レノファを青黒の眼で東京から見るblog

レノファ山口を応援・分析します。

FC大阪5試合分(割りと飛ばし飛ばし)の雑感

今見ることのできるFC大阪の試合を見ての雑感です。

とりあえず福島戦から各5,60分くらいを見ての感想なのと、後述もしますがFC大阪のライセンス問題が出たあとの試合なので、これらの試合がFC大阪とは考えてないことは予めご了承ください。

また、もし、FC大阪のサポーターの方がこの記事までたどり着かれましたら、なんか言ってんな〜くらいで温かい目で見ていただけると幸いです、

 

では、FC大阪のまず4局面を抑えていきます。

 

フォーメーションは4-4-2を採用。

主体はロングボール。裏抜けもだがヘディングなどで一度ワンクッション入れてからの裏抜けなども見せる。サイドに展開した場合は2人、3人と少人数で最小のタッチ数で縦に早く突破をしクロスから得点を狙う。

また、後ろからつなぎたい、という意図も見えた。この流れは相模原戦以降特に色濃くなった印象。2CBと2ボランチを中心にビルドアップ。

ツートップの片方をトップ下のように落とした4-2-3-1のようにし、その落ちた選手をビルドアップの抜け道にすることもあった。この場合一旦サイドハーフに当てて、トップの選手とワンツーのようにやはり縦に早くを意識していたように思う。

また、LSBを上げて3-2-4-1のような並びをすることもある。その際にはLSHはインサイドへ。ツートップの落ち気味の選手とともにシャドウのような形。シャドウがマーカーを引っ張るようにレーンを縦に走ることで、CFへの道筋を作ってそこへクロスや中へつけるボールなどを入れる。SBには上がる能力もだが蹴る能力も必要になる。(沼田さん契約更新ありがとう)※福島戦の22分が一例

サイドハーフは割りと縦に突破する能力もだが、中でのプレーもできないと厳しそう。

 

攻→守

基本は即時奪還。ただ、全員がやみくもにプレスをかけるのではなく、最低限のボールホルダーへのプレスで、割りと後ろは静的な形。最終ラインはリスクを負って選手を捕まえに出て行くことは少ない。(例:最終戦の熊本)

ただ、ライン自体は高めなので、相手が蹴ってくれば的確に迎撃。突破されれば2列目の帰陣が結構早い。※ジョギングすることはきっとないだろう。

また、セカンドボールへの対応はかなり早く感じた。むしろこのセカンドボールへの反応が生命線とも感じるほどではあった。(※個人の感想です)

 

基本はミドルゾーンで構えてからのプレス。自陣では4-4-2の形でブロックを敷く。この幅自体は割りと自陣ではコンパクトに。ペナ幅くらいかもう少し狭い。そのため中を使うことは相手が難しいので、外誘導になる。

ただ相手陣であると多少かわってきて、3バックの相手に対してはミドルゾーンよりも敵陣側であれば、ツートップに加えて、LSHが多少上がり目で対応。ボランチを見ながらCBへという感じで。それに呼応して相手の幅を取ったWBにボールが出た場合は、ボランチがマーカーを捨ててWBまでずれていくなど幅広い守備を求めている。。マークを放した選手についてはボランチの相棒のスライドであったり、最終ラインが見ることなどで対応。

4バックの相手でもツートップの片方がCBを抑え、ボランチをツートップのもう片方が抑えれば、反対のCBにはサイドハーフが付きに行き、やはり反対サイドのSBに出ればボランチがここを迎撃する。かなり守備範囲は広く求められそう。(少なくとも宮崎戦の21分はこの形だった)

 

守→攻

ボールを落ち着けるためにGKに戻すことはあまりない。※前任者なら指笛連発であっただろう。

基本はそのまま前線へ送ることが多い。

カウンターへ移る際は5レーンを意識したような形で選手の人数をかけて行っていた。やはり人数自体も割とかけていた。

 

 

といった形に見えました。上の図は福島戦のものです。残りの試合のは割愛させてください。

 

で、試合ごとの雑感の前に実況の方が仰っていた興味深いフレーズ。

『アグレッシブサッカーを継承しつつ、今年は守備からリズムを作るサッカー。全員でハードワークをする』と志垣監督が言っていたとのこと(宮崎戦)

JFL時代のFCの大阪がどのような姿であったのかはわかりませんが、どの試合見ても『FC大阪は堅守速攻』というフレーズがでていたので、1年で志垣監督はFC大阪にこのイメージを植え付けたのかなと想像ができます。

 

では、各試合の雑感。

前提:福島戦の前にライセンスの問題でJ2への昇格が今季叶わなくなったことが通達されて、一時期2位にいたFC大阪は多少モチベーション的には難しいと思われるラスト5節であった。

 

◎福島戦(ベースのフォーメーションは3-4-2-1)

前半戦では4-4-2を敷くFC大阪が5バックを使ったくらい、ボール保持からの前進が得意なチームのようでした。

ただ、上述した前線からの守り方がハマっており、クリーンシート。志垣監督も前半はパーフェクトという出来。

この試合でも後ろからつなぎたいのかなと言うシーンはちらほら。2CB+ダブルボランチを中心に、時々RSBが中に入ればRSHが幅を取るなど工夫をしようとしていたが、多少練度はまだこれからという印象であった。やはり縦に早くする攻撃時は迫力を見せていた。

 

◎相模原戦(3-4-2-1)

後半20分あたりに失点をするのだが、割と3つに分けて考えたいと思った試合。

1)前半。

これについてはFC大阪のサポーターさんらに否定はされるかもしれないが、繋ぐ意図が色濃く見えだしたのはこの相模原戦から。結局0-5の大敗を喫っしてしまったのですが、前提にも書きましたライセンスの問題。これが影響したのか多少チャレンジングな方に舵をきったのかなという邪推を持っています。途中実況の方も「(今節に向けて)攻撃に重点を置いて準備してきた」的なこともおっしゃっていました。

そんなこともあり、割とロングボールを使うのではなくつなぐことを意識したような前半に。5-3-2で守る相模原に対して、SBが「2」の脇から前進したり、ボランチが落ちて3枚にするなどしていたが、なかなかゴールへ迫れなかった。迫っても相模原の「5」のところが崩れてなかった。

2)後半20分まで

後半に入り多少縦に早くなった気がした。ほぼワンサイドゲームになるか?というくらいに攻め込めていた。得点も時間の問題かなと思えた。いつものFC大阪はこういうものかなという印象であった、

3)ただ、好事魔多し。つなぐならGKへ下げればいいが、ロングキックを選んだがこれが相手のブロックに遭ってしまい、自陣深くでボールを奪われてそのまま失点。

ここからセカンドボールを取っても孤立していたり、そもそも戻り自体も悪くカウンターをそのまま食らってしまうなど大量失点に。多少メンタルがやられたか、チーム全体に迷いが見られてしまった。

リンク先のように戸田監督は上機嫌。「まぐれではFC大阪から5点は取れない」という言葉を逆に返せばそれだけFC大阪の守備は堅い、と他のチームからは認識されている。

ただ、相模原はプレスや自陣でのクロス対応を意識していただけではなく、これは愛媛戦でも見られたが、FC大阪の4−4のブロックの特にサイドのところ。

一旦FC大阪のSHとSBの間に幅を取った形で人を立たせる。ここにFC大阪のSBが付く。相模原は中にしっかりとボールの逃がすための選手をここにおいており、ワンタッチで当てて、ボールを逃される形が多かった。4失点目は確かこの形が直接失点に繋がっていた。

愛媛はここに人を立たせたところで、SBが動いたらボールホルダーの選手がその立たせた選手をお取りにして、そのままハーフレーンをドリブルで突破していくなどをみせていた。

 

 

◎宮崎戦(4-2-3-1)

割と福島戦に似ていたように思う。だいぶ大阪ペースで進めれていたように思う。セカンドボールの回収なども早く、帰陣する際も誰もサボっていなかった。

ただ、最終盤やはり4−4のブロックで替わって入った選手はボールホルダーに行きたい。ただ、後ろの選手はスペースを埋めたいという意識のズレが30分辺りから見えはじめ、宮崎に中間ポジションを取られボールがここを経由し始めてから防戦一方に。

最後はやはり中間ポジションでボールを受けられたところから最後は押し込まれてしまっていた。

 

今治戦(4-4-2)

前半5分にセットプレーの流れから3人で左サイドを崩してクロスからのゴールと幸先よいスタート。CFは裏抜け、ポスト−プレーにフィニッシュと色々な顔を持っているなという印象。(あ、今ヨーロッパで武者修行している彼がいましたね)

ただ、ここから今治の10番を中心にマンパワーで押され気味に。前節と違った形でSBのところをやられてしまい、退場者も出してしまい終戦

 

◎愛媛戦(4-2-3-1)

実況をしている方も言っていたが、あまりロングボールを使う印象がこの5試合の中でも最も少なかった。

FC大阪はデータとしてロングパス比率1位、ワンタッチパス比率が2位とのこと。

こちらの印象がすくなくても愛媛としては時折繰り出されるロングパス&セカンドボール回収のFC大阪のムーブは嫌だった模様。

21分のようにボランチが低めの位置でボールを引き取り、つなぐようなふりをして一気に右サイドへ流れたCFへボールを送るなどメリハリがあったように感じた。

得点シーンも縦・縦からサイドチェンジ。エリア侵入からのシュート&こぼれ球を押し込むといった形で、これならレノファでも見たことある形というものではあった。

ただ、最終盤はカウンター、ショートカウンターなど打たれるシーンが散見された。これは他の試合よりも印象としては食らった回数が多かったのではないかと思う。

愛媛の石丸監督が言っていたが、4−4ブロックが硬いが個を殴りにくるような形になると多少脆さも見えてくるのかもしれない。まだ質が足りなかったと言っていたが、この5試合の中で最も中で勝負しているのが愛媛であったし、FC大阪も嫌がっているようにも見えた。多少強引に来られたとき、志垣レノファはどのような対応を見せるのかは個人的には注目。(いや、だっていたじゃん、岡山の悪魔とか、町田のドリブルおばけとか、オレンジ色の凶暴軍団とか。)

