レノファを青黒の眼で東京から見るblog

レノファ山口を応援・分析します。

入りの悪さと目の合ってなさ。 レノファ山口vs水戸ホーリーホック@維新 2023年

またも6ポイントマッチを落としてしまいました。今度はホームで。

怒りは特にないんですが、悔しいですね。。。

降格圏に近い位置にいる間は全てが決勝戦に近い状況です。徳島も、水戸も同じ考えでしょう。彼らにとっても大切な試合であり、我々も精神的にも強く行かなければならないので難しい試合になります(引用元:第33節 水戸 | レノファ山口FC

 

エスナイデル監督も試合前に「精神的に強く」と仰っていましたが、序盤の20分どこか自身なさげにプレーをしているように見えました。「集中力もなかったですし、弱かった。」エスナイデル監督の言葉通りであったかなと思います。

こういう時はササっと振り返って切り替えるに限りますね。ということで今節は下記にっいて考えてみたいと思います。

 

1)重要な試合での入りのミス。何がミスだったのか。

2)よりFWの得点が求められる。

【得点者】
山口         水戸

27分 河野      3分 鵜木

           21分  鵜木

 

1)重要な試合での入りのミス。何がミスだったのか。

レノファの今節の並びは5‐3‐2は変わらずで、LWBに前、CBに生駒を起用し前節の終盤の並びとなりました。

ロッカールームで掛けた言葉は1週間前と同じでした。どういう攻撃、どういう守備をするかは明確になっていました。ただ相手も素晴らしいチームでした。
最初の時間帯、我々よりも相手のほうが上でした。集中力とアグレッシブさは上でした。我々よりも集中力を持ってプレーしていて、我々は現実として試合の入りが良くなかったです。

エスナイデル監督の試合後インタビューですが、多少本音と建前を織り交ぜているかと思います。邪推をすれば、どういう守備をするかは明確になっていた⇒ただ、それが実行出来なかった。こんなふうに考えることができるかもしれません。

 

時系列に試合を追うのではなく、先に失点シーンについて先に言及させていただきます。

1失点目はまず右サイドで圧縮していたにもかかわらず、ゴール前へ簡単にボールを通させてしまった。そして、そのボールのレシーバーであった鵜木や星沼に対してのマーカーであったボムヨン・前の位置がずれてしまっており、最終ラインにおらずシュートを打たれてしまい失点を喫しました。

ボムヨンが

1失点目は後ろに2人が残っているのを確認できなかった。それで前(貴之)選手が1人で2人を見ることになってしまった。時間帯としてちょっとズレる時間があったから失点が起きたのもあった。やっぱりまず人をハッキリしないと失点する。

(引用元:【公式】山口vs水戸の選手コメント(明治安田生命J2リーグ:2023年9月3日):Jリーグ公式サイト(J.LEAGUE.jp)

と、試合後インタビューを残していましたが、ボムヨンが自分の背後の選手の認識を持ててなかったこともありますが、鵜木を前が外してしまっていたのも事実かなと思います。または生駒は安藤に付く形で高い位置まで出ないでゴール前のポジションを取っていれば、という見方もできると思います。

 

この場面の数秒前を振り返ると、前の務める左サイドとは反対の右サイドで何回かボールが行き来していました。

水戸のボールホルダーの周りにレノファの選手は7人。対する水戸は多く数えて5人といったところ。はたから見ればしっかり囲めているからボール奪取できそうというシチュエーションということもあり、多少ポジションを高めに取っていたのかもしれません。

しかし、結果としてはボールホルダーへ制限ががかからずあっさりとパスを通させてしまった。ボムヨンの「人をハッキリ」というのはここに繋がっているのかもしれません。

ボールが落ち着かなかったこともありますが、ゴール前での水戸の人数、レノファの人数について、誰か気づいて声をかけられなかったのか。

チーム内での決め事については当事者の方々だけなので何とも言えませんが、

この場面こそ冒頭の「どういう守備をするかは決められていた」⇒「ただ、実行ができなかった」というエスナイデル監督の言葉に考えることができないでしょうか。

 

また、2失点目についても鵜木へのボールが甘くなったところを、前は生駒に任せようとしたが、生駒は前が行くものと思いエリア中央にポジションを移しており、鵜木にシュートを打たれてしまいゴールを奪われてしまいました。

これをただ守備の連携ミスと断じてしまうのは安直すぎるかなと思ったので、多少付け足していきます。

この試合前半からうまくいっていなかった要素としてビルドアップ部分の拙さがあったかと思います。ロングパスを出すにも精度が伴っておらずボールを失う場面が続きます。ではショートパスにするのか、と思いましたがここもなかなかうまく行かない。

話が前後しますが、今節の水戸の序盤のレノファのビルドアップへの形としては、ツートップの寺沼、安藤は主に佐藤謙介のところに張り付き、まずここを封じました。そこからレノファのCBに出ていく形。またレノファのサイドのCBについては水戸はSHを当ててきました。

