大分と清水との連戦が終わったときのような、何とも言えない気持ちになった町田・東京ヴェルディとの連戦でした。
試合の立ち上がりのところから相手に上回られ、そのまま失点をし、退場と悪い流れが断ち切れず。
後半もまずは3失点目をしないことに重きを置いたこともあり、かなり硬い試合に。序盤での失点、クロスからの失点、複数得点はおろか得点もあげられず。。。
10試合勝ちなしだったでしょうか。難しい状況が続いてます。酷評する言葉は僕が言わずとも色々な場所に並んでます。ただ、そこに加わっても不毛ですので、今回は下記について考えたいと思います。
1)コメントを深読みしてみよう。
2)ショートカウンターがカギか?後半40分以降の戦い方。
得点者
山口 東京V
なし 7分 河村
17分 深澤
1)コメントを深読みしてみよう。
まずは簡単に試合の振り返りを。
この日のレノファは4-3-3。前節に引き続き生駒がRSBで前がCB。アンカーに矢島。LWGに梅木、RWGに高木が入りました。LWGの梅木は時折中に入ったりするなど、多少の中山色はあれど、なんとなく後期名塚さんの形だったかなと思います。
ただ、フォロワーさんのツイートで情報をいただきまして、FMスマイルウェーブさんの『まるっとレノファ』まるっとレノファ(第185回:2023 05 25) - YouTube 内で試合前に体調不良者が出てしまったという情報がありました(14分、19:50分)。朝の出来事だったようで、選手のやりくり、特に前線のスカッドが難しかったのかなと想像しました。
ちょっとだけ妄想。あくまで個人の見解です。
体調不良者はだれだったのか?明らかにここまで前線の核であった吉岡と河野。(小林はケガと予想)。この2人がそろってベンチからも外れるというのはちょっと考えにくい。しかも3戦目なのでスタメンはないにしてもベンチにはいてもおかしくない。
ということはやはりどちらかの選手、または両方が体調不良であったのではないか
。中山監督が『まるっとレノファ』内で20分くらいのところで、「連戦の中でいろんな選択肢を準備していればよかったが、それよりも選手を(この形に)当てはめることを選んだ」(意訳)と述べてます。
離脱者が一人であればある程度ごまかせると思いますが、複数人であった。そのため連戦ということもあり準備期間がなかったので別の形が用意できてなかった。『前線この並びはなんで?』というのも、苦肉の選択であったのかもしれません。(であれば、まあうまくいかないのもうなずける。うなずいちゃいけんけど)
話をもどして、
対するヴェルディは1年前に味の素スタジアムの城福監督の初陣でこの試合も退場絡みのボロ負けでしたが、それ以上に守備強度の高いチームになっていました。
◎城福監督のコメント
”圧力の掛け方も、ボールの持ち方も、入りから圧倒するような形で、そのとおりのスコアになっていった展開だったと思っています。”(引用元:【公式】山口vs東京Vの試合結果・データ(明治安田生命J2リーグ:2023年5月21日):Jリーグ.jp)
◎河村のコメント
”相手はクロスを上げる瞬間にプレスが弱いという情報が入っていて、「クロスがフリーで上げられるからこそ、中の動きは本当に大切になる」というのはミーティングからも言われていました。”
◎宮原のコメント
”自分のところにボールがこぼれてきたりしていたので、ゲームの入りではチームを勢いづかせるためにも入りの段階からちょっとギアを上げてプレーしました。結果的に早い段階で点を取ることができてよかったです。(中略)
バイロンがタメたときに相手が警戒する感じなので、バイロンには相手が付いてこなければ自分を使ってほしいと言っている”(引用元:2023 明治安田生命J2リーグ 第17節 - レノファ山口FC vs 東京ヴェルディ | 東京ヴェルディ / Tokyo Verdy)
この3人の言葉にこの試合の立ち上がりが詰まっているかと思います。
気温の情報が35.4度とあり、どこまでホントの数字かはわかりませんが、画面越しにかなり暑そうなピッチ状況に見えました。その中で、ヴェルディに選手は開始直後からレノファに対してミドルゾーンで構えつつも、レノファがもたつけば一気にレノファ陣深くまで勢いを出してプレスを掛けてきました。
また、自陣でボールを奪ったところでも出力を上げて縦に早く攻めており、レノファのネガティブトランジションは遅れてしまっており、相手陣での即時奪還は難しいように見えました。
その姿勢というのは試合開始前のコイントスのところからあったようにも思えます。正直なぜかはわからないですが、ヴェルディは前半風上の陣地から、風下の陣地を選択しました。(レノファが風上になることでロングボールを蹴りたくなるような状況にしたかった??)