 

と、雑に振り返ってみました。

キャストが変われば監督のしあげる形も変わるでしょうし、これはあくまでラスト5節のFC大阪さんということでとどめておいていただければと思います。

ここまで読んでいただきありがとうございます。

 

※文中敬称略

課題は来季へ。 ロアッソ熊本vsレノファ山口 @えがお健康S 2023年11月12日

2023年シーズンが終わりました。

願った順位ではありませんでしたし、最終盤まで残留が確定できませんでしたが、まずは来年J2でも戦えることを安堵したいなと思います。

また振り返りについての記事は出そうと思うので、今回はこの試合に焦点を当てたいと思います。

 

試合自体は早々に先制したものの終わってみれば1−3の逆転負け。効率よく点を取った熊本と相変わらず決定力を欠いたレノファが出てしまいました。

では今季ラストのレビュー記事。僕のサボりタイムでだいぶ間が空いてしまいましたが、下記について考えていきたいと思います。

 

1)熊本に翻弄された最終ライン

2)五十嵐太陽に見る第1節との違い

3)良くも悪くも色々試行錯誤が続いた今季を象徴する後半

  

【得点者】

熊本         山口

8分   上村      6分 五十嵐

17分 伊東

83分 東山

1)熊本に翻弄された最終ライン

レノファは今節は前節同様に3−4−2-1の布陣。

攻撃の局面では簡単に蹴ることを選択せず繋ぐ。逆サイドが空いていればサイドチェンジも交えてゴールを迫ります。また守備の局面でもミドルゾーンで構えつつも、機を見てハイプレスをかけていくなど町田戦同様の姿勢を打ち出していきました。

対する熊本は3-3-1-3と称しましょうか、いつもの大木式の布陣を敷いてきました。

ポイントとしてはアライバルインタビューで大木監督が「レノファはハイラインを敷く。ただ、その前にアクションを起こしていきたい」(意訳)と仰っていました。

先制をしたものの、序盤レノファはこの熊本の動きに苦戦を強いられます。

まず狙われたのはハイライン裏ではありましたが、単純にボールを送り込むではなく、熊本は大木監督の言葉とおりまずハイラインの一つ前のところが焦点となっておりました。

まず熊本のワントップの10伊東は元々2列目(だったはず)の選手ということもあり、最前線で張るというよりも偽9番のように振る舞っていました。

トップ下の17平川同様にレノファのダブルボランチと最終ラインの間に位置どることで、人を強めに捕まえるレノファのセンターバッグを引き出す動きをします。

それに呼応するように両ウイングの島村・松岡もレノファのCB、WB、ボランチの間に立つようにし、レノファのCBが出てくるような位置を取ります。そして出てきたところで裏を使っていました。序盤いくつか狙ってオフサイドを取っていましたが、なかなか取れていなかったり、意図せずオフサイドになってくれる場面など危なっかしい場面が続いていました。

 

そしてこの状況に輪をかけて危険にしていたのが、レノファのハイプレス。

10分すぎから顕著になっていましたが、まずプレスを掛けても誰が誰に付くかがおそらくアドリブになっていたので、プレスに行ってもマーカーが被り気味になったり、ギャップを突かれてかわされるような状況がありました。

11:25ではレノファが熊本のDF3枚とボランチ8上村に対して、レノファは5人が行きますが、あっけなく24江崎から17平川へ通されてしまい、6vs5を作られてしまいます。

12:45はハイプレスをかけるもこの日LCBに入った生駒が熊本RWB阿部に付かざるを得なくなり、出ていくもかわされてしまい熊本の疑似カウンター発動。

失点のシーンもやはり島村→上村→平川とつなぎ、生駒がこの平川へ出てしまい、そこを島村がフリーで平川からボールを受けて、生駒が出てしまったところへ伊東へのスルーパスを出されてしまいました。

この3人の関わりで最初にパスを出した選手が3人目の動きで再びボールをうける動きに対してレノファは相変わらず弱くこの場面では島村を外し、その前に平川にも生駒がおびき出されてしまったため、裏を使われてしまいました。

このやられ方はシーズン通して修正ができなかったところであったと思います。

 

話を試合に戻して、このプレスを掛けては剥がされるというのは前半30分くらいまで続いていました。

・CBが前におびき出されるパターン

・前線がプレスを掛けているため、CBもボールの出処を抑えないといけないため、出ていったところをひっくり返されるパターン

と結局CBが割を食う展開。これを修正されたかなと感じたのが、31分。

レノファの右サイドから左サイドへボールが動き、成岡が熊本RCB2黒木へ出ていったときに、それまではRWB阿部や島村へ生駒が付きすぎてしまっていましたが、一旦生駒は3CBの距離感を保つように最終ラインへとどまりました。そして、やはり生駒同様に前へ付きすぎないように田中が構えていたので、田中が阿部を捕まえ、生駒は平川、島村は五十嵐がなんとか戻りながら捕まえることで解決。

だいぶ強引ではありましたが、後ろを多少落ち着かせたところで前線が多少アドリブっぽかった付き方を更に強度加えるような荒療治で試合の流れをレノファに戻していったように見えました。

 

2)五十嵐太陽に見る第1節との違い

そして話はレノファの攻撃の局面にしたいと思います。

この試合、レノファのビルドアップでキーになっていたのが五十嵐であったかと思います。

この試合試合開始から、熊本RCB黒木が五十嵐を捕まえるために割りと高い位置を取っていました。そして五十嵐はこれに対して多少低く構えて黒木が出てきたところを田中や梅木が使うシーンがあったり、五十嵐自身がここで受けて黒きを交わすことで前進をしていました。

熊本が徐々に低い位置を取った場合の五十嵐についてはRWG19島村につかせるなど微調整をしてきました。

しかし、ここで五十嵐が成長したな、というか反対サイドのシャドウの河野含めて変わったなと思ったのが、ここでふてぶてしくここでポジションの微調整を彼ら自身も加えて熊本のWGが付くのかサイドCBが付くのかを促していました。

思い起こせば第1節の五十嵐はどちらかというと、佐藤謙介と矢島のお膳立てから、あとは彼が一人のマーカーを外すだけというようなところで、川崎仕込のターンを見せて、1試合目から僕らは魅せてくれたと思います。

ただ、最終節はこのお膳立てがなくとも河野も五十嵐もこのポジションでCBやボランチ、この試合は特にWBからのボールを引き出すことで相手を動かして、サイドを変えるようにボールを動かすプレーが目立ちました。

第1節ではお膳立てから中央突破や、同サイドのWGを使うプレーが多かったかと思いますが、反対サイドまで見るというエスナイデルさん就任後から言われていることではありますが、ピッチを大きく使えるようになっていきました。

 

1項目でも触れましたが、序盤はハイプレスが交わされてしまいピンチの連続ではありましたが、最終ラインをあまり動かさず、前線もあまり闇雲にプレスを掛けずに構えつつも効率的に池上のプレスのスイッチを機にプレスをし始めることで流れを引き寄せていきました。

この守備の安定から流れがレノファになったのも、ほぼ殴り合いと言ってもいいような展開で攻撃局面自体は滞っていなかったことがあったと思います。

ちょうどゴール期待値も30分を境に横ばいになり、最終的にはレノファは逆転していました。(スコア自体はだめでしたが。。。) ホームでも同じ1−3での敗戦ではありましたが、少なくとも自分たちの色を出せていたのは間違いなく今節であったと思います。

それは五十嵐を主体として書きましたが、チームの成長があったように思えました。

 

五十嵐くんもフロンターレからのレンタル選手。来年の去就はわかりません。田中渉や寺門のようにレンタル2年目があることを願うばかりですが、少なくともレンタル選手でありましたが、2024年も契約を更新してくれた池上を差し置いて、最後までピッチに立ち続けていたことを考えると、エスナイデルさんがこの位置で五十嵐くんに期待をしていたのかなと思いますし、これ自体は彼の成長もあったかと思います。出場試合などのはなしはまた違うときにでも。

 

 

3)良くも悪くも色々試行錯誤が続いた今季を象徴する後半

そして後半。個人的にはやはり最後はいじりすぎかな、と感じました。4-3-3は封印してほしいというか。。。

今シーズンは監督人事もそうでしたが、その暫定監督も含めて3人の監督自体も戦い方だったり、フォーメーションなど試合を経るごとに変えていっていました。後半はまさにそのようなシーズンのレノファの迷走がピッチ内にも現れたように思います。

この試合レノファがボールを運べる道筋としてWBへ一度当ててから、シャドウやボランチがボールを引き取って逆サイドに展開することなどがあったと思います。

しかし、62分の交代で4-3-3にし、前線の野寄や替わって入った高橋のファイナルサードでの突破を期待したのかなと思いましたが、まずここまでボールが運べない。

CBからSBへボールが出ても、そこから中盤の3人へ出るにしても、ここは熊本がすでに全員掴え済み。ボールの逃しどころに人数が合ってしまったこともあり、熊本としては守りやすい展開に。ボールを運べたところもほぼ梅木や2列めのマンパワーでどうにかしたような形で、前半とは様相が違いました。

なかなかスコアが動かせずにいたところで78分に4-4-2へ変更。ツートップへ。ただ変更後の数分後にミスから追加点を奪われ試合が決まってしまいました。

この根底にあるのは良くも悪くも試行錯誤が続いた結果であったと思います。

悪く言えば、シーズンを通して戦い方が定まらなかった。

良く言えば、なんとか応急処置で繋いできた結果。

ここについてはこの記事では深く触れませんが、やはり定まらなかった結果がゴール期待値を活かせなかった。決定力が上がらずシーズンが終わってしまったということに繋がったのかなと考えています。

この状況についてはエスナイデルさんがよく言ってましたが、「決定力で試合がきまった」といいた旨のやつですね。おそらくある程度ここまでは監督として自分は持ってきた。あとは選手、お前らだぞ、という気持ちもあったように思えます。

でも勝てなかった。勝ち点3が積めなかった。

じゃあ何を解決して来季につなげていくの?守備ですか?もっと期待値を上げることを目指すのか?はたまた決定力を個に頼るの?

