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惜しいかもしれないが得点は1で勝ち点が0の現実 ザスパクサツ群馬vsレノファ山口@正田醤油S 2023年5月7日

3試合連続引き分けで迎えたアウェイ群馬戦。

昨年5ゴールを奪ったスタジアム。この1勝でほぼ残留を勝ち得たことを思い出します。しかし、今節は今のレノファの状況をもろに表したような試合であったと思います。

名塚さんについては別のブログ(また歩き始めればいい)で書きましたので、今回は試合レビューのみになりますが、下記について考えて見たいと思います。

 

1)IHの2人の役割

2)ゴールに迫っていそうだが、そんなときこそ。

 

【得点者】

群馬

15分 北川      61分 五十嵐

76分 武

 

1)IHの2人

今節の対戦相手の群馬はボールの非保持は4-4-2ですが、ボール保持は後ろを3枚にして、両SHの9北川・5川上がサイドに張り、RSB19岡本がボランチよりも高い位置を取ったりと割と自由に動くような形でした。

レノファはこの群馬に対して、高橋が久々に右SBでスタメン。IHには五十嵐と神垣を起用し、LWGは小林が2試合ぶりにスタメンへ復帰しました。

群馬SH川上が縦の突破に特徴のあることもあり、前節スタメンであった石川に代わり守備的な高橋を起用。CF28永倉が川上が上がったところに顔を出したり、アンカー脇を使うように降りてくる動きをするので、この監視役に神垣がボール非保持、群馬のビルドアップ時にはマンツーマンで付いており、群馬対策を考えた選手起用をしていたと思います。

名塚監督のアライバルインタビューであったように「プレスをしっかりかけられるかどうか」というところを選手たちは遂行していったと思います。

5:10あたりで群馬のゴールキックからのビルドアップ。GK21櫛引→LSB36中塩へ。ここで吉岡が河野へ並ぶくらいまで上がり、外誘導でプレスを掛けていきます。そして上述したようにCF28長倉が落ちたところに神垣がチェイスしボールを奪います。この流れからはボールは群馬に渡りますが、再度吉岡が相手陣内でボールを奪還していました。その他にもすぐに7分などのシーンでもプレスが功を奏する場面がありました。

この神垣のマンマークについてはある程度プラスが多かったが、マイナス面も出てきました。例として13:20あたり。群馬のビルドアップは3人のバック+ダブルボランチの2人の形。割とコンパクトにしながら、サイドハーフへボールを散らしていました。

この群馬の5人に対して相手陣内深いところですとレノファの守備陣は4人。人数が足りていないときに神垣が上がれば、群馬のビルドアップに人数を合わせられたかなと思いますが、ここについては神垣は長倉につくことを優先していたので、ボールの出口になっていたCH15風間を空けてしまっていました。プレスに行ききるなら長倉は矢島や前に受け渡して神垣も前からいくのも手であったのかと思います。

残念なことに1失点目はこのプレーで群馬ボールになったところで、長倉がスローインでボールを引き出して、ドリブルでゲイン。押し込まれていたところをLSH5川上にボールが渡り縦の突破からのクロスをあげられてしまったものでした。

警戒していた長倉の動きや川上の突破。クロスに対してレノファの人数は足りていたものの、ゴールを許してしまいました。

神垣の談話で

失点する前の展開のところでちょっとした隙が生まれてしまったのかなとも思いますので、90分間、常に集中力を切らさずにやることが大事ですし、最後は本当に体を張って何が何でもゴールを割らせないという気持ちを見せることも大事だと思います”(引用元:第14節 ザスパクサツ群馬 | レノファ山口FC

とあるように、クロスからのシュートではなく、その前のところからチーム全体で徹底をしていかないといけないのかと思います。名塚さんも「まだ甘い」といっていたのはこういうところではなかったかと思います。2失点目も相手のシュートが見事ではありましたが似たようなことが言えるのではないかと思います。沼田や田中・五十嵐など17山中に渡るまでになんどか潰せそうなところはあったと思います。クロスを上げさせてしまった高橋を責めるのは簡単ですが、その前に解決する方法はあったと思います。

