連敗脱出!。まだまだチームが目指す順位には遠いですが、ズルズル下がる恐れある中、勝ち点3を取れたことを喜びたいですね。
今節は大雨で後半はなかなか自分たちの今までのやり方を出しにくい条件でしたが、試合前の選手たちへの名塚監督の檄にあった「アグレッシブに。最後まで、笛が鳴るまで。戦う。全員で(略)勝ち点3」これをチームで実現をしてくれましたね。
さて、今回は下記について考えていきたいと思います。
1)ヘナンではなく渡部?群馬の狙いを食ってしまった失点シーン。
2)どんどんたくましくなっていく田中渉。
1)
試合後インタビューの群馬大槻監督よりこんな言葉が。
ちょっと相手の位置が想定していたところと若干違うところがあって、前半のうちに修正し切れなかった
これはどのところを指しているのかな?と考えたところ大槻のところを使うこと、佐藤謙や橋本ではなくヘナンが主にボールの配球を行っていたところ、かな?と考えました。
復帰組でスタメンを張ったのが13大槻。
18高木がCFをする場合は時には落ちてきてボールを収める、はたくというプレーも見せていましたが主には裏へ抜ける動きなど奥行きを作るプレーが多かったです。
しかし、大槻が入ることで群馬の最終ラインとボランチの間におちてきてボールを受ける動きができます。例えばヘナンのボール保持で沼田が幅をとり、田中渉がハーフスペースの方へ寄ることで、群馬のRCH15風間を引き、大槻へのコースを作るなどするシーンが何回か見られました。
そしてヘナンについてですが、13:30のところで群馬大槻監督が「入れるとこ~入れるところはっきり~!はい行こう!」とヘナンのボール保持時に声掛けをしていたように、どこに奪いに行くかの設定がちょっと曖昧になっていたため、このような修正をするための指示がでていたのかなと思います。
佐藤謙はビルドアップ時には相手に消されていることが多く、橋本がボールを持てる、捌けるスキルがあるため、橋本を介してのビルドアップが今までの試合多かったと思います。しかしながら前半は割と橋本自身は早々に高い位置へ上がり、後ろは関・渡部・ヘナン・佐藤謙といったように4対2のような形で運べるケースが多く、ミドルゾーンまではすんなりと運ぶことができていました。平松・加藤の両FWも後ろからの連動があまりないこともあり、佐藤謙を消すがその後はどこに誘導するのか、というのに迷いがあったように思います。
ミドルゾーンまで早々に運べたレノファ。ただ、前半の課題はここから。
名塚監督のインタビューであったような
クロスに対する入り方はまだまだだと思います。
というようにクロスはアーリーでGKとCBの間に流し込むようなボールや大外へのクロスなどいくつか形を変えながらクロスを入れるも、残念ながら得点につなげることはできませんでした。
中でも左サイドのコンビネーションでニアゾーンへ侵入する得意の形が何回か出すことはできていたので、沼田や大槻がニアでつぶれてもらい、ファーで高木などがつめるなども良いのかなと思います。結構全員がファーで待っている、止まってボールを待っているシーンなどがあり、あまり群馬には怖がられていないのかなというのが前半でした。後半は沼田がよりフィニッシュをうかがう動きがあったことや、田中渉がニアへのアクションしてましたので、このあたりはハーフタイムで言われたのだと思います。
そして後半に入り雨足がより強くなったため、ビルドアップをこまめにやり直さなくなったこともありましたが、おそらく群馬は渡部にボールを誘導させ、渡部に長いボールを蹴らせようとしていました。
ここまでの20節、割とヘナンにボールを持たせてそこから出てくるボールをひっかけようとするチームの方が多かったと思います。ただ、群馬はこのヘナンからの配球を嫌がったのかなと。29分など群馬RSH奥村が前述した4対2の状況に割って入るようにヘナンへのマークにつきに来ましたが、やはり橋本が気になるのか戻っていくなどどうしようかな、という感じでした。
前半からあったことでしたが、主に山口のゴール前からのビルドアップ時に群馬CF7加藤が渡部へのプレスをする際に、かなり勢いをもって追ってくるシーンが何度かありました。後半の群馬の陣形でいうと、わかりやすく23平松がヘナンにつき、関からの配球が渡部に誘導されているような形でした。