この答えがエスナイデルさんにはなかったために契約満了出会ったのかなと思います。

そしてレノファのこれについての回答はシーズンオフに判明すると思いますが、「色々やれたこと」「やったけど通用しなかったこと」があぶり出された最終節であったかと思います。

 

町田戦の前半はこの姿をシーズン序盤から見せてほしかった、と思いましたが、この2戦で同じように戦いながらも複数失点をしての敗戦を見せられてしまうと、「結果は対して変わっていなかったかもしれん。。。」と思わざるを得ないのは事実です。結局負けは変わりませんでした。来年につながる勝ちはどこに行きましたか?色々意見も出てくるかと思います。

ただ、それでも今シーズンの終わり方は・・・

 

<今年は過渡期>

2024年のユニフォームのコンセプトが「レノベーション」とのこと。「renofa」+「renovation」をあわせた言葉とのことで、「renovation」(=改修、修繕、革新、刷新)、チームであったりクラブであったりをそうしていくという意思や意図があるのかなと僕は受け取りました。

まだ来シーズンについてはJ1、J3のレギュラーシーズンが終わっていないので、本格的に動くのはらいげつかもしれませんが、そのときにどのような姿を見せてくれているのかを楽しみにしたいと思います。

 

ここまで読んでいただきありがとうございます。

今季の振り返りまでお付きあいただけると幸いでございます。

とりあえずレギュラーシーズンお疲れ様でした!!

(※文中敬称略)

感謝


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エスナイデルさん、渡邉さん、2023年レノファ山口を残留に導いていただきありがとうございました!

ホント感謝しかありません。

途中就任が発表された際に、ジェフ時代のわずかな印象で「マジかよ・・・」と思ってしまい、来日されるまで色々な情報も出回っていたこともあり、もうどうにでもなれ!といった思いでありました。

0-4で敗戦した初陣。やっぱりこんなもんだよなと勝手に情報に振り回されていた自分がいました。

ただ、そこからわかりやすくご自分の色を出していかれ、当初はわかりやすくサポーターにも狙いの発信をされていらっしゃり、それを勝手に読み解く作業が楽しかったことを思い出します。

6戦無敗を経て、うまくいかなくなってきたあたりから、今度はエスナイデルさんの仕草がどうしても気になってしまい、#イライラエスナイデルを見守る会 という大変失礼なハッシュタグを作り、エスパルス戦は試合観戦7:エスナイデルさん観察3の割合で試合状況とエスナイデルさんの挙動をリンクさせてX(旧twitter)への投稿もしておりました。

失礼なハッシュタグではありましたが、最大限のリスペクトをもってエスナイデルさんの考えを発信したつもりです。

「やっぱりそういうジェスチャーになるよな」

「また副審にキレてる」

「あ、今はなんも言わないんだ」

などエスナイデルさんの意図を汲めるようになっていったのは、自分でも面白い体験でした。

なんと#イライラエスナイデルを見守る会 をやったときの勝敗、0勝5敗ですよ!笑

すみません!僕たぶん3敗くらい足引っ張った気がします!

でもほんとに楽しい半年でした。

エスナイデル監督たぬきだから」

「いつも相手監督のもとへ先に挨拶行くよな~」

「やべえ今日めっちゃ笑ってる」

などなどたくさんの表情・表現楽しませていただきました。また、いつも選手へのリスペクトの言葉を忘れない姿などとても感銘を受けました。

準備期間が全くない中で、残留を果たしていただきましてありがとうございました。

そして山口に来てくれてありがとうございました。

新天地でのご活躍を祈っております。

 

少しでも変わろうとしたから… レノファ山口vs町田ゼルビア@維新S 2023年11月5日

1日前に残留が決まりました。ホーム最終戦迎えるのはJ1への昇格と優勝が決まった【同期】の町田ゼルビア。今年最も強かったチームに対してレノファが見せた姿はとても勇敢であったと思います。

そして、そんなレノファに町田は『昇格するチームとは』というものを見せてくれたようにも思います。結局は得点0で町田に2点取られたいつものレノファ。。。もちろん負けましたので、「ふざけんな!」たぶん正解です。ただ今節は来年につながる内容で・・・「その来年いつ来るんだよ!」おっしゃるとおり、おそらく正解です。「そんなもんずっと来てねえよ!」まあ正解です。

しかし、やはりこういう惜しい試合、次につなげないといけない試合を経ないと上には行けないと個人的には考えています。

いきなりは変われない。

ただ、少しでも変わろうしたからこそ今季残留ができたのだと思います。そして変わろうとしているからこそ、あの前半があったんだと思います。

おそらく力負けした後半含めてレノファ山口はこういう風になりたいんだろうなと思った試合でした。最後にその理由も書かせていただいております。

彼らの変化を今季あと2試合追ってみたいと思いますので、お付き合いいただければと思います。

【得点者】
山口        町田

なし        54分 下田

          67分 M.デューク

 

  1. 4-「2」-4をねらう。
  2. 巧みだった町田の修正。閉じられたハーフスペース
  3. 来期を見据えて?

 

4-「2」-4をねらう。

今節レノファは基本のフォーメーションを3-4-2-1へ変更。対する町田は3バッグを使っていましたが、今節は4バックに変更してきました。

序盤から目立ったのが前節の仙台戦の前半のようにロングキックを使う(使わされる)のではなく、繋いで相手の空いた場所を使うサッカーでした。残留をしたことでリスクをあまり考えずにできるようになったためか、自分たちのやりたいサッカーを出していきます。

狙った場所は町田の非保持時に形成する4−2−4のような形のダブルボランチの「2」の部分でした。

もう少しいうと4−2−4の前線デューク・高橋、ダブルボランチの下田・稲葉の中間ポジション。鳥養さんがレノファニスタでスクウェアと表現していた場所です。

ダブルボランチの成岡と池上は多少縦関係になりつつここへの出入りを繰り返します。

町田はデュークが多少アンカー盤のような形を取り、相棒の高橋が割りとフレキシブルにプレスを掛けてきました。またサイドのCBに対しては町田両SH沼田とバスケスバイロンがそれぞれ平瀬、ヘナンに付く形でした。

ここでキーになっていたのがレノファのWBとシャドウ。まず町田のSHがレノファのCB、WBを両方見れないように、WBはCBからも斜めのボールを受けることができ、町田のSHがすぐに付けないような位置取りをします。そうすることでまず町田のSHがレノファのボランチを含む複数のポジションの選手を見れないようにしていきます。

そしてシャドウの河野と五十嵐。どちらかというと右サイドの河野は下田をピン留めするように下がりすぎず、反対に五十嵐はマーカーの稲葉を連れつつも池上、成岡とともにこのスクウェアのところで数的優位を作りました。

 

レノファのCBがボールを保持している際、後ろからつなぐためのコースを2、3個彼らが作っていました。そのためCBも寄せられても丁寧にボールをつないでいました。

また、このスクウェアに人を複数人送り込むシーンなどもあり、30:55のように相手のプレスがあっても、すぐにパスで回避できるようにもしており、まずここでリズムを作ることができました。

12分のところのように池上自身はこの中間ポジションに居続け、周りが動くことによって彼へのコースを作り、彼はあえて動くことなくここでボールを引き取るようなシーンもありました。

まずこのように町田のファーストディフェンスをいなすこと成功したレノファが次に使っていたのが、自陣でのハーフスペース。

 

レノファのサイドのCBからWBへパスが出てからいくつかのパターンが有りました。

◎町田のSHがレノファのWBを意識しすぎれば、シャドウやCFへの道がそのまま空くのでそこへ直接パスをつける。

◎町田のSBがレノファのWBに上がればその裏を梅木やシャドウの2人が流れる。

◎町田がサイド圧縮をしてきても、同じように人数をかけてフリーの選手を作り、そこからハーフスペースを使い、縦へ侵入するシーンがありました。

 21分の梅木の決定機は上述したように河野へ町田CH下田が付いたところを、その下田の背後を成岡が取ったところでのスルーパスでした。

◎最後のパターンとしてエスナイデルさんの「逆サイドは空いているよ」もお忘れなくといったところでしょうか。

 

わかりやすいのは4:50あたりからですが、相手のスローインをカットしたヘナンがすかさず定位置の池上へ。平瀬・吉岡とわたり再度平瀬へ。

町田がプレスを掛けますが、梅木が河野のかわりにハーフスペースで落ちて受けて吉岡へ捌き、吉岡は反対サイドの手を上げて待つ田中へサイドチェンジ。とそれぞれがパスコースを作る動きをしており、ボールホルダーへ色々な選択肢を与えていました。

 

もちろんこのようにつなぐビルドアップが機能していれば、3:15や例のイエローカードのシーンの32分のシーンのように相手の背後へのボールも意表を突いたものになっていました。

 

多少非保持の局面について。

河野を上げて4-4-2のようにして、町田が後ろを3枚のようにすれば主に河野がアンカー盤をし梅木がコースを制限。2列目はどちらかというと奪い切るというよりもパスコースを消すことを目的にしたような形。

19:55のようにボールを奪われてからのネガティブトランジションについても、ある程度相手がボールを落ち着けていれば、むやみに取りに行くことを選択せず、それぞれがパスコースを切ることで相手に下げさせるようなシーンもありました。

