レノファを青黒の眼で東京から見るblog

レノファ山口を応援・分析します。

小さな成功体験の積み重ね。レノファ山口vs水戸ホーリーホック@維新 2022年8月20日

待ちに待った勝ち点3!ようやくでしたね。選手一人一人が気持ちを切らさず90分戦い抜いてくれましたね。

前節から続く前のボランチ起用、吉岡のRWB、田中渉のLSH起用など現陣容の最適解がちょっとずつできているのかなという前半の出来でした。打って変わって後半は耐える!という展開の中にも気持ちだったり、ちょっとしたプレイでも水戸を上回ることができたことで勝ち取ることができた勝ち点3だったのかなと思います。

さて、今回は下記について考えていきたいと思います。

1)水戸の前半のファウル数2

2)必死なプレーの積み重なりの末

 

得点者

6分 田中渉

 

1)

アライバルインタビューで水戸の秋葉監督は「流動的な山口に対して受けるのではなく、前からアグレッシブにボールを奪ったら早くゴールに向かいたい」どこかで聞いたことのある言葉が並びますが、そのあとに水戸のスローガンでしょうか「獰猛性」「超攻撃的」を見せたいと仰っていました。

ただ、そのような水戸の姿は出させない前半となりました。

今節は4−4−2ではなく4−2−3−1の布陣であった水戸。

田中のスーパーゴールもあり水戸はとりあえず得点はとらないといけない展開に。ボール非保持時には22土肥がFWの位置まであがり4−4−2のような形。ただ、山形の山田康のときと同じように、そこにはいるけれどもあまり厳しくもなくはっきりもしてないような状態に見えました。そこに20梅田もとりあえずボランチへのコースは切るけども「じゃあ菊地は誰が見るの?」といった場面が散見されました。RSH7曽根田がここまでジャンプする機会もありましたが、間に合わず中途半端に出てしまうだけといった形でした。この試合最もレノファでボールタッチが多かったのが菊地でした。

そんな中、17:55の2菊地から49梅木へのロングボールの際に水戸CB21山田が転倒する場面がありました。このあたりからでしょうか。ちょっとずつ水戸のCBが後ろへ重くなり、梅木と沼田を離す展開が増えました。田中渉の試合後インタビューでもありましたが水戸のCBが一旦は田中につくも、レノファが梅木を使うことで、ディフェンス陣がその展開を嫌って徐々に後ろ重心へと行ってしまっていたかもしれません。

それもあってか、飲水タイム明けの26:50のシーンでは水戸の前線が多少整理され、7曽根田が多少高い位置にいることで、寺門→菊地へのボールにチェイスされてしまいます。菊地は安全にすぐにアバウトに前線へ蹴ります。桑原にはRSB黒石、田中には高岸が付いており、梅木のところでCBが待ちかえまえているかな?と思ったらCBの二人は梅木を捉えておらず。また28:10も相手のボールを自陣の高い位置で奪った流れから、やはり菊地から沼田。ディフレクションはあったもののここも沼田が収めることができました。31分にも繋がらなかったものの6渡部のフィードに対してもだいぶ水戸の最終ラインが低い印象を受けました。ボランチとの距離も空いているため、ここへボールを送り込むことでレノファとしてはあまり手数をかけずに前進をすることができていました。

また、ある程度ビルドアップに時間がかかっても、この日RWBに入った15吉岡が沼田のように裏へのボールへの積極性を見せ、前進に寄与します。LSBタビナスで身長では負けてても、水戸の最終ラインより奥へのロングボールを持ち前のアジリティとテクニックを活かし収めることができたため、より一層水戸の最終ラインは高さを取れない状況になりました。

そしてこの吉岡のRWB起用で恩恵を得た選手の一人がRCB高橋。試合序盤より解説の中島さんが触れられていたとおり、吉岡が中に切れ込むタイミングでしっかりオーバーラップができており、上がるタイミングを取りやすそうでした。

23分の菊地→吉岡→沼田→高橋がクロス。これが最もうまく右サイドが手数をかけないで崩せた場面だったかと思います。クロスの精度は伸び代ですね。直後に前が決定機のクロスをあげているので、次は高橋くんがこれだよ!!