暑くなり体力が厳しくなる前に、というプランだったのではないかと、予想できるような、試合の入りだったと思います。
ヴェルディの出来があってこその結果ではありますが、中山監督の試合後インタビューでもおっしゃっていましたが、
プレスに行きたかったが、なかなかウイングのふたりのところで高い位置をとるヴェルディのサイドバックを警戒してか前に行けなかったと。池上を前に出してプレスを掛けるようにしたとのことでしたが、5分のあたりでは池上がプレスのスイッチを入れても、他が連動していなかった。このような場面はその後も散見されました。
そして
”自分たちからアクションを起こして奪いに行きたかったですが、プレッシャーを掛けることと連動することが最初にできず、ブロックを敷くようになり、後手を踏んでしまったと思います。後手を踏んだ中でも最後のところで自分たちも人数を掛けないといけなかったですが、その部分でも相手のほうが仕掛けていたということがありました。”
と試合開始のところからプランが崩れていたことが伺えます。
また、ヴェルディRSHバイロン対策について梅木と石川で対応したいという考えを明かしていました。突破力に秀でたバスケスバイロンに対して警戒はしていたようですが、1失点目は宮原の言葉とおり、梅木石川が付いたところで、宮原のオーバーラップに対応できず、河村の言葉とおり中で仕留められてしまいました。
2失点目についてもバイロン、宮原らをサイドに追い込んだように見えて、ボールを中に逃され、森田にニアゾーンを取られました。クロス対応のところもエリア内の選手を捕まえられておらず、マイナスの選手をケアしようとした15前が動いたところを大外の深澤まで通されてしまいました。
その後、寺門の退場がありこの時点ほぼ試合としては終了でした。
「プレスをかけようと思ったが、うまくかけられなかった」そして早々に失点。というのは名塚さんのときと同じ光景。指揮官を変えてもやり方はほぼ変わらないので、当然の帰結ではあったと思いますが、今季早くも三度目の厳しい現実がレノファ山口に突きつけられてしまいました。
15前のコメントの”飛び込むのであれば1対1の対応をしっかりしないといけないですし、ディレイをするのであれば人数を合わせないといけないです。人数を合わせた中でボールにアタックしないと、良いボールを上げられると、自分の高さのところを狙われるという失点も続いています。”
とプレスに行けなかったあとの対処についても言及されており、これは後期霜田さんの・・・と監督退任のブログでも書きましたが、同じ失敗をし続けているのが短い周期で回っているような状況にも思えます。
2)ショートカウンターがカギか?後半40分以降の戦い方。
ここでブログを終えられるような試合でしたし、もっと罵詈雑言並べるほうが良いかもですが、それは僕のやりたいことではないです。では何について考えるか。
まず中山監督と前のコメントを。
中山監督
”後半サイドに追い込んで奪ってからカウンターに行けるような話をハーフタイムでしました。5-3-1の形にしましたが、プレッシャーにスムーズに行かせることと、カウンターを打てるように起点になれる選手を1枚残す。守るところでも、サイドに誘導し、そのサイドから変えさせず、奪ってカウンターに行けるシーンは何度か作りたかったですが、そういう練習は数多くやっているわけではないですので、もう少しというところはありました。(中略)
攻撃のところでも最後の局面までまで行く回数は増えていないと思いますので、もっと増やさないといけない。増やす方法として、全体のディフェンス。高い位置で奪えればショートカウンターの回数、ゴール前に迫れる回数は増えると思いますが、その段階の中で全体の守備の構築をしないといけないと思います。”
前
”ブロックを組んでしまえば、数的不利ではありましたが、今日の後半のように守備からカウンターという回数は減ると思います。
自分たちが攻撃する時間が減ってしまうのはチームスタイルではないです。
前からプレッシャーに行き、奪ってショートカウンター。
それができなければゴールをやらせない守備をする。そこでもあまり上手く連動できずに、相手にスペースを使われて、深い位置に侵入されることが多くあります。守備者として修正していかないといけないです”
後半の5-3-1である程度引きこもってカウンター1発を狙った戦いについては退場してからの割り切った戦いであったとのこと。城福監督の言う<ヴェルディの退場後の試合進め方のまずさ>はあれど、これでやられなかったのは事実。
ただ、やはり後ろに重いため、前に人が割けない、精度が足らないなどで効果的にカウンターを繰り出す場面は作り出せませんでした。
それでも85分から動きます。もう少し早く、、、とは思いましたが、4-3-2(4-4-1?)のような形にして、15前を中盤にあげて、矢島と神垣と組ませました。その形にしたところでスイッチオン。ミドルブロックで構えつつ引くのではなくプレスをしに行く形にしました。
85:50では早速ヴェルディに下げさせて梅木が綱島へプレスへいき、前はCH7森田を抑えて相手のハンドを誘発。86:50もサイドへ追い込み高橋でボールを奪うなど、虚を突いたようなタイミングだった感じで、ヴェルディからボールを高い位置でうばうことができました。
もっともチャンスとなったのは92分。ハーフウェイライン付近でボールを奪い矢島が前線へ。バスケスバイロンにカットはされますが、沼田がすかさず奪い返して梅木のシュート。というところでした。(決めてくれれば空気が変わったんだが・・・)
ゴール期待値自体は完敗なうえに、0.29とこちらの数字は厳しいものですし、ヴェルディの最終盤のゆるみなども鑑みるべきではありますが、なんとかこじ開けようと出力を上げた結果としてゴールへ迫るシーンが出たと思います。
いつも前から行くことはできるわけではありませんし、「プレスに行けなかった・・・」という反省の言葉を試合後に毎回聞くのも忍びない。
やはりメリハリが大事と思います。行くときは行く。行かないときは行かないし、セットディフェンスは前に出るなら空けたところを周りが埋める、ボールを入れさせないところから徹底など整備していくところからかなと思います。
ただ、武器とするところは監督選手ともに口にしている「ショートカウンター」。何度も書いてはいますが、これでビルドアップも~など手を付けても精度はあがりません。1つずつ武器を磨くしかないかと思います。
守備局面のところでしっかりすることで、4局面がうまく回ることになると思います。連戦は終わりましたので、うまくチームでブラッシュアップしていってほしいと思います。
15前がボランチの位置に上がりましたよ!矢島ももう少し前にポジションあげるかもしれませんよ!神垣が中盤の要のようになり始めましたよ!
南極ではありますが、徐々に変わっていることもあります。新監督はよくわかりませんが、チームを信じて応援する以外にはないかと思います。まだ半分も経ってませんし、顔上げて次の試合に臨みましょう。
ここまで読んでいただきありがとうございます。
※文中敬称略