下手に行くことで裏を取られることも多かったレノファとしてはこのようなシーンは珍しいが良かったシーンとして挙げたいと思いました。

もちろん42分のハイプレスからの決定機があったこともポジティブな前半として捉えれる要素でありました。池上の右足にパスが付けれたらゴールでしたかね。梅木のシーン以上に仕留めたかったところでした。

 

巧みだった町田の修正。閉じられたハーフスペース

われわれは4バックでスタートしながら、状況を見て3バックに変えてかみ合わせを良くすることもオプションとして持っておこうと話していました。途中から3バックにしたことで狙いどころも明確になっていきましたし、そのほうがCBもやりやすいように見えました(引用元:Jリーグ公式

と町田の黒田監督がおっしゃるように、町田が非保持の形を変えました。4-2-4から3-4-2-1へ。

バスケスバイロン、太田をWBにし、彼らのスタート位置を低めにしてレノファのWBを下手に浮かせないように微調整をしました。

おそらく梅木の治療中にだいぶ集まって話をしていたので、ここから変わったのかなと思います。41:25のレノファのビルドアップのときにバイロンは田中を見て、ヘナンへはデュークが横からプレスを掛けてコースを制限していきました。

で、後半はここの顔ぶれを変更。

前線はデューク、2列目に高橋と荒木、3列目に下田と安井を並べました。

正直、このあたりの修正についてはレノファはある程度想定をしているように思えました。失点をするまでの5分強はやり方を変えられても、池上・五十嵐が町田の「2-3」の間で受けてゲインするシーンはありましたし、構造的に町田のアンカー下田の脇は狙い目ではありました。

ただ、2つの誤算。1つ目がレノファが中途半端にプレスを掛けにいったところでGKからデュークへロングボールが入り、荒木ヘ100点満点の落としをされてしまい、前線へ人数を割いたレノファの最終ラインは相手と同数になってしまっておりました。

デュークと競ったボムヨンが足を踏まれてしあったのか、倒れてしまったことで、PKを与えたシーンは2対3の数的不利となっており、ヘナンは難しい対応を迫られてしまいました。

正直この失点が痛かったと考えており、2つ目に繋がります。

2つ目は町田のもう一つの修正点です。レノファのWBにボールが入ったときに、前半であればハーフスペースを使いつついなすことができていましたが、1点をリードしたところで、町田はミドルゾーンあたりから5-4-1のような形を取り、特に7荒木、10高橋がこのハーフスペースをを埋めてきました。

57分がわかりやすいですが、吉岡にパスが入ったときに、LWB太田が吉岡に付いたところで荒木がすでにハーフスペースを埋めていました。前半ここからコンビネーションを出していきましたが、ここを埋められてしまうと吉岡は孤立するような状態になってしまい、戻すかサイドを変える他ありません。

 

多少時間を戻して、皆川を入れてのツートップについて。

先制をされてしまった。町田がレノファが使いたい場所を埋めてきたため、ある程度次の手として長いボールで打開したい、という意図があったと思います。上述した57分はちょうどピッチ内で変化が起きている時間帯でした。

相手の変化を見てエスナイデル監督が動いたのか、またはもともとのプランで後半から変えていくというのがあったのかは定かではありませんが、個人的には後者と思って論を進めます。

そしてそのようにボールを動かすのは良いものの、ロングボールを狙おうとしているのもあり、選手間が大きく空いていしまい、池上や五十嵐の頭上をボールが横切ったと思えば、彼らにボールが入ってもコースがあまりなく、戻すシーン・ボールを奪われるシーンが出てきてしまいました。そしてレノファが主導権を握れなくなってくると、徐々に攻守に町田の18下田北斗に存在感を出されていき、ペースが町田へいってしまいました。

 

そういうこともあってか、終盤は五十嵐に変えてジュニーニョを投入。身長の高い3人ではありますが、梅木とジュニーニョは走れることもあって、もう一度3-4-2-1へ形を戻して、ゴールを狙っていきました。

大きい選手が中に入ることでWBが浮き気味になり、ここから松橋・高橋がクロスやシュートを狙っていきましたが、残念ながらネットを揺らすことはできずタイムアップとなってしまいました。

前半良い姿を見せたものの、後半早々に効率よく得点を奪われてしまい、0-2の零封負け。スコアを見れば『町田』がいつものように『町田』をした試合となりました。

ただ、ここから今節のレノファの選手起用について考えたいと思います。

 

来期を見据えて?

で、まずはこの梅木のコメント

ボールを支配したいというところで今週ずっと準備してきていましたので、それはうまくはまったと思います。相手が球際に強く来るということは分かっていましたが、前を向く準備をし、良い状態で受ける準備をしていた(引用元:レノファ公式

書いてきました通り、まずこの準備してきたものをレノファはしっかり出せたと思います。

試合前日の時点で山口さんの残留が決まったことによって、われわれが事前に準備していた状況設定にはなりませんでした。山口さんの先発メンバーはかなり若い選手も起用し、来季を見据えているかのような人選に見えました。その中でアグレッシブなサッカーをしてきたという印象を受けています。

そしてこの黒田監督のコメントを都合の良い解釈をすると

・レノファの残留が決まったこともあり、繋いでくるある程度リスクを取ったサッカーをしてきて、町田が準備してきたものと違った状況であった。若い選手たちも起用しており、アグレッシブに仕掛けてきた。

 

梅木のコメントを読む限り、残留ができていたか否かはおそらく関係なくつなぐことを選んだので、準備の段階で町田を出し抜くことはできていたのだと思います。町田さんがこのような考えになったのは、おそらく仙台戦や岡山戦を見た中での判断であったと思います。

ただ、特に岡山戦がそうでしたが、<本来はしたかったが、実際できなかった>というのがレノファの本音ではありました。そのため、この1週間しっかりと準備をした。しっかり変わることを選ぶことができたのだと思います。

また、この試合5人のレンタルで獲得した選手が出ました。寺門、平瀬、成岡、五十嵐、松橋。

寺門・松橋は途中出場ではありましたが、成岡→水口、五十嵐→田邉と来季に加入をする選手で埋めることも考えた上での人選であったのかもしれません。(平瀬のところは生駒頑張れ)

来季につながるのではないか、と思ったのはこういうところで、残留などは関係無しでとりあえずシーズン最後こういうサッカーをやろう、という腹つもりはあったのではないかと思います。もちろん、何人かなぜベンチ入りもしないの?という選手はいましたが、そのまま契約が切れるとは思いませんが、何人かはやはりクラブとしての構想外ということも考えられるかもしれないと思いました。そういう時期ですので。

シーズン途中でGMが退任したということは選手の評価をする人、来季を見据える人がかわったということです。そのなかで今節の特に前半見せたレノファのプレーはリスクはあるものの、各選手がポジションを取り直しパスコースを作り、人をかけて押し込むことなど割と走ること、ハードワークを求めていたように思います。

また、後半リードされてから出てきたジュニーニョに対してエスナイデルさんは、試合前コメントで

今まで試合に出られていなかったのは私の選手選考もありますし、彼のフィジカルコンディションもありました。私が要求するものをやるには時間が必要でした。

と評しており、時々エスナイデルさんが口にしている「ハードワーク」が叶わなかったのかなと思います。

J2なので走行距離やスプリントは公式のデータとして上がってきませんが、どうもこの試合を見返すとこのあたりが「あれいつもと違うよね?」「40節くらい前からやってほしかったね」という感想につながるのかなと思いました。

 

最終節の熊本戦。もしかしたら、同じメンバーがそのまま熊本に行っているかもしれませんが、同じようなサッカーをもしレノファが見せたときは、このような考えを持っているのではないかと、個人的には邪推をしてしまうのかなと思います。

 

サッカーの中で「変わる」というと特に下位チームでは【方針が定まらず迷走した】というような解釈になりがちです。レノファもこの数シーズンで割と監督が変わっています。ただ、レノファは変わったというよりも、霜田さんの時の理想に立ち戻った、というように一見変わっているように見えて、変わっていないことを選んでいたように思います。

レノファ自身が目指す理念というものはもちろんあると思いますが、サッカー自体が変わり続けている中、その流れにレノファも併せていく必要があります。

大枠は変わっていない、という感じではありますが、それでも微調整を続けて、今節は各ゾーンで丁寧に相手を見る、動かして攻略をしておりましたし、守備の綻びはあったにせよ、メリハリのあるプレス・リトリートができていたのではないかと思いました。

そういうこともあり、来季を見据えつつ少しずつ進んでいるのではないかと思った試合でありました。

 

だいぶ、最後が長かった割に尻切れトンボになってしまいましたが、ここまで読んでいただきありがとうございます。

最終節、佐藤謙介の言葉を信じて選手・スタッフの後押しをしましょう。僕も現地で今年の最後を見守りたいと思います。

(※文中敬称略)

この23年シーズンを1試合にまとめたような試合 ベガルタ仙台vsレノファ山口 @ユアテックS仙台 2023年10月28日

ついに40節まで来ましたね。前節同様に引き分けまで持ち込みました。

次の日に行われた大宮対甲府戦で甲府が勝利をおさめたことで、大宮との勝ち点差が5となりました。大宮が清水・ヴェルディに対して2連勝をしないといけない状況に持ち込むことができたのは大きかったと思います。

もちろん、レノファがこの仙台戦含めて勝ち点3を取ることで残留ラインを超えることが好ましいです。あと2節で自力で残留を確実にするためには勝ち点2が必要です。池上の「勝ちます」は持ち越しになりましたし、前半だけ見れば3−0で負けてもおかしくない試合であったのも確かです。あと2節戦う上で最近の悪い流れは断ち切りたいところです。ただ、後半盛り返せたことも確かではあります。

ということで、今節を考えていきたいと思います。

 