 

水戸のうまくいっていない流れは、攻撃にも影響していました。レノファは5−4−1の形で「4」の沼田、前、佐藤、田中が水戸のビルドアップ時に彼らの間をやぶれせないように立ち、水戸を仕方なく外回りにさせるようにします。水戸はRSH7曽根田らが落ちてくることでこの4人を牽制しますが、曽根田の方は多少嫌な形を作られましたが、22土肥あたりが降りてきても、ただ前の人数が減ったような状態に。梅田の孤立をうんでいました。

この4人の間を割られても、その先の椿には高橋が、梅田には渡部が危なげなく対応。水戸の前線の選手の距離感が遠く、後ろに選手が多い状態でした。

水戸は一度中に差し込みたい、4人のどこかをずらしたい、とあったと思いますが、結果的にゴールに近づいていたのは梅田の裏抜けくらいであり、レノファは水戸の選択肢を削ぐことができていました。

そして水戸のボールの失い方が悪ければ、水戸の行いたいアグレッシブなディフェンスも出させることもさせません。レノファが奪った場所では水戸の選手も少ないので連動したプレスもでないので、レノファのボール保持はほぼ危なげない状態に。また、うまくいっていない水戸は「獰猛性」が出せず、34分の菊地→田中→桑原→梅木→桑原のシーンについては、本来なら田中のところでファウルしてでもここでとめていたと思います。このあたり秋葉監督の激怒にもつながるところかもしれません。

そんなうまくいっていない水戸の状態は表題にも出させていた「水戸の前半のファウル数2」という数字にあられていたのかなと思います。

※大分戦はちゃんとこのあたり水戸は戦ってましたね。「何が何でもリバウンドメンタリティ」を見せていらっしゃいましたね。流石です。

 

2)

後半は人数が少なくなったこともあり、5−3−1で水戸を迎え撃つ、耐える時間が続きました。

ロングボールを収められる梅木、飛び道具になる沼田を残しカウンターの芽を残しつつ、自陣で引くところは引く。などヒリヒリした展開。

梅木→岸田にし一旦プレスを整理。ただ、カウンターが打てなくなりつつあったので、3枚替え。多少高井のフリーダムさが見えてきたら岸田とポジションチェンジをし、その高井の特徴をカウンター局面で出そうとしたりなど名塚監督のなんとかやり切ろうという采配が出ていたと思います。

これは行けそうだなと見えてきたのは僕は83分〜85分のシーンでした。(遅かったですかね 。皆さんどのあたりでしたか?笑)

水戸CF15木下が高井が収めて無理せずバックパスをしたシーンで、このボールに木下は強くプレスをかけますが周りはあまり反応せず。その後も呼応した感じは見られず。その後右サイドに展開されますが、ここは高木が全力疾走の競り合いに勝ちナイスディフェンス。クリアボールに高井はオフサイドとわかっていたと思いますが、相手がもたつくところへファウル気味でも体を張って競っていました。

水戸の気持ちを見せるところ、体をはるところ、精度をあげないといけないところ、例を言えば水戸の交代選手、特にサイドのところでミスがありギアが上がらない。それを尻目にレノファはシュートまではいけませんでしたが、それぞれがプレーをやりきる場面が増え、攻められてはいましたが流れは水戸にはいききっていないと感じました。

気持ちだけでは勝てませんが、この小さな局面での積み重ねが最後まで耐える要因になっていたのではないかと思います。

 

そして今節は高橋くん守備で魅せてましたね。本人も「割り切るところはしっかり割り切って、全員でスライドしたり、スペースを埋めたり、人にも強く行くということを全員で話し合いながら、意識してやっていました。」とある通り、前半に比べ「3」のところを割られてしまうシーンもありました。51分の被決定機、「3」の位置のスライドの矢印をずらされたところ中へ差し込まれて一気にゴール前迫られましたが、桑原だったり高橋だったり、もちろん他の渡部、佐藤なども体を張っていました。ただ、高橋くんの65分だったでしょうか、木下への寄せは良かったです。

自分のポジションではニアゾーンへの侵入する水戸の選手に対してはしっかり吉岡や沼田と連携し侵入を防いでいました。このままあと10試合伸びていってほしいです。

 

さ、あと10試合です。下位との試合があるのでひっくり返される事もあれば、勝ち点を稼ぐこともできる。どうできるかは自分たち次第です。

終わったから言えることではあるのですが、11人対11人での90分はどんな展開だったのだろうか。もしかしたら負けてしまう未来もあったかも。。。というよりも後半レノファはやり方変えただろうか?ずっとロングボールを多用していただろうか?池上が復帰出場したらどんな形にしていたのか。

9月14日の金沢戦を皮切りに始まる現在のレノファよりも下位5チームとの直接対決までに、今日の試合を昇華した姿を見せてもらいたいです。

残念ながら次節は前の欠場は決定しておりますが、田中渉がまたボランチに入るのか、または新加入の成岡くんが入るのか?どんな形であれ、徐々に固まりつつある陣容に+αしどこまで勝点を伸ばせるのか、楽しみにしたいと思います。

ここまで読んでいただきありがとうございます。

※文中敬称略