 

攻撃面に目を向けると、概ね今節の神垣・五十嵐のIHのコンビは良かったと思います。ふたりとも相手を引き出す動き、誰かが引き出したときにそこへ入っていく動き、河野が落ちてきた後にそのボールを引き取る動きと精力的にこなしていたと思います。

神垣は大分戦のときもそうでしたが、クロスの際にゴール前まで入っていくなど惜しいシーンも作り出しました。

そして五十嵐は得点を取った以外にも、相手のボランチの脇、背中でボールを受けたり、前でボールにふれることで相手を引き出すなど持ち味を発揮していました。

良かったシーンが続いていたのが、後半に入ってからの47分のシーン。高橋や沼田のSB人も上がりすぎずに、ある程度群馬のSHを引き出そうと低い位置を取っていました。

ヘナンにボールが渡ったところで、群馬がプレスのスイッチを入れます。後半から入ったRSH10佐藤が沼田へのコースを消すようにプレス。ヘナンのパスコースを限定します。CF13武が矢島へのコースを背中で消し、39CH天笠が五十嵐につきます。

ここで五十嵐は沼田へ。天笠がそのまま沼田へ付きコースを限定しますが、天笠が空けたところに河野がいつものように落ちてきて、ボールを引き出します。河野はワンタッチで五十嵐へボールをおとします。受けた五十嵐は佐藤からのプレスをいなし、河野につくためにボールサイドに来ていたCH15風間も股抜きのパスで交わします。

風間が空けた位置にはやはり神垣が入ってきて、大きく吉岡へ展開。吉岡が受けたところで高橋がスピードをあげオーバーラップ。LSB36中塩が2人をケアしようとしたところに五十嵐が入り込みエリア内でシュートを撃ちました。惜しくもGKとポストに阻まれましたが、出てきた相手の背後を取り、後ろから追い越す動きでフォローをしていくなど今季の試合でなかなか見せられなかった。形で群馬ゴールへ迫りました。

得点シーンは五十嵐はトラップが少し流れたと言っていましたが、あれはフロンターレのシュートを練習でよく見る形なので、自信を持ってシュートへ繋げていたと思います。Jリーグ初ゴール本当におめでとう。

 

2)ゴールに迫っていそうだが、そんなときこそ。

ただ、奪えたゴールは1点だけでした。また1点止まりでした。

この試合確かにシュートも打てましたし、ゴールに迫ることも出来ていました。それでも何度か押し込んだところでパスミスなどがあったと思います。

上記にあげた、相手の背後を取る、追い越すことで奥行きを使うなどありましたが、その矢印を全体で前に向けたところでパスがあわない、パスがずれるなどして失ったところも散見されました。

神垣

背後の狙いというところはずっと持っていましたし、そこは出し手と受け手の合わせ方次第ですので、試合の中でももっともっとコミュニケーションを取りながら、そういうところで合わせられれば良かったと思います。

とあるように合わせる作業がも少し精度を高めないといけないとともに、ここでのボールを失ったときに、レノファあるあるではありますが、みんな前かがりになり後ろが手薄でカウンターを打たれる、という問題にも繋がってしまいます。

好事魔多し。良い時間を作れているときだからこそ、締めるところは締めないと結局は「良いサッカーしているのにな」を言われ続けてしまうことになるのかなと、この試合を見て思いました。

 

名塚体制が終わりました。

この試合では特に追い越す動きでしょうか。とても多いな。IHの2人がうまく後ろからのボールを前に繋いでいるな、と前を向きたい内容はあったと思います。

中山監督がどのように名塚さんを継いでいくのか。しっかり見ていきたいと思います。

維新は勝つ場所!徳島戦は勝ち点3です。勝ちましょう!

 

ここまで読んでいただきありがとうございます。

(※文中敬称略)