得点者

仙台       山口

19分 郷家    78分 ジュニーニョ

 

ベガルタ仙台

・この3試合、残留争いをするチームに対して2勝1分と上り調子

・熊本戦よりシステムを4-4-2に変更後負けなし

 

レノファ山口

・今節も5−3▽−2を採用。

ジュニーニョが久々のベンチ入り。ジョーカー的存在であった野寄はベンチ外

 

  1. 続.ハイプレスに出ていった後のスペース管理
  2. WBとSBの距離感。
  3. 体力の疲れvsミスが混じってしまった攻撃

 

 

続.ハイプレスに出ていった後のスペース管理

今節は前後半で全く色の違う試合になりました。

・前半はプレスもうまく行かない、守備局面に閉じ込められてしまい、なかなか局面を変えることができなかった。

・後半は立ち位置を替えて、よくエスナイデル監督が言っている、逆サイドも見ようね、が出せた。ただ、ミスで自分たちの流れに引き寄せられず

 

前節岡山戦のレビューでハイプレスをかけた際の裏のスペース管理ができておらずそこを使われてしまったことを書かせていただきましたが、今節はまた別の形で宿題を出されてしまいました。

試合開始から現象として起きていたのはレノファの右サイド池上がでていったところ。

仙台の4-4-2に対してレノファ5−3−2で構えます。そうするとかみ合わせとして仙台のSBが浮きます。ここにレノファはIHの矢島や池上をジャンプさせて付きに行かせました。

そのため右サイドではLCB3福森−梅木、LSB2秋山−池上、LSH18氣田−吉岡、CF7中島−平瀬が付く形が多かったです。

仙台はボール保持時、37長澤をアンカーのようにし、32鎌田を上げ、中島を下げてシャドウ(IH)のような形にしたこともあり、中島に付く平瀬の後ろには広いスペースがある状態でした。仙台が狙っていたのはこのスペースで、氣田や山田らを走らせるようなボールを送り込んできました。

 

平瀬が中島につくことで裏が空いてしまいますが、平瀬がここを抑えなければ前節のムークやルカオにやられてしまった形になってしまいますので、ここはしっかり抑えるというのは前節の課題としてはあったと思います。だからこそ平瀬も中島を抑えにいきました。

ただ、仙台のSBへレノファのIHが出ていったところで、そのスライドから裏を使われることが前半7分を皮切りに25分までに5,6回あり、かなり再現性高く攻め込まれてしました。

では裏のスペースを使われたくないからと言って、SBの位置へ出ていかなければいいかというとそうではなく、フリーでボールを保持するSBから前線へパスを通されてしまいます。

17:45には小出からアンカー15前の背後をとった中島にパスを通され、しっかりと中島のキックができていれば得点シーンのように鎌田に抜け出されてしまうシーンがありました。失点後ですが27分には小出→山田というシーンもありました。

失点シーンでは、この場面でもまず落ちた中島にボールが渡り、裏は使われませんでしたが、右サイドから左サイドへボールを振られてしまい、スライドが遅く小出に時間を与えてしまいポジションをずらした氣田に入れられて、郷家までボールを届けられてしまいました。

解説の田村さんも仙台のSBは空きます、と二度三度おっしゃってましたが、レノファとしては今節のフォーメーションを採用した時点でここのケアをどうするかというのは、この試合のポイントであったとおもいます。

しかし、用意してきた形を上回れてしまった。

守備局面で大きく仙台にアドバンテージを取られてしまったこともあり、守→攻へのポジティブトランジション・そして攻撃の局面への流れを作ることができず、クリアをしたボールは仙台にほぼ回収されてしまい、自陣からボールを進めることができませんでした。まるでホーム維新スタジアムで仙台に対して行っていたことをそのままやられてしまった感があったかと思います。

また、ゴールキックからなどボールを保持した状態でも同サイドで繋ごうとするか、縦へ蹴るだけ、といった単調な攻撃を繰り返してしまい、リズムを掴むことが前半はほぼできませんでした。

 

ではこの状況どうしようか?

ここでレノファが出した答えがフォーメーションの変更による仙台のSBへのマーカーの変更でした。27分くらいから池上が前と横並びになりダブルボランチを形成するような形を取っておりました。

変更がわかりやすくなったのが33分。LWB高橋が小出に付こうと前に出ようとしたところで、エスナイデルさんの口笛と前が左手で抑えるようなジェスチャーが。これを受けて高橋は小出につくことは中止。 

そして仙台がレノファの右サイドにボールを動かしたところでLCB福森には皆川が、LSB秋山には長澤に突いていた矢島が背中で長澤を消しながらプレスを掛け、池上は中島を見つつ山田へのコースを切る位置へズレます。そして平瀬も池上がある程度この位置を取ってくれることもあり、付きすぎることなくポジションがとれ、このシーンでは秋山からの裏へのボールをカットできました。

同じく左サイドでは梅木が小出付く場面があり、梅木(時々皆川)と矢島でSBを抑え、ダブルボランチの前と池上で中を固めることで、中へのパスの道を切ることで仙台のパスコースを制限していきました。

レノファとしてはこの形をとることで守備を落ち着かせることができました。

押され放題ではありましたが、結果的に追加点を取られなかったことと前半のうちに仙台が用意してきたものに対して修正をピッチ内で施せたことは大きかったと思います。

 

WBとSBの距離感

そして後半です。守備はある程度整備したので次は攻撃局面です。

 

−試合中、選手交代以外ではどういう修正をしたのか?

戦術的には大きな変更はしていませんが、連動してボールを動かし、早く失わないようにしようという話はしました。それをしっかりとやりきったことでゲームを支配できたと思います。

 

エスナイデル監督が言っているように、おそらくエスナイデル監督は大枠はきっと変えていないのかなと思います。このあたりはシーズン終わったらなにか自分なりの回答が出せないかなと思っていますが、この試合もやりたかったことは前半も後半も変わらなかったのかなと思います。単に前半何もできなかっただけで。

後述しますが、前半もプレスに来る仙台に対してもっとサイドチェンジも使うという策はあったのかなと思います。まあ、エスナイデル監督はたぬきさんなのでちょっと測りかねるところはありますが。

 

話を戻して、

--後半の戦い方について。
前半に比べてちょっと低い位置でもらうようにして、縦にFWを走らせたり自分でボールを運んで切り返してクロスを簡単に上げたりと、「シンプルにクロスを上げる回数を増やそう」と言われたので、そこは意識して入りました。

と吉岡が残しているようにボール保持時にWBの位置を低めに設定していました。

前半はWBが高い位置を取り、サイドのCB(相手のSHが付く)とWB(相手のSBが付く)の間でIHがボールを受けるような意図が見えました。池上がよくやるプレーです。ただ、ここに流れても捕まえられてしまっておりました。また、WBにパスを出してもSBがあまり移動することなく捕まえられていたので、WBとしては相手を背負うは孤立はしているはで「個人でなんとかしてください」という難しい状況でした。

そのため後半、WBが低い位置を取ることで、まず相手のSBが縦に大きくジャンプしてこないとWBにつけない状況になりました。また、ボランチとの距離感が良くなり、ボールを逃がす道が増えたためボールを動かせるようになりました。

例えば50分には吉岡がボールを受けても相手が来るまでに十分に時間があり、皆川にロングパスを通せたのもこの位置取りがあったからこそでした。このプレーから最終的に皆川のヘディングまで早速運ぶことができました。

 

そしてエスナイデル監督が就任当初によく口にしていた「逆サイドを見ろ。空いているぞ」です。

前半は同サイドでIHやWBに預けるようなパスが多く捕まったり、ロングパスも効果的に裏をつくことができず、仙台に跳ね返されてしまいました。ただ、後半はまず上述したWBのところでミドルサードまで進むことができるようになったこともあり、逆サイドに振る展開が増えました。

ミドルサードのところでサイドチェンジ。ピッチの横幅68mを4人で守る仙台に対して、レノファは逆サイドのWBが幅をとることでマークに付かれないように浮かせて、サイドチェンジのレシーバーとして機能させます。

そして沼田が目立った要因としてアーリークロスがあったかと思いますが、吉岡のコメント通り、彼らはシンプルにクロスをあげることを指示されたとのこと。仙台に戻りながらの対応を強いることで、セカンドボールも拾いやすくする。このような流れで押し込むことができてきました。

 

また、ファーストサードのところでも横にボールを動かしていました。平瀬↔ヘナンといった両サイドのCB同士のパスでも小さなサイドチェンジとなっており、相手を動かせます。そうすることでCHが空いてきて、上述したようにWB→中盤3人→反対サイドといった道筋を作っていたことも挙げておきます。

 

このような修正を繰り返して後半はレノファの時間を作ることができたのは収穫であったと思います。

 

ちょっと話を試合開始の場面に。レノファは今節あわせて4節続けて相手にコートチェンジを選ばれております。

金沢と岡山はおそらく日差し問題。大宮は前半から点を取るためレノファに大宮サポーターの声援を背にさせたかったことを明かしてます。

日差しはほぼ関係ないのでおそらく仙台の理由も後者かと思います。そして前半かなり迫力を持ってレノファ陣でプレスやポジションを動かしての攻撃を繰り返してきた仙台。前半から飛ばし気味ではあったと思います。

そのためこの相手に対して後半この幅を使う攻撃はおそらくだいぶ足に効いたのではないかなと思います。

前半に非常にハードにやってくれた分、後半は前の方でのパワーがちょっと足りなくなった印象があったところです。それで押しこまれる展開になった部分があったと思います。

堀監督もガス欠ぽいことを示唆されています。

そして皆川のような真ん中で基準点を作るタイプではなく、長所は「スペースへ走ること」と自らを称したジュニーニョが入り、梅木とともにCFに機動力をもたらします。

仙台のSBはレノファのWBに付くこともあり、その裏をこの2人が突きます。サイドの奥で2vs1を作り同点弾を生み出しました。

 

体力の疲れvsミスが混じってしまった攻撃

しかし同点にしたことは良かったのですが、もったいなかったのがレノファの質のところ。

チーム全体的に「そこはしっかり繋いでくれ…」という場面でボールをロストし流れをレノファへ寄せきれませんでした。あわや失点というカウンターも食らうシーンもありました。

前半の内容を見れば仙台が追加点を奪って2-0くらいで試合を終えることができたという見方のほうが多かったと思います。ただ、後半に足が止まりつつある仙台に対して、レノファはやろうと思えば前節岡山にやられたようにしっかり逆転をすることができたと思います。下記のゴール期待値のように矢島や梅木が決定機を迎えており、このあたりをしっかり活かすことであったり、岡山のようにミス少なくゴールへ迫り続けることができていればもっとこの期待値は伸ばせたはずです。

そもそも前半の出来のほか、後半のもったいないミスを減らさなければトップ6というところは見えないのかなと、上位陣との距離を感じる一戦であったと感じています。

 

ただ、難しい状況の中から前半のうちに修正ができたこと、後半巻き返したことは繰り返しになりますが、前進はしていると思います。

泣いても笑ってもあと2節!まずはホーム最終戦しっかり残留を決める1戦にしてもらいたいと思います。チャンピオンチームが来ようが「維新は勝つ場所」。

笑顔の週末であることを期待したいと思います。僕は東京PVで町田戦を。もう決めててもらいたいですが、最終戦の熊本は現地で今季のレノファを見届けたいと思います。

来年もJ2で戦いましょう!

 

ここまで読んでいただきありがとうございます。

(※文中敬称略)

 

「勝ちます」に込められた悔しさ、難しさを考える レノファ山口vsファジアーノ岡山@維新S 2023年10月22日

pride of 中四国】今節は隣県の岡山さんとの試合ということもあり、今季最多の6500人を超える観客だったとのこと。

僭越ながら僕自身も公式のイベントとしてトークイベントもさせていただくなど、とても珍しい体験をさせていただきました。この場をもって関係者の皆様には感謝いたします。ありがとうございました!

 

さて試合は2-2の引き分け。勝ち点1を最後の最後でもぎ取りました。ただ、内容はというとだいぶ厳しいものだったと思います。

今回のブログを書くにあたって、前提としてエスナイデル監督と池上の言葉をまず確認します。

 

エスナイデル監督

フィジカル的に戦ってしまうと相手が有利ですので、なるべくそうならないように、ボールを持った時にもっとつなぎ、なるべく相手に渡さずに持つことが大事です。

池上

−中盤でボールを持てなかった要因はどう考えているか?受ける時は意外とフリーだったということはありますが、相手は結構空けてからプレッシャーに来ている感じがあり、出し手も受け手もそこを感じていたところがありました。前半が終わってから監督からも、もっと真ん中でたくさん受けてリズムを作ってほしいという話はありました。(引用元:レノファ公式

 

エスナイデル監督の別の談話で「逆転されてからしか狙いが出せなかった」とも残しており、ほぼ岡山ペースだったことを認めています。

レノファニスタでも前貴之が「しっかりした保持から相手を揺さぶる」という監督の狙いについて言及があり、池上にもハーフタイムに上記の指示があったようで、レノファはつないで岡山のプレスをかわす狙いがあったことがわかります。プレビュー記事にも書かせていただきましたが、岡山のペースに併せてサッカーをしてしまうと、フィジカル的に優位に立つ岡山のペースになってしまいます。

そのため自分たちの保持の時間を増やすことで、岡山のペースに付き合わないことを模索したのではないかと思います。

正直スタジアムでの観戦時も、DAZNでの見直し時でも今節はその方法を岡山相手に敢えて選ばずにロングボールに打開策を求めていたように見えました。ただ、実際は狙いとして繋ぐことは持っていたと。。。

となると、それだけ岡山さんのプレスに対して屈してしまったという見方のほうがこの試合を読み解くのは適切と思います。そして池上のヒーローインタビューで悔しそうな顔で「(次節)勝ちます」と残した言葉も、得点後のセレブレーションを放棄したような仕草も、この試合の難しさ、次節同じ轍を踏まないという決意などが表れていたように思います。

 

この試合は確かに岡山の試合ではありました。しかし、うまくいかないながらに岡山の泣き所である<先制点>を取り、一定以上の出力を岡山に出させることを強いた。逆転は許したものの、最後の最後で岡山の綻びを突いてFKをもぎ取り、10番がこれをねじ込むところまではレノファは持っていきました。

木山監督の「しっかり勝つのは簡単ではない」という言葉を出せるほど、レノファはしぶとく残留争いをしていく意地を見せてくれたと個人的には感じています。

では、前振りが長くなりましたが今節は下記について振り返っていきたいと思います。

 

【得点者】

山口         岡山

28分  梅木     61分 ムーク

90+7分 池上       84分 坂本

 

レノファ山口

・3-4-1-2のツートップを採用。

・出場停止のヘナンのLCBには前を移動させ、平瀬をRCBに起用。

 

ファジアーノ岡山

・チアゴアウベスの相棒は前節に続きムーク

・IHは田部井に代わり復帰の田中、LWBも高橋ではなく高木を起用

 

  1. ハイプレスをかける岡山とミドルゾーンで構えることもしていたレノファ
  2. 定まらなかったプレスに出て行った後のスペース。
  3. ルカオに壊された最終ライン
  4. 4-1-4-1への変更と最後の足掻き

 

・ハイプレスをかける岡山とミドルゾーンで構えることもしていたレノファ

プレビュー記事に出させていただきましたが、レノファと岡山は志向するサッカーは似ていることを挙げさせていただきました。

基本は【相手陣でプレーをする】こと。上述した通り岡山のほうにフィジカル的優位はあるので、あまりそのハイテンションのサッカーにせてしまうのは危険ということも書かせていただきました。

岡山はやはり予想通りのハイプレス。レノファが後ろを2枚ぎみにすればツートップ、3枚ぎみにすれば主にIH田中がLCB前のところへ上がるといった形。ダブルボランチのコースを消して外循環を促すような形をとってきました。

これに対して、繰り返しになりますが、レノファは本来であればつなぐ意図は持っていたようですが、実際にはロングボールを選択していました。

 

確かに9:30あたりでボムヨンのボール保持に対して、チアゴ・ムークのツートップがアンカーの位置を取っていた成岡を消しながらも平瀬・前をけん制しているシーン。

池上はこの「2」の脇を取るように降りてきたり(ここは仙波が対応)、成岡が背後の輪笠を確認しながらも足元へのボールを要求していましたが、ボムヨンが選んだのはロングキックでした。もちろん成岡は不満を表していました。

 

また、21分左サイドのスローインの流れから。成岡が素早くボムヨンへつなぐことで、スライドが間に合わず矢島が「2」の脇を取りました。平瀬を前線へ上げてその平瀬へ。高橋とのワンツーで右サイドの深い位置まで行くことができました。

おそらく狙いとしてはこういうものだったのだと思います。

レノファの最終ラインが3枚と相手ツートップに対して数的優位を取れますが、岡山はマンマークではなくある程度守備時も中間ポジションを取っており、IHを1人上げ気味にしマークに当てるなどしていました。

レノファの最終ライン3枚&ダブルボランチ+矢島の6人に対して、岡山はツートップ&中盤3枚で抑えてしまっており、この数的優位を生かすことができませんでした。

そのため、おそらく次の策として用意していたロングボールを多用することになったのだと思います。矢島はこの辺りの後ろの状況を早いうちに読んでいたのか、ロングボール対応のポジションをササっと取っていました。

 

で、その中身ですが、3-4-1-2の形は梅木ージュニーニョで組んでいたこともあり、付け焼き刃感はなくある程度は効果は出ていたかと思います。

変更点はあえて皆川は真ん中に鎮座させる形。ジュニーニョと梅木はどちらも走れるため、背後に走ることやお互いの距離感で補完し合うように流動的な動きをしていましたが、今節はあえて皆川を柳のところに配置。梅木はある程度柳から離したところで競らせるなど微調整をしていました。

岡山のCB柳はロングボール対しては特に前に出て迎撃、落ちてポストプレーをする相手に対してもついていき、ポイントをつぶしに行きます。かなり積極的な守備をします。

そこに敢えて皆川をわかりやすく置くことで柳が皆川を放すことはできないので、梅木は多少空き気味になるうえ、岡山RCB本山やRWB末吉らミスマッチを作れるところでロングボールを呼び込んでいたのかなと思います。

また、ロングボールをを使う際はこの梅木や皆川の動きに併せてトップ下の矢島や量WBも落下点までの距離を詰めてセカンドボールをしっかりと意識しておりました。時にはそのままフリックで裏を狙うような動きもしておりました。

こういう動きなどもしっかり前半はやれていたので、レノファは短くつなぐというよりもロングボールの準備をしていたように見えました。プレスに出てくる岡山に対してその裏を使う。これはどのチームもやっていることでありましたし、それを実践したと後半開始直後の野寄の抜け出しも、幸運もありましたが、この出てくる岡山の裏を取った形でした。

 

本来はもう少しパスでいなすことを考えていたかと思いますが、二の手で用意をしていたロングボールであったり前線の体を張るようなもので、先制点のきっかけのスローインをとったり、皆川の巧みなポストプレーからの梅木のシュートなど本来の目的ではないものの点を取ることができたのは運もそうですが、多少蓄積したものがあったのかなと思いました。

 

・定まらなかったプレスに出て行った後のスペース。

また、今節のレノファはミドルゾーンで構えることと、ハイプレスをかけるところを使い分けていました。

先制点のシーンのようなゴールキックから岡山がつないできそうな場合はハイプレスを用意していましたが、そのほかのシーンでは即時奪回が難しいと判断すれば、相手にボールを渡しているようにも見えました。

多少怖い形ではありましたが、岡山のタテへ早い攻撃に対しても、言ってしまえば想定内の対応になるので、ボムヨンがぎりぎりのところでクリアをする。平瀬や前が裏の対応をするなど、ムークにあわやというシーンは作られはしましたが、これはこれで想定内であったのではないかと、DAZNで振り返って思いました。

しかし、厳しかったのが、エスナイデル監督の代名詞と言われているハイプレスにした時に誰かが空けた場所を埋められなかったところ。正直ここが今節のホントに難しいところだったと思います。

 

後半にもあるのですが、わかりやすいところで言うと前半40分。

レノファのクリアボールに対して、柳⇒堀田⇒鈴木とつないでここに池上がプレス。ここでエスナイデル監督も寄せるように手でジェスチャーを送っています。

しかし、後ろがミドルゾーンで構えることを選んでいるため間延びをしてしまっておりました。池上が空け、成岡の脇にムークが落ちることで鈴木からボールを引き出されてアタッキングサードへの侵入を許してしまいました。

また、22分のようにこの場面では野寄ですが、岡山が保持したボールに対してチェイスに行ったところでそこで交わされてしまうシーンなども散見されました。上記のハイプレス同様にリスクを冒して前に出て行っているため、そこで交わされてしまえば相手にスペースを与えてしまいます。

 

あまりセットして守ることが苦手なレノファはハイプレスで相手陣でプレーをすることでこの苦手なところをぼかしていましたが、残念ながらこの試合ではプレスに行った方が相手にスペースを与えるような結果となってしまっていました。

そしてこのような状態で登場してしまったのがルカオでした。

 

ルカオに壊された最終ライン

そして後半開始直後に投入されたルカオ。これもプレビューに書きましたが間違いなくレノファが苦手なタイプの選手。それがもろに発揮されてしまいました。

上述したように、前からプレスに行く方があまりよくなかったので、もうミドルゾーンで構えての展開が続くかなと思っていましたが、ルカオ投入で話が変わりました。

ルカオがサイドに流れるようにボールを納めたり、ゴリゴリとドリブルでゲインすることであったり、身長を活かしたポストプレーなどにてこずるレノファ。

そして立て続けに2項目で触れたプレスのまずさとルカオで決定機を2つ作られてしまいます。

まず55分のPKのシーン。岡山の44IH仙波が落ちたところに矢島がつき、LCB43鈴木に池上がプレス。多少岡山が詰まった感が出ましたが、ルカオが上記のムーク同様に成岡の脇をとらえました。

鈴木からそこへパスが通り、落ちる動きにマークにつくことができず、チアゴアウベスの裏へのスルーパスを許してしまいました。

 

また、同点を許してしまった60分はやはり柳に対して河野がプレスをかけましたが、RCB15本山に成岡がつくのが遅れ、IH14田中へパスだされてしまいました。

成岡が出て行ったところが空いていますので、田中はLCB15前の守備に対して中央に向けてターンをしてそのチェイスを外します。そして成岡がもしそこに入ればこのターンはなかったかもしれませんし、ルカオへのパスコースも防げていたかもしれません。

 

プレス後のスペースも問題ではありましたが、やはりルカオ自身のフィジカルにも屈してしまいました。58分のポストプレーもでしたが、まずレノファの選手がルカオに対して飛び込めない。その分ルカオには十分な時間を与えてしまい、失点を喫してしまいました。

2失点目についても前がヘナンだったとしてもどうだったかなというレベル。この時間レノファは並びを4-1-4-1に変更して割と岡山のWBを空けてでも中を締めていましたが、クリアボールからでしたがあっけなく彼のフィジカルで中を割られてしまい、レノファにとってはただの悪夢のような存在となっていました。

 

 

4-1-4-1への変更と最後の足掻き

ただ、冒頭で書いた通りこの84分の失点までに岡山にはだいぶ出力を出させていたと思います。84分以降岡山はそれまでのテンション通り、来ることはできませんでした。逆転したこともありましたが、やはりどこかでペースを落とさないといけなかったと思います。

上述した通り82分に大槻と五十嵐を入れることで4-1-4-1に並びを変えていました。岡山は相手の4バックのSBに対してはIHが出てきます。ここを動かすことでレノファのSHはその岡山のIHが出てきたところを位置取ることでそこをビルドアップの逃げ道にしたり、フレッシュな大槻を入れることで相手にファウルをもらうなど数少ないながらに糸口を探っていきました。

 

得点前のシーンはCF坂本が「欲が出た」と試合後インタビューでコメントしていた通り、単純に岡山側のミスではあったと思います。

ただ、レノファとしては上記のように五十嵐が何回かここでボールを受けていた流れからこの試合数少ないサイドチェンジからの展開。ボールを再度奪い返してから、最後は成岡や河野が絡み、前にチャレンジしてくる柳から大槻がファウルを獲得をしました。

今節はうまくいかない時間のほうが圧倒的に長かったです。自分たちが狙っていた形は出せずに、相手に固めていたものをこじ開けもされてしまいました。

ただ、なんとか最後多少なりとも形を出せた。そして勝ち点1を取った。数少ない収穫という形で残り3節に生かしてもらいたいと思います。

この数節中央を固められて外循環にされることで、攻撃が停滞をしぎみになっています。この2週間で準備したものは岡山相手にあまり出すことはできませんでした。ただ、最後の10分で見せた姿、結果はまた活きてくる場所があるのではないかと思います。

残り3節。大宮を気にするのではなく、勝ち点で並ぶ栃木・熊本よりも上を行く。池上のヒーローインタビューの最後の「勝ちます」というのは単に残留するという意味ではなく、自分たちがどこまで順位的にも内容的にも上に行けるかという決意の表れのように思えました。

下を気にするのではなく僕も上を見て当面の近い相手を出し抜いていくことを期待して応援していきたいと思います。

今回の記事で池上らが前に出たところがエラーになってしまったというようなことを書いていました。実際この試合はそこを突かれたのが痛かったのは確かだったと思います。ただ、やはり池上が前に出るということはそれだけリスクを冒してでもボールを取りに行くという前向きな姿勢であったと思います。

それはやはりこの試合への池上の思いが込められたプレーであったと思います。勝ち点3は得られませんでしたが、僕自身は池上の見せてくれたプレー・姿勢にはゴールの時と同じような大きな拍手を送りたいと思いました。

10番ありがとう。あと3節宜しくお願い致します。

 

 

参照元

FAGIGATE

レノファ公式

Jリーグ公式

 

ここまで読んでいただきありがとうございます。

(※文中敬称略)

【プレビュー記事】10.22中国ダービー!ファジアーノ岡山を知ろう。

さてさて、2023年J2も残り4節になりました。

今回は、岡山って今どんな形でサッカーしているの?岡山にどう立ち向かおうか。というプレビュー記事になります。初めての試みなので細かいところは温かい目でよろしくお願いいたします。

 

では早速。

まず、現在までの岡山の成績。

2023年 38節現在

13勝16分9敗 勝ち点55で9位。45得点43失点(1.18得点 1.13失点/1試合)

2022年

20勝12分10敗勝ち点72で3位。61得点42失点(1.45得点 1失点/1試合)

 

3位に入った22年と比べると既に失点は上回っており、得点も平均0.28点下げてしまっています。

ただ、9位ではありますが、昇格プレーオフ圏の6位までは勝ち点差3とまだまだ十分にプレーオフを狙える位置にいることは確かであり、強敵なことは間違いないです。

 

ちなみにレノファは

2023年 38節現在

13勝16分9敗 勝ち点42で20位。33得点59失点(0.78得点 1.55失点/1試合)

2022年

13勝11分18敗勝ち点50で16位。51得点54失点(1.21得点 1.28失点/1試合)

岡山さん、昨年より点数が。。。とか生意気言ってすみませんでした。。。

 

 

では、開き直って岡山の戦い方について書いていきます。

基本フォーメーションは5-3-2(3-3-2-2)。シルビオジュニオールと梅木がツートップで並んだホーム大分戦などと並びは同じと言えば、レノファサポにはイメージしやすいでしょうか。

岡山が目指しているサッカーとして<相手の陣地でサッカーをする>という、言葉は違えどエスナイデルレノファと共通するところがあります。

では、その中身をちょっと紐解いていきましょう。いつものように4局面から。

 

<攻撃>

まずはタテの意識が強い。

左右の役割は多少異なる。左サイドは同サイドでCB-WB-IH-CFと3人~4人を関係させて、タテ⇒タテと崩してくる。LCB43鈴木は持ち上がる場面も多く、WBやIHもそれぞれの立ち位置を見つつレーンを意識したポジションを取っており、ワンタッチを交えつつ左サイドの奥を狙う。

右サイドはRWB17末吉のスピードが脅威。RCB15本山は末吉の使うスペースに配慮するようにバランスをとっているように思える。基本はタテを意識であるが、つなぐこともできる。ただ、やはり末吉がスピードを活かしてニアゾーンを取る形もあり、このサイドを守備するときはWBには速い選手を起きたい。

フィニッシュ局面はやはりチアゴアウベスが中心。今季は6得点ではあるが欠場期間もそれなりに長い。出てくればやはり最も気を付けないといけない。相棒が誰になるかで戦い方が変化する。ムーク、坂本、ルカオ、櫻川とJ2では怖い面々がそろう。

ムークは割とセットプレーであったり中央部?