7加藤が佐藤謙へのコースを切りながら前半同様渡部へ横から勢いをもってプレスをかけることで縦へ蹴らせるようにします。芝がぬかるんでいることや加藤が勢いをもってプレスをすることでドリブルやターンでいなすことはリスクになりますし、生駒には山根が付いていますので、渡部が蹴ることができるのは長いボールになります。(48分 57分など)
ただ、群馬はそのボールに対して網を張っているため、前半に比べて山口のビルドアップに対して前向きに構えて守備ができるようになっていきます。そうすることで群馬ペースになっていった後半でした。多少の誤差かもしれませんが、この試合SB裏へのケアや加藤のプレスなどもあり、渡部のボールタッチ位置・ヒートマップはこの数試合に比べても数mサイドへ寄っていました。(※sporteriaさんより引用させていただきました)
そして、そんな状態を見ていたためか、交代で入った池上が渡部からボールを引き出そうと降りてきたところをバチっと取られてしまい、ゴールを奪われたのが64分のことでした。内田がここまでジャンプしてくるのは51分に1度ありましたので、ビルドアップ時に不用意に佐藤謙へボールをつけたら、ここを強く抑えることなど群馬は用意していたのだと思います。
しっかり狙った形の群馬の得点シーンだったと思います。アライバルインタビューでレノファのビルドアップに対して、「佐藤謙を軸にして、CBが持ち運ぶなどしますが、各々の選手がきっちり立ち位置を取ってくるので、試合に応じてどんなことをしてくるのかなということを興味をもって見てます」とおっしゃっており、試合後インタビューでも「(修正点)はビルドアップのところの誘導」とのことでした。前半を分析したうえでの修正での得点。相手ながらにお見事であったと思いました。
話はそれますが、強面の監督さんは結構インタビューで嘘つかないですね。金沢の柳下監督もでしたが、結構インタビューでおっしゃっていることが試合の中で見られるきがしますね。試合後インタビューで「最後のしのぎ」「しのぎが。。。」とレッズ時代の組長ネタだな(笑)と思いながら聞いてしまったことはここだけの内緒です。やはりJ2の監督は面白い。
2)
話をレノファに戻しますが、決勝点のアシストをしたシーンのパスが見事なのはそうなのですが、ヴェルディ戦あたりからの田中渉の逞しさは目を見張るものがあると思います。この試合なんども群馬の最終ラインとボランチの間でボールを受けて、すぐに下げるのではなくターンをして前を向くことが多かったと思います。
この試合でも何度も前を向く作業をしており、ニアゾーンに走る選手を使う、ラストパスを狙う、自らニアゾーンへ入っていくなど常に相手DF陣に対して刀を向け続けるような姿は後半戦もIHの軸になりそうな予感を漂わせていますね。
個人的に好きなシーンは51分のシーン。ビルドアップに関が出しどころに窮し、詰まってしまっていましたが、LCH内田が上述したように佐藤謙を捕まえていたので、その裏が空いており、インサイドに入った生駒に付いていたLSH30山根を山瀬が落ちるふりをしひきつけ、その裏を田中渉が使いボールを受けます。ワンタッチで生駒へつなぐ。その後ボールを引取り、佐藤謙へさばく。一連こぼれ球を拾いすかさずゴール前へ走りこむ沼田へフィード。
沼田が試合後に言っていたように
試合の中でワタルとのコンビネーションがうまく行っている感覚がありました。
自分たちで狙いたい場所・タイミングの共有がおそらくこのあたりくらいからできてきていたのかなと思います。それが最後の決勝点にもつながっていたように僕は思います。
さ、厳しい5月ではありましたが6月はまず1勝!維新で次も勝って連勝して前半戦を終えたいですね。まだまだ5位以下は団子ですし17位だからといって上が見えない位置ではありません。
日付変わって昨日はレノファ会議も行われ、夏ユニも発表され後半戦へ向けて上昇気流に乗りたいところです。維新での連勝を期待しましょう!
ここまで読んでいただきありがとうございます。
(文中敬称略)