そしてレノファのWBにはSBがジャンプし、IHにもWボランチが、CFにはCBがとかなり人を強く意識したマークをしてきました。レノファに近いマークの仕方だった思います。

これに対して多少空き気味だったのはIHの池上や矢島でしたが、彼らが佐藤の脇におりてくるところについては、水戸のボランチがどこまで追ってくるのか、序盤はこのあたりをまだ探っているような状態でした。それもあってかなかなかショートパスでもゲインすることができず。

ここで佐藤謙介を使ってショートパスで打開すればいいじゃん、というのは多少暴論。なぜならばピッチ脇でエスナイデル監督はロングボールを指示しているからです。

もちろん全て監督の言う通りにやる必要はありませんが、ただチームが立ち返る場所、策の一つとしてロングボールを選択することはチーム・最終ラインの選手としては当然のことでした。(繰り返しになりますが精度については別の話)

ただ、ここでもミスが起きてしまっていたと思います。それは精度ではなく、最終ラインの選手やボールを受け取る前線の選手が同じ絵を描けていなかったことと考えます。

確かこれはレノファニスタの周南市からの生放送のときに渡部社長が言及されていたような覚えがあるのですが、この後ろの選手と前の選手の意思統一がされていないとパスは通らない、といった言葉。

2失点目のボールを失ったところを見ると、単にボムヨンのボールがズレたという味方ではなく、こんな風にも見えないでしょうか。

ボムヨンはジュニーニョに当てるボールを出した。一方、ジュニーニョは裏に蹴ると思って動いていた。そのため、ボールが水戸に渡った際にジュニーニョはボールの着地点から離れていますし、離れていったボールへチャレンジするような仕草もなかったのもこの意識のずれのためではなかったかなと感じます。

エスナイデル監督が失点シーンだけをおしゃっているのではないことは重々承知ではありますが、

最初の前半部分で簡単にボールを失ったりして、高い代償を払ったと思います。

と、攻撃に言及するのはいつものことではありますが、序盤についてエスナイデル監督が守備の不味さではなく、攻撃時のボールの失い方について言及をされているのは、上記のような状況があったからなのではないかなと考えます。

 

失点シーンに話をもどすと、上述したようにジュニーニョはボールの行き先にはいないため、水戸のCBからボランチへとワンタッチでボールをつながれてしまいます。また、そのボールを受けたボランチの選手もフリー。そこから裏を取られるまでボールを奪えそうなのはアシストの安藤についていたボムヨンだけであったと思います。

失い方が悪い⇒ネガティブトランジションも効かなければ、守備のところでの後手にも影響する。ふわっと入ったことで守備が緩慢だった。それを遡れば、失い方もそもそも悪かったことで失点にも繋がっていた。

守備だけを見がちではありますが、このように攻撃の意識のズレも前半の入りの悪さや失点シーンまで直接的につながっていたのではないかと個人的には思っております。

 

2)よりFWの得点が求められる。

そして飲水タイム明け、佐藤謙介DAZNで画面に抜かれていました。

ピッチに戻るところで生駒を呼び、平瀬含めて「遠いからもっとラインを上げて寄ってきて」というようなジェスチャーが見られました。

それもあってか最終ラインとアンカーの佐藤謙介の位置が改善されたかなと思います。これ以降、佐藤謙介の脇におちる池上は水戸のボランチが寄せて来れないところをある程度掴んできたようで、佐藤謙介で水戸のCFを吊っておいて池上のところから運ぶなども出せるようになっていきました。

また、もう一人のIHの矢島も前節同様に相手のボランチ裏でボールを受けて前線を繋ぐような動きも出せていきました。

また、その中で起こっていた事象としてはミドルゾーンに入ったところで何度も最終ラインでサイドを替えながらボールを動かしてズレを探していた場面。ボムヨンから平瀬、平瀬からボムヨンと、前線へのロングボールをすぐに選択するのではなくエスナイデル監督がよくいう「逆サイドをみる」という作業もできるようになり、そうするなかで佐藤謙介が空きますし、彼を囮に使うこともできます。

そしてこの流れの中で相手のクリアボールを拾った吉岡のカットインから河野のゴールが生まれました。始まりは何度かビルドアップで彼らがやり直していたところで、池上がボールを引き取り、空いた佐藤であったり前が絡んだ結果でありました。

 

さて、後半。

レノファが前かがりになり危ないシーンがありましたが、点を追いかける立場で、しかもレノファであれば、危ないシーン1つ2つは当たり前ですの割愛します。

またハーフタイムで梅木と交代となったジュニーニョにもちょっと触れますと、

ジュニーニョはゴールに迫るシーンはあれどプレー選択の悪さが散見され、多少自身を失っているようにも見えます。彼の良さはドリブルやシュートではなく「利他的」なプレーと思っています。強引にシュートを打つところがあっても良いですが、スペースへのランやパスの選択や精度は仙台戦を思い出してもらえたらなという印象です。