坂本は落ちたり流れたりができる

ルカオはゴリゴリ。ただただゴリゴリなのに献身性があっておかしい。

櫻川は単発ではこわい。ゴール前での迫力はピカイチ。ただ、岡山のスピード感に多分あってない。

 

<ネガティブトランジション(攻⇒守)>

アタッキングサードであればボールロスト後にまずは即時奪還をねらう。ボールホルダーから出てきそうな選手を予め捕まえる動作も早い。2人、3人と囲んでとることも多く、そこからのショートカウンターには要注意。

正直レノファよりも強度は高いし、連動している。

スペース管理が難しそうなのがWB。行くときは行く。引くときは引くの判断を誤るとビルドアップの逃げ道とされたり、背後を突かれがち。

 

<守備>

基本自陣では5バックを形成。ファーストサードではWBは最終ラインまで下がってスペースを埋める。

5‐3‐2を引くが前の2人は多少緩い。矢島ワンダーランドという言葉がゼロファジさんから出たアウェイでの試合ほどではないが、今もそこまで意識としては高くない。

ロングボールなど迎撃する主な役目はCB5柳が担う。ミドルサードあたりでのロングボールなども積極的に前に出て行き対応。

その分、最近ではCB裏などへボールを送り込んでくる対戦チームが多い印象(後述)

 

<ポジティブトランジション(守⇒攻)>

上述したように、まず<敵陣でプレー>することをチームとして狙っているので、敵陣でボールを取れば、矢印を一気に相手ゴールへ向ける。

自陣でボールを奪えば、まず意識するのはやはり縦。CFがサイドに流れるなどしボールの逃げ道を確保し、後ろの選手たちが上がる時間を作る。

遅攻にした場合はWBが幅を取り、ボールを逆サイドへ逃がしがち。

 

 

<セットプレー>

中心になるのはやはり柳。すでに4点を挙げており、すべてヘディングとのこと。

千葉戦では序盤3回連続でCKを柳にあわせるなど極端な例も。

基本CKはアウトスイング(ゴールから遠ざかる)のボールをあげる傾向がある。

レノファのようにマンツーマンでつく場合は、ペナルティスポットあたりで2,3人スクリーン役として柳の周りに置いておき、彼らに隠れて外に流れる、またはスポットのところであえて動かないでヘディングなどのパターンがあるかもしれない。ヘナンが出場停止のため誰が出るか。。。ボムヨンはチアゴサンタナなどに外されていたから多少怖い。

蹴られるボールは割りと滞空時間は長め。柳はこの時間を活かして大外に流れているし、高い打点でのヘディングを実現させている。

 

と4局面+セットプレーはこんな印象です。

ではレノファはどのように戦えるか?ですが、ポイントになりそうと感じているのが、

・池上・河野が2列目の裏を取れるか。

・レノファもプレスをしっかりかけられるか。

 

 

・池上・河野が2列目の裏を取れるか。

岡山は必ず走ってきますし、前からボールホルダーを捕まえに来ます。似たような目的を持ったチームですが、分類してみると多少テクニカルなレノファに対して、岡山はフィジカル系になるかと思います。

ある程度参考になりそうなのが、群馬戦と山形戦。

まず岡山の直近の相手であった群馬はボール保持時の並びはレノファと形は違いますが、可変で3-4-2-1になります。

その際に岡山は5-3-2の形をRIH44仙波を群馬のLSB中塩にぶつける形で5-2-3を取ってきました。おそらくレノファがボールを持った場合、RIH44仙波またはLIH田部井が群馬戦同様にCFの位置まで上がる形を岡山はとるかと思います。そしてダブルボランチには中盤残りの2枚が付く形かと思います。

ここで空いてきそうなのが、レノファのIHの池上と河野。

おそらくレノファのWBは高い位置を予め取り、岡山のWBのスタート位置を後ろに設定させるようなポジションををまず取ることを考えると思います。

そうなると対峙する岡山の前の5人に対してどこをビルドアップの逃げ道にするか。それが池上と河野かなと思います。

山形戦、開始1分で山形が先制をしたこともあり、岡山は序盤から追いかける展開。いつものように、もしかしたらもう少し強度高くプレスをかけてきます。そこで山形が取っていたのが、最終ラインと2列目の間にボールを落とすこと。

山形CF11藤本やOH49後藤がプレスをかける岡山の2列目の裏に落ちてボールを引き取るシーンが散見されました。

ただ、これは前節負けた大宮にも見られていた形でしたが、できなかったのがレノファ。期待したいのは欠場明けの池上。この空いた位置に入り込むのが最もうまい彼に期待したいと思います。

 

また、上記にレノファのWBが高い位置を予め取る、というようにしましたが、なかなかボールが出てこず押し込まれてしまった場合に見ておきたいのが岡山の3CBの裏。

池上や河野も下がってボールを引き出そうとする動きが多くなるかもしれませんが、狙っておきたいのは、金沢戦に梅木が見せたようなサイドに流れてボールを受ける動き。

岡山は<前から来る>以上、後ろはやはり泣き所。このデメリットをわかっていつつも、リターンが多いと見ているハイプレスを選んでいます。

山形戦では岡山はボール非保持時は可変で4-4-2を作っていましたが、山形が狙っていたのはやはり最終ラインの裏。

LWBが誰になるかはわかりませんが、スピードのある野寄を起用し、吉岡とともにフィジカルを押し出してくる岡山にたいして、梅木・池上・河野を囮にし、彼らが一気に裏を取るシーンがあっても良いと思います。※千葉戦も点差が開いたあとはこの場面が多かったです。

まあ、そうして岡山がラインを下げてくれれば儲けもの。そうすれば山形戦の後半15分あたりのようにアンカー脇を今度はレノファが使えるように成るかと思います。

 

「レノファもプレスをしっかりかけられるか。」

それと二つ目はボール非保持のところですね。

前節大宮戦ではボール非保持でもなかなかファーストディフェンスが決まらない展開が多くなっておりましたが、ここはしっかりと設定をしたい。ここを徹底していたのが千葉だったかなと思います。

千葉は岡山のプレスに対して裏を突くロングボールであったり、サイドチェンジでの矢印を定めさせなかったりとすべてにおいて巧みであったと思いますが、ボールの非保持もしっかりと岡山へプレスをかけてリズムを渡さないようにしていました。

攻撃のところで触れましたが、岡山は3CBのサイドのCBがまずボールを保持する傾向があるように思います。

千葉はまずここをしっかり抑えに来ました。並びはレノファとは違うので割愛しますが、ここからの配球であったり、アンカーやIHの道を遮断、というよりもここを狩場としてショートカウンターを繰り出していきました。

磐田も前半の序盤についてはほぼ一方的な展開に持ち込んでいたのも、このプレスをしっかりかけることで岡山の思うようにボールを運ばせないところが要因であったと思います。

ただ、山形戦などはマンパワーでなんとかしてしまっていたのが岡山のCBなので、大宮戦のようにデュエルでも負けるわけには行きません。

また時々CFの坂本などが中盤に落ちたり、輪笠が最終ラインに落ちることもありますが、過度な深追いは厳禁。結構大事なところを空けがちなレノファの痛いところを突いてきます。その時は群馬の大槻監督の「輪笠がおりてるだけ!」(群馬ー岡山14:40参照)を送りたいと思います。

 

で、この試合の予想フォーメーションはこちら。

岡山についてジュビロ戦のスタメンを予想。もしかしたら群馬戦のように坂本ではなくムークかも。ただ、怪我明けやコロナ(インフル?)の事情もあったようなので直近の試合から選出してます。
このメンツで何が一番困るか。それは左サイドに40番台が多くなり誰が誰だかが判別しにくいこと。

43鈴木の持ち上がりに、42高橋が幅を取って、44仙波がハーフレーンにいて、裏を48坂本が突いて41田部井が中で待つ。

ジュビロ戦は初見殺しですので、チャレンジしたくなった方は是非!

 

で、レノファ側ですが、やはりヘナンの欠場が一番の懸念点。代役は誰か。前貴之を左にして平瀬も考えましたが、沼田をチョイス。起用の理由としては岡山が寄せてくるところを利き足が左足で精度の良い沼田にIHやCFへボールを届けてほしい。多少右サイドの前やボムヨンと空中戦が心もとないところはあるが、彼の左足にここは期待したい。

そしてLWBには野寄を。正直レノファの悩みどころではあるが、岡山のRWB末吉のスピードがやはり怖い。ここはスピードタイプの野寄をあてたい。あわよくば野寄を裏へ走らせ押し込みたい。そうすれば末吉の怖さは半減する。

また、ボランチには大宮戦の後半のコンビに。岡山相手にはもう少し機動力を持たせたい。ということで矢島と成岡。あとはいつもの人たちですかね。

 

岡山と山口に共通しているのが、<序盤の失点で試合を壊してしまうこと>。この悪癖を岡山も持っており、この展開を両チームが恐れて硬い試合になる。。。とは両チームの色を考えると思えないので、やはり一方的に相手ペースにならないためにはレノファとしてはまずしっかりプレスを行い、ボールを持てば相手の矢印をしっかり外す姿を期待したいと思います。

ただ、テンションの高い試合経過になってしまうと不利になるのはレノファ。走り合いをすれば負けます。また、個人的に最も恐れているのは途中から出てくるルカオ。

途中から出てきて、ラグビー選手のようなガタイでもしっかり走るし、ゴリゴリドリブルをしてきます。軽量級が多いレノファにとってはただの天敵。疲弊をしたところでこのフィジカルモンスターが出てきてしまうと。。。得点こそ1点ですが、櫻川ソロモンもそうですが、なかなかレノファとしては組しにくい選手かなと思います。

 

と、注目点をあげてきましたが、どうなりますかね。『中らずと雖も遠からず』くらいがちょうどよさそうですが、果たして。。。

大宮戦ではホントに攻守ともに劣ってしまい、心配な内容ではありましたが、勝利を期待するだけですね。

次のレビューはこれの答え合わせになるかのようにしようかな。と。

 

 

 

では、またレビュー記事も宜しくお願いします。

 

ここまで読んでいただきありがとうございます。