたりからトーンダウン。

まず1つに徳島のSBの位置。レノファのWBが低くなったこともあり、下手に両サイドのCBが引き出されなくなったかなと思いましたが、徳島のLSB2田向らが西谷の背後。WBが出ていかないと、という位置でボールを受けるなどするため、結局WBが前に出ざるを得ず、結局西谷には平瀬が付くことになり、この平瀬が出ていった位置を使われる展開になり、押し下げられて行ってしまいました。

また、もう一つとしてチームとしてもですが、目立ってしまったのが五十嵐のガス欠。足元で受けるシーンが増え、ボールは回せど相手をそこまで動かせず。序盤にチームとしてボールを動かし、相手も動かすことでニアゾーンを取れ始めていたと思いますが、それも少なくなりました。

苦肉の策に本職はCFであったり、最近ではサイドで使われていた高木をIHで投入することになりました。早速71分に中盤でダイアゴナルな動きからボールを引き出すなど高木自身の調子は悪くなさそうでしたが、72分のようにハイプレスの位置で池上、吉岡、高木でちょっとそれぞれの位置取りが怪しそうな状態でボールを奪うものの、そのあとのポジティブトランジションでミスがあるなどはやり慣れないポジションというのは否めないように見えました。

残念ながら幻の1点はあったものの、このまま試合は終了してしまいました。

 

90分通して感じたものはやはりチームとして重い。ガス欠が早い。どこまでコロナでどこまでが怪我なのかはわかりませんが、やり方を変えている中で怪我なども発生はしてるでしょう。(フロンターレは新加入選手が使う筋肉が違うのかすぐ怪我で離脱をしていました)

ただ、勝ててない影響もあるのかどこか重そうな印象が拭えず、コンディション調整・リカバリーはエスナイデルさんがよく話していますが、このあたりが追いついていないような気もします。

 

3)サイドチェンジと平瀬

できなかったことばかりを挙げてしまっていたので、よかったなと思った平瀬のプレーについて触れてみたいと思います。

今節徳島の最終ラインは画面で見える中では割とサイドチェンジに対して気を配っていたように思えます。あまり試み自体が少なかったのもそれが理由かなと思います。

SBがある程度中に絞りすぎずに、レノファがロングボールでサイドにボールを振りそうなところでWBの位置へ付きに行っているように思えました。

 

ただ、そうであれば次の手を打てばよいだけであります。

そこで目を引いたのがRCB平瀬であったと思います。15前のように前線へ行くことを厭わない選手のようで前半から何とかしようとする姿がありました。

例として挙げるのは15分。左サイドkらボールがCB15前へ。そこから右サイドに張ったRWB吉岡へ。ここでも徳島LSB田向は前にボールが入った時点で多少開くことで吉岡のほうへ寄っていきました。

ここで平瀬は前にボールが入りそうなところで、この田向の位置を確認したように見えました。ここで平瀬は前線へポジションを移動し、吉岡と田向が競りそこのスペースをケア。多少吉岡のボールが前方へ流れてしまいましたが、平瀬にそのままわたっていればここでフリー。サイドチェンジを使うことで前節の田中のように1vs1ができるのが良いかと思いますが、2vs1の形を作ってサイドを攻略するのはありかと思います。

また、相手がサイドをケアすればSBとCBの間は空きます。相手のプレスもだいぶ弱くなっていましたが、76分のように15前から野寄へのニアゾーンへのスルーパスのようなものも通るかと思います。

平瀬に話を戻すと、後半の立ち上がり、50分のところでも高い位置で3vs3の状況でドリブルで強引にニアゾーンを取ることができていました。

その他でも徳島のファーストラインの脇も取るようにもなりましたし、ここからボールの配球をする姿も見れました。

このまま3CBで行くのであれば彼が右サイドを担当し、前は中盤に入るのもありかなと思います。前、成岡、池上、神垣この辺りで3枚を回すのはありなと思います。残念ながらそろそろ水口は9/10から大学のリーグ戦が始まるようなので離脱かなと思います。

試合日程・結果 | スコア情報 | 中国大学サッカー連盟

前線の高さでボールがキープできないのであれば五十嵐は河野同様に足元で納めるような形でFW起用もありかなと思います。開幕当初から守備の強度の課題はあるものの、このあたりのタスクを省いてゴール前でのタスクを課せばA山形戦でしたかね、あのまた抜きからのシュートのようなシーンも出てくるのかなと思います。

 

といったことで、今回は終わろうかなと思います。

残念だし悔しいしでしたが、東京PVは盛り上がっていまして、まだまだだよ!という雰囲気でありました。むしろアウェイヴェルディ戦でピッチレベルでアップの見学ができるので、楽しみだね~なんて話も出ているくらい前向き。

チームを信じて応援していきたいと思います。次勝ちましょう!

 

ここまで読んでいただきありがとうございます。

(※文中敬称略)