 

で、後半レノファに誤算が生じたのが高橋の負傷だったかと思います。

今節のレノファのベンチメンバーを見ると割とポジションバランスよく用意をしているなと思いました。色々な場面を想定していそうな印象でした。

エスナイデル監督がまず手を打ったのが最前線に梅木を入れ、すかさず50分に2手目として生駒を高橋に替え、前節同様に最終ラインの並びとWBを入れ替えました。

エスナイデル監督が「ジン(生駒仁)がなかなか調子が上がってこなかったというところで代えました。」とコメントされていたように、失点にも絡んでいたことや攻撃時にもキックの精度がなかなか上がらなかったこともあり、おそらくボムヨンとも迷っていたのではないかなと思いますが、ここでは生駒を交代させました。

そして66分の3手目の五十嵐とヘナンを入れるところで高橋から✕が出ます。おそらくボムヨンとヘナンを替える予定のところでそれが狂います。

60分に水戸は前田と新里を入れたところで、多少新里が落ち気味の4−2−3-1のような並に変更しており、明確にトップ下の新里がアンカーの佐藤につくようにしていました。おそらくエスナイデル監督は最終ラインに前・ヘナン・平瀬とある程度ボールを持ち上がれる選手を並べたかったのではないか、と思います。

前半生駒、ボムヨン、平瀬に比べれば球出しは安定した並びになります。そして、五十嵐に矢島のようにボランチの裏で受けさせたり、彼をお取りにしてCBから高橋・吉岡と走れるWBを走らせるなどを考えていたのではないかと思います。

後半の飲水タイムではボムヨンと佐藤とヘナンの3人で言葉を交わしており、何度か五十嵐や吉岡が裏を取っていたので、それをどのように使うかを話していたのかもしれません。

高橋が下がった右サイドについても15前のユーティリティー性に助けられた場面はありましたが、最終盤水戸が一段ギアを上げてプレスを掛けてきたところも回避できていましたが、もう一段アタッキングサードでギアを上げるということができませんでした。

 

フォロワーさんに教えていただいたのですが、高橋は入った最初のプレーの寺沼との競り合いのところで肩をやってしまった仕草をしていたので、復帰直後に怪我をするという不運がありました。推しメンということもあるのですが、早期の復帰を願うばかりです。相手の肩に先に脇を入れてしまおうとしたんですかね。痛いワンプレーになってしまいました。

 

ただ、それでもチャンスは作れていました。今採用をしている5−3−2の形。以前の4-3-3に比べてフィニッシュ局面でFWにボールが回ることがシーズン序盤やエスナイデルさん就任時よりも増えていると思います。

単純にツートップにしたこともありますが、ゴール前などでワントップがサイドに流れて中にいない、というような状況は少なくなっています。IHがうまく後ろとを繋ぐ場面も増えてますし、WBは積極的にクロスで仕事を終えようとしているように思えます。

だからこそ、河野の2試合連続ゴールは生まれていますし、河野やジュニーニョ、梅木が天を仰ぐシーンも散見されます。FW陣の奮起が待たれますし、ブレイクスルーのお膳立ては既にされていると思います。CKのあたりそこねなどもカウントされていますが、この試合のゴール期待値は2.29とだいぶ高い数字になっています。あとは決めるだけ。データ自体もほんとに「あとは決めるだけ」を示していると思います。

最後に驚いた選手を一人あげて終わりたいと思います。

--後半は左のウイングバックでプレーしましたが?
初めてやったので、ボールを足元で受けたときにドリブルの形とかが全然なくて、クロスも雑になってしまって、ちょっともったいなかったです

このコメントをH藤枝戦の試合後コメントで残していたのが吉岡でした。エスナイデル体制になって、後半から時々LWBを努めていますが、だいぶ様になってきているような印象。守備のところの絞るところなどはまだ慣れていないような印象ですが、矢島と良いコンビネーションを見せたかと思えば、右サイドのときのような裏抜けのタイミングを掴んでいるようで、なんかすごいなと。高橋の負傷でRWBの選手が手薄になったので、LWB起用はそうそうないかなと思いますが、負傷してしまった高橋同様に新しいポジションでまた輝ける選手が出てきたのかなと思いました。

 

 

今回のブログはすみません、今回は色々プレーのメモをしていた紙をなくしまして、いつも以上に大雑把な振り返りになってしまいました。図も作る気なくしてしまい、申し訳ないです。

ただ、台風は心配なところではありますが、A東京ヴェルディ戦はしっかりとエスナイデル監督の一挙手一投足をスタジアムで観察してきたいと思います。ここは大雑把にはしません!笑

ツイートもしますので、楽しめる方は一緒に楽しみ応援しましょう。

ここまで読んでいただきありがとうございます。

※文